太陽光発電の仕組みは?企業・法人向けにわかりやすく解説|導入メリット・デメリット・導入方法も紹介

2025.8.25

関連キーワード:

  • 太陽光発電
  • 仕組み
太陽光発電の仕組みは?企業・法人向けにわかりやすく解説|導入メリット・デメリット・導入方法も紹介

脱炭素社会の流れや電気料金の高騰を背景に、企業が太陽光発電を導入する動きが加速しています。
しかし「仕組みがよくわからない」「費用対効果は見合うのか?」といった疑問を持つ担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、企業の設備担当・経営企画・総務の方向けに、太陽光発電の仕組み、導入することで得られるメリットとリスク、初期費用や運用コストの実情、投資回収のシミュレーションや節税効果、自己所有・PPA・リースなどの導入方法比較について解説します。
「導入すべきかどうか」を判断する材料として、読み終えるころにはイメージがつかめるはずです。
ぜひ最後までご覧いただき、自社の省エネ・BCP・経費削減に活かしてください。

太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。

初期費用ゼロで、導入時の工事から導入後の運用・メンテナンスまで、ワンストップでおまかせいただけます。

太陽光発電とは?

太陽光発電とは?

太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを電気に変換する発電方式で、再生可能エネルギーを活用した発電方式の一種です。
CO₂を排出せず、枯渇しないエネルギーとして、脱炭素社会の実現に向けて世界中で導入が進められています。

法人企業にとって太陽光発電が注目すべき理由

近年、企業活動においても以下の背景から太陽光発電の注目度が急上昇しています。

  • ●電気料金の高騰によるコスト圧迫
  • ●ESG投資やサプライチェーンからの脱炭素要請
  • ●BCP(事業継続計画)対策としての非常用電源の確保
  • ●再エネ電力調達比率の向上(CDP/RE100/SBTなどへの対応)

「再エネは環境意識の高い企業だけが導入するもの」という時代は終わり、コストやリスク対策の観点でも合理的な選択肢として広がっています。

再生可能エネルギーの中でも扱いやすい理由

太陽光発電は他の再エネ(風力、水力、地熱など)と比べて次の点で導入しやすく、多くの企業に採用されています。

  • ●都市部の屋根や敷地にも設置可能
  • ●発電時に騒音・振動が発生しない
  • ●発電設備の構成が比較的シンプルでメンテナンス性が高い
  • ●蓄電池と組み合わせることでBCP対策にも効果的

PPAやリースを活用すれば初期費用ゼロでもスタート可能な今、企業が太陽光発電を活用しない理由は少なくなってきています。

太陽光発電における住宅用と産業用の違い

太陽光発電には「住宅用」と「産業用」があり、企業が検討すべきは明確に後者です。発電の仕組みは同じですが、設置規模や活用目的、収益構造がまったく異なります。

以下の表は、住宅用と産業用(法人向け)の太陽光発電の違いをまとめたものです。

分類 住宅用 産業用
目的 電気料金の節約
自家消費
余剰売電
電気料金の削減
売電事業
設置場所 一般住宅の屋根 工場や倉庫の屋根
遊休地等
設備容量 10kW未満 10kW以上
売電制度 FIT制度 FIT制度またはFIP制度
初期費用 約100~200万円 数百万円~数億円

企業が太陽光発電を導入する目的は多岐にわたります。
主な目的としては、電力コストの削減(自家消費)、ESG/カーボンニュートラル対応のための脱炭素化、余剰電力による売電収益化、災害時のエネルギー確保(BCP)などです。
特に電気使用量の多い製造業や物流倉庫、オフィスビルでは、費用対効果が高くなるケースも多く、企業戦略の一環として導入する例が増えています。

工場や倉庫の屋根、遊休地等の広大な土地を活用することで設置規模が大きくなり、導入費用は数百万円から数億円におよびます。
さらに、産業用では売電の際に利用できる制度が複数あり、FIT制度の他、FIP制度の対象になる場合もあります。このため、導入する際には制度の違いを把握することも必要です。
つまり、企業が太陽光発電設備を導入する際は、自社の事業形態や電気の使用状況に応じて、適切な規模や機器を選ぶ必要があると覚えておきましょう。

太陽光発電の仕組み

太陽光発電は、建物の屋根や敷地に設置した太陽光パネル(ソーラーパネル)の太陽電池(半導体素子)に光を当てて、光エネルギーを電気エネルギーに変えて発電する仕組みです。

この電気を企業施設内で使えるように、「パワーコンディショナー(パワコン)」が交流に変換。
その後、電力は以下の用途で利用されます。

  • ●工場やオフィスの照明・空調・機械等の稼働(=自家消費)
  • ●蓄電池への充電(夜間・停電時用)
  • ●余剰電力を売却(=売電)

太陽光発電

太陽光パネルの太陽電池は、n型半導体とp型半導体の2種類を積み重ねた構造です。半導体に光が当たると、電気のもとになる小さな粒子が動き出します。

太陽光パネルの太陽電池

太陽光を受けて発生したマイナスの電子は、2つの半導体を電線(導線)でつなぐことでプラスの方向に移動します。太陽光発電は、この電子が移動する性質を利用して電気を取り出す仕組みです。
太陽光パネルで発電された電力は直流のため、パワーコンディショナーという装置で家庭やオフィス等で通常使用する交流に変換されます。そして、そのまま自家消費する、蓄電池に蓄える、または余った電力を売電する等の方法で利用することになります。

法人企業が押さえておきたい発電の構造

企業が太陽光発電を導入する際には、想定外の費用や発電不足を防ぐためにも仕組みの理解が不可欠です。
特に投資対効果を正確に見極めたい総務・経営企画担当者にとって、仕組みを理解しておくことは導入判断の前提になります。
以下が太陽光発電の基本構成です。
太陽光パネル → 太陽光を受けて直流電気をつくる

接続箱 → 複数パネルの電気をまとめて管理

パワーコンディショナー(PCS) → 直流を交流に変換(事業所で使える形へ)

モニタリング装置→ 発電量や消費量、売電状況を可視化

蓄電池(任意) → 余剰電力をため、BCP対策・夜間利用に活用

また、余剰電力を売電する場合は、電力会社の系統と接続(=系統連系)が必要になります。
このプロセスには申請や設備要件が伴うため、専門事業者の支援が重要です。

太陽光発電に必要な機器や費用

太陽光発電に必要な機器は、主に以下のとおりです。

機器 概要 費用の目安
ソーラーパネル(太陽電池モジュール) 太陽光を受けて直流の電力を作り出す装置 8.6万円/kW
パワーコンディショナー(パワコン) 直流電力を交流電力に変換する装置 2.7万円/kW
接続箱 複数のパネルからの電気をまとめてパワーコンディショナーに送る装置 1.6万円/kW
モニタ 発電量や消費量、売電量をリアルタイムで確認するツール
架台 ソーラーパネルを屋根や地面に固定するための支える構造物 3.1万円/kW
蓄電池 余剰の電力等を蓄えて、夜間や発電していないタイミングで供給する装置(必須ではない) 7.6万円/kWh

太陽光発電設備を導入する際に最も重要な機器は、太陽光を受けて直流電力を生み出す 「ソーラーパネル(太陽電池モジュール)」 です。
ソーラーパネルで発電した直流電力は、「パワーコンディショナー(パワコン)」 によって建物内で使用する交流電力に変換されます。複数のパネルを効率よくまとめてパワコンに電気を送るには、「接続箱」 が必要です。
また、システム全体の状態を把握する 「モニタ」 や、ソーラーパネルを安全かつ安定的に設置する 「架台」 も欠かせません。
最近では、夜間の電力利用や停電時のバックアップとして 「蓄電池」 を併設する企業が増えています。蓄電池は必須ではありませんが、災害時に役立つBCP(事業継続計画)や電力の自給自足体制を強化したい企業にとっては有効です。
上記の機器の導入費用に加え、工事費や接続費等が加わるため、初期費用として5,000万円以上かかることも珍しくありません。
太陽光発電設備を導入する際は、機器の役割を理解し、設置する目的や予算に応じた機器構成を検討しましょう
前述したとおり、一般的には太陽光発電システムの導入には高額な初期費用がかかります。しかし、導入方法によっては初期費用ゼロでの導入も可能です。この導入方法については後述します。
BCP(事業継続計画)についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

太陽光発電の導入で重要なのは発電効率

太陽光発電の効率は、「変換効率」 と 「発電効率」 の2つに分かれます。
混同されやすいですが、ソーラーパネルが受けた太陽光を電気エネルギーに変換する割合が 「変換効率」、設置環境や気象条件を含めたうえで効率よく発電できるか、実際に運用した場合の総合的な性能を示す指標が 「発電効率」 です。

  • ●変換効率…太陽光を電気エネルギーに変換する割合
  • ●発電効率…実際に運用した場合に電力へ変換される割合

変換効率が高いソーラーパネルでも、設置角度が適切でなく、建物の影や積雪の影響を受けやすい環境であれば、期待通りの発電量は得られません。
つまり、ソーラーパネルの性能である 「変換効率」 に加えて、立地や設置環境等も加味した 「発電効率」 を確認することが重要です。太陽光発電設備を導入する際は、発電効率を意識して機器や設置場所を選定しましょう。
発電効率や変換効率についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

太陽光発電を導入するメリット

太陽光発電は、以下のようなメリットが得られるため、企業での導入が進んでいます。

  • ●電気料金を削減できる
  • ●電気料金高騰の影響を受けにくい
  • ●CO₂排出量の削減に寄与できる
  • ●災害時にエネルギーを確保できる
  • ●余剰電力の売電収入を得られる

上記を順番に解説します。

メリット①電気料金を削減できる

太陽光発電導入による最大のメリットは、電気料金の削減が期待できることです。
以下の表は、自家消費用にオンサイトPPAという方法(第三者にパネルを設置してもらい、使った電気料金を支払う方法)で太陽光発電を設置した場合にかかる1kWhあたりのコストと、通常の電気料金の目安を比較したものです。

コストの種類 太陽光発電 通常の電気料金(高圧)
発電コスト 12~15円 22円
(燃料費調整額を含む)
小売コスト なし
託送料 なし
合計 12~15円 22円+再エネ賦課金

オンサイトPPAの太陽光発電は発電した電気を直接使うため、電力を送る送電線の利用料金や、小売電気事業者の電気料金に含まれる再エネ賦課金が発生しません。そのため、通常の電気料金よりも安くなるのが一般的です。
日射量や太陽光パネルの面積等により効果が左右されるため、コストは確定できませんが、小売りの手数料や託送料、再エネ賦課金等が不要で、太陽光発電の導入にはメリットがあると考えてください。
「太陽光発電 10秒シミュレーション」 では、太陽光発電の導入によってどの程度の電気料金を削減できるか簡易的に試算できます。ぜひお試しください。

メリット②電気料金高騰の影響を受けない

電気料金の単価は、燃料費の高止まりと再エネ賦課金の変動によって全体的に上昇傾向にあります。
以下の表は、2010~2023年までの産業用の電気料金の動向をまとめたものです。

年度 産業電灯平均高
2010年 14.33円/kWh
2011年 15.32円/kWh
2012年 16.50円/kWh
2013年 18.38円/kWh
2014年 20.31円/kWh
2015年 18.93円/kWh
2016年 17.47円/kWh
2017年 18.45円/kWh
2018年 19.34円/kWh
2019年 19.26円/kWh
2020年 17.76円/kWh
2021年 19.28円/kWh
2022年 27.55円/kWh
2023年 24.89円/kWh

昨今の燃料費の高騰により、電気料金は上昇傾向にあります。
そこで、太陽光発電を導入し、自社で発電した電気を使用することで、電力会社からの購入電力量を削減できます。その結果、電気料金の高騰による影響を受けにくくなり、料金変動のリスクを抑えることが可能です。

メリット③CO₂排出量の削減に寄与できる

近年、温暖化防止を目的とした脱炭素化の取り組みが注目されており、重要な対策として再生可能エネルギーの導入が進められています。
2050年のカーボンニュートラル実現を掲げる日本政府は、2025年2月に、2035年度までに温室効果ガスの60%削減(2013年度比)を目指すと決めました。
こうした背景から、投資家や消費者も、脱炭素を進める企業を評価する傾向にあります。そのため、「RE100」、「SBTi」 等の協議体に参加する企業が日本でも急拡大している状況です。
例えば、「RE100」 は、加盟した企業が事業活動で使用する電力を2030年までに100%再生可能エネルギーで賄うことが目標です。「SBTi」 への参加は、企業がCO₂排出量と削減目標への対策や進捗状況を報告、開示する義務を負います。
また、イギリスで設立された非営利団体 「CDP」 は、企業の環境に関する回答結果により企業を評価、スコア付けしたものをサイトで公開しています。
「RE100」 や 「SBTi」 に加盟して活動することや 「CDP」 で高評価を得ることは、環境に対する意識が高いと投資家等からの評価を高め、ビジネスチャンスにも結び付きます。

メリット④災害時に独自のエネルギーを確保できる

地震や大雨等の災害は停電を招き、次のようなトラブルを引き起こすおそれがあります。

  • ●エレベーターの停止
  • ●厨房設備や給水設備の停止
  • ●空調や照明設備の停止
  • ●情報機器の使用不可

自らの発電設備がない場合、停電が解消されるまで事業活動は困難です。
一方、太陽光発電と蓄電池を導入していれば、非常時に独自の電源として対応可能です。もちろん、平時には電気料金の削減やCO₂削減に役立てることができます。また、企業によっては地域の防災体制に貢献できる可能性があります。

メリット⑤余剰電力の売電収入を得られる

太陽光発電による電力は、以下のような利用方法があります。

  • ●自家消費
  • ●蓄電
  • ●売電

自家消費は自社の工場やオフィスで電気を使う方法です。電力会社からの購入電力量を減らせるため、電気料金の削減につながります。
蓄電は蓄電池に電力を蓄えておく方法です。蓄えた電力は、太陽光パネルが発電できない夕方から夜間等に利用できます。
売電は自家消費しきれなかった余剰電力を電力会社に売却する方法です。発電した電力を無駄にすることなく、売電収入を得ることができます。
また、日本では 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」 や 「FIP制度」 が設けられています。これらの制度を利用して太陽光発電を導入する際、ある程度の売電収益を事前に予測し、予算や収益計画に組み込むことが可能です。制度の詳細は後述します。

FIT・FIPについて

FIT(固定価格買取制度)とは、再生可能エネルギーで発電された電力を、国が定めた価格で電力会社が一定期間にわたり買い取る制度です。
2012年に導入され、再生可能エネルギーの普及促進に大きく貢献しました。発電事業者にとっては、売電価格が保証されるため、安定した収益が見込めるメリットがあります。
一方、FIP(フィード・イン・プレミアム)制度は、2022年に開始された新たな制度です。発電した電力は市場等で販売する必要がありますが、市場価格に一定の 「プレミアム(補助金)」 が上乗せされる仕組みです。
市場価格によって収益が変動し、発電事業者は自ら販売戦略や需給調整への対応が求められます。
FIPの導入は、FIT制度による賦課金の負担増加や市場等による価格調整が機能しにくい等の課題を解消することが目的です。
FITとFIPは、それぞれの時代背景と目的に応じて設計された制度で、持続可能な脱炭素社会の実現に向けて重要な役割を担っています。
FITやFIPについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

太陽光発電を導入する際の注意点

太陽光発電の導入の際にはメリットだけでなく、以下の注意点があります。

  • ●一定の初期費用がかかる
  • ●メンテナンスのコストや手間がかかる
  • ●一定の設置スペースが必要
  • ●発電量は設置場所や天気に左右される

順番に解説します。

注意点①一定の初期費用がかかる

自己所有で太陽光発電を導入する場合、設備や規模によって異なりますが、1kWあたり24万円前後の初期費用がかかります
一方、初期費用ゼロで導入できる方法もあります。「PPAモデル」 と呼ばれる仕組みでは、発電量(=自家消費量)に応じたサービス料金を毎月支払います。初期費用が不要で、従来の電気料金と比較して費用対効果が見えやすい点がメリットです。

太陽光発電の発電コストや導入費用についてより詳しく知りたい方は、以下もあわせてご覧ください。

注意点②メンテナンスのコストや手間がかかる

太陽光発電のパネルや設備は、設置したら終わりではありません。設置場所等により費用は変わりますが、メンテナンスのコストが発生します。
例えば、10kWの太陽光発電設備を地上に設置した場合、平均で年間5万円程度のメンテナンスコストが20~30年続きます。また、自己所有では、メンテナンス時期の管理や工事業者への修理依頼等の手間がかかります。
一方、PPAモデルは自己所有と異なり、自社でメンテナンス・管理のコストや手間が発生しません。工事から運用、メンテナンスまで、エネルギーサービス事業者がワンストップで行います。

注意点③一定の設置スペースが必要

企業が太陽光発電設備を設置する場合、コストメリットを得るためにも一定のスペースが必要です。例えば、関西電力の太陽光発電オンサイトサービスでは、目安として設置場所が900㎡以上(バスケットボールのコート約2面分)であれば、コストメリットが期待できます。
設置場所は建物の屋根、空き地、カーポート等が一般的です。特に折板屋根は工事が容易で、比較的安価に太陽光発電設備を設置できます。
設置スペースが大きいほど多くの太陽光パネルを設置でき、発電量が増加します。その結果、費用単価(発電量1kWhあたりの太陽光発電の導入費用)が安くなります。
しかし、メンテナンスや管理の手間がかかるため、大規模で導入する場合はPPAの活用がおすすめです。

自社でコストメリットが出るかどうかは、「太陽光発電 10秒シミュレーション」 で試算してみてください。

注意点④発電量は設置場所や天候に左右される

太陽光発電では太陽光を受けて発電するため、太陽が長く当たるほど発電量が増加します。理想的な設置条件は、南向き、傾斜角30度とされますが、最近では東西向き等さまざまな設置方法も見られます。
しかし、すべての企業がこのような設置条件を備えているわけではなく、太陽が出ない雨の日や夜間には発電できないという制約もあります。
その結果、電気料金の削減効果や売電収入が期待を下回る可能性もあるでしょう。
太陽光発電のメリットや導入のデメリットについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

太陽光発電導入の課題を解決する方法は?

初期費用やメンテナンスコスト等の課題を解決する方法として、PPA(Power Purchase Agreement)や補助金の利用等があります。

  • ●PPAを利用する(後述のリースも同様)
  • ●補助金を利用する

PPAとは、エネルギーサービス事業者と契約を結んで太陽光発電設備を設置してもらう導入方法です。自己所有と違い、需要家の企業が太陽光発電設備を購入・所有・管理する必要はありません。メンテナンスも事業者が行うため、追加でメンテナンス費用や手間はかかりません。
また、補助金制度を利用する方法もあります。国や一部の地方自治体では、産業用太陽光発電の導入にあたり、自家消費率や発電出力等の条件を満たした場合に補助金が交付されます。詳しくは各自治体のサイトをご確認ください。

企業が太陽光発電設備を導入する3つの方法

企業が太陽光発電設備を導入する方法は次の3つです。

導入の種類 概要 初期費用 管理・維持
自己所有型 太陽光発電設備を自社で設置して電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 必要 自社で行う
PPAモデル 事業者と契約を結んで太陽光発電設備を設置してもらい、割安で電気を購入する方法 不要 事業者が行う
リース型 太陽光発電設備をリースで導入し、電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 不要 事業者が行う
(事業者・契約によります)

自己所有

自己所有は、自社で太陽光発電設備を購入し、メンテナンスや管理までを行う導入方法です。

メリット
  • ●全体として投資回収効率が良い
  • ●処分や交換を自社でコントロールできる
  • ●自家消費しなかった電力を売電できる
デメリット
  • ●初期費用が大きい
  • ●財務指標への影響が大きい
  • ●維持管理やメンテナンスのコストや手間がかかる
  • ●故障時は費用がかかるため、予算を確保する必要がある

自己所有の場合、他の導入方法と異なり、サービス料(PPA事業者やリース会社に支払う費用)がかからないため、基本的に投資回収効率が良くなります。
また、自社で所有するため、処分や交換を自由に行うことができ、余剰電力を売電する事業者を自由に選ぶことも可能です。
一方、自己所有の場合は初期費用が大きな課題として挙げられます。一定の出費が財務指標に影響を及ぼし、維持管理やメンテナンスのコスト・手間を自社で負担する必要があります。

PPA

PPA(Power Purchase Agreement)とは、エネルギーサービス事業者と契約を結び、太陽光発電設備を設置してもらう導入方法です。

メリット
  • ●初期費用がかからない
  • ●維持管理やメンテナンスのコストや手間が発生しない
デメリット
  • ●自由に交換や処分ができない
  • ●基本的に長期契約

PPAは、企業が保有する施設の屋根や遊休地に、事業者によって太陽光発電設備を設置してもらうやり方です。導入した企業は、設置した太陽光発電設備で発電した電力を割安で購入できるため、電気料金の削減につながります。
初期費用がかからず、維持管理やメンテナンスのコストや手間が発生しません。
ただし、PPAで導入した太陽光発電設備を企業が交換や処分する権利はなく、サービスにもよりますが、契約期間は通常約20年と長くなります。
PPAにはオンサイトPPAとオフサイトPPAの2種類があるため、あわせて理解しておきましょう。

オンサイトPPA 太陽光発電の設置場所 : 企業の敷地
オフサイトPPA 太陽光発電の設置場所 : 企業の敷地

PPAモデルについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

オンサイトPPA

オンサイトPPAとは、企業の敷地内に事業者が太陽光発電設備を設置し、所有や維持管理するタイプで、PPAの基本的なモデルです。
安価である一方で、屋根や土地等、自社の敷地内に太陽光発電設備を設置する場所が必要です。

オンサイトモデルについてより詳しく知りたい方は、以下もあわせてご覧ください。

オフサイトPPA

オフサイトPPAは、需要家の企業の敷地の 「外」 にPPA事業者が太陽光発電設備を設置し、発電された電気を需要家の企業が使用するモデルです。
太陽光発電設備を設置できるだけのスペースを持っていない企業でも、太陽光発電設備を導入できる方法で、設置場所も事業者が用意します。費用はオフサイトPPAに比べて高くなります。

オフサイトモデルについてより詳しく知りたい方は、以下もあわせてご覧ください。

リース

事業者と契約して、太陽光発電システムをリースする導入方法です。

メリット
  • ●初期費用がかからない
  • ●事業者によっては、維持管理やメンテナンスのコストや手間が発生しない
デメリット
  • ●自由に交換や処分ができない
  • ●長期契約が多い
  • ●発電がない場合でもリース料が発生する可能性がある

リース事業者にもよりますが、PPAと同様に初期費用がかからず、維持管理やメンテナンスのコストや手間が発生しない等のメリットがあります。

ただし、原則として使用した分の電気料金を支払うPPAとは異なり、天候により発電がない場合でもリース料が発生することがあるため、電気料金の削減につながらない可能性もあります。

太陽光発電の普及率

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の 「太陽光発電戦略2025について」 によれば、「世界の太陽光発電導入量の推移」 において日本は4位に位置しています。1位の中国とは圧倒的な差があり、2位のアメリカに比べると半分程度、3位のインドとは僅差です※1
一方、日本の太陽光発電の設置容量は、平地面積当たりで見ると5.08GW/万km2で、主要国のなかで最も多いです。
また、経済産業省資源エネルギー庁の 「太陽光発電について」 によると、2019~2023年度までの産業用太陽光発電導入量は以下のとおりです※2

年度 年間の導入量
2019年度 4,878MW
2020年度 4,999MW
2021年度 3,731MW
2022年度 3,545MW
2023年度 2,063MW

このデータから、日本の産業用太陽光発電の導入量は年々減少傾向にあることがわかります。その要因のひとつとして、設置可能な場所の減少等が挙げられます。
このため、屋根やカーポートに設置するオンサイトPPAや、敷地外に設置するオフサイトPPAは、普及率を上げる方法として期待されています。

太陽光発電の普及率についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

太陽光発電を導入するなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電設備を導入可能なオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。
関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスまでをワンストップで行うサービスです。発電した電気をお客さまが利用し、契約期間は20年ほどです※1
太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※2。月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、割引プランの適用で節約も可能です。
また、オプションで余剰電力の売電も選べます。休日や就業時間後の電力使用量が少なくなるタイミングで余った余剰電力を売電すると、電気料金のさらなる削減効果を得ることが可能です
関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。
「割引プラン」 や、補助金の申請をサポートする 「補助金サポート」 等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3
ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」をご検討ください。

  • 途中解約には違約金が発生します。
  • 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
  • 割引プランは、補助金との併用はできません。
  • 一部、電気工事等の費用が必要な場合があります。

太陽光発電はメリットが多い再生可能エネルギーによる発電方法

太陽光発電は太陽光エネルギーを用いた発電方法です。太陽光パネルに光が当たると電気の元になる小さな粒子が動き出し、電気が発生する仕組みを利用しています。
電気料金の削減や非常時の電源確保等、メリットの多い発電方法なので、企業でも活用を考えてみてください。
関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電設備を導入できるオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」や設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」等を提供しています。
太陽光発電の導入に興味がある企業の担当者さまは、ご相談ください。

太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。

初期費用ゼロで、導入時の工事から導入後の運用・メンテナンスまで、ワンストップでおまかせいただけます。

北村 和也(きたむら かずや)

監修者 北村 和也(きたむら かずや)

日本再生可能エネルギー総合研究所 代表/株式会社日本再生エネリンク 代表取締役/地域活性エネルギーリンク協議会 代表理事/埼玉大学社会変革研究センター・脱炭素推進部門 客員教授

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。民放テレビ局にて、報道取材、環境関連番組等制作し、1998年よりドイツ留学。その後、研究所等を設立。

◎主たる活動:

  • ・再生エネ普及のための情報収集と発信
  • ・再生エネ、脱炭素化等の民間企業へのコンサルティング、自治体のアドバイザー
  • ・地域での経済循環、活性化のサポート
  • ・エネルギージャーナリストとして、講演、セミナー、各種の執筆

サービス概要資料

太陽光発電オンサイトサービス

自家消費型太陽光発電で電気料金とCO₂を削減。「太陽光発電オンサイトサービス」 の概要をご紹介します。

資料の一部をご紹介

  • 太陽光発電オンサイトサービスとは
  • サービスの特徴
  • ご提案事例

資料ダウンロードフォーム

■個人情報の取扱いについて

◇個人情報の利用目的

弊社では、「個人情報保護方針」内の 「個人情報の利用目的」 および 「弊社が開催するセミナーの案内、弊社と提携する他社のセミナーの案内を行うために必要な範囲内で個人情報を利用いたします。

◇広告・宣伝メールの送信

弊社は、お申込フォームで入力いただいたメールアドレスあてに、広告・宣伝メール(「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」 に定める 「特定電子メール」 を指します。)を送信することがあります。また、お客さまから申し出により、速やかに配信を停止します。