海外での豊富な施工・運用実績を評価。
タイの工場で大規模太陽光発電導入を実現しました。

クリーンエネルギーでCO2排出量の大幅削減が可能に

世界トップクラスのアルミニウム総合メーカーUACJグループの東南アジアの生産拠点として、タイに大規模な板圧延工場を構えるUACJ (Thailand) Co., Ltd.さま。ラヨン製造所では、飲料缶、自動車用部材、エレクトロ機器の部材などに用いられるアルミニウム板材を生産し、アジアを中心に世界26カ国に供給されています。急拡大するアルミニウム素材の需要に応え、アジアの産業発展の一翼を担うとともに、環境負荷低減への貢献にも尽力されているUACJ (Thailand) Co., Ltd.さまが、今回、ラヨン製造所に 「太陽光発電オンサイトサービス」 を導入された経緯を社長の稲垣公樹さまに伺いました。

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UACJ (Thailand) Co., Ltd.さま 「太陽光発電オンサイトサービス」 導入の決め手

  1. CO2排出量の大幅削減
  2. 豊富な実績に裏付けられた安全な施工・運用
  3. 初期投資が不要

アルミニウムのリサイクル促進に加え、さらなる環境負荷低減を検討

社長
稲垣 公樹さま

世界全体で脱炭素・脱CO2の流れが加速する中、UACJグループもこれらを地球の持続可能性に関わる重要課題の一つと捉え、日本のみならずグローバルにCO2削減や省エネルギーに力を尽くしています。当社もUACJグループの一員として、これまで環境負荷の軽減に努めてきました。リサイクル原料の利用もその一つです。アルミニウムは極めてリサイクル性の高い素材です。当社は使用済みの飲料缶などのリサイクル原料を積極的に再利用することで、資源の有効利用により、エネルギー・CO2排出量削減に寄与しています。
こうした製品のライフサイクルを通じた貢献に加えて、さらなる環境負荷低減に取り組む必要性を感じていたとき、従来から取引のあるK-ESTさんに 「太陽光発電オンサイトサービス」 を提案されました。

※関西電力の100%子会社である「関西エナジーソリューションズ タイランド」の略称

施工・運用を任せられる安心感、初期費用不要が決め手

太陽光発電に魅力を感じた一番の理由は、発電した電気を自家消費することで、CO2排出量を大幅に削減できることでした。赤道に近く、熱帯性気候に属するタイは、雨季の数ヶ月を除けば太陽が燦々と降り注ぎ、太陽光発電に非常に適しています。とりわけラヨン製造所に導入を計画したのは、屋根置きタイプでは世界的にも大規模な太陽光発電システムで、太陽光パネルの設置面積は約8万7000㎡に及ぶためです。大規模な発電によって大きくエネルギー使用量を削減できる点は、他の省エネ努力ではできないメリットだと考えました。
複数の企業から提案を受けた中でK-ESTさんを選んだポイントは、その実績の豊富さにあります。世界屈指の規模の太陽光発電システムを設置するにあたり、最も懸念したのは施工・運用の安全性です。K-ESTさんは、タイ国内でこれまで太陽光発電を設置・運用してきた経験をお持ちであることに加え、親会社である関西電力さんも、日本で多数の実績を重ねられています。何より日本有数のエネルギー供給大手で、エネルギーの 「プロ」 である同社なら、設置工事から設備の運用・管理まで、信頼して任せられると思いました。
特にタイに拠点を置くK-ESTさんは、現地の系統電力や官公庁などにも精通しています。系統電力からの切り替えや各種手続きなど、工事以外の煩雑な業務も含めて一切を任せられる点も高く評価しました。
もう一つ決め手になったのが、初期投資不要で導入できる点です。今回ほど大規模な太陽光発電設備を設置するには、莫大な初期費用がかかります。K-ESTさんの 「太陽光発電オンサイトサービス」 なら、そうした負担を考慮に入れることなく工場の稼働に不可欠なユーティリティ設備を充実させたうえで、生産設備などの事業成長につながる投資に集中できます。加えて設備の管理やメンテナンスを任せられるのも、このサービスのメリットです。海外でもし設備に不備が生じた場合、日本国内以上に点検や修理は非常に困難ですが、そうした心配も無用です。総じて他にはない安心感を得られたことから、本サービスの導入を決めました。

※1 2021年6月8日時点。関西電力株式会社調べ

大規模工事も安全、迅速に完遂

工事期間は約7ヵ月。綿密な計画と施工管理のもと、あれほど大規模な設置工事を事故やトラブルなく完遂してくださったことに安堵するとともに、やはりK-ESTさんに任せて良かったと心から思いました。豊富な経験と知見をお持ちのK-ESTさんがすぐ駆けつけられる距離にいて、細かい点まで相談でき、意見を擦り合わせられたことも、施工がスムーズに進んだ理由の一つです。少しでも早く稼働させたいという当社の要請に応え、かなりの急ピッチで工事や各種手続きを進められたのも、K-ESTさんだからこそだと感謝しています。

エネルギーのプロとして今後のサポートにも期待

本格運用を開始後、発電電力量は年間25GWh、約1万4000トン※2のC02排出量削減を見込んでいます。これによってラヨン製造所のCO2年間総排出量をおよそ6%も低減できる計算になり、環境負荷低減に向け、大きく前進できると考えています。
また、タイでも電気料金が高騰する昨今、K-ESTさんから電力供給を受けることで、現地の系統電力を利用するよりも電気料金を抑え、エネルギーコストを削減できます。計画通りに発電していけるよう、今後の運用や設備管理面でも期待しています。
当社はUACJグループの生産拠点として2022年8月、「国際アルミニウムイニシアチブ(ASI)」 ※3の認証を取得しました。この認証は、企業統治・環境・社会的責任についての持続可能性や透明性を高め、加工・流通過程までの持続的な開発を実現するためのものです。ラヨン製造所の太陽光発電システムも、その力強い一手になると考えています。
今後も環境負荷低減に向けて、継続的な取り組みが必要です。K-ESTさんは、省エネコンサルティングや環境認証の取得など多様なサービスをお持ちです。これからも当社のエネルギーを管理するだけでなく、「プロの目」 でエネルギーに関する課題解決をサポートしていただきたいと願っています。

※2 タイ政府公表値 CO2排出係数(0.566kg - CO2/kWh)を使用して算出

※3 国際アルミニウムイニシアチブ 「Aluminium Stewardship Initiative(ASI)」 :グローバルな非営利の標準化及び認証を実施する団体で、アルミニウムのバリューチェーンにおける製造者、ユーザーおよびステークホルダーを一つにまとめ、持続可能な社会へのアルミニウムの貢献を最大化するために活動している。

サービス概要

サービスの概要

担当者のコメント

K-EST
(Kansai Energy Solutions
(Thailand) co., Ltd.)
矢木 General Manager

設備容量が18.2MWを誇る屋根置き自家消費型太陽光発電設備の設計・施工を担当させていただき、計画時は本当に身の引き締まる思いでした。工事において弊社が最も重要視することは、安全の確保です。UACJ (Thailand) Co., Ltd.さまと定期的に進捗や施工状況を共有させていただきながら、7ヶ月の工事期間を無事故・無災害で、かつ納期通りに完了することができました。 今後はお客さまのご期待通りのCO2削減量を達成すべく、適切な設備の運用・保全を実施していきます。加えて、弊社のエネルギーに関する知見を活かすことで、お客さまのエネルギー使用量の削減に努めて参ります。

本プロジェクト紹介動画

UACJ (Thailand) Co., Ltd.さま
住所
Amata City Industrial Estate 7/352 Moo 6, Tambol Mabyangporn, Amphur Pluakdaeng, Rayong Province 21140, Thailand
H P
http://uath.uacj-group.com/

UACJは、2013年10月、古河スカイ(株)と住友軽金属工業(株)の経営統合によって誕生。日本随一、世界でも有数の規模の総合アルミニウムメーカーとなった。板材から押出品、箔、鋳物、鋳造品など用途に応じて多様な加工が可能な設備・技術を保有し、世界屈指の生産力を誇る。UACJグループの中でアジアの基幹工場に位置付けられているUACJ (Thailand) Co., Ltd.のラヨン製造所は、板圧延一貫生産工場として年間32万トンを超えるアルミニウム材を供給。品質と価格の両面で他を圧倒する競争力を発揮している。

*掲載の情報は2022年11月のものです。
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