非FITとは?企業が知っておきたい基礎知識やFITとの違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説!

2025.7.15

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非FITとは?企業が知っておきたい基礎知識やFITとの違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説!

近年、電気料金の高騰やカーボンニュートラルの取り組みにより、非FITが企業の間で注目を集めています。しかし、「非FITとはそもそも何か」「FITと何が違うのか」「自社に取り入れるべきか」 と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、非FITの基礎知識やFITとの違い、非FITの活用に必要な非化石証書、導入する際のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。「非FIT電気」 や 「非FIT太陽光発電」 に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。

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非FITとは?

非FITとは、FIT(固定価格買取制度)の適用を受けていない再生可能エネルギー発電設備のことで、「Non-FIT」 と呼ばれることもあります。

具体的には、FIT制度の適用を受けず太陽光発電を行う場合、その発電方法を 「非FIT太陽光発電」、発電された電気を 「非FIT電気」 と呼びます。

非FIT電気は、自社の電力をまかなう自家消費や、市場価格に応じて電気を売却する売電等の方法で運用されます。

FITと非FITの違い

FITと非FITの最大の違いは、FIT制度(固定価格買取制度)を利用しているかどうかです。

FIT制度とは、太陽光や風力等の再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定める価格で一定期間、電力会社が買い取ることを義務付けた仕組みを指します。再生可能エネルギーの普及を目的に導入された制度であり、電気事業者が買取に要した費用は、「再エネ賦課金」 として使用電力に応じて国民が負担しています。

そのため、二酸化炭素の排出抑制・省エネといった環境価値が国民に帰属することから、FIT電気(企業が太陽光発電等で発電しFITで売電した電気)自体に環境価値は付与されず、「100%再生可能エネルギー」 とはみなされません。

一方、非FIT電気には再エネ賦課金がかからないため、100%再生可能エネルギーとして価値を持つことが特徴です。

FIT制度についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

非FIT電気が企業から注目される理由

非FIT電気が企業から注目される理由

非FIT電気が企業に注目される主な理由は以下のとおりです。

  • ●電気料金高騰への対策
  • ●カーボンニュートラルに向けた取り組み

それぞれ詳しく解説します。

電気料金高騰への対策

近年、燃料価格の高騰や国際的な社会情勢により、電気料金が上がっています。

非FITの太陽光発電を自社に導入して、発電した電気を自家消費すれば、電力会社からの購入量を減らして電気料金の削減が可能です。

そのため、非FIT電気を活用して電気料金を抑える取り組みを行っている企業もあり、非FIT電気に注目が集まっています。

カーボンニュートラルに向けた取り組み

非FIT電気は、「カーボンニュートラル」 への取り組みとしても注目されています。カーボンニュートラルとは、CO₂の排出量を実質ゼロにする取り組みです。

前述したとおり、非FIT電気は100%再生可能エネルギーとして扱われるため、CO₂の排出がゼロの電力として評価されています。そのため、企業が掲げる脱炭素化の目標や、ESG経営に向けた取り組みを後押しする手段として注目されています。

企業のカーボンニュートラルについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

非FITの活用に必要な「非化石証書」とは?

非FITを環境経営やカーボンニュートラルに活用するために欠かせないのが、「非化石証書」 です。非化石証書とは、電気の持つ環境価値を見える化したもので、電気そのものと切り離して取引されます。

非化石証書を購入すると、「非化石電源(CO₂を出さない電源)で発電された電力を使用している」 という証明が可能です。

非化石証書には以下の3種類があります。

  • ●FIT非化石証書(再エネ指定あり)
  • ●非FIT非化石証書(再エネ指定あり)
  • ●非FIT非化石証書(再エネ指定なし)

基本的に一般企業はFIT非化石証書のみ購入可能ですが、一定の条件を満たす場合は非FIT非化石証書(再エネ指定あり)も購入可能です。

非化石証書についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

非FIT電気を導入するメリット

企業が非FIT電気を導入する主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • ●企業の価値を高められる
  • ●電気料金を削減できる
  • ●FITよりも高く売電できる可能性がある

それぞれのメリットを詳しく解説します。

企業の価値を高められる

非FIT電気は100%再生可能エネルギーとして扱われるため、導入すると企業の環境的な価値を高められます。

また、環境活動の一環として「RE100」や「再エネ100宣言RE Action」に参加すれば、より環境問題に真摯に向き合う姿勢を示せます。RE100、再エネ100宣言RE Actionとは、企業活動で使う電力を100%再生可能エネルギーにすることを目的とした枠組みです。

取引先や消費者に対して環境問題に取り組んでいることをアピールできれば、企業の魅力や価値の向上につながるでしょう。

電気料金を削減できる

前述のとおり、自社に非FITの太陽光パネルを設置して発電した電気を自家消費すれば、電気料金の削減が可能です。自家消費であれば商用電力に依存しないため、電気料金の変動リスクを減らせます。

実際に非FIT太陽光発電を導入した企業のなかには、導入前と比べて購入電力量を約15%削減できた事例もあります。

電気料金の削減方法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

FITよりも高い価格で売電できる可能性がある

非FIT太陽光発電で発電した電気は、FITよりも高い価格で売れる可能性があります。FIT制度は、電力会社が一定の期間、固定価格で電気を買い取る制度ですが、売電価格は年々下がっています。

例えば、2012年に1kWhあたり40円前後だった太陽光発電の売電価格は、2025年には1kWhあたり10円前後まで下がりました。

年度 売電価格の目安
2012年 約40円/kWh
2025年 約10円/kWh

こうした背景から非FIT電気の環境価値に注目が集まりつつあるため、将来的に非FIT電気の売電価格の方が上回る可能性があります。

将来的に税負担の軽減になる可能性がある

非FIT電気の導入により、将来的に税負担を軽くできる可能性があります。

日本では2026年から大規模排出事業所を対象に 「排出量取引制度」 が本格的にスタートする予定です。排出量取引制度では企業ごとにCO₂の排出量枠が設けられます。排出量枠が余った企業は他社に余剰分を売却することができ、一方で排出量枠を超えそうな企業は他社から枠を購入することができます。

現状の対象企業は大規模排出事業所をもつ企業で、300~400社ほどです。 今後国としてCO₂排出削減を推進するなかで、炭素税等CO₂排出量に応じた課税やペナルティが広い範囲で定められるかもしれません。

非FIT電気は再生可能エネルギー由来の電力として、企業がCO2排出量を削減できる手段のひとつです。いまから非FIT電気を取り入れておけば、将来的な規制への備えになる可能性があります。

非FIT電気を導入するデメリット

非FIT電気にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。

  • ●売電する場合は手続きの手間がかかる
  • ●売電価格が低くなるおそれがある

それぞれのデメリットを詳しく解説します。

売電する場合は手続きの手間がある

自家消費を前提に非FIT電力を導入しても、発電した電気を使い切れない場合は、余剰分を蓄電池に蓄えるか、売電先を探して契約しなければなりません。

売電する場合、FIT制度を利用した太陽光発電では、あらかじめ決まった電力会社が固定価格で買い取る仕組みのため、売電先を自分で選ぶ必要はありません。一方、非FIT太陽光発電では、売電先の調査・選定から交渉、契約まで自社で行う必要があり、手間がかかります。

売電価格が低くなるおそれがある

非FIT電気はFIT電気と異なり、売電価格が市場に連動して、上下に変動します。

そのため、FIT電気よりも高い価格で売電できる可能性がありますが、電力需要が低下した際に売電価格が下がるリスクもあります。

安定した収益を確保するためには、売電価格の変動に備えた対策を講じることが重要です。

余剰電力買取についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

非FIT電気の導入事例

非FITの特徴やメリット・デメリット等を解説してきました。デメリットでご紹介したとおり、非FIT電気は売電先を自分で選ぶ必要があります。

非FITの余剰電力買取を行う電力会社として、例えば関西電力があります。関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」では、関西電力が余剰電力買取を行うため、業者との契約に際して手間はかかりません。

以下では、「太陽光発電オンサイトサービス」を活用して、非FIT太陽光発電を導入した事例を紹介します。

日照条件や設置地域により発電量は異なりますが、事例を見ると非FIT太陽光発電を取り入れた際のイメージがしやすくなります。非FIT太陽光発電を導入したい方は、ぜひ参考にしてください。

工場

キユーピー株式会社さまの工場屋根に、関西電力の太陽光発電オンサイトサービスを導入した事例です。蓄電池もあわせて導入することで、ピークカットにより、実際にデマンド契約の条件を一段階下げ、電気料金を低減しています。

また、太陽光発電でCO2の排出量を大幅に減らし、残りの電気もCO2フリーの電気料金メニューにすることで、工場の電気を全て「カ―ボンニュートラル」にしています。

小売店

株式会社 カノーさまが、大阪市生野区にある 「食品館アプロ生野小路店」 の約2,000平方メートル超の屋根に、480枚のパネルを設置して太陽光発電で電力供給した事例です。導入の結果、電力使用量が約10%、CO₂排出量が約12,000kg削減されました。

さらに、電気料金に影響する最大電力量も約47kW減少し、電気料金の削減にも成功しました。

自治体

長野県木曽郡の大桑村役場さまが新庁舎の開庁にあわせ、関西電力の太陽光発電オンサイトサービスを導入した事例です。新庁舎で使用する電力の約3分の1を太陽光発電でまかなえるようになりました。

2050年までに国としてカーボンニュートラルを達成するためにも、地域の脱炭素が重要視されており、環境省からも 「地域脱炭素ロードマップ」 が公開されています。地域脱炭素ロードマップの施策として、地域で再生可能エネルギーの導入に貢献しています。

非FIT電気の導入なら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

前述したとおり、100%再生可能エネルギーとして認められている非FIT電気を導入すると、電気料金の削減や企業価値の向上等、さまざまなメリットが得られるでしょう。

非FIT電気の導入を検討しているなら、関西電力のオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめです。関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスまでをワンストップで行うサービスです。発電した電気はお客さまが利用し、契約期間は20年ほどです※1

太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※2。月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、割引プランの適用で節約も可能です。

また、オプションで余剰電力の売電も選べます。休日や就業時間後の電力使用量が少なくなるタイミングで余った余剰電力を売電すると、電気料金のさらなる削減効果を得ることが可能です

関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。

「割引プラン」 や、補助金の申請をサポートする「補助金サポート」等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3

ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」をご検討ください。

  • 途中解約には違約金が発生します。
  • 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
  • 割引プランは、補助金との併用はできません。
  • 一部、電気工事等の費用が必要な場合があります。

非FIT電力を取り入れて電気料金を削減しよう

この記事では、非FITとは何なのか、基礎知識からFIT制度との違い、非FIT電気を導入するメリット・デメリットを紹介しました。

非FIT電気は、再生可能エネルギーとしての価値が高く、カーボンニュートラルに向けた企業の取り組みや電気料金の削減に役立ちます。

企業の環境経営を一歩前に進めたいと考えている方、電気料金を削減したい方は、関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」 をぜひご検討ください。

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近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授

1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

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