CO2排出量の削減に向けた本学の取り組み
地球温暖化をはじめ環境問題の解決に尽力することは、次世代を担う人を教育する本学にとっても、極めて重要な社会的責任だと認識しています。
本学は、グランドビジョン(2020-2029)において、重点的に取り組むべき課題の一つとして「SDGsへの貢献」を掲げています。気候変動対策としてCO2排出量削減に取り組むことも、その一つです。そのため、「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」※にも参画し、学外の大学などとも協力しながら、CO2排出量削減に努めています。
※文部科学省、経済産業省および環境省による先導のもと、カーボンニュートラルに向けた積極的な取り組みを行っている、または取り組みの強化を検討する、大学等による情報共有や発信等の場
これ以上どうやってCO2排出量を減らせば良いか分かりませんでした
脱炭素に向けて、これまで省エネに取り組んできました。例えば、使っていない場所の消灯、空調の停止、温度管理などに加え、キャンパス内の校舎の照明をLED照明に換えるなど、省エネ性能の高い機器への更新を進めてきました。しかし、例えば夏場のエアコンの温度調整や停止など、学生や教職員の健康にかかわることは実施することができず、これ以上の省エネが難しいと感じていました。
また、CO2排出量削減の手段として、例えば太陽光発電もありますが、大がかりな設置工事を必要とします。本学のキャンパスは多くの神社仏閣が近接し、京都府景観条例で規制されたエリアに位置しているため、そもそも太陽光発電設備の敷設が難しいという現状がありました。
このような状況の中で、いかにCO2排出量削減に取り組んでいくか、次の一手を探していた時に相談に乗ってくださったのが、関西電力さんでした。
設備導入なしでCO2削減に取り組めたことが決め手
「再エネECOプラン」の導入を決めた理由は、3つあります。
1つ目が、設備などを新たに設置せずとも、CO2削減に取り組めることです。「再エネECOプラン」は、普段使っている電気に、環境価値(太陽光・風力・水力などで発電された電気の、CO2排出量がゼロであるという価値)が加わった電気料金メニューです。普段の電気料金メニューを「再エネECOプラン」に切り替える、書類上の手続きだけで、導入することができます。
省エネや太陽光発電が難しかった本学にとって、新たな設備などを導入せずともCO2排出量を減らせる点が、導入の決め手になりました。
手間なくすぐに導入ができることも魅力
決め手の2つ目は、手間なくすぐに導入できた点です。関西電力さんの手厚いサポートもあり、煩雑な手続きも必要なく、普段の電気契約とほとんど変わらない手間で、簡単に「再エネECOプラン」を導入することができました。
また、「再エネECOプラン」の申込みをしてから、わずか1ヶ月で、利用を開始できました。脱炭素は、社会にとって喫緊の課題です。「再エネECOプラン」は設備導入がなく工事なども必要ないため、すぐに脱炭素に取り組めた点も、評価しています。
CO2排出量を減らすだけでなく、ゼロにできる点が最大のメリット
決め手の3つ目は、CO2排出量を実質的にゼロにできる点です。これまでの省エネだけでは、CO2排出量を減らすことはできても、ゼロにすることはできません。「再エネECOプラン」を導入することが、本学のカーボンニュートラルの実現に向けた大きな一歩になると考えました。
まずは京都女子大学の学生寮や京都女子学園内の京都幼稚園、京都女子大学附属小学校、京都女子中学校、京都女子高等学校から、実質CO2フリーの電気の使用を開始しています。省エネにより本学全体のCO2排出量を減らすことと比べて、「再エネECOプラン」は1つの建物のCO2排出量をゼロにできるため、脱炭素に向けたイメージがしやすいことも、メリットに感じています。
社会に、学内に、SDGsへの取り組みの成果を発信したい
「再エネECOプラン」によって、CO2排出量を学園全体で削減できることはもちろん、SDGsの達成に向けた本学の姿勢を学内外に示す点においても、大きな成果の一つになったと感じています。今後は本学の取り組みを社会に積極的に発信していくとともに、学内への周知も図るつもりです。本学ではSDGsや環境問題をテーマにしたゼミや授業も多く開講しており、大学の取り組みを伝えることは、学生の意識啓発においても重要だと考えています。
来年度以降も「再エネECOプラン」を継続し、可能であれば導入範囲を広げていきたいと希望しています。2050年に目標が定められている世界的なカーボンニュートラルの実現に貢献するためには、現状に満足することなく、より一層電気使用量の削減やCO2排出量削減に努力していかなければなりません。関西電力さんには、日頃から有意な情報やサービスを惜しみなく提供していただいていますが、今後も知恵を貸していただきたいと願っています。
担当者のコメント
ご採用いただいた「再エネECOプラン」は、再生可能エネルギー由来の非化石証書の持つCO2排出量ゼロの付加価値(環境価値)を 活用した電気料金メニュー(特約)です。お客さまが使用する電力の全部または一部に適用ができ、温対法や省エネ法・各種環境イニシアティブでCO2排出量をゼロとして報告できます。
京都女子学園さまは、SDGs達成に向けた取り組みを推進されています。電力消費におけるCO2削減においては、すでに地道な省エネ対策や省エネ機器への更新等を実施されており、次なる一手としてCO2フリーの電気料金メニュー「再エネECOプラン」をご提案させていただきました。今後も、お客さまの課題解決のお手伝いができれば嬉しく思います。