メガソーラーとは?導入メリットや課題、費用の目安、導入事例を紹介
2024.10.1
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目次
大量の電力を自社で発電したい企業には、メガソーラーの導入という選択肢があります。メガソーラーは大規模な太陽光発電設備で、大量の電力を発電するのに適しています。
ただし、メガソーラーにはメリットだけでなく課題もあるので知っておきましょう。
ここでは、メガソーラーの導入メリットや課題、導入費用の目安、導入事例等を解説します。
メガソーラーとは?
メガソーラーとは、一般的に1MW(1メガワット=1,000kW)程度以上の出力を持つ大規模な太陽光発電設備のことをいいます。主に企業や自治体が一定以上の広さの土地に設置し、空き地や堤防、埋め立て地のほか、大型のビルや工場の屋上等に設置するケースもあります。
1MW以上の出力の太陽光発電設備では、一般家庭約300世帯が1年間に消費する電力に相当する年間約100万kWh以上の発電量が見込めます。
ただし、1MW以上のメガソーラーを設置するためには、約2haの敷地が必要になります。野球のグラウンドやサッカー場が約1haなので、比べると非常に広大な敷地なのがわかります。
例えば、弊社(関西電力)が設置する場合、設置場所が900㎡以上あれば通常の太陽光発電は設置できますが、メガソーラーであればさらなる敷地が必要です。
メガソーラーの導入メリット
メガソーラーは1MW以上の出力を持つ太陽光発電設備であるため、一般的な小型の出力の設備に比べると次のメリットがあります。
- ●大量の電力を発電できる
- ●税制や金融面で優遇措置を受けられる可能性がある
- ●土地や空きスペースの有効利用が可能
順番に解説します。
なお、太陽光発電のメリットについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:太陽光発電のメリット・デメリットは?特徴や導入方法をわかりやすく解説
大量の電力を発電できる
メガソーラーは1MW程度以上の大規模な太陽光発電設備です。年間で約100万kWhの発電量が見込めます。
発電した電力は、売電すれば収益を生むことが可能です。大量の電力を発電できるメガソーラーなら、一定以上の収益を期待できます。
これまではFIT制度(固定価格買取制度)により、政府が一定価格で20年間電力を買い取っていました。
しかし、現在、250kW以上の出力を持つ太陽光発電については、買取価格が入札によって決まります。さらに2024年度から、新規設備についてはFIP制度が適用される施設が基本となり、募集枠も規定されています。
地上設置で250kW以上の太陽光発電の価格には上限額があり、2024年度が9.20円/kWhから9.13円/kWh、9.05円/kWh、8.98円/kWhという順番で0.07円~0.08円ずつ段階的に下がります。上限で売電できれば、年間100万kWhの発電量を期待でき、1MWのメガソーラーの場合は、約920万円~約900万円弱の売電収入を20年間得られる可能性があります。
最近は、FIT制度やFIP制度に頼らずに、発電事業者が直接需要家に電気を販売するPPAというやり方も増えてきています。PPAでは、所有する土地や屋根を利用して、PPA事業者に太陽光発電設備を設置してもらい、発電した電気を比較的安価に使うことができます。
なお、売電せずに自家消費すれば、工場やオフィスの電力使用量を減らすことができ、電気料金の削減が可能です。
その他、自家消費する場合は、脱炭素の取り組みとしても大きなメリットがあります。太陽光発電は、二酸化炭素の排出量が1kWhあたり約17g~約48gで、火力発電の1kWhあたり約690gに比べて大幅に抑えることができます。
税制や金融面での優遇措置を受けられる可能性がある
政府は2030年度までに2013年度比で温室効果ガスを46%削減すると国際的に約束をしており、実現に向けた方法のひとつとして太陽光発電設備の導入を推進しています。
そのため、メガソーラーを導入する企業に対して税制や金融面での優遇措置もあります。
例えば、日本政策金融公庫による 「 環境・エネルギー対策資金〈非化石エネルギー関連〉」 は、太陽光発電を含めた非化石エネルギーを導入するために必要な設備資金として、7,200万円までの融資(返済期間20年以内)があります(融資条件や利率の違いがあるので、問い合わせによる確認が必要です)。
その他、企業が環境保護やエネルギー効率改善のために設備投資を行う際、税制上の優遇措置を受ける制度もあります。メガソーラーの設置を進める企業は有効な活用を検討してください。
土地や空きスペースの有効利用が可能
太陽光発電設備は建築基準法の建物に該当しないため、設置場所に用途地域の制限を受けることがありません。メガソーラーだけの利点ではありませんが、太陽光発電導入がしやすくなっています。
そのため、通常は工場やオフィスビルを建設できない土地や、利便性の低い場所でも有効活用できる可能性があります。
また、太陽光発電設備は次の場所に原則として設置可能とされています。
- ●屋根
- ●屋上
- ●外壁
- ●駐車場・カーポート
- ●農地
- ●ため池
企業で使っていないスペースがある場合は、太陽光発電の導入を検討してみましょう。
メガソーラー導入での課題
メガソーラーは大量の電力を発電できるメリットがあります。
一方、導入時には、次の課題があることを知っておく必要もあります。
- ●維持管理やメンテナンスに多額の費用がかかる
- ●近隣住民との調整が必要
上記を順番に解説します。
維持管理やメンテナンスに多額の費用がかかる
太陽光発電を自己所有で設置した場合、パネルの損傷や汚れ等の管理・メンテナンスは所有する企業が行う必要があります。
メガソーラーは通常の設備と比べて太陽光パネルの枚数も膨大なので、維持管理やメンテナンスにかかる手間や費用は大きくなるでしょう。
産業用太陽光発電設備のメンテナンス費用は、2024年度の想定値が0.5万円/kW/年※で、1MWのメガソーラーでは年間500万円かかることになります。
想定値を用いたシミュレーションですが、出力が大きくなるほど維持管理やメンテナンスの費用がかさみます。
近隣住民との調整が必要
メガソーラーの設置は、広範囲にわたる大規模な開発工事を伴い、周囲の景観や環境に大きな影響を与える可能性が指摘されています。
特に、森林伐採や土地の形状変更が必要なケースでは、地元住民からの反発や不安が生じることもあり、景観や自然環境の変化等を理由にトラブルになるケースもあります。
そのため、地元住民へ事前説明等を行い、理解を得る作業は必ず必要になります。
メガソーラーを導入する場合は、専門的な知識や技術、経験を持つ企業に相談することが望ましいと考えます。
メガソーラーの導入にかかる費用
自己所有で太陽光発電を導入する場合、以下の費用がかかります。
初期費用項目 | 費用の目安 |
---|---|
太陽光パネル | 9.5万円/kW |
パワーコンディショナー | 3.0万円/kW |
架台 | 3.5万円/kW |
その他の機器 | 1.6万円/kW |
工事費 | 7.5万円/kW |
設計費 | 0.2万円/kW |
土地造成費 | 1.1万円/kW |
接続費 | 1.5万円/kW |
値引き | ▲1.4万円/kW |
合計 | 26.5万円/kW |
メガソーラーの1MWは1,000kWなので、表の26.5万円/kWを基にシミュレーションすると、以下のとおりです。
- ●26.5万円×1,000(kW)=2億6,500万円
シミュレーションですが、1MWのメガソーラーを自己所有する場合は、2億円台半ば以上の費用が必要です。
つまり、メガソーラーを導入する費用は企業の財務に大きな影響を与える可能性があります。
メガソーラーの導入事例
メガソーラーの導入には一定の費用を必要としますが、過去のFIT制度による大きな収益メリット等のため、2019年時点ですでに6,207件が設置されています。
次項より、メガソーラーの実際の導入事例を解説します。メガソーラーの導入の参考にしてください。
播州メガソーラー発電所
播州メガソーラー発電所は、2023年1月に関西電力とENEOS株式会社が共同出資して設置したメガソーラーです。
発電出力は62.88MWで、年間発電量は約9,300万kWhが想定されています。年間の発電量は、一般家庭の約3万世帯分の電力使用量に相当します。
京都府精華町
京都府精華町でのメガソーラーは、発電出力約2MWで、約4ヘクタールの土地に設置されました。
想定される発電量は年間約250万kWhで、一般家庭約700世帯の年間電力使用量に相当します。
メガソーラーを導入するなら関西電力にご相談を
メガソーラーは発電出力が1MW程度を超える大規模な太陽光発電設備です。
大量の電力を発電でき、税制や金融面での優遇措置を受けられる等のメリットを得られる可能性がありますが、導入する際には初期費用や維持管理・メンテナンスのコストに加え、近隣住民の理解等の課題が挙げられます。
メガソーラーの自己所有を検討する際には、PPAサービスを提供している企業に相談することも考えてみてください。
例えば、関西電力のオンサイトPPA 「太陽光発電オンサイトサービス」 は、関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスをワンストップで行い、発電した電気をお客さまが利用する仕組みです。
PPAでは、太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストがかかりません※1。月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、割引プランの適用により電気料金の節約も可能です。
また、「太陽光発電オンサイトサービス」 では、オプションで余剰電力の売電が選べます。電力使用量が少なくなる時間帯や休日等で余った電力を売電すると、電気料金のさらなる削減効果を得ることができます。
「割引プラン」 や、補助金の申請をサポートする 「補助金サポート」 等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※2。
関西電力の提供する太陽光発電設備は、広い敷地がなくても、工場や倉庫、大規模店舗の屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能です。メガソーラーの導入を検討している企業はぜひご相談ください。
また、関西電力の太陽光発電施設に標準搭載されている機能 「SenaSon」 によって、蓄電池やEV、生産設備等複数の設備をAIが自動で制御し、発電した電力を最適なバランスで運用可能です。
オンサイトPPAのご提供には、設置場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、敷地外設置の太陽光発電 「コーポレートPPA」 をご検討ください。
- 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
- 割引プランは、補助金との併用はできません。
メガソーラーは大量の電力を発電する設備
メガソーラーは1MW程度を超える出力を持つ太陽光発電設備です。大量の電力を生み出すため、売電収入を得る他、電気料金の節約等にも役立ちます。
ただし、メガソーラー導入には1MWの発電設備あたり2ha以上の敷地面積が必要です。また、自家所有すれば、維持管理やメンテナンスのコストがかなりかかります。
維持管理の費用を避けるためには、メガソーラーを自己所有しないシステム、初期費用ゼロで追加のメンテナンス費用が発生しないPPAでの導入を検討してみてください。
関西電力のオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」 では、設置場所や必要な設備をコンサルティングし、幅広いラインナップからお客さまに最適な提案を行います。
自社の敷地内にメガソーラーを導入するなら「太陽光発電オンサイトサービス」 を、設置スペースを持たない場合は 「コーポレートPPA」 をご検討ください。
監修者 北村 和也(きたむら かずや)
日本再生可能エネルギー総合研究所 代表/株式会社日本再生エネリンク 代表取締役/地域活性エネルギーリンク協議会 代表理事/埼玉大学社会変革研究センター・脱炭素推進部門 客員教授
早稲田大学政治経済学部政治学科卒。民放テレビ局にて、報道取材、環境関連番組等制作し、1998年よりドイツ留学。その後、研究所等を設立。
◎主たる活動:
- ・再生エネ普及のための情報収集と発信
- ・再生エネ、脱炭素化等の民間企業へのコンサルティング、自治体のアドバイザー
- ・地域での経済循環、活性化のサポート
- ・エネルギージャーナリストとして、講演、セミナー、各種の執筆
サービス概要資料
太陽光発電オンサイトサービス
自家消費型太陽光発電で電気料金とCO₂を削減。「太陽光発電オンサイトサービス」 の概要をご紹介します。
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