高圧の太陽光発電とは?メリット・デメリットや自家消費で必要な設備を紹介

2025.1.23

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高圧の太陽光発電とは?メリット・デメリットや自家消費で必要な設備を紹介

高圧の太陽光発電は、50kW以上2,000kW未満の設備容量を持つ太陽光発電のことで、主に小規模工場や商業施設で導入されています。

高圧の太陽光発電では、より大規模な発電ができ、システム単価が安く済むメリットがある一方で、初期費用や維持コストがより高額なため、導入の際には慎重な検討が必要です。

この記事では、高圧太陽光発電の基本知識や、メリット・デメリット、自家消費に必要な設備等を解説します。

高圧の太陽光発電とは?

高圧(高圧連系)の太陽光発電は、50kW以上2,000kW未満の発電設備を利用する太陽光発電のことで、主に小規模工場・ビル・商業施設等に導入されています。

太陽光発電は設備容量によって、3種類に分類されます。

  低圧 高圧 特別高圧
設備容量 ~50kW未満50kW~2,000kW未満2,000kW以上
電圧区分 600V以下600V超~7,000V以下7,000V超
需要家の例 戸建住宅小規模工場・ビル・商業施設大規模工場

高圧よりも小規模な50kW未満の太陽光発電は 「低圧」 に分類され、主に戸建住宅等の設備が該当します。また、高圧を超える2,000kW以上の太陽光発電は「特別高圧」に分類され、主に大規模工場等の設備が該当します。

高圧の太陽光発電で必要となる手続き

高圧の太陽光発電も電気事業法の対象であり、手続きの扱いは次のとおりです。

工事計画 不要
使用前検査 届出(使用前自己確認)
使用開始届 不要
主任技術者 選任/外部委託
保安規程 届出
届出先 経済産業省産業保安監督部

高圧の太陽光発電の場合、使用前検査(使用前自己確認)、保安規程について経済産業省産業保安監督部への届出が必要です。また、主任技術者を選任(または外部委託)する必要があります。

なお、特別高圧の太陽光発電の場合は工事計画の届出が必要ですが、高圧の場合は、届出は不要です。

高圧の太陽光発電のメリット・デメリット

高圧の太陽光発電を導入して大規模な発電をする際のメリット・デメリットを以下でそれぞれ見ていきましょう。

メリット
  • ●システム単価が安くなる
  • ●発電できる電力が大きくなる
  • ●投資利回りが高い
デメリット
  • ●初期費用が高い
  • ●ランニングコストがかかる
  • ●電気主任技術者の選任や各種の届出が必要

高圧の太陽光発電のメリット

高圧の太陽光発電のメリットは、以下が挙げられます。

  • ●システム単価が安くなる
  • ●発電できる電力が大きくなる
  • ●投資利回りが高い

低圧と比較すると、高圧の太陽光発電は1kWあたりのシステム単価が安価になる傾向があり、効率よく発電が可能です。また、全体の規模も大きくなり、低圧と比べると発電できる電力も大きくなります。

さらに、投資として太陽光発電を運用する場合は、システム単価が安く、かつ一括管理でより大規模な設備を稼働できるため、高い投資利回りが期待できます。

太陽光発電投資については以下の記事で紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

高圧の太陽光発電のデメリット

高圧の太陽光発電のデメリットは、以下が挙げられます。

  • ●初期費用が高い
  • ●ランニングコストがかかる
  • ●電気主任技術者の選任や各種の届出が必要

太陽光発電では、パワーコンディショナー等の設備導入のための初期費用や、メンテナンス費用等のランニングコストがかかります。低圧と比較すると、設備規模が大きくなるため、高圧の太陽光発電の初期費用やランニングコストはより高額なものになります。

また、高圧の太陽光発電では、主任技術者の選任や保安規程の届出が必要である等、低圧にはない維持管理の義務があります。手続きや運用にあたって、より専門的な知識が求められる点は理解しておきましょう。

高圧の太陽光発電で自家消費するために必要なこと

高圧の太陽光発電で自家消費するために必要なこと

電力会社から高電圧で電力の供給を受けている高圧契約の施設に、高圧太陽光発電を導入して自家消費する際は、設備の準備としていくつか必要なことがあります。

  • ●高圧受変電設備(キュービクル)と接続させて降圧する
  • ●RPR(Reverse Power Relay=逆電力継電器)を設置する

高圧受変電設備(キュービクル)と接続させて降圧する

高圧施設では、電力会社からの高電圧で供給された電力を、高圧受変電設備(キュービクル)によって低電圧へ変換する「降圧」と呼ばれる工程を経て、電力を使用しています。

RPR(Reverse Power Relay=逆電力継電器)を設置する

太陽光発電の発電量が消費電力を大幅に上回ると、普段電力を購入している方向と逆転して、電力が系統へ逆流する「逆潮流」と呼ばれる現象が発生するリスクがあります。消費電力の少ない休業日等は、逆潮流が起こりやすいため注意が必要です。

逆潮流を防ぐためには、「RPR(Reverse Power Relay=逆電力継電器)」という機器を設置します。RPRを設置すると、逆方向の電流が検知されたときに発電設備が停止されます。

高圧の太陽光発電を導入するならPPAモデルも検討

高圧の太陽光発電について、初期費用やメンテナンスがネックで導入を迷っている場合には、PPAモデルでの導入も選択肢のひとつです。

PPAは、エネルギーサービス事業者と契約して太陽光発電設備を設置してもらう導入方法です。自社で設備を保有する場合とは異なり、需要家が設備を購入・所有・管理する必要がなく、メンテナンスも事業者が実施するため、追加費用・手間がかかりません。

「初期費用を抑えたい」「導入後の手間・費用を減らしたい」と考えている方は、PPAモデルでの太陽光発電導入もご検討ください。

なお、PPAについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

高圧の太陽光発電を導入するなら関西電力 「太陽光発電オンサイトサービス」 がおすすめ

関西電力では、PPAモデルでの太陽光発電として「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。需要家であるお客さまの敷地内に設備を設置するタイプのPPAです。

「太陽光発電オンサイトサービス」では、導入からメンテナンスまで関西電力がワンストップで実施するため、手間なく太陽光発電の導入が可能です。20年ほどの契約期間※1で、初期費用ゼロで利用を開始でき、電気料金を削減できます。

なお、導入の際には、補助金申請のサポートもしています。補助金を受けることで、月々の料金負担をさらに抑えることが可能です。

補助金を利用しない場合も、工事時期お任せでサービス料金が安くなる「まとめて工事プラン」「工期フリープラン」があり、これらの割引プラン※2で料金を抑えることもできます。

関西電力の太陽光発電の設備は、工場・倉庫・大規模店舗の広い屋根だけでなく、中規模店舗等の900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置が可能です。

関西電力では、設置場所提供不要のオフサイトPPA 「コーポレートPPA」もあるので、自社の状況にあわせてご検討いただけます。太陽光発電の導入を迷っているお客さまは、まずはWebページ等からお気軽にお問い合わせください。

  • 途中解約には違約金が発生します。
  • 割引プランは、補助金との併用はできません。

高圧の太陽光発電を導入してコスト削減に役立てよう

高圧(高圧連系)の太陽光発電は、50kW以上2,000kW未満の発電設備を利用する太陽光発電のことで、主に小規模工場・ビル等に導入されています。

低圧に比べてより多くの電力が発電でき、システム単価も安価になる傾向があり、コストパフォーマンスに優れています。ただし、初期費用やメンテナンス費用は高額になるため、事前に費用の見積りをして十分に検討することが必要です。

初期費用やメンテナンスの面で太陽光発電の導入を迷っているなら、関西電力「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめです。導入から運用まで関西電力グループが一貫してサポートします。まずはWebページ等からお気軽にお問い合わせください。

近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授

1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステムならびに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。あわせて生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクル等幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入を推進。
「リサイクル技術開発本多賞」 「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取り組み中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

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