太陽光発電の売電価格は上がる?今後の動向やいま設備を導入すべき理由を解説
2025.4.23
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目次
太陽光発電の売電価格は今後上がるのか下がるのか、今までの推移はどうなっているのか、気になっている方は多いのではないでしょうか。
太陽光発電におけるFIT制度の売電価格は年々下がっており、今後も下がる可能性が高いと予想されます。しかし、売電価格が下がっているなかでも自家消費等によるメリットは大きく、いくつかの理由から今後も導入をおすすめできます。
この記事では、太陽光発電における売電価格の推移、今後の動向、いま設備を導入すべき理由等を解説します。
太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。
初期費用ゼロで、導入時の工事から導入後の運用・メンテナンスまで、ワンストップでおまかせいただけます。

太陽光発電の売電価格の推移と今後の動向
FIT制度の売電価格は年々下がっており、今後もこの傾向が続く可能性が高いと予想されます。10kW以上の産業用太陽光発電における、FIT制度の売電価格推移は次のとおりです。
年度 | 1kWhあたり売電価格(税別) | ||||
---|---|---|---|---|---|
10-50kW | 50-250kW | 250-500kW | 500-2,000kW | 2,000kW- | |
2012年度 | 40円 | ||||
2013年度 | 36円 | ||||
2014年度 | 32円 | ||||
2015年度 | 6月までは29円、7月からは27円 | ||||
2016年度 | 24円 | ||||
2017年度 | 21円 | 入札制度により決定 | |||
2018年度 | 18円 | 入札制度により決定 | |||
2019年度 | 14円 | 入札制度により決定 | |||
2020年度 | 13円 | 12円 | 入札制度により決定 | ||
2021年度 | 12円 | 11円 | 入札制度により決定 | ||
2022年度 | 11円 | 10円(入札制度適用区分は入札制度により決定) | |||
2023年度 | 10円
|
地上設置 : 9.5円 屋根設置 : 4~9月は9.5円、10~3月は12円 (入札制度適用区分は入札制度により決定) |
|||
2024年度 | 10円
|
地上設置 : 9.2円 屋根設置 : 12円 (入札制度適用区分は入札制度により決定) |
|||
2025年度 | 10円
|
地上設置 : 8.9円 屋根設置 : 11.5円 (入札制度適用区分は入札制度により決定) |
売電価格が下落傾向にある理由は?
売電価格(調達価格)は、通常必要となるコストを基礎に価格目標や適正な利潤などを考慮して決定されます。具体的には、調達価格等算定委員会の意見をふまえ、経済産業大臣が最終的に決定する仕組みです。
売電価格が下落している理由のひとつに、導入にかかる初期費用の低下が挙げられます。
経済産業省の資料(調達価格等算定委員会 「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」 )によると、産業用太陽光発電のシステム費用はすべての規模で低下傾向にあります。

また、再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)による国民の負担が増加していることも理由のひとつです。
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーを電力会社が買い取るための費用を電気料金の一部として利用者が負担するものです。再エネ賦課金の上昇を抑制して国民負担を軽減するためにも、国(経済産業省)が売電価格を下げています。
2012年度からの再エネ賦課金の推移は次のとおりです。
年度 | 買い取り単価 |
---|---|
2012年度 | 0.22円/kWh |
2013年度 | 0.35円/kWh |
2014年度 | 0.75円/kWh |
2015年度 | 1.58円/kWh |
2016年度 | 2.25円/kWh |
2017年度 | 2.64円/kWh |
2018年度 | 2.90円/kWh |
2019年度 | 2.95円/kWh |
2020年度 | 2.98円/kWh |
2021年度 | 3.36円/kWh |
2022年度 | 3.45円/kWh |
2023年度 | 1.40円/kWh |
2024年度 | 3.49円/kWh |
売電価格が下がっても太陽光発電を導入すべき理由は?

FIT制度の売電価格は年々下がっていますが、いくつかの理由から今後も産業用太陽光発電の導入をおすすめできます。
- ●自家消費で電気料金の負担を軽減できる
- ●導入にかかる初期費用が安くなっている
- ●補助金制度で支援が受けられる
- ●FIP制度での売電も選択できる
- ● PPAモデルで初期費用をかけずに導入も可能
自家消費で電気料金の負担を軽減できる
売電収入を得る以外に、自家消費で電気料金を削減して経済的なメリットを得ることが可能です。工場や大型店舗等をはじめ幅広い施設で、ランニングコストの削減を目的として太陽光発電が導入されています。
大手電力会社の基本料金・電力量料金単価の値上げ、燃料価格の高騰、再エネ賦課金の値上げ等の影響で電気料金が高騰しているなか、自家消費のメリットは高まっています。
導入にかかる初期費用が安くなっている
太陽光発電の導入コストは年々低下しています。以下の表は、産業用太陽光発電設備(10kW以上)の導入コスト推移を示したものです。
年度 | 産業用太陽光発電設備の導入コスト (10kW以上) |
---|---|
2019年 | 28.1万円/kW |
2020年 | 28.3万円/kW |
2021年 | 27.9万円/kW |
2022年 | 27.7万円/kW |
2023年 | 26.3万円/kW |
2024年 | 24.6万円/kW |
- ※資本費には、太陽光パネルやパワーコンディショナー、架台等の設備費用に加え、工事費や設置費も含まれます。
太陽光パネルの価格相場については以下の記事で紹介しているため、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
関連記事:【2024年】太陽光パネルの価格相場は?設置・管理費用を抑える方法も紹介
なお、自家消費を活用すると、さらに短い期間で初期費用を回収できる可能性があります。初期費用の回収期間については、以下の記事で紹介しています。
関連記事:産業用太陽光発電は何年で元が取れる?シミュレーションやおすすめの導入方法を紹介
補助金制度で支援が受けられる
補助金を利用すると、太陽光発電の導入費用をさらに軽減することが可能です。補助金制度の一例として以下が挙げられます。2025年2月時点ではいずれも公募が終了していますが、今後再び公募が行われる可能性もあります。
補助金事業 | 概要 |
---|---|
需要家主導太陽光発電導入促進事業 |
|
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業 |
|
- 出典:需要家主導型太陽光・蓄電池導入支援事務局 「令和5年度補正予算 需要家主導型太陽光発電導入支援事業」
- 出典:一般財団法人環境イノベーション情報機構 「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業の公募について」
太陽光発電の補助金についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:太陽光発電・太陽光パネルの補助金一覧(法人向け)|2024年度(令和6年度)
FIP制度での売電も選択できる
FIP(Feed-in Premium)制度は、発電事業者が電力市場で売電する際、市場価格と連動する売電収入に加えて所定の基準に基づくプレミアム(補助額)が上乗せされる制度です。
50kW以上250kW未満の場合、FIT制度とFIP制度のどちらも選択できます。産業用太陽光発電では、FIT制度の代わりにFIP制度での売電も検討したいところです。
10kW以上50kW未満 | 一定の条件を満たす場合にFIP制度の対象(地域活用要件を満たす場合にFIT制度も対象) |
---|---|
50kW以上250kW未満 | FIP制度の対象(FIT/FIPが選択可能) |
250kW以上 | FIP制度のみ選択が可能(FIT制度の対象外) |
FIP制度では、売電価格は市場価格に連動し、市場価格が高い時間帯により多くの電力を売電すると収益の最大化を目指すこともできます。
FIP制度についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:FIP制度とは?FITとの違いや活用するメリット・デメリットを解説
PPAモデルで初期費用をかけずに導入も可能
PPA(Power Purchase Agreement)モデルの太陽光発電なら、自社で発電設備を保有する場合とは異なり初期費用をかけずに太陽光発電の導入が可能です。
エネルギーサービス事業者と契約して太陽光発電設備を設置してもらう導入方法のため、需要家が設備を購入・所有・管理する必要がありません。また、維持管理、メンテナンスも事業者が実施するため、追加費用・手間がかかりません。
初期費用の回収の面で不安を感じている場合は、PPAモデルも含めて検討すると導入がしやすくなるでしょう。
PPAモデルについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:太陽光発電のPPAモデルとは?種類や導入メリット・デメリットを解説
PPAモデルで太陽光発電を導入するなら 「太陽光発電オンサイトサービス」 がおすすめ

関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電設備を導入可能なオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。
関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスまでをワンストップで行い、発電した電気をお客さまが利用するサービスで、契約期間は20年ほどです※1。
太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※2。月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、割引プランの適用で節約も可能です。
また、オプションで余剰電力の売電が選べます。休日や就業時間後の電力使用量が少なくなるタイミングで余った余剰電力を売電すると、電気料金のさらなる削減効果を得ることが可能です。
関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。
「割引プラン」 や、補助金の申請をサポートする 「補助金サポート」 等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3。
また、関西電力の太陽光発電設備に標準搭載されている機能「SenaSon」によって、蓄電池やEV、生産設備等複数の設備をAIが自動で制御し、発電した電力を最適なバランスで運用可能です。
ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」をご検討ください。
- ※1 途中解約には違約金が発生します。
- ※2 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
- ※3 割引プランは、補助金との併用はできません。
売電価格の動向をふまえて太陽光発電の導入を検討しよう
太陽光発電のFIT制度での売電価格は下落傾向にあり、設備の初期費用の低下や再エネ賦課金による負担の増加等が理由となっています。
売電価格が下がった状況でも自家消費によるメリットは大きく、初期費用の低下で費用負担自体は少なくなっているので導入を検討する価値は十分にあります。
また、PPAモデルで初期費用をかけずに導入も可能なので、費用がネックの場合には検討するのがおすすめです。
関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電を導入できる「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。導入から運用まで関西電力グループが一貫してサポートします。まずはWebページ等からお気軽にお問い合わせください。
太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。
初期費用ゼロで、導入時の工事から導入後の運用・メンテナンスまで、ワンストップでおまかせいただけます。


監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)
愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他
サービス概要資料
太陽光発電オンサイトサービス

自家消費型太陽光発電で電気料金とCO₂を削減。「太陽光発電オンサイトサービス」 の概要をご紹介します。
資料の一部をご紹介
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