デマンド対策のポイントとは?
3つの方法と、そのメリット・デメリット
2024.10.1
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昨今のエネルギー価格の高騰により、光熱費削減の重要性が一層求められる状況のなか、特に電力使用量が多くなる夏場や冬場には 「デマンド」 を気にされる企業さまも多いのではないでしょうか。今回は、年間の電気料金に大きな影響を与える 「デマンド」 のおさらいと、対策のポイントをご紹介します。
デマンドと電気料金の関係
デマンド(最大需要電力)とは、電気使用量を元に算出した30分単位の平均使用電力(kW)のうち、月間で最も大きな値を指します。
電気の基本料金は、一般的に 「契約電力」 を元に算定されます。契約電力は過去1年間(その月と前11ヶ月)のデマンド(最大需要電力)により決定されるため、ピークが立ちやすい時期に対策を行うことで、その後1年間の電気料金を大きく削減することができます。例えば、1kWあたりの基本料金が1,765.50円で、デマンドを15kW下げることができた場合、年間で約32万円もの電気料金削減となります。※高圧(契約電力500kW未満)で力率が85%の場合
デマンドを下げる方法は?
デマンドが超過するタイミングを予測し、電力消費の割合が大きい機器の使用量を下げることが効果的な対策としてあげられます。電力消費の割合は業種によって異なりますが、どの業種でも比較的大きい “空調” を制御・コントロールすることがデマンド対策のポイントと言えるでしょう。
出典:「夏季の省エネ・節電メニュー」(経済産業省)
(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/shoene_setsuden/pdf/setsudenmenu_jigyosha02.pdf)
空調を制御・コントロールする3つの方法
代表的な3つの方法とそれぞれのメリットとデメリットについて解説します。
■人的な空調管理
季節・時間帯・気象の条件等によって 「空調設定温度を●●℃ にしましょう」 といったマニュアルを作成し、手動で空調の停止や設定温度の変更を行う方法です。
メリット:導入費用がかからない
デメリット:マニュアルの作成や空調管理の手間がかかる
■デマンド監視装置
あらかじめ設定したデマンド値を超過しそうなタイミングで、アラート(警報やメール)を受け、手動で空調の停止や設定温度の変更を行う方法です。
メリット:導入費用が安価
デメリット:空調管理の手間がかかる
■デマンドコントローラー
あらかじめ設定したデマンド値を超過しそうなタイミングで、自動で空調を停止する方法です。
メリット:手間がかからない
デメリット:室内の快適性を損なうおそれがある(段階的に制御調整ができない)
自社にあった方法を見つけるポイント
代表的な3つの方法をご紹介しましたが、それぞれにメリットとデメリットがあります。自社にあった方法を見つけるためにも、次の観点からご検討されてはいかがでしょうか。
■費用対効果がどの程度見込めるか
当然の話ではありますが、光熱費削減のために機器やシステムを導入したにも関わらず、「効果よりも導入費用の方が高かった」 となっては元も子もありません。より効果が高い方法を見つけるためにも、デマンドの削減効果に加え、電力使用量の削減効果をご確認されることをおすすめします。
■快適性を損なわないか
空調のデマンド制御を行った場合、室内の快適性が損なわれ、従業員への負担が増える可能性があります。一般的に省エネと快適性はトレードオフの関係と言われますが、空調の制御方法次第では快適性に配慮した対策も可能ですので、どのような影響があるかご確認されることをおすすめします。
■継続的な運用が可能か
せっかく機器やシステムを導入しても、継続的に運用できなければ期待していた効果は得られません。 「忙しい中でも・専門知識がなくても運用できるか」 など、運用の手間・操作性をご確認されることをおすすめします。
まとめ
今回は、1年間の電気料金に大きな影響を与える 「デマンド」 対策の方法をご紹介しました。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自社にあった方法を見つけるためにも、「費用対効果がどの程度見込めるか」「快適性を損なわないか」「継続的な運用が可能か」 の観点からご検討されてはいかがでしょうか。
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