災害お見舞い状とは？ビジネスシーンで重要な理由

災害お見舞い状は、地震や台風、豪雨等の自然災害が発生した際、被災した相手に対してお見舞いの気持ちを伝えるためのものです。ビジネスシーンでは、メッセージにお見舞金や物資の提供、支援の申し出等を記載して送ることが一般的です。

災害時に直接訪問すると、状況によっては相手の迷惑になることもあります。そのため、まずは書面で状況を確認することが大切です。

災害お見舞い状は相手を励ますだけではなく、自社の業務継続にもかかわります。災害お見舞い状により従業員や取引先の被災状況が確認できれば、自社の取るべき行動も判断しやすくなるでしょう。

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ビジネスシーンで災害お見舞い状を送る対象

ビジネスシーンで災害お見舞い状を送る対象は、大きく分けて以下の2つです。

• ●従業員
• ●取引先企業

従業員

従業員の安全は自社の事業継続にも大きく影響します。被災して怪我をした社員を元気づけ、安心感を与えるためにも、災害お見舞い状は大切です。

なお、従業員には災害お見舞い状を送る前に安否確認を行いましょう。安否確認システムを導入すると、従業員の安否確認がスムーズに行えます。安否確認システムは回答結果を自動集計する機能が付帯しているものも多くあり、災害時の業務負担を大幅に軽減可能です。

安否確認システムを通じた迅速な安否確認により、事業を継続するための対応や、被災した従業員への個別の支援、災害お見舞い状の送付等につなげやすくなります。

取引先企業

災害が発生した地域に取引先がある場合、該当する企業へ可能な限り安否確認を行った後、災害お見舞い状を送りましょう。お見舞い状では、まず被災した企業や社員の安全と無事を気遣う言葉を入れることが大切です。

被害の大きさによっては自社にも影響が及ぶおそれがあるため、災害お見舞い状を通して相手の状況を確認します。

相手の事情に配慮しつつ、「貴社の復旧状況に応じ、業務の調整をいたします」 等、無理のない形で協力する意思を伝えるとよいでしょう。

ビジネスシーンで使える災害お見舞い状の文例

ビジネスシーンで使える災害お見舞い状の文例を、以下に分けて紹介します。

• ●従業員やその家族宛の災害お見舞い状の文例
• ●取引先企業宛の災害お見舞い状の文例

災害お見舞い状の書き方で困っている方は参考にしてください。

従業員やその家族宛の災害お見舞い状の文例

まずは、従業員や従業員の家族が被災した際に送るお見舞いメールの文例を紹介します。安否確認後、状況に応じた災害お見舞い状を送りましょう。

【例文①軽微な被災が想定される場合等】

【例文②復旧へ向けた支援対応が必要な場合等】

【例文③安否確認や生活環境への配慮を伝えたい場合等】

取引先企業宛の災害お見舞い状の文例

続いて、取引先の企業が被災した際に送るお見舞いメールの文例を紹介します。相手方に余計な負担をかけないよう、短いながらも誠意が伝わる文章を心がけることをおすすめします。

【例文①軽微な被害が想定される場合等】

【例文②災害が業務に影響している場合等】

【例文③社員やご家族の安全も懸念される場合等】

災害お見舞い状を送るタイミング

災害お見舞い状を送る適切なタイミングは、以下のとおりです。

• ●安否確認を行って被災状況を確認した後
• ●災害が発生した直後
• ●状況がある程度落ち着いてから

安否確認を行って被災状況を把握した後

従業員、取引先いずれの場合も、災害お見舞い状を送る前に安否確認を行うことが理想的です。状況によっては周囲の対応に追われ、お見舞い状が負担になってしまうケースもあります。

社内、社外への安否確認メール文例は以下のとおりです。

【社内向け】

【社外向け】

安否確認を行っておくと、被災状況にあわせたお見舞い状の作成や適切な支援が行いやすくなります。

従業員向けには、災害発生にあわせて自動で安否確認メールが配信される安否確認システムも有効です。安否確認メールのフォーマットが用意されており、受信側はアンケート方式で回答できるものも多くあります。回答の自動集計機能が備わっていれば、業務負担の軽減が可能です。

ここでは、関西電力の「ANPiS」からの安否確認メールを例として紹介します。

災害が発生した直後の混乱した状況でも、安否確認システムからメールが自動配信されることでより迅速な安否確認が可能となるでしょう。

災害が発生した直後

災害お見舞い状は、災害が発生してからなるべく早急に送るのが基本的なマナーです。取引先には被災状況を心配する旨に加え、業務の中断や調整を受け入れる旨を伝えることをおすすめします。

状況がある程度落ち着いてから

大規模地震による通信障害やライフラインの断絶で相手の状況が確認できない場合、時間を置いてからお見舞い状を送ります。各メディアから発表される正確な被害状況を確認し、ある程度状況が判断できるようになってから送るとよいでしょう。

被害が大きい場合、お見舞金や人的サポートの申し出も提案すると、より親切です。

災害お見舞い状の書き方のポイント・ビジネスマナー

災害お見舞い状を送る際のポイント・マナーは以下のとおりです。

• ●頭語や時候の挨拶は省略する
• ●お見舞い状から外れた内容は書かない
• ●簡潔かつ分かりやすい内容を心がける
• ●返信を急かすニュアンスは避ける
• ●忌み言葉を使わないように注意する

それぞれ簡潔に紹介します。

頭語や時候の挨拶は省略する

災害お見舞い状では、頭語や時候の挨拶は不要です。

通常のビジネス文書や手紙では頭語（「拝啓」や「謹啓」等）や時候の挨拶（季節にあわせた冒頭の挨拶）が用いられます。

しかし、災害お見舞い状は、特に迅速かつ配慮のあるメッセージが求められるため、省略されることが一般的です。相手の無事や状況を心から気遣うことを優先し、形式的な挨拶よりも直接的にお見舞いの気持ちを伝えることが重要視されます。

お見舞い状から外れた内容は書かない

被災により困難な状況に直面しているケースもあるため、お見舞い状から外れた内容は書かないことが大切です。通常の業務連絡や商談に関する話題、相手の被害状況の度合いを探る内容等、お見舞い状の趣旨から外れた内容は避けましょう。

簡潔かつ分かりやすい内容を心がける

長い文章や複雑な表現は相手に負担をかけてしまいます。被害の詳細に触れず、「一日も早い復興をお祈りしております」 等の相手を励ます言葉や支援の意志を示す内容に留めた簡潔な内容が理想的です。

返信を急かすニュアンスは避ける

災害の影響で復旧作業に追われており、返信に時間を割けない可能性も考えられます。相手の負担にならないように、「早急にご無事であるか確認したくご連絡いたしました」 「お忙しいところ恐縮ですが、ご連絡をお願いします」 等、返信を急かすニュアンスの表現は避けましょう。

「まずはご自身と皆さまの安全を第一にお過ごしください」 等の言葉を添え、相手に余裕を持たせることが大切です。

忌み言葉を使わないように注意する

不適切な言葉を使うと、相手に不快感を与えるおそれがあるため避けましょう。災害お見舞い状には慎重な言葉選びが求められます。忌み言葉の一例は以下のとおりです。

災害お見舞い状の返信をする際のポイント

災害お見舞い状に対して返信する際には、以下のポイントを意識して送りましょう。

• ●状況が落ち着いてから返信する
• ●お礼と現状を簡潔に伝える

それぞれ簡潔に紹介します。

状況が落ち着いてから返信する

返信はできるだけ早い方が望ましいですが、被災の度合いによっては状況が落ち着いてからで構いません。混乱しているうちに返信すると、誤った伝わり方をするおそれもあります。

落ち着いてから状況を整理し、正確に伝えることが大切です。

お礼と現状を簡潔に伝える

返信の内容は、現状とお礼を簡潔に伝えるよう心がけましょう。具体的には、以下の内容に絞って記載することをおすすめします。

• ●感謝の気持ち
• ●安否の報告
• ●大まかな現状報告
• ●今後の予定（復旧の目処等）

災害お見舞い状への返信の文例

社内向け、社外向けそれぞれの返信の文例は以下のとおりです。

【社内向け例文①｜被害がなかった場合】

【社内向け例文②｜被害があった場合】

【社外向け例文①｜被害がなかった場合】

【社外向け例文②｜被害があった場合】

返信の内容は被災状況によって大きく変わります。誤って伝わらないよう、丁寧に説明するよう心がけましょう。

災害お見舞い状の他に企業ができるサポート

災害お見舞い状以外で企業ができるサポートは以下のとおりです。

• ●災害見舞金
• ●必要な物資の提供
• ●人的サポートの提供

それぞれ詳しく紹介します。

災害見舞金

災害見舞金とは、災害によって被害を受けた人に対する金銭的な支援で、相場は2〜10万円です。

災害見舞金を企業から従業員に支出する場合は「福利厚生費」に計上されます。

取引先に支出する場合は、慰安・贈答等の目的であれば「交際費」として処理するのが一般的です。

一方、関係の維持・回復を目的とする場合、自社の損失回避の費用とも考えられるため、交際費に該当せず、金額の多寡は問われません。

ただし、金額や目的、関係性によっては福利厚生費や交際費にできないケースもあるので、注意しましょう。経理上の取り扱いは、担当の税理士や専門家に相談し、適切な処理を行ってください。

必要な物資の提供

被災状況に応じて寝具やタオル、飲料、食料等の不足している物資を送ると喜ばれます。一方、お花や千羽鶴等の実用的でないものは、迷惑になる可能性があるため注意が必要です。

また、消耗品や食糧でも、状況や量によっては迷惑になるおそれがあるため、確認をとってから送りましょう。

人的サポートの提供

人的支援も災害お見舞いとして有効です。被災の状況にあわせ、自社の機材や人員を用いて協力企業へサポートを行います。

取引先の同意なく人的支援を行うと迷惑になるケースもあるため、災害お見舞い状の返信で人的支援の申し出があった際に行いましょう。

災害への迅速な対応には安否確認システムの導入も検討しよう

災害お見舞い状を送る前には、安否確認が大切です。自社が災害に遭った場合、従業員の安否確認は最優先業務のひとつに挙げられます。

しかし、災害発生時には電話回線の混雑や通信障害が発生し、従来の連絡手段では安否確認が難しくなることも少なくありません。

また、従業員へ個別に手動で安否確認を行っていると大きな負担となるため、より効率的で確実な手段が求められます。安否確認システムを導入していれば、スムーズに従業員の安否が確認でき、事業継続に重要な業務へリソースを割くことが可能です。

部署やグループごとにメールを送信できる機能が使えるものも多く、災害時の適切な指示出しに適しています。従業員の安否確認がスムーズに完了すれば、事業の早期復旧や、取引先企業への安否確認、災害お見舞い状の作成等も行いやすいでしょう。

安否確認システムの導入なら関西電力の 「ANPiS」 がおすすめ

災害時にスムーズな事業復旧や円滑なコミュニケーションに役立つ安否確認システムとして、関西電力の 「ANPiS」 の導入をおすすめします。災害時・緊急時に必要な以下の機能を備えながら、シンプルで使いやすい操作設計が特徴です。

【利用できる機能】

• ●気象庁の情報と自動で連携
• ●地域、震度、警報・注意報等種類に応じた配信設定
• ●従業員の回答結果を自動で集計
• ●未回答の従業員に対する自動再配信
• ●手動配信による柔軟な対応
• ●アンケートや会議の出欠確認等平常業務への応用
• ●安否登録の際のID・パスワードスキップ
• ●部門横断のグループ設定
• ●従業員家族の安否登録（最大4名まで）
• ●個人情報の秘匿性
• ●LINE配信 （有償オプション）

初期費用は無料、月額6,600円から利用可能で、企業の規模やニーズにあわせて2つのプランが用意されており、全国で利用可能です。

Webからお申込みができ、2週間の無料トライアルも可能ですので、災害への対策強化を検討しているなら、相談してみてはいかがでしょうか。

「ANPiS」の詳細を見る

• スタンダードプランは、従業員とその家族へメール配信するプランです。
• ファミリープランは、スタンダードプランに加えて、家族の応答内容を家族内で共有することができます。
  なお、家族への安否確認メールは管理者による手動配信となります。

災害お見舞い状や安否確認システムでビジネスを円滑に

ビジネスシーンでの災害お見舞い状は、事業を円滑に進めるための役割を果たします。従業員や取引先にお見舞いの気持ちを伝えるだけではなく、信頼関係の強化の他、状況を把握することで自社が今後取るべき行動も判断しやすくなるでしょう。

災害お見舞い状を送る前には安否確認を行うことが大切です。従業員の安否確認は、安否確認システムを導入しているとスムーズに行えます。従業員の安否確認が速やかに完了すれば、適切な人員配置や重要業務へのリソース集中等も可能です。災害に備えた安否確認システムをお探しなら、ぜひ 「ANPiS」 をご検討ください。

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監修者 三沢 おりえ（みさわ おりえ）

総合危機管理アドバイザー
防犯・防災、護身術の講演会やセミナー、イベント、メディア対応等幅広く活動。日本一非常食を食べていると自負する非常食マイスターでもある。総合防犯設備士、危機管理士、防災士。