災害時の通信手段を比較!特徴・メリットや安否確認システムについて解説

2024.10.1

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災害時の通信手段を比較!特徴・メリットや安否確認システムについて解説

災害時の迅速かつ確実な情報伝達は、人命救助や被害軽減のために極めて重要です。

この記事では、災害時に利用される主な通信手段として、固定電話、携帯電話、インターネット(SNS、メール等)、災害用伝言サービス、衛星電話、無線機等を取り上げ、それぞれの特徴や利点、欠点を詳しく比較します。

各通信手段の特徴を理解し、適切に組み合わせることで、より確実な災害時の通信体制を構築できます。この記事を参考に、自身や組織の災害時の通信手段について再考し、万全の備えを整えましょう。

災害時の通信手段には何がある?

災害時の通信手段には何がある?

災害時の通信手段確保は、非常時における情報収集や安否確認のために重要です。主な通信手段には、固定電話や携帯電話、インターネット(メール、SNS等)、災害用伝言サービス、衛星電話、無線機等があります。

それぞれの通信手段には特性があり、災害の状況や規模によって利用範囲が変わります。例えば、固定電話や携帯電話は広く普及していますが、災害時には回線の混雑や基地局の被災により利用が制限されるおそれがあります。

一方、インターネットを利用したコミュニケーションツールは比較的つながりやすく、情報共有にも適しているため、近年の災害時でも注目されています。また、衛星電話や無線機は、地上の通信インフラが被害を受けた場合でも利用可能な、重要なバックアップ手段となります。

以下、各通信手段の詳細について解説します。

SNSやメール

SNSやメールは、災害時に広範囲に情報を発信・共有できる通信手段です。迅速な情報共有と広範囲への情報発信が可能で、特に安否確認や避難情報の共有に有効です。

一方、通信インフラへの依存や誤情報拡散のリスクがあるため、他の通信手段と併用することが望ましいでしょう。また、情報の信頼性の確認や、災害時のネットワーク負荷を考慮した利用が重要です。

企業や組織では、SNSやメールを活用した災害時の連絡体制を事前に構築し、訓練を行っておくことが推奨されます

項目 内容
活用場面・目的
  • ●安否確認
  • ●被害状況の把握
  • ●避難情報の共有
メリット
  • ●複数人へ一斉配信が可能
  • ●情報の拡散が速い
  • ●リアルタイムでの情報交換が可能
デメリット
  • ●デマや誤情報が拡散されるおそれがある
  • ●通信インフラに依存するため、大規模災害時にはつながりにくくなるおそれがある

衛星電話

衛星電話は衛星と直接通信を行うため、通常の携帯電話等で利用する基地局を必要としません。地上の通信インフラに依存せず、広範囲での通信が可能です。

災害に強く、地球上のほぼどこでも通信できる点が大きな利点です。特に大規模災害時の緊急連絡や遠隔地、海上での通信に有効です。

一方で、屋内では使用しにくく、料金も高いという欠点があります。また、衛星の電波は直進性が高いため、建物の外に出て通信衛星の方向に衛星電話を向ける必要があります。

衛星電話は、他の通信手段が使用できない状況下での価値は高いと言えるでしょう。

項目 内容
活用場面・目的
  • ●大規模災害時の緊急連絡
  • ●遠隔地や海上での通信
  • ●災害対策本部との連絡
メリット
  • ●災害に強い
  • ●地球上のほぼどこでも通信可能
  • ●地上の通信インフラに依存しない
デメリット
  • ●屋内では使用しづらい(直進性の電波のため、建物内では使用に制約がある)
  • ●料金が高い

IP無線機

IP無線機は、携帯電話回線を利用してデータ通信を行う無線機です。携帯電話の電波が届くエリアであればどこでも使用できるため、広範囲での通信が可能です。また、データ通信を利用するため混信が起きにくく、操作も簡単という利点があります。

一方で、毎月の通信料金や利用料金がかかるコスト面での課題や、インターネット回線に依存するため通信障害のおそれがあるという欠点もあります。

災害時の安否確認や指示連絡、広範囲での業務連絡、位置情報管理が必要な場面等、幅広い用途で活用されています。特に大規模災害時や広域での業務連絡に有効ですが、通信インフラに依存するため、他の通信手段と併用することが望ましいでしょう。

項目 内容
活用場面・目的
  • ●災害時の安否確認や指示連絡
  • ●広範囲での業務連絡
  • ●位置情報の管理が必要な場面
メリット
  • ●広範囲で利用可能
  • ●混信が起きにくい
  • ●操作が簡単
デメリット
  • ●毎月のコストがかかる
  • ●通信障害のおそれがある

災害時伝言サービス

災害時伝言サービスは、大規模災害時に通常の通信手段が使えない場合の重要な連絡手段です。「災害用伝言ダイヤル(171)」と「災害用伝言板(web171)」の2種類があり、固定電話や携帯電話、さらにはインターネット経由でも利用可能です。

災害時伝言サービスの特徴は、被災地の方の電話番号をキーとして安否情報を登録・確認できることです。通常の電話回線が混雑している時でも比較的つながりやすいメリットもあります。

ただし、伝言の保存期限があることに注意が必要です。主に大規模災害時の安否確認や、被災地内外の家族・知人との連絡に活用されます

項目 内容
活用場面・目的
  • ●大規模災害時の安否確認
  • ●被災地内外の家族・知人との連絡
メリット
  • ●広く利用可能(固定電話、携帯電話、PHS等)
  • ●インターネット経由でも利用可能
デメリット
  • ●伝言の保存期限がある(最大6ヶ月程度)

災害時の通信手段を確保する際の注意点と準備のポイント

災害時の通信手段を確保する際の注意点と準備のポイント

災害時に通信手段を確保するための注意点と準備のポイントは以下の3つです。

  • ●複数の通信手段を確保する
  • ●電源を確保する
  • ●各通信手段の使い方を学んでおく

それぞれ詳しく解説します。

複数の通信手段を確保する

災害において 「72時間の壁 」 ともいわれる時間帯に、携帯電話等の情報通信サービスが利用できない場合に備え、複数の通信手段を準備することが大切です。

インターネット(メール、SNS等)や災害用伝言サービス、無線機等を組み合わせることの重要性は以下の点にあります。

  • ●ひとつの手段が使えなくなっても他の手段で連絡が取れる
  • ●状況に応じた最適な手段の選択が可能
  • ●多角的な情報収集と発信ができる

前述したように各通信手段にはさまざまな特徴があるため、それぞれの特徴を理解して組み合わせましょう。定期的な訓練と点検、バックアップ電源の確保を行うことで、災害時の通信途絶リスクを大幅に低減できます

電源を確保する

災害時の電源確保は、通信手段の維持や情報収集のために重要です。

主な電源確保の方法には以下のものがあります。

  • ●モバイルバッテリー:携帯性が高く、スマートフォンの充電に最適
  • ●ソーラーチャージャー:長期停電時に有効だが、天候に左右される
  • ●ポータブル電源(小容量):小型電子機器の充電に適する
  • ●発電機:大容量の電力供給が可能だが、燃料備蓄が必要
  • ●自家用車:車内コンセント、または車載バッテリーの活用
  • ●ポータブル電源(大容量):複数機器の長時間稼働が可能

特に、スマートフォンは重要な情報収集ツールであるため、最低でもモバイルバッテリーの準備が不可欠です。現在使用中のものとは別に、大容量バッテリーも用意しておくと良いでしょう。

上記の電源機器は、定期的な点検と充電状態の確認が必要です。自身や組織のニーズに応じて適切な組み合わせを選択し、万全の準備を整えることが重要です

各通信手段の使い方を学んでおく

各通信手段の使い方を事前に学び、訓練しておくことは、災害時で有効活用するために重要です。

また、災害発生後のフェーズによって通信手段の活用目的と用途が変化することを理解しておく必要があります。

例えば、発生直後は情報収集と状況把握が中心となり、24時間経過後は支援要請や協力体制確保のための活用が重要になります。

具体的な訓練内容としては、機器の操作手順、バッテリー管理、緊急時設定、代替手段への切り替え等が挙げられます。さらに、組織内での役割分担の明確化や、関係機関との連携訓練も重要です。

安否確認システムを活用した災害時通信の強化

災害時でも確実に連絡を取るには、前述のとおり複数の通信手段を準備しておく必要があります。

また、企業では、事業継続のためにも従業員の安否を確認する必要があるため、通常の通信手段に加えて企業向けの安否確認システムを導入することがおすすめです。安否確認システムは、災害発生時に従業員の安否を迅速かつ正確に確認できるツールです。

自動一斉配信機能で、地震や津波等の災害発生時に、事前に登録された従業員の連絡先に自動で安否確認メールを送信します。これにより、人為的なミスや遅延を防ぎ、迅速な初動対応が可能となります。

また、通信インフラの一部が使用不能になっても、代替手段で連絡が取れる可能性が高まります。さらに、回答の自動集計機能により、従業員からの回答をリアルタイムで把握し、迅速な状況判断が可能になります。

このように、安否確認システムは高い到達率と回答率を実現し、データの一元管理を通じて全体状況の把握を容易にします。また、BCP(事業継続計画)との連携により、迅速な事業継続判断や対策立案にも貢献します。

BCPについては以下の記事で詳しく紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

安否確認システムの種類と機能

安否確認システムには主に自動配信システムと手動配信システムがあります。

自動配信システムは、気象庁の緊急地震速報等と連動して自動的に安否確認メールを送信します。管理者の介入なしに迅速な安否確認が可能という利点があります。

一方、手動配信システムは従業員が自主的に安否を報告する方式で、メール、SMS、専用アプリ等複数の報告手段を提供します。

安否確認システムなら関西電力「ANPiS」がおすすめ

企業防災において、災害時の迅速な従業員の安否確認は不可欠です。そこでおすすめなのが、関西電力の安否確認システム「ANPiS(アンピス)」です。ANPiSは、災害時の安否確認だけでなく、平常時の情報共有やアンケートにも活用できる多機能システムです。もちろん全国での利用が可能です。

【利用できる機能】

  • ●気象庁情報と自動連携(地震、特別警報等)
  • ●従業員の回答結果自動集計
  • ●未回答者への自動再配信
  • ●手動配信によるパンデミック対応
  • ●アンケートや会議の出欠確認等平常業務への応用
  • ●安否登録の際のID・パスワードスキップ
  • ●部門横断グループ設定
  • ●個人情報の秘匿性確保
  • ●家族の安否登録機能
  • ●LINE配信(有償オプション)

シンプルな操作性と充実した機能を両立したシステムで、初期費用は無料、月額6,600円(税込)から利用可能です。企業規模や業種を問わず、効果的なBCP対策として、ANPiSの導入をぜひご検討ください。

通信手段を把握して災害時に備えよう

災害時に確実に情報伝達するには、複数の通信手段を組み合わせることが重要です。SNSやメールは一斉配信やリアルタイム通信が可能ですが、通信インフラに依存するため、災害時にはつながりにくくなるおそれがあります。

一方、衛星電話は通信インフラが破壊された状況でも利用できるため、大規模災害時や遠隔地での通信に有効です。

また、災害時伝言サービスは、被災者やその家族・知人との安否確認に役立ちます。各通信手段の特性を理解し、使用方法を事前に学び、訓練しておくことが緊急時の迅速かつ適切な対応につながります。

なお、企業で従業員の安否状況を確認したい場合は、安否確認システムの導入も効果的です。関西電力の「ANPiS」は、災害時の安否確認だけでなく、平常時の情報共有にも活用できる多機能システムです。シンプルな操作性と充実した機能を両立し、お手頃な価格で利用可能です。

各通信手段や安否確認システムを適切に組み合わせて、災害時に向けた通信体制を構築しておきましょう。

三沢 おりえ(みさわ おりえ)

監修者 三沢 おりえ(みさわ おりえ)

総合危機管理アドバイザー
防犯・防災、護身術の講演会やセミナー、イベント、メディア対応等幅広く活動。日本一非常食を食べていると自負する非常食マイスターでもある。総合防犯設備士、危機管理士、防災士。

サービス概要資料

安否確認システム
「ANPiS」

BCP策定の第一歩は、安否確認から!関西電力が提供する「安否確認システム(ANPiS)」のサービス概要をご紹介します。

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