安否確認とは?企業が災害時に確認する内容やシステム利用時のポイントを解説

2024.10.1

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安否確認とは?企業が災害時に確認する内容やシステム利用時のポイントを解説

災害時には、企業が従業員や従業員の家族の安否確認をスムーズに行う必要があります。安否確認が遅れると、災害による直接的な損害に加え、事業の再開が遅れて損失が大きくなってしまうおそれがあります。

安否確認にはさまざまな方法がありますが、なかでも安否確認システムは、従業員の無事や状況を素早く把握できるためおすすめです。サービスによって料金や内容が異なるので、利用する場合は選ぶポイントを知っておきましょう。

この記事では安否確認の重要性や内容、手段やポイントを解説します。おすすめの安否確認システムも紹介するため参考にしてください。

安否確認の目的・重要性とは?

安否確認の目的・重要性とは?

安否確認とは、災害時に従業員やその家族等の安否・状況を確認するサービスや手段を指します。

災害時は通常の連絡手段では連絡できない場合があるため、連絡をスムーズに取り合える安否確認の方法を決めておくことは重要です。

また、災害発生時に、企業は次の4つの経営資源を守ることが求められます。

  • ●ヒト…従業員や従業員の家族
  • ●モノ…建物や設備、機器
  • ●カネ…運転資金や金融資産
  • ●情報…データやシステム

災害の規模にもよりますが、大規模な地震が発生すれば広範囲に渡って電力や通信が停止し、復旧するまでにある程度の時間がかかります。

復旧までの期間でヒトやモノが失われると事業継続が難しくなり、地域のサプライチェーンにまで影響を及ぼす可能性も否定できません。

企業は、従業員や顧客の安全を第一に防災活動に取り組む必要があり、災害発生前に防災対策と事業継続の方針を定めることが求められます

企業向け:安否確認の主な内容

災害発生時に企業が確認すべきポイントは以下のとおりです。

  • ●従業員の安否状況
  • ●従業員の家族の安否状況
  • ●出勤・緊急対応可能な従業員
  • ●取引先の被害状況

災害発生に備えて、事前に確認しておくと良いでしょう。

上記を順番に解説します。

従業員の安否状況

災害が発生した際は、従業員の安否状況を確認しましょう。

安否確認で重要なポイントは、従業員の安否状況の確認を管理者に確実に届けることです。企業は従業員がどこにいてどのような状況にあるのか等、次の事項を確認しましょう。

  • ●怪我の有無
  • ●避難の可否
  • ●被害の程度
  • ●不便なこと 等

安否確認システムを活用する場合は、上記の内容を送受信でき、自動配信機能や未回答者へ再送信するシステムがあると便利です

従業員の家族の安否状況

企業が従業員の家族の安否状況も把握できれば、今後の指示を出しやすくなります。

従業員は、家族の安否が不明なまま業務に戻っても集中できません。そのため、安否確認時には、従業員だけでなく従業員の家族にも直接連絡が届く機能があると便利です

また、安否確認システムによっては、従業員の家族を登録することで、家族の現状がシステムを通じて従業員に届きます。

従業員にとってみれば、連絡の取れない家族の無事や動向を把握することで安心できるのでおすすめです。

出勤・緊急対応可能な従業員

従業員の安否状況を把握する際に、出勤や緊急対応が可能かどうかを確認することも重要です。

災害の状況にもよりますが、事業への影響を最小限に抑えるためには、災害時でも従業員に出勤してもらい、緊急対応にあたってもらう必要があります。

安否状況を確認しつつ、出勤・緊急対応可能な従業員の人数の把握や指示等を迅速に行える安否確認システムを利用すると、スムーズに事業を継続できます

取引先の被害状況

事業内容や規模にもよりますが、被災した場合は事業の継続が難しくなり、取引先に迷惑をかけてしまうおそれがあります。

反対に、取引先が被災していて、必要な物品が届かない、納期に間に合わない等のトラブルが発生する可能性も十分に考えられます。

災害が発生した際は、従業員と従業員の家族の安否状況確認だけでなく、取引先の被害状況も確認し、情報共有や今後の相談を行うと良いです

安否確認を実施する際のポイント・注意点

企業が安否確認を実施する際のポイントは以下のとおりです。

  • ●連絡手段を1つに絞る
  • ●安否確認時の連絡内容を決めておく
  • ●安否確認システムの使い方を事前に周知する
  • ●個人情報の管理を徹底する

上記を順番に解説します。

連絡手段を1つに絞る

安否確認の連絡手段や利用する安否確認システムは、1つに絞るべきです。

安否確認の方法が複数あると、従業員ごとにバラバラに連絡が届いてしまい、複数のツールや手段を用いて集計、通知等を行うため、手間がかかります。

迅速に状況を把握するためにも、なるべく1つに絞っておくべきです

ただし、災害の規模や状況によっては1つに絞ってしまい、安否確認が取れない場合があります。1つに絞ることが不安なら、万が一の事態に備えて別の手段を補助として用意しておきましょう。この方法で連絡が取れない場合はこの方法、と優先順位をつけて、本命の安否確認方法と一緒に周知すると良いです。

安否確認時の連絡内容を決めておく

安否確認時に連絡する内容を事前に周知すると、情報を過不足なくスムーズに集計できます。主に、次の情報を連絡してもらいましょう。

  • ●従業員の現在地
  • ●従業員の被害状況
  • ●避難場所の確保
  • ●当日/翌日以降の出勤可否
  • ●会社への出勤ルート等

事前に内容を決めておき、従業員へ周知しておかないと、後から追加で確認する手間がかかり、集計にも時間がかかるので注意しましょう

安否確認システムの使い方を事前に周知する

安否確認システムを導入した場合は、使い方を従業員や従業員の家族に周知しておきましょう。

使い方を理解していないと、実際に災害が起きた時に対応できない従業員が出てくる可能性があります。

また、システムが機能するために、連絡先を漏れなく登録しているか確認しておくことも必要です。そのため、安否確認システムを導入した場合は、次のポイントをチェックしましょう。

  • ●従業員に安否確認の重要性を理解してもらう
  • ●安否確認システムの使い方を周知する
  • ●安否確認システムの訓練を行う
  • ●訓練結果から反省と課題解決を話し合う
  • ●指導や管理体制を細分化する

まず、従業員に安否確認の重要性を理解してもらい、導入した安否確認システムの使い方をマニュアルや動画等の方法で周知しましょう。

次に、実際に安否確認システムの訓練を行い、訓練結果から反省し、原因の調査や解決策を話し合います。

なお、少人数の従業員で全従業員を指導するよりも、細分化した体制を整えて、部署ごとに指導と管理をする方法のほうが、状況を把握しやすく、スムーズな対応が取れます

個人情報の管理を徹底する

安否確認を行うには、電話番号やメールアドレス等、従業員の個人情報を集める必要があります。そのため、情報漏洩に注意し、セキュリティ対策を徹底しなければなりません。

また、安否確認システムで収集した安否状況をどこまで公開するかも事前に決めておくと良いです

安否確認の主な方法

防災訓練の種類と内容

安否確認のおもな方法は以下のとおりです。

種類 特徴
電話
  • ●声の調子で相手の状況が伝わりやすい
  • ●大人数の状況を把握するのに不向き
  • ●回線が混み合っていると利用できない
SNSやメッセージアプリ
  • ●複数人の状況を一度に把握し、写真や動画で状況を伝えられる
  • ●緊急時に特化したツールではない
メールやSMS
  • ●相手に自身の状況を伝えられる
  • ●受け取る側が端末を持っていないと、すぐに反応できない
災害用伝言ダイヤル(171)
災害用伝言版
  • ●地震や噴火等の災害発生時に提供され、被災地域に居住中・滞在中の場合、自身の安否状況を伝えられる
  • ●電話番号を知っている相手に広範囲に伝えられる
  • ●あくまで企業ではなく個人向けのツール
安否確認システム
  • ●緊急時に自動的に、必要な情報を送受信する
  • ●システムごとに内容が異なる

上記を順番に解説します。

電話

電話は安否確認の代表的な手段です。声の調子や声量等から相手の状況や状態が伝わりやすく、声を聞けると安心しやすい等のメリットが得られます。

しかし、電話は大人数の状況を把握するのに不向きで、災害の状況によっては回線が混雑してつながらないおそれもあります。

企業が従業員や従業員の家族の安否を確認する方法としてはおすすめできません。

SNSやメッセージアプリ

仕事で使用しているSNSやメッセージアプリ(ビジネスチャット)で状況を把握する方法もあります。

グループチャットなら複数人の状況を一度に把握でき、写真の添付で詳しい状況を把握しやすいです。

ただし、SNSやメッセージアプリは平時の連絡手段で、緊急事態に特化したツールではありません。

災害時にサーバーがダウンしている、混雑してメッセージが届かない等のケースが考えられるので、別の方法を検討しましょう。

メールやSMS

メールやSMSで安否を確認するケースもあります。電話に比べると一方通行ですが、すぐに安否状況を伝えられる手段です。

ただし、タイミングによってはメールを受け取れるスマートフォンやパソコンが管理者の手元になく、従業員からの安否確認にすぐに反応できない可能性があるため、安否確認の方法として採用している企業は注意しましょう。

災害用伝言ダイヤル(171)・災害用伝言版

災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言版は、電話サービスを提供する各通信事業者が協力して運営する安否確認の方法です。

地震や噴火等の災害が発生した場合に提供され、被災地域に住んでいる、あるいは滞在中の方は、次の方法でご自身の状況を全国に伝えられます。

災害用伝言ダイヤル(171)
  • ●災害用伝言ダイヤル(171)に1伝言当たり30秒以内の伝言を、1~20伝言残せる
  • ●電話番号に紐づいた伝言は別地域の方へ届き、新しく録音して被災地にいる方に届けられる
災害用伝言版
  • ●災害用伝言版にご自身の状況を登録でき、安否情報はインターネットを通じて確認できる
  • ●あらかじめ指定した家族や友人に、災害用伝言版に登録したと伝えられる

災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言版は相互連携しており、災害用伝言ダイヤル(171)に登録された伝言を災害用伝言版で確認でき、災害用伝言版に登録されたメッセージが災害用伝言ダイヤルを通じて被災地にいる方へ届けられます。

電話番号を知っている方に対して、ご自身の安否や状況を広範囲に伝えられる方法なので、家族やプライベートな交友関係に安否を知らせたい場合に役立つ方法です。企業で安否確認に関する指導を行っている場合は、従業員に周知しておきましょう。

なお、災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言版は被災地への通話や通信がつながりにくい状況でも安否確認を取りやすい方法ですが、あくまでも個人向けです。

企業が従業員の安否を確認したい場合は、別の方法を検討しましょう。

安否確認システム

災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言版は個人の安否確認方法として役立ちますが、企業としてBCP(事業継続計画)をしっかり遂行するには、企業用に提供されている安否確認システムが必要です

安否確認システムとは、安否確認が実行できるサービスや独自システムを指します。

災害が起きた時に登録者へ一斉に安否確認連絡を行い、返信を自動で集計するため、従業員や従業員の家族の安否確認や出勤できる従業員の人数等をスムーズに把握できます。

災害時の初動対応を効率化できるため、企業は安否確認システムの導入を検討しましょう。安否確認システムによってサービス内容は異なるので、選ぶ際は注意が必要です。

  • ●災害発生時に気象情報と自動連携
  • ●設定した方法で安否確認を一斉配信
  • ●回答を集計して管理者へ送信

最低でも、上記の機能が搭載されている安否確認システムを選びましょう。

安否確認システムの選び方

安否確認システムによってサービス内容が異なるため、選ぶ際は次のポイントを比較しましょう。

  • ●料金
  • ●システム・サービス内容
  • ●利便性
  • ●災害時の対応速度

安否確認システムは月額制のサービスが多く、従業員数やサービス内容によって料金が変動する場合があります。安全のためとはいえ、料金が高額だと負担になるため、サービス料金の比較は重要です

安否確認システムによってサービス内容は異なります。手厚いフォローや機能性に優れた安否確認システムも魅力的ですが、災害時の初動対応は素早い実行が重要なので、なるべくシンプルで使いやすいものを選びましょう

また、災害時の対応速度が遅いと、安否確認システムを導入する意味がありません。気象庁の情報と自動で連携し、24時間365日リアルタイムに対応できるサービスなら、安心して導入できます

安否確認システムなら関西電力の「ANPiS」がおすすめ

安否確認システム「ANPiS」は関西電力が提供している安否確認システムです。災害時に必要となる機能を揃えたシンプルで使いやすい設計となっており、初期費用は無料で、月額6,600円からご利用いただけます。

災害時には登録された従業員へ安否確認の連絡が一斉に送られ、回答を自動で集計することにより、部署別等さまざまな視点での整理が可能となります。

未回答の従業員を判別して、自動で再配信するので、集計漏れや同じ人物への複数回の送信等のミスが起きにくいです

また、従業員の家族への安否確認は手動配信ですが、ファミリープランなら家族の応答内容を家族内で共有できるので、従業員は安心して行動できます。

関西電力の「ANPiS」は他社サービスと比較しても十分な機能を備えつつ、お手頃な価格でご利用いただけるので、ぜひ導入をご検討ください。

災害に備えて使いやすい安否確認システムの導入を検討しよう

災害に備えて従業員や従業員の家族の安否を直ちに確認できる安否確認システムの導入は重要です。

災害発生時に従業員の安否確認が遅れると、事業再開に時間がかかり、機会損失が比例的に大きくなることで、結果として事業継続が困難になるおそれがあります。

そのため、災害が発生した時に従業員と従業員の家族の安否を確認できるシステムを導入しておくことが望ましいです。

関西電力の「ANPiS」は安否確認から集計までを自動で行い、災害時の初動対応を効率化するサービスです。安否確認への応答はシンプルで使いやすく、お手頃価格でお申込みいただけるので、ご検討ください。

三沢 おりえ(みさわ おりえ)

監修者 三沢 おりえ(みさわ おりえ)

総合危機管理アドバイザー
防犯・防災、護身術の講演会やセミナー、イベント、メディア対応等幅広く活動。日本一非常食を食べていると自負する非常食マイスターでもある。総合防犯設備士、危機管理士、防災士。

サービス概要資料

安否確認システム
「ANPiS」

BCP策定の第一歩は、安否確認から!関西電力が提供する「安否確認システム(ANPiS)」のサービス概要をご紹介します。

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