経費削減を目的として太陽光発電システムを導入
「より良い商品をより安く、より豊富に、より便利に提供すること」。それが当社の目指す店舗です。そのために衣・食・住、日常で使うものを豊富に揃えるとともに、すべての売場をワンフロアに納め、お客さまが買い物しやすい店づくりに尽力しています。そうした店舗経営に不可欠な経費の中でも電気料金はとりわけ大きな割合を占めており、その節減は重要な課題になっています。そのため店舗における光熱費削減の一環として、以前より太陽光発電の導入を進めてきました。
2015年、三重県にあるスーパーセンター津藤方店に初めて導入し、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」 ※を利用した売電事業に参画。現在、全国45店舗で太陽光発電を導入しています。(2020年12月現在)
近年、固定買取価格の低下によって売電の事業性が薄れつつある中、再生可能エネルギーで店舗の電力をまかなうことを考えるようになりました。2018年、埼玉県に新店舗を開店する際に初めてオンサイトサービスを導入し、そのメリットを実感。その後、2020年春、大阪府にオープン予定であったスーパーセンター富田林店の新設を前に同サービスを前向きに検討していた時、関西電力さんから 「太陽光発電オンサイトサービス」 を提案頂きました。
※ 固定価格買取制度(FIT) : 再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度。
初期投資不要、メンテナンスも一任できるところに注目
関西電力さんの 「太陽光発電オンサイトサービス」 についてお聞きし、まず注目したのは経済的な利点です。発電設備の設置に伴う初期投資が不要なことに加え、他社と比べてサービス料金が低価格で、ランニングコストを抑えられる点も魅力でした。
もう一つメリットを感じたのは、太陽光発電設備の運用・管理・保守を関西電力さんに任せられることです。従業員が広大な屋根の隅々にまで目を配らせ、メンテナンスを行うのは難しく、自社で設置した場合、設備の管理を外部委託する必要があります。それを関西電力さんに一任できれば、より高品質な運用・保守が可能になると考えました。
何より大きかったのは、関西電力さんに対する信頼です。長期間にわたる事業だけに、現在だけでなく今後も持続的な信頼関係を築いていけるかどうかが重要になります。電力会社である関西電力さんなら安心してお付き合いしていけると確信。当初提案していただいたスーパーセンター富田林店に加え、同じく関西圏で新店建設を計画していた奈良県のスーパーセンター天理店にも関西電力さんのオンサイトサービスの導入を決めました。
両店舗において、太陽光発電設備の施工が始まったのは2020年のことです。とりわけ印象的だったのは、設置の計画段階から施工期間にわたってきめ細やかな配慮が行き届いていたことでした。施工途中も現場の状況や進捗について丁寧に報告・相談してくださるだけでなく、問題が発生した際にも迅速・正確に状況を説明してくださったことで、適切な解決策を講じることができました。「これほど慎重に施工を進めてくださるとは」 と、施工を通じて関西電力さんに対する信頼感はより高まりました。
7月にスーパーセンター天理店、8月にスーパーセンター富田林店が相次いでオープンするとともに太陽光発電の稼働を開始。期待通りの成果をあげています。
この2店舗の実績によって、2020年11月にオープンしたスーパーセンター花巻店でも関西電力さんのオンサイトサービスを採用することに決めました。さらに熊本県にオープンする新店舗にも、関西電力さんのオンサイトサービスを導入する予定です。
電力使用量だけでなくデマンド値の低減にも期待
オンサイトサービスによる自家消費型太陽光発電の導入によって、今後、トータルの電力使用量の削減に加え、デマンド値を低減することを期待しています。24時間営業のスーパーセンタートライアルでは、食品の冷蔵・冷凍はもちろん照明や空調も消すことはありません。その中で電力使用量をいかに抑えるかが課題。発電電力を利用することでピーク時の使用電力やデマンド値を下げることができれば、電気料金の低減につながります。また電力使用量の削減によってCO2の排出を削減し、環境負荷低減にも貢献できればと考えています。
加えて太陽光発電設備を店舗屋上に設置することによる遮熱効果も無視できないと考えています。当社が行った実験では、太陽光発電設備によって店舗の電力使用量だけでなく、室温も大幅に下げられることが明らかになりました。とりわけ夏場は、店舗内を快適な温度に保つだけでなく、倉庫やバックヤードが高温になるのを防ぎ、従業員にとって働きやすい環境を維持することで、お客さま満足、さらには従業員満足の向上にも役立てたいと思っています。
電力使用量削減だけでなくBCPへの活用も視野
今後もオンサイトサービスによる自家消費型の太陽光発電を増やしていくつもりです。 将来は、電力使用量削減だけでなく、太陽光発電に蓄電池※も組み合わせ、BCP(事業継続計画)への取り組みに活用の幅を広げていくことも視野に入れています。「太陽光発電オンサイトサービス」 をきっかけに、関西電力さんと連携を強め、今後さまざまな事業に共に取り組んでいきたいと願っています。
※ 今後、トライアル天理店において、蓄電池を設置し実証実験を行う予定。