2050年よりもさらに早い脱炭素の実現に向けて
当社たねやグループは、豊かな水や土、多様な生き物が息づく滋賀で、自然の恵みに支えられながらお菓子作りを続けてきました。だからこそ自然、風土、歴史を守り、未来に引き継いでいくことは、地域に根差す企業としての務めだと考えています。そのために「大切にするきもち」という5つのサステナブルビジョンを掲げ、さまざまな側面から地球環境保全や地域の持続的発展に力を注いでいます。その柱の一つに挙げているのが、「脱炭素の実現」です。国が目標とする2050年よりもさらに早く、自社の事業活動で脱炭素を実現することを目指しています。
まずは「ラ コリーナ近江八幡」でCO2排出量を実質ゼロに
当社の「脱炭素」への取り組みの先導役として位置付けているのが、たねやグループの旗艦店である「ラ コリーナ近江八幡」です。この店舗を先行事例として脱炭素のノウハウ、実現にかかる費用や期間などの知見を蓄積し、今後他の生産工場や店舗で脱炭素を進めていくための足がかりをつくりたいと考えました。
関西電力さんに相談したところ、2023年1月オープンした「バームファクトリー」に太陽光発電を導入することで、「ラ コリーナ近江八幡」全体で使用する電力の約1/8を賄えるようになりました。さらにCO2フリーの電気料金メニュー「再エネECOプラン」で、太陽光発電で賄えない電気も、CO2排出量を実質ゼロにすることが可能になりました。その結果、バームクーヘンの製造工程などガス火が必要な設備を除き、「ラ コリーナ近江八幡」のCO2排出量を実質ゼロにすることができています。
総合的なコンサルティングと安心感が決め手
脱炭素に取り組むにあたり、関西電力さんを選んだ決め手の一つは、「CO2排出量をゼロにする」という目標に向け、広い視野でコンサルティングをしてくださるところでした。太陽光発電だけでは完全な脱炭素は実現できません。当社に最適なソリューションを検討し、CO2排出量ゼロに向けて並走いただけました。
また、国内屈指の大手電力会社であることに対する安心感・信頼感も大きなポイントでした。検討材料となる数値を緻密に算出してくださるなど、労力を惜しまず、スピーディーに情報を提供していただいたので、安心して検討を進めることができました。今後さらに脱炭素を推進していくことを考えた時、関西電力さんなら安心してお任せできると判断しました。
初期投資不要が後押しに
太陽光発電を検討する中で、初期投資が不要なオンサイトサービスだったことが導入の後押しになりました。「バームファクトリー」は、工場と店舗、カフェを備えた大規模な店舗ですので、建物の建設だけでも当社にとっては大きな投資となります。太陽光発電で追加の投資は難しいと考えていましたが、初期投資が不要な料金体系だった点が助かりました。
また、導入時の費用だけでなく長期的な費用についても、エネルギー価格が上昇している中、太陽光発電を活用することで電力使用量を低減し、電気代を抑えられることも大きな利点になりました。
工期・工事の要望にもフレキシブルに対応
実際に太陽光発電を導入する際、2つ懸念点がありました。1点目は、工事です。
太陽光発電設備の工事は、「バームファクトリー」の建設と並行しながら始まりました。工事日程や工事内容も柔軟にご調整いただき、工期も間に合わせて下さった点がありがたかったです。
また、施設の屋根部分には空から見る看板としてバームクーヘンをデザインしたいと考えており、この大きなサインを際立たせるために他の屋上部分は極力モノトーンで統一したいと思っていました。関西電力さんは、太陽光パネルを設置する際にも、配線が目立たないよう屋根と色味を合わせたケーブルラックの下に敷設していただくなど、当社の要望にも柔軟に応えながら、さまざまな調整を行ってくださいました。
導入後の手間の無さも高く評価
もう1つの懸念点は、導入後の手間でした。
当社では、すでにいくつかの生産工場に自己負担で太陽光発電を導入していますが、年月とともに不具合が起こることが課題になっていました。生産に直結する設備については毎日厳しく点検し、管理を徹底していますが、付帯設備の点検やメンテナンスに十分な人手を割くのは難しいのが現状でした。
関西電力さんのオンサイトサービスは、定期的なメンテナンスまで任せられるサービスです。手間を掛けたくないが、不具合が起きないようメンテナンスを徹底したい当社にとって、導入後も関西電力さんというエネルギーのプロに任せられるところに大きなメリットを感じました。
導入後の手間の無さも高く評価
今回の「ラ コリーナ近江八幡」での取り組みをモデルケースとして、今後は他の生産拠点や店舗でもグリーンエネルギーの採用や「太陽光発電オンサイトサービス」の導入を進めていきたいと考えています。2050年という国の目標を大きく前倒し、2030年までにすべての生産拠点、店舗でカーボンニュートラルを実現することを目指します。地球環境にとって良いことを精一杯進めていくために、関西電力さんに今後もぜひ助力をいただきたいと思っています。