省エネルギー・高効率なモノづくりを進める一手を模索
モノづくりに欠かせない 「道具」 を通じて、お客さまの生産工程や製品をより良いものに改善することが当社の使命です。社名の由来であり企業理念にも掲げる 「日々研究」 を心に銘じ、たゆむことなく研鑽を重ねています。
その一環として2009年から 「Machining ECO」 と称し、お客さまのモノづくりに 「省エネルギーと高効率(Energy & Cost saving)」 を提供できるよう、製品づくりに注力しています。また、お客さまだけでなく当社も 「Machining ECO」 を実践できるよう、これまで取り組んできました。省エネルギー・高効率を追求することが、地球環境への負荷を最小限に抑え、持続可能なモノづくりにもつながると考えています。
世界的に脱炭素やSDGsへの取り組みが進められている今、当社が尽力してきた 「Machining ECO」 を更に進める必要性を感じています。これまで以上の省エネにどのように取り組めばいいか、社内で侃々諤々な議論をしている最中に、関西電力さんから 「太陽光発電オンサイトサービス」 を提案いただきました。
太陽光発電でCO2を削減
当社では、これまでも工場の省エネに取り組んできましたが、最近省エネの話題の中心となっているCO2の削減に関しては、具体的な策をなかなか見つけることができませんでした。そこで、電気の使用量を“減らす”という視点だけでなく、太陽光発電で電気を“創る”ことで、更なるCO2削減ができると考え、太陽光発電に関する様々な情報を取り寄せ、関西電力さんと検討を進めました。
その結果、2022年1月、本社工場の屋根に総面積2万㎡、パネル容量1,920kWの太陽光発電設備の設置が完了しました。年間1,972MWhもの発電量が期待でき、工場全体の CO2排出量が約20%削減できる見込みです。さらなる省エネ、すなわちCO2削減の新しい手立てが難しいと悩んでいたタイミングで、関西電力さんの提案に出会い、当社が省エネの大きな一歩を踏み出せたことに、大変満足しています。
また、太陽光発電によって省エネを推進できた結果、省エネ法の第一種エネルギー管理指定工場から第二種エネルギー管理指定工場へ変更することができました。公的な届出関係が緩和されただけでなく、同時に地域の皆さまや企業さまに、当社が積極的に省エネに取り組んでいる姿をお見せすることができているのではないかと感じています。
太陽光発電と蓄電池で電気料金を削減
太陽光発電の導入を検討する際、省エネだけでなく、費用対効果も重視しました。試算の結果、想像以上に発電量が見込めたため、発電した電気を自家消費することで電気料金の削減が期待できることが分かりました。
さらに、太陽光発電と合わせて提案いただいた蓄電池も大きなメリットを感じました。太陽光発電で発電した電気を蓄電池に貯めておき、工場で最も電力を使用するピーク時に放電することで、最大使用電力(デマンド)を抑えることができます。その結果、電気の基本料金を削減し、十分に費用対効果が見込めたため、導入に踏み切ることができました。
また、蓄電池を導入したことにより、もし災害などで停電になった場合、事務所の照明や空調、サーバーなどを約5時間稼働させることができると想定しています。従業員の安全や情報セキュリティーを確保できるため、非常時の備えとしても有効だと感じています。
丁寧な調査と的確な分析で懸念を払しょくできた安心感
実際に導入する際は様々な懸念もありましたが、丁寧に現地調査・分析を行った上で説明いただいたことで、太陽光発電の導入に踏み込むことができました。長年エネルギーのプロとして信頼があった関西電力さんだからこそ、安心して相談することができ、一緒に進めることができたと感じています。 今後も、当社工場・製造の 「Machining ECO」 を推進するとともに、お客さまに 「Machining ECO」 を提供する高精度・高品質な製品を作っていきたいと思います。関西電力さんにはエネルギーのパートナーとして、ぜひこれからも協力していただきたいと思っています。
担当者のコメント
今回ご採用いただいた 「太陽光発電オンサイトサービス」 は、関西電力が太陽光発電設備の設置、運用からメンテナンスまで全て行い、お客さまに発電した電気をご利用いただく、PPAモデルのサービスです。発電した電気はCO2排出量ゼロとなるため、環境投資対応、温対法対応に加えて、企業さまのPRにもご活用いただけます。また、蓄電池とあわせて導入いただくことで、BCP対策にもなります。今後も日研工作所さまのお役に立てるよう、エネルギーのプロとして寄り添ってまいりたいと思います。