導入の経緯
大型建造物の設計・施工管理を事業とし、従業員約150名を抱えるD社さまは、新卒採用のために関西電力株式会社が提供する 「人事支援サービス」 を導入された。同社の採用担当は2名、採用実績は毎年5名ほどであるが、年々母集団が減少しているという危機感があった。
「採用活動としては2日間を1クールとするインターンシップ、学校訪問を中心とし、媒体は大手の就職ナビを利用していました。しかし、経費や時間がかかる割に母集団の減少は止まらず、この方法が今の時代にそぐわないのではないかと思うようになりました。そこで採用のプロとともに時代に合った自社の採用体制を整えようと、提案のあった関西電力さんの他にWebサイトで検索した2社にお声がけさせていただきました。前提として、媒体などの関連会社ではなく、独立した組織を求めていました。関西電力さんの提携先であるアールナインさんももちろん独立系ですし、採用自体のアウトソーシングだけではなく、豊富なコンサルティングの実績を持っておられることが魅力でした。また、採用後の定着や育成にまで関わっていただけることに安心感がありました。最終的な決め手は、やはり提案力です。当社の本質を見抜き、他社と比べても群を抜いていました。その分、費用も高かったのですが、採用・育成の戦略におけるパートナーとしてお付き合いさせていただくのに最適だと判断しました」 と担当者さま。
そうして、2019年の春より秋冬のインターンシップに向けて、新たな採用体制の整備に着手した。
真に必要とする人材確保のために取り組んだ4つのメニュー
実際、D社さまが契約されたサービスは以下の通りである。
1 母集団形成 = 質として、求める人物像の明確化
2 選考フローの構築と選考評定表の作成
3 各選考のマニュアル作成
4 各選考の面接代行と面接官トレーニング
担当者さまは、「まず、母集団は‘数’が重要なのではなく‘質’であること。採用したいのは、どのような思考、素養をもつ人材かを見極めることの重要性に気付かされました。実のところ、これまでは面接をする者によって、評価の尺度がバラバラであったため、本当に採用したい人材を逃がしているケースがあると感じていました。今回のターゲットの明確化に始まる一連の取り組みは、この課題を克服できるものだと大いに納得しました。そして、関西電力さんとともに今の時代に即した人材採用の在り方を検討する中で、これまで実施してきたナビ媒体の利用も次年度から取り止めることに決めました」 と語る。
「求める人物像の明確化」 は、要件定義と呼ばれるものでいわば出発点。採用のベースとなるものだ。そして 「選考フローの構築」 では、明確になったターゲットを見極めるための手順を策定する。例えば、集団機能の観点からの素養を求めるのであれば、1次面接でグループワークなどを取り入れる。さらにフェーズごとに選考基準を決め、具体的な手法を確定していく。「各選考のマニュアル作成」 は、面接官によるブレを極力回避することが目的である。そして最後の 「面接代行と面接官のトレーニング」 では、社長面接以外の面接をプロが行う。採用担当者は同席してその実際を目の当たりにする一方で、面接官としてのトレーニングを受ける。これは採用の可否を決定付ける面接官の養成が目的である。
関西電力の 「人事支援サービス」 は…
各社へのヒアリング、打ち合わせにより状況に応じたプランを提示。パッケージはなく、常にカスタマイズされたサービスメニューを提供する。

プロフェッショナルの手腕に脱帽。
将来は採用ブランディングの推進を目指す。
担当者さまいわく、プロフェッショナルとともに挑んだ人材採用の過程と結果は、満足のいくものであった。
「人材要件の確定、選考フローの構築、選考基準や質問内容の作成、面接代行など、いずれの取り組みも筋道の通ったものであり、これまでの自社のやり方がいかに感覚的なものであったか、そのためにいかに必要な人材を取りこぼしていたかを痛感させられました。特に面接では相手のタイプに合わせた会話を展開し、当社の良さを伝えながら、応募者の本音や考え方を導き出すことに成功していました。そのスキルに驚くと同時に、自分たちが勘だけに頼っていたことに気付かされました。実は初年度にしっかりプロフェッショナルのノウハウを盗み、2年目からは自分たちで面接を行うつもりで意気込んでいましたが、そう簡単には真似できないことも分かりました。それだけノウハウは奥深い。今はプロの領域があり、任せるべきところは任せるのが良いのではないかと考えています。また新卒採用だけでなく中途採用においても私共の現状に即した採用方法を検討すべく、相談している最中です」。
今後も毎年5名ほどの採用を予定しているD社さま。新しい採用方法の確立の後は、同じように関西電力株式会社の人事支援サービスを活用して、人材の定着やエンゲージメントの向上を目指したいと考えている。理想は、人事領域におけるエンゲージメントの高い中小企業としてメディア等に取り上げられ、採用ブランディングの推進やコスト削減につながることである。