パンデミックとは?意味・定義や関連用語、発生事例と対策を紹介
2025.4.23
関連キーワード:
- パンデミックとは

目次
パンデミックは繰り返し発生し、社会に大きな影響を及ぼしています。パンデミックの発生は個人では制御できないため、事前の対策が重要です。
この記事では、パンデミックの意味・定義やこれまでの発生事例に加え、企業向けのパンデミック対策も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
従業員の安否確認から
集計までを自動化
災害時の迅速な初動対応が可能に
安否確認システム 「ANPiS」 は気象庁と連携し、 災害が発生するとメール等が自動で配信され、
従業員の安否や出社可否の確認結果を自動集計します。

- ※1 2019年8月(サービス開始)~2024年9月現在の実績です。受信側の要因を除きます。
- ※2 オプションでLINEの一斉配信も可能です。
パンデミックとは「感染症の世界的流行」を意味する言葉
パンデミック(pandemic)とは、感染症や伝染病が全国的・世界的に大流行し、多くの感染者や患者が発生する現象を指す言葉です。ギリシャ語の「パンデミア(すべての人々)」を意味する言葉に由来し、日本語では 「感染症の世界的流行」 と訳されます。
世界保健機関(WHO)では、感染症の流行の規模に応じてフェーズを4段階に分けています。フェーズごとの概要は以下のとおりです。
フェーズ | 概要 |
---|---|
パンデミックとパンデミックの間の時期(Interpandemic phase) | 新型インフルエンザによるパンデミックとパンデミックの間の段階 |
警戒期(Alert phase) | 新しい亜型のインフルエンザの人への感染が確認された段階 |
パンデミック期(Pandemic phase) | 新しい亜型のインフルエンザの人への感染が世界的に拡大した段階 |
移行期(Transition phase) | 世界的なリスクが下がり、世界的な対応の段階的縮小や国ごとの対策の縮小等が起こりうる段階 |
パンデミックに関連する用語
以下はパンデミックに関連する用語です。それぞれ詳しく紹介します。
- ●アウトブレイク
- ●エンデミック
- ●エピデミック
- ●サーベイランス
アウトブレイク
アウトブレイクとは、特定の地域や集団で感染症が突然発生し、通常の予測を超えて急激に感染者が増加する現象を指す言葉です。例えば、学校や施設等の限られた範囲でインフルエンザやノロウイルスが大発生するケースがアウトブレイクに該当します。
小規模な流行に分類されますが、適切な対策が取られない場合、より大きな流行(エピデミックやパンデミック)に発展するおそれがあります。アウトブレイクが予測される場合、初動対応や保健所等への連絡等、迅速な対応をとることが重要です。
エンデミック
エンデミックとは、特定の地域や集団で感染症が常に一定の発生率で存在する状態を指す言葉です。例えば、デング熱はエンデミック感染症として知られており、周期的に流行が発生しています。
エンデミックが他地域に拡大した場合、エピデミックやパンデミックに発展するおそれがあります。
エピデミック
エピデミックとは、感染症が特定の地域や国で通常の予測を超えて広範囲に流行する状態を指す言葉です。例えば、季節性インフルエンザが通常の流行範囲を超えて急増した場合や、デング熱が一地域で異常に多く発生した場合がエピデミックに該当します。
エピデミックの発生時には感染経路を調査し、ワクチン接種や感染防止策の普及を進める等、迅速な対応が重要です。流行が地域限定的な点でパンデミックと異なります。
サーベイランス
サーベイランスとは、「見張り」 や 「監視制度」 を意味する言葉です。感染症の発生や拡大を監視し、早期発見と迅速な対応を可能にする公衆衛生上の取り組みを指します。
日本では感染症法に基づき、診断医療機関から保健所へ届出のあった情報は保健所から都道府県庁、厚生労働省へと結ぶオンラインシステムに活用されています。感染症が流行する兆候をいち早く察知し、発生・拡大の防止や有効かつ的確な予防対策を早急に実施する際に役立つシステムです。
パンデミックの段階に応じて構築されたサーベイランスシステムは 「パンデミックサーベイランス」 と呼ばれます。
人類史上でパンデミックを起こした感染症の事例

人類史上でパンデミックを起こした感染症の事例は以下のとおりです。
- ●デング熱
- ●天然痘(痘そう)
- ●エボラ出血熱
- ●HIV・AIDS
- ●インフルエンザ(スペイン風邪)
- ●新型コロナウイルス
それぞれ詳しく紹介します。
デング熱
デング熱は、蚊が媒介するウイルス性疾患で、発熱、頭痛、筋肉痛、発疹等の症状を引き起こす感染症です。デング熱は周期性があり、一定期間ごと(3〜4年ごと)に大規模な流行を繰り返しています。
特に世界的な発生率は過去20年間で著しく増加しており、問題になっている感染症のひとつです。WHOの報告では、2000年から2019年にかけて世界で報告された症例が50万人から520万人へ、10倍に急増したと記録されています。
デング熱は特に中東やアフリカ、南米等の熱帯および亜熱帯気候での発生率が高い傾向です。
天然痘(痘そう)
天然痘(痘そう)はウイルス性の感染症で、発熱、発疹、水疱、かさぶた等を特徴とし、重症化すると致死率が高い感染症でした。
紀元前より人々におそれられており、多くの命を奪った感染症です。流行するたびにパンデミックが発生し多くの人が死亡しています。
ワクチンの普及により発生率が減少し、1980年には世界保健機関(WHO)により天然痘の根絶が宣言されました。以降、世界中で天然痘の発生は報告されていません。
エボラ出血熱
エボラ出血熱は、エボラウイルスによる感染症でEVD(Ebola virus disease)と略される感染症です。西アフリカの 「エボラ川」 の近くで最初の患者が確認されたことに由来します。
感染した動物や人の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物)に触れることで感染し、致死率が80〜90%を超える場合もある極めて危険な疾患です。主にアフリカ中央部で発生し、1976年以降30回以上の流行が報告されています。
2019年に世界保健機関(WHO)は、エボラ熱を 「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」 に該当すると宣言しましたが、2020年に宣言は終了しました。しかし、2022年にウガンダ共和国で6度目の国内での流行が起き、2023年に終息宣言が出ています。
HIV・AIDS
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は免疫細胞を攻撃し、治療しなければ最終的にAIDS(後天性免疫不全症候群)を引き起こすウイルスです。HIVは感染力の弱いウイルスで、日常の生活では感染しません。
性行為、血液を介した接触、母子感染などでうつり、感染後数週間以内に発熱・頭痛をはじめとする風邪のような症状があらわれます。
HIV・AIDSは1981年にアメリカではじめて認識され、世界的に広がりました。現在でもパンデミック状態にある感染症のひとつです。治療薬の開発が進み、早期に服薬治療を受ければ日常生活を送れます。しかし、2023年時点の報告では世界には約3,990万人のHIV感染者、AIDS患者がおり、年間約130万人の新規感染、約63万人の死亡者が出ていると推定されています。
インフルエンザ(スペイン風邪)
スペイン風邪は、1918〜1919年に流行したインフルエンザです。感染者は約5〜6億人、死者は2,000万〜5,000万人に達したと推計されています。
スペイン風邪以降も、およそ10年から40年の周期で新型ウイルスによる新型インフルエンザの流行が繰り返されており、21世紀に入ってからは 2009年にパンデミックが発生しています。
現在でも、インフルエンザの流行は各地で発生しているため身近な感染症のひとつです。
新型コロナウイルス
新型コロナウイルス(COVID-19)は、2019年末に中国で最初に確認され、世界中に広がった感染症です。2020年3月11日、世界的な感染拡大の状況や重症度等から新型コロナウイルス感染症をパンデミックとみなすことが表明されました。
2020年以降、多くの国でロックダウンや移動制限が実施され、社会や経済に深刻な影響を与えた感染症です。症状は、発熱、咳、倦怠感、味覚障害の他、重症化すると呼吸困難や臓器不全に至ることがあります。
過去に一部の地域で流行したもののパンデミックに発展しなかった、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)や中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)とは異なるウイルスです。
新型コロナウイルスは感染力が高く、現在でも世界中で複数の変異株が報告されており、今後も人類に定着して蔓延することが予想されています。
パンデミックの発生に備えて企業ができる対策

パンデミックは個人での備えも重要ですが、企業は個人だけではなく事業の継続性や従業員の安全を守るためにも備えが必要です。パンデミックの発生に備えて企業ができる対策には、以下が挙げられます。
- ●手洗い・消毒・マスクの着用を徹底する
- ●従業員同士や来客者との接触機会を減らす
- ●食糧や衛生用品を備蓄しておく
- ● BCPを策定しておく
- ●リモートワークができる業務体制を構築する
- ●発生時に社内で円滑な意思疎通を図るため安否確認システムを導入する
それぞれ詳しく紹介します。
手洗い・消毒・マスクの着用を徹底する
パンデミック発生時の基本的な感染予防対策として挙げられるのは、手洗い、消毒、マスク着用の徹底です。手洗いやアルコール消毒は接触感染のリスクを低減できます。マスクの着用は飛沫感染を防ぐ効果があり、咳やくしゃみを伴う症状がある場合には必須です。
企業は、アルコール消毒液を入口や共有スペースに設置する、マスクの着用を義務づける等を徹底することで感染リスクを抑えられます。
従業員同士や来客者との接触機会を減らす
接触感染や飛沫感染のリスクを減らすため、従業員同士や来客者との接触機会を最小限に抑える取り組みが重要です。
例えば、会議や取引先との商談をオンラインで実施したり、オフィスレイアウトを工夫して座席間隔を広げたりすることが効果的です。時差出勤やフレックスタイム制度を導入し、出社人数を分散させることも感染リスクの低減につながります。
食糧や衛生用品を備蓄しておく
パンデミック発生時には物流が停滞し、必要な物資が入手困難になるおそれがあります。従業員用の食糧や衛生用品(マスク、消毒液、ペーパータオル等)を一定量備蓄しておくことが大切です。
買い出しによる他者との接触も控えられ、感染リスクの低減につながります。パンデミックだけではなく、自然災害への備えにもなる防災倉庫の設置もおすすめです。
防災倉庫についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事: 防災倉庫の中身とは?防災用品一覧や設置・保管場所のポイントを解説
BCPを策定しておく
パンデミック発生時に事業を継続するためには、BCP(事業継続計画)の策定が効果的です。BCPは企業が自然災害やパンデミック等の緊急事態に直面した際に、業務を継続し早期復旧を図るための計画を指します。
BCP策定のなかでさまざまなリスクを洗い出し、災害・緊急事態発生時の行動計画や役割分担等を行うため、パンデミック以外のさまざまな災害・緊急時への備えにもなります。日本は自然災害が多く、近年は大規模地震の発生リスクも高まっているため、まだBCPを策定していないのであればBCPの策定からはじめてみると良いでしょう。
BCPについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事: 災害時に役立つBCP(事業継続計画)とは?具体的な効果や策定のポイントを紹介
リモートワークができる業務体制を構築する
パンデミック発生時には出社が困難になるため、リモートワークが可能な業務体制の整備が求められます。従業員全員がスムーズに在宅勤務に移行できるよう、事前に必要なITインフラやセキュリティ対策を整備するとともに、リモートワークに適した業務フローの構築が重要です。
オンライン会議システムや業務管理ツール、連絡ツールの導入を通じて、従業員同士の円滑なコミュニケーションを確保すると滞りなく事業が継続できるでしょう。
発生時に社内で円滑な意思疎通を図るため安否確認システムを導入する
パンデミック発生時には、早急かつ正確な従業員への指示出しや情報共有が欠かせません。社内のコミュニケーションに役立つツールのひとつが安否確認システムです。安否確認システムは災害時に従業員の安全を迅速に把握できるだけでなく、連絡手段としても活用できます。
パンデミックをはじめとする緊急時には、電話やメールだけでは対応が追いつかない場合がありますが、安否確認システムなら短時間で全従業員への一斉通知や状況把握が可能です。
導入コストも比較的低いため、感染拡大に備えた社内体制の一環として、導入を検討してみることをおすすめします。
パンデミックや災害発生に備えるなら「ANPiS」を
パンデミックへの備えとして安否確認システムを導入するなら、 「ANPiS(アンピス)」 を検討してみてください。ANPiSは関西電力が提供している安否確認システムで、災害時・緊急時に必要な機能を備えながら、シンプルで使いやすい操作設計となっています。
比較的低コストで導入でき、従業員への安否確認メール自動配信や、部署やグループに分けたメールの配信が可能です。回答フォームの内容は自由に設計可能かつ手動配信も可能なため、パンデミック時には感染症の罹患状況等にも対応できます。
平常業務にも応用可能な機能が付帯しており、災害時・緊急時以外でも業務効率化にご活用いただけます。
【利用できる機能】
- ●気象庁情報と自動連携(地震、特別警報等)
- ●従業員の回答結果自動集計
- ●未回答者への自動再配信
- ●手動配信によるパンデミック対応
- ●アンケートや会議の出欠確認等平常業務への応用
- ●安否登録の際のID・パスワードスキップ
- ●部門横断グループ設定
- ●個人情報の秘匿性確保
- ●家族の安否登録機能
- ●LINE配信(有償オプション)
初期費用は無料、月額6,600円(税込)から利用可能で、企業の規模やニーズにあわせて2つのプランを用意しています。
ご利用人数 | スタンダードプラン※1(税込) | ファミリープラン※2(税込) |
---|---|---|
~50名 | 6,600円 | 6,985円 |
~100名 | 9,900円 | 10,670円 |
~150名 | 13,200円 | 14,355円 |
~200名 | 15,400円 | 16,940円 |
~300名 | 17,600円 | 19,910円 |
~400名 | 19,800円 | 22,880円 |
~500名 | 22,000円 | 25,850円 |
501名〜 | 100名ごとに+2,200円 | 100名ごとに+2,970円 |
「ANPiS」はWebからお申込みができ、2週間の無料トライアルも可能です。安否確認システムの導入を検討しているなら、一度相談してみてはいかがでしょうか。
- スタンダードプランは、従業員とその家族へメール配信するプランです。
- ファミリープランは、スタンダードプランに加えて、家族の応答内容を家族内で共有することができます。
なお、家族への安否確認メールは管理者による手動配信となります。
パンデミックの対策は事前の備えが重要
パンデミックとは、感染症や伝染病が全国的・世界的に大流行することを指す言葉です。過去から現在に至るまでさまざまなパンデミックが発生しており、根絶に成功したものもありますが、いまなお蔓延している感染症もあります。
近年のパンデミックとして記憶に新しい新型コロナウイルスは、全世界に大きな影響を与えました。現在でも複数の変異株が報告されているため、次のパンデミックはいつ起こってもおかしくありません。
パンデミックに備える最初の一歩として、「ANPiS」 の導入をご検討ください。パンデミックをはじめとする緊急時に加え、災害時にも役立つ機能を備えながら、平常業務の効率化にも応用できる安否確認システムです。
従業員の安否確認から
集計までを自動化
災害時の迅速な初動対応が可能に
安否確認システム 「ANPiS」 は気象庁と連携し、 災害が発生するとメール等が自動で配信され、
従業員の安否や出社可否の確認結果を自動集計します。

- ※1 2019年8月(サービス開始)~2024年9月現在の実績です。受信側の要因を除きます。
- ※2 オプションでLINEの一斉配信も可能です。

監修者 三沢 おりえ(みさわ おりえ)
総合危機管理アドバイザー
防犯・防災、護身術の講演会やセミナー、イベント、メディア対応等幅広く活動。日本一非常食を食べていると自負する非常食マイスターでもある。総合防犯設備士、危機管理士、防災士。
サービス概要資料
安否確認システム
「ANPiS」

BCP策定の第一歩は、安否確認から!関西電力が提供する「安否確認システム(ANPiS)」のサービス概要をご紹介します。
資料の一部をご紹介
- 安否確認システム(ANPiS)とは
- 選ばれる理由
- サービスの特徴
- よくあるご質問
資料ダウンロードフォーム
■個人情報の取扱いについて
◇個人情報の利用目的
弊社では、「個人情報保護方針」内の「個人情報の利用目的」および「弊社が開催するセミナーの案内、弊社と提携する他社のセミナーの案内を行うために必要な範囲内で個人情報を利用いたします。
◇広告・宣伝メールの送信
弊社は、お申込フォームで入力いただいたメールアドレスあてに、広告・宣伝メール(「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」に定める「特定電子メール」を指します。)を送信することがあります。また、お客さまから申し出により、速やかに配信を停止します。