2026年度から店舗へ太陽光パネル設置が目標義務化へ:対象や罰則、導入について
2025.9.29
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目次
2025年7月、経済産業省は一部の店舗や工場に太陽光発電設備の設置を義務化する方針を発表しました。
実施は2026年度からで、全国で約12,000の事業者が対象になる見込みです。
脱炭素化の流れが加速する中、企業にも再生可能エネルギーの活用が強く求められる時代になりました。
すでに導入を検討している事業者がいる一方で、「うちも対象なのか?」「どう進めればいいのか分からない…」と不安を感じる声も少なくありません。
そこで今回は、この新制度の概要や背景、準備のポイントに加えて、初期費用の負担を抑えられるPPAモデルの活用方法についても分かりやすく解説します。
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太陽光パネル設置の目標義務化はどの店舗が対象か
今回の対象となるのは、原油換算で年間1,500kL以上のエネルギーを使用している店舗や工場です。
該当する事業者は、全国でおよそ1万2,000社にのぼると見込まれています。
対象業種や除外されるケースはある?
現時点で、経済産業省から具体的な対象業種や除外条件に関する発表はありません。
判断基準は業種ではなく、あくまで「原油換算で年間1,500kL以上を使用しているかどうか」です。
業種にかかわらず、この基準を超える事業者が対象となります。
一部店舗で太陽光パネル設置目標が義務化される背景
この制度の背景にあるのは、2050年カーボンニュートラルの実現です。
カーボンニュートラルとは、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量から、森林による吸収量などを差し引いて、全体を実質0にすることを指します。
日本全体としても脱炭素化に向けた取り組みが進むなか、特に産業分野でのCO₂排出削減は不可欠とされています。
「太陽光パネルの設置義務化」は、店舗の屋根や敷地を活用して再生可能エネルギーの比率を高めることで、企業活動の持続可能性を確保し、日本全体のエネルギー構成の転換につなげる狙いがあります。
これらの背景から、再エネ設備の義務化は避けられない流れとなりつつあるのです。
経済産業省は、従来型の太陽光パネルが設置困難なケースも想定しており、軽量なペロブスカイト太陽電池の実用化が後押しになる可能性があるとしています。
こうした技術の進展も視野に入れることで、より多くの事業者が制度対応に取り組めると期待されています。
導入に対する補助金などの制度について
今回の目標義務化にあわせて、新たな補助金制度が発表されているわけではありません。
ただし、太陽光パネルの設置に対しては既存の補助金制度が豊富に用意されており、国だけでなく自治体による支援も利用可能です。
併用できるケースもあるため、早い段階から補助金窓口に相談し、設備仕様や工期の条件を確認しておくと安心です。
太陽光パネル設置義務化に違反した場合の罰則はあるのか
今回の制度はあくまで「目標義務」とされているため、設置しなかった場合に罰金や営業停止などの厳しい罰則はありません。
ただし、設置計画を国に申告した事業者は、2027年度以降、計画の進捗を毎年報告する義務が生じます。
この報告に虚偽の内容があった場合、50万円以下の罰金が科される点には注意が必要です。
太陽光パネルの導入方法とは?
太陽光パネルの設置には、パネルの選定から設置まで自分で計画立てる「自己設置」と、PPA事業者に任せる「PPAモデル」があります。
初期費用 | ランニングコスト | コストメリット | 投資回収 | 手間 | |
自己設置 | あり | メンテナンスなど維持費 | 電気料金削減 | 初期費用を複数年かけて回収 | あり |
PPAモデル | なし | 月額料金 | 電気料金削減 | 毎月電気料金より太陽光サービス料金が安いとコストメリット | なし |
自己設置とPPAモデルの大きな違いは、初期費用の有無と運用・メンテナンスについてです。
自己設置の場合、太陽光パネルを設置する際に発生する初期費用は自社で支払わなければなりません。
PPAモデルはPPA事業者が初期費用を負担するうえ、メンテナンスなども対応します。
そのため、自己設置と比べて自社の負担が軽減されるのがPPAモデルです。
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義務化される前に店舗が準備しておくべきこと
制度が本格的に施行される前に、以下の3点を準備しておくことで、よりスムーズに計画を進められます。
- ●導入計画を立てる
- ●防火・安全対策を行う
- ●電気事業法を遵守する
それぞれのポイントを詳しく解説します。
導入計画を立てる
まずは、太陽光パネルの設置に必要な屋根や敷地の状況、現在の電力使用量を把握し、それに基づいて導入計画を立てましょう。
早い段階で設置可能な容量や必要な工期、予算感を明確にしておくことで、申請や工事がスムーズに進みます。
最近では、従来のシリコン型よりも「軽く・薄く・柔軟」なペロブスカイト太陽電池の技術開発が進んでおり、工場や店舗の屋根など耐荷重の課題がある場所にも設置できる可能性が広がっています。
経済産業省もその活用に注目しており、軽量パネルの選択肢が企業の再エネ導入ハードルを下げると期待されています。
こうした最新の選択肢も含め、専門家による現地調査やシミュレーションを依頼しておくのがおすすめです。
防火安全対策を行う
太陽光パネルは発熱や漏電リスクも伴うため、防火・安全対策が欠かせません。
防火安全を考慮した太陽光設備の設計や設置場所の検討、消防との協議が重要です。
電気事業法を遵守する
一定規模以上の発電設備は、電気事業法の規制対象になります。
発電容量や連系方式によっては、申請や届け出が必要になる場合があるため、法令遵守の視点でも準備を進めてください。
あわせて、契約電力や需要契約の見直しも検討しておくと安心です。
契約電力や需給契約の見直しも忘れずに。
負担軽減のため、PPAモデルの活用も視野に入れるのもおすすめ
太陽光パネルの設置にかかるシミュレーションやさまざまな準備は、とても重要で欠かせないものです。
しかし、太陽光発電に詳しくない方にとって、0から進めるのは大きな負担になるかもしれません。
日々の業務をこなしながら、設置場所の確認や設備仕様の検討を行うのは簡単ではないでしょう。
そこでおすすめなのが、PPAモデルの活用です。
PPAモデルでは、法人が設置場所を提供する代わりに、PPA事業者が初期費用やメンテナンス費用を全額負担してくれます。
コスト負担を抑えながら再エネ導入が進められるため、準備に不安がある場合は検討してみる価値があります。
例えば、関西電力ではお客さまごとの最適容量の設計から太陽光パネルの運用・メンテナンスなどのサービスをワンストップで提供する「太陽光発電オンサイトサービス」を展開しています。
初期費用などはもちろん不要で、必要なのは毎月発生するサービス料金のみ。
自己設置だと固定資産税が発生しますが、太陽光発電オンサイトサービスではこれらの諸費用のご心配もありません。
詳しくは下記よりご覧ください。
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太陽光パネル設置の施工会社選定のポイント
太陽光パネルの施工を依頼する際は、実績が豊富で、アフターサービスや保証が充実している施工会社を選ぶことが重要です。
複数の会社から見積もりを取り、設備仕様や設置方法だけでなく、スケジュール管理や申請サポートの有無まで比較検討しましょう。
また、過去の事例や口コミなどを調べることで、信頼性や対応力の評価も確認できます。
こうした情報を参考に、自社に合ったパートナーを見つけることが、スムーズな導入の第一歩です。
義務化を契機に進める省エネ経営
今回の目標義務化を、単なる「負担」と捉えるのではなく、省エネ経営を加速させるチャンスと考えてみると良いかもしれません。
脱炭素化の流れが加速するいま、再生可能エネルギーの活用は避けて通れないテーマとなっています。
早めに対応を進めることで、将来的なコスト削減やリスク回避にもつながります。
さらに、ESGやSDGsといった社会的要請への対応を経営戦略に組み込むことで、企業価値の向上にも寄与します。
今回の制度をきっかけに、省エネにフォーカスした経営方針を強化してみてはいかがでしょうか。
なお、初期投資の負担が気になる場合は、PPAモデルの活用も検討すると良いでしょう。PPAモデルなら、設置場所を提供するだけで、初期費用やメンテナンス費用はPPA事業者が負担してくれるため、無理なく導入が可能です。
関西電力では、お客さまごとの最適容量の設計から太陽光パネルの運用・メンテナンスなどのサービスをワンストップで提供する「太陽光発電オンサイトサービス」を展開しています。
初期費用やランニングコストは不要で、必要なのは設置場所と月額固定の料金のみ。
お客さまに最適な、効率的な運用プランをご提案します。
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店舗に太陽光パネルを設置する営業面のメリット
太陽光パネルの導入は、コスト削減や脱炭素対応といった経営面のメリットだけでなく、顧客や地域に対する“営業的なアピール”にもつながる点が見逃せません。
特にスーパーや商業施設、飲食店といった一般客を対象とする店舗では、以下のような効果が期待できます。
- ●「環境に配慮したお店」という印象を与えられる
店舗の屋根や敷地に設置された太陽光パネルは、再生可能エネルギーの活用を視覚的に伝える“シンボル”にもなります。環境意識の高い消費者や地域住民に対して、信頼や共感を得やすくなるでしょう。
- ●企業ブランドや地域での好感度向上
脱炭素やSDGsに取り組む企業姿勢は、自治体や地域メディアからの注目も高まります。地元密着型の商業施設やチェーン店舗にとって、こうした活動はブランド価値の強化に直結します。
- ●景観に配慮した設置で、デザイン性にも貢献
最近では、意匠性の高い太陽光パネルや軽量型パネルも登場しており、建物の外観と調和した設置も可能です。これにより、景観を損なわずに環境対応をアピールすることができます。
- ●営業への好影響(来店動機や話題づくり)
「再エネ導入店舗」として特集されたり、SNSで話題になったりすることで、新たな集客導線や話題喚起につながるケースもあります。特にサステナブルを重視する若年層に対しては、店舗選びのポイントとなることもあります。
このように、太陽光発電は「義務だから」ではなく、営業ツール・ブランド戦略の一環として導入することが、今後の店舗運営においては重要な視点になるかもしれません。
ペロブスカイト太陽電池の活用動向と今後の可能性
ペロブスカイト太陽電池は、日本発の次世代太陽電池技術として注目されています。
従来のシリコン型に比べて軽量・薄型・柔軟性に優れ、屋根荷重の課題をクリアできることから、店舗や工場への導入にも適している技術として注目されています。
実際に、大阪・関西万博のバス停屋根や神戸空港の制限区域内、堤防のり面への埋設実験など、従来設置が難しかった場所での導入事例が相次いでいます。
また、東京都は2035年までに次世代型太陽電池による発電容量100万kWの導入を目指しており、こうした動きは企業にも大きな影響を与えると予想されます。
制度対応にあたっては、従来型のパネルに加え、こうした新技術の選択肢も検討に含めることで、より柔軟かつ現実的な再エネ導入計画が立てられるでしょう。
ペロブスカイト太陽電池については、以下の記事も参考にされてください。
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