太陽光パネルの種類は?素材別の特徴・メリットや選ぶ際のポイントを解説

2025.3.21

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太陽光パネルの種類は?素材別の特徴・メリットや選ぶ際のポイントを解説

太陽光パネルは素材によって種類が分かれ、それぞれ発電効率や使用環境等の特徴が異なります。

太陽光パネルの価格や用途等は、それぞれの発電効率や使用環境等の特徴によるため、太陽光発電設備の導入を検討している場合は知っておくべきです。

この記事では、太陽光パネルの種類や選ぶ際のポイントを解説します。

太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。

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太陽光パネルとは?

太陽光パネルとは?

太陽光パネルとは、太陽の光を利用して電気を生み出すためのパネルです。複数の太陽電池を組み合わせた構造で、主に住宅や工場、オフィスビルの屋根に設置されます。

パネルで発電される電力は、施設内で自家消費するか、電力会社に余剰電力を売電することができます。

発電時に二酸化炭素を排出しないため、環境に優しい再生可能エネルギーのひとつとして注目されています。

太陽光パネルの種類

太陽光パネルは、使用される素材によって発電効率や特徴が異なります。

素材 発電効率 特徴
シリコン系 単結晶 : ~20%
多結晶 : ~15%
薄膜系 : ~9%
最も普及しており、高効率で長寿命
製造コストが比較的高い
化合物系 CIS系 : ~14%
CdTe系 : ~13%
Ⅲ-Ⅴ系 : ~38%
高温環境や宇宙用途に適している
環境負荷やコストの課題がある
有機系 色素増感 : ~14%
有機薄膜 : ~12%
軽量で柔軟性が高く、コスト削減が期待される
発電効率がやや低い
量子ドット系 60%以上
(研究段階)
ナノテクノロジーを利用した次世代型
発電効率は高いが、現時点では実用化されていない

次項より、素材の違いを順番に解説します

シリコン系

シリコン系の太陽光パネルは、現在最も広く普及している種類です。信頼性と発電効率の高さや長寿命等の特徴があり、製造メーカーも多く、住宅用から産業用まで幅広い用途で使用されています

シリコン系の主要な種類は以下のとおりです。

  • ●単結晶シリコン
  • ●多結晶シリコン
  • ●薄膜シリコン

単結晶シリコンはシリコンを一方向に結晶化させた構造で、高い変換効率や耐久性、信頼性を誇ります。

多結晶シリコンは複数の結晶が集まった構造を持ち、単結晶に比べて効率はやや劣りますが、製造コストを抑えやすい点が特徴です。

薄膜シリコンは薄く伸ばして作られたシリコンで、大量生産しやすく、軽量でフレキシブルな太陽光パネルを製造するのに適しています。

しかし、単結晶シリコンや多結晶シリコンに比べると発電効率が低いです。

シリコン系は、技術の進化により熱に強いハイブリッド型太陽電池にも登場しており、今後も効率性とコストの両立が期待されています。

化合物系

化合物系とは、シリコンではなく、複数の元素を混ぜ合わせた化合物を用いて半導体の性質を持たせた素材です。シリコン系では難しい特定の特性や用途に対応します。

化合物系の主要な種類は以下のとおりです。

  • ●CIGS系
  • ●CdTe系
  • ●III-V系

CIGS系は薄膜構造を採用しているため、曲面への設置が可能です。変換効率も年々着実に向上しているため、今後の普及が期待されています。

CdTe系は環境負荷が懸念されるカドミウムを含みますが、製造時に使うエネルギーが少ないのが特徴です。そのため、環境性能が良く、欧米では大規模発電所の太陽光パネルに採用されています。

III-V系は40%以上の変換効率を発揮可能で、人工衛星や宇宙用等の特殊な環境下で用いられる太陽光パネルの素材です。

化合物系は、特定の用途や条件下で優れた性能を発揮するため、シリコン系の太陽光パネルを補完する働きがあります。

有機系

有機系とは、シリコンやその他の化合物とは異なる、炭素を含む有機物を主成分とする物質や材料を指します。製造工程では、複雑な装置を必要としない場合が多いため、コスト削減が期待されています。

有機系の主要な種類は以下のとおりです。

  • ●色素増感
  • ●有機薄膜

色素増感型とは、色素分子が光を吸収し電子を移動させる仕組みを利用して発電する素材です。光合成を模した太陽電池とも呼ばれており、色素を変えることで発電効率の向上やデザインの付与が行えます。

有機薄膜とは、有機半導体の薄膜を発電層としており、軽量かつ製造コストが抑えられることが特徴です。フレキシブルな形状を実現できるため、ポータブル機器用電源やウェアラブル電源等への応用が可能ですが、耐久性が課題に挙げられます。

有機系を用いた太陽光パネルは、将来的なポテンシャルが高い分野です。

量子ドット系

量子ドット系の太陽光パネルは、現在研究段階にある次世代型の技術で、量子効果を利用して性能を向上させる点が特徴です。

量子ドットとは、ナノサイズで制御された半導体の微粒子です。光を効率的に吸収し、変換する特性を持っており、従来の太陽光パネルでは難しい高い変換効率の実現が期待されています。

一方で、ナノスケールの高度な加工技術が必要であり、現時点では製造コストが高いのが課題です。

産業用太陽光発電設備におすすめの太陽光パネルは?

現在、産業用太陽光発電設備におすすめの太陽光パネルはシリコン結晶系です

シリコン系太陽光パネルは太陽光パネルのなかでも歴史が長く、実績と信頼性があります。

また、屋外での使用に適しており、経年劣化が少ないため、長期的に安定した発電が可能です。

ただし、メーカーによって独自の技術を取り入れた製品があり、性能やコストが異なるため、選ぶ際は各メーカーの特徴を比較しましょう。

太陽光発電設備の種類についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

太陽光パネルを選ぶ際のポイント

太陽光パネルを選ぶ際は、メーカーごとの製品の違いだけでなく、以下のポイントにも注目しましょう。

  • ●初期費用と維持管理コスト
  • ●メーカーの保証とサポート体制
  • ●発電量と設置場所

上記を順番に解説します。

初期費用と維持管理コスト

太陽光パネルの導入には、初期費用と運用中の維持管理コストが発生します。

次の表は、産業用太陽光発電設備を設置するのに必要な費用をまとめたものです※1※2

初期費用項目 2013年度の費用の目安 2024年度の費用の目安
太陽光パネル 24.3万円/kW 9.0万円/kW
パワーコンディショナー 5.1万円/kW 3.6万円/kW
架台 3.8万円/kW 2.2万円/kW
その他の機器 1.6万円/kW 2.2万円/kW
工事費 7.0万円/kW 8.0万円/kW
設計費 0.1万円/kW 0.2万円/kW
土地造成費 0.0万円/kW 0.0万円/kW
接続費 0.7万円/kW 0.7万円/kW
値引き ▲4.6万円/kW ▲2.2万円/kW
合計 38.0万円/kW 23.7万円/kW

また、次の表は、産業用太陽光発電設備を維持するためのコストをまとめたものです※3※4

出力 全体の平均 地上設置の平均 屋根設置の平均
10~50kW 0.53万円/kW/年 0.51万円/kW/年 0.56万円/kW/年
50~250kW 0.48万円/kW/年 0.57万円/kW/年 0.39万円/kW/年
250~500kW 0.47万円/kW/年 0.51万円/kW/年 0.35万円/kW/年
500~2,000kW 0.58万円/kW/年 0.61万円/kW/年 0.42万円/kW/年
1,000~2,000kW 0.64万円/kW/年 0.66万円/kW/年 0.40万円/kW/年
2,000kW以上 0.79万円/kW/年 0.79万円/kW/年 0.29万円/kW/年

実際の初期費用やコストは商品の価格や規模によって異なりますが、高額になる傾向が見られます。

そのため、太陽光パネルを設置する際は、自治体や国の補助金制度の有無や事前にシミュレーション等を行い、収支計画や運用プランを立てましょう

メーカーの保証とサポート体制

太陽光パネルは20年以上にわたって運用するため、メーカーの保証やサポート体制が充実していることが重要です

保証内容が不十分だと、長期運用中に発生するトラブルや性能低下に対応できず、コストが増加したり、運用リスクにつながったりするおそれがあります。

信頼できるメーカーを選ぶ際には、製品保証や出力保証、サポート体制を確認しましょう。

発電量と設置場所

太陽光発電で発電量を最大化するためには、日照時間が長く、南向きで傾斜がある場所が理想的です。

しかし、すべての条件を満たせる設置場所を確保できるとは限りません。

また、製品によっては寒冷地に適したものや、軽量化されているもの等、それぞれ特徴が異なります。

設置場所の形状や面積、状況にあわせて、より発電効率が高く、設置場所や設置環境に適したものを選びましょう

適切な太陽光パネルが自社では分からない場合

太陽光パネルを選ぶポイントを解説してきましたが、自社では分からないことが多いと思います。その際は、マルチメーカー対応の事業者に相談しましょう。

マルチメーカー対応の事業者であれば、プロの目線で、各企業に最適な種類・規模の太陽光設備を選定してくれます。関西電力も、マルチメーカー対応で太陽光発電設備をご提案しておりますので、まずはぜひご相談ください。

太陽光発電設備を導入するなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

太陽光発電設備を導入するなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

太陽光発電設備の初期費用やコストを抑えつつ導入するならPPA(Power Purchase Agreement)が適しています。

PPAとは、エネルギーサービス事業者と契約を結んで太陽光発電設備を設置してもらい、割安で電気を購入する導入方法です。

例えば、関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電設備を導入可能なオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスまでをワンストップで行い、発電した電気をお客さまが利用するサービスで、契約期間は20年ほどです※1

太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※2。月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、割引プランの適用で節約も可能です。

関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。

「割引プラン」や、補助金の申請をサポートする「補助金サポート」等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3

ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」をご検討ください。

  • 途中解約には違約金が発生します。
  • 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
  • 割引プランは、補助金との併用はできません。

素材・性能を把握して用途にあった太陽光パネルを選ぼう

太陽光パネルは、使用されている素材によって発電効率や特徴が大きく異なります。産業用太陽光発電設備でおすすめなのはシリコン結晶系ですが、設置場所にあった太陽光パネルを選ぶためにはある程度の知識が必要になります。

関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」なら設置場所や必要な設備を関西電力がコンサルティングし、幅広いラインナップからお客さまに最適な提案を行うので、太陽光パネルを選定する必要がありません。

自社の敷地内に太陽光発電を導入するなら「太陽光発電オンサイトサービス」を、設置スペースを持たない場合は「コーポレートPPA」がおすすめです。

太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。

初期費用ゼロで、導入時の工事から導入後の運用・メンテナンスまで、ワンストップでおまかせいただけます。

近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授

1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

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