太陽光発電の収支シミュレーションを解説!計算方法や注意点をわかりやすく紹介

2024.10.1

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太陽光発電の収支シミュレーションを解説!計算方法や注意点をわかりやすく紹介

「 太陽光発電を導入して元が取れるのか 」 「 導入の手間やコストに見合う電気料金の削減や売電収入が得られるのか 」 といった不安があり、導入を迷っている方もいるかもしれません。

太陽光発電の導入を検討する際には、事前に収支シミュレーションをすることで、初期費用回収の見通しを立てて計画的に導入できます。

この記事では、太陽光発電の収支シミュレーションの必要性、シミュレーションの方法や注意点等を解説します。

太陽光発電の収支シミュレーションはなぜ必要?

太陽光発電の収支シミュレーションは、発電量や電気料金の削減効果を把握するために重要です。導入・運用に値する電気料金の削減効果が見込めるのか、初期費用はどれくらいの期間で回収できるのか等を把握するために収支シミュレーションが役立ちます。

太陽光発電の収支について具体的な金額を把握することで、太陽光発電の導入で期待に見合った費用対効果が見込めるのか現実的に判断できるはずです。

太陽光発電の収支シミュレーションをする3つの方法

太陽光発電の収支シミュレーションをする方法としては、主に以下が挙げられます。

  • ●シミュレーションツールを利用する
  • ●手計算でシミュレーションする
  • ●設置業者等に依頼をする

シミュレーションツールを利用する

一番簡単な方法は、シミュレーションツールを導入して発電量や収支を計算する方法です。設置の面積、30分デマンド値、月別の電力使用量(kWh)等の各種データをもとに、手計算では得られないような詳細なデータを取得できます。

シミュレーションツールによっては、気象データの取得や3Dモデリング等の高度な機能に対応するものもあります。

なお、関西電力 「 太陽光発電オンサイトサービス 」 では、3つの質問に答えるだけで、年間の電気料金削減額を概算でご確認いただける 「 10秒シミュレーション 」 を提供しています。また、より詳しいシミュレーションをご希望の方は、こちらからお申込みが可能です。

手計算でシミュレーションする

ツールがない場合は、手計算でシミュレーションすることもできます。

出力のカタログ値や日射量等をもとに発電量を計算し、初期費用の回収期間(あるいは毎月のローン返済との収支)等を計算します。手計算は、自分で計算の中身を理解しながらシミュレーションの結果を把握できる点がメリットです。

ただし、個人の手計算では限界があり、細かなデータを得ることは難しいでしょう。詳しいシミュレーションでより具体的に見通しを立てたい場合には、シミュレーションツールや業者への依頼等が推奨されます。

設置業者等に依頼をする

設置業者や販売店等にシミュレーションを依頼する方法もあります。

設置業者や販売店等に依頼すると、実際に現地で調査を行い、設置環境や設置場所の寸法等を確認してシミュレーションをしてくれる場合もあります。実際に現地確認をしてシミュレーションする場合、担当者に直接相談ができる点も大きなメリットです。

太陽光発電の収支シミュレーションの計算方法
シミュレーションツールでの計算方法

関西電力のシミュレーションツールを使う手順は以下のとおりです。

  • ①都道府県を選択
  • ②太陽光パネルの設置面積を入力
  • ③建物の稼働頻度を選択
  • ④試算結果

①都道府県を選択

まずは、設置場所の都道府県を選択してください。日射量から、およその発電量を試算します。

①都道府県を選択

②太陽光パネルの設置面積を入力

次に、屋根や空き地等、太陽光パネルの設置予定場所の面積を入力してください。入力いただいた面積から、設置可能な太陽光パネルの容量(枚数)を想定し、導入費用や発電量を試算します。

②太陽光パネルの設置面積を入力

③建物の稼働頻度を選択

最後に、休業日があるかないか、建物の稼働頻度を選択してください。建物の稼働日から、発電した電気を毎日使用することができるか、土日は使用することができないのか、判断します。

発電した電気を毎日より多く使った方が、電気料金の削減効果が期待できます。

③建物の稼働頻度を選択

④試算結果

上記の3項目を入力するだけで、「 CO₂削減量 」 と 「 コスト削減額の目安 」 が分かります。

④試算結果

より詳細な試算が必要な場合は、無料の 「 詳細シミュレーション 」 もご用意しています。

手計算の方法

手計算の方法

太陽光発電の発電量や収支を手計算する時の計算方法を以下で見ていきましょう。

  • ①太陽光発電の発電量を計算
  • ②太陽光発電による年間での収支を計算

①太陽光発電の発電量を計算

太陽光発電の発電量は、以下の式で計算できます。

発電量(kWh)=太陽光発電の設置容量(kW)×日射量×損失係数

太陽光発電の設置容量(kW)は、太陽光パネル1枚あたりの出力を示す公称最大出力 (カタログ等に記載)に枚数を掛けた合計値として計算が可能です。

日射量は、NEDOのWebサイトの全国日射量マップ等から確認できます。損失係数は発電の時のロスを補正するための数値で、通常は0.7程度の値を使用します

例えば、年平均日射量が3.9kWh/m2・日の場所で5kWの設置容量を持つ太陽光発電設備で発電する場合、年間の発電量は以下のように計算できます。

年間の発電量
5kW×3.9kWh/m2・日×0.7×365日=4,982 kWh

②太陽光発電による年間での収支を計算

自家消費で削減できる電気料金は、例えば以下の式で計算できます。

削減できる電気料金=1kWhあたりの電気料金(電力量単価等)×発電量

一方、売電する場合の売電収入は、以下の式で計算できます。

売電収入=売電量×売電単価

※住宅用の売電単価(FIT価格)は2024年度の場合、1kWhあたり16円。

初期費用の回収年数は、大まかに以下の式で計算できます。

回収年数 = 初期費用÷(年間の売電収入 or 削減できる電気料金-設備の維持費)

初期費用が150万円、維持費が年間0.5万円、1kWhあたりの電気料金が35円/kWhとすると、自家消費での費用削減で初期費用を回収できるまでの期間は、以下のように計算できます。

年間で削減できる電気料金
4,982kWh×35円/kWh=174,370円

初期費用の回収期間
150万円÷(174,370円-0.5万円)=約8.9年

太陽光発電の収支シミュレーションをする時の注意点

太陽光発電の収支シミュレーションをする時の注意点は、以下のとおりです。

  • ●実際の日射量によって発電量は変わる
  • ●経年劣化により発電量は低下する
  • ●故障による修理費用が発生する可能性がある

日射量、経年劣化、故障による修理等でシミュレーションと実際の数字に差が出る可能性があり、注意が必要です。それぞれの注意点について以下で見ていきましょう。

実際の日射量によって発電量は変わる

特に手計算の場合は、年間の平均的な日射量の数値等を使用することになりますが、実際の日射量は個別の環境ごとに異なります。太陽光パネルの方位や角度、周囲の障害物の状況等によって日射量が変わってくるということです。

また、実際に運用する際は天候にも左右されるため、晴れの日が多い、あるいは悪天候が多い等の天候状況によってシミュレーションとの差が大きくなることもあります。

経年劣化により発電量は低下する

太陽光パネルは、通常の使用でも経年劣化が進み、発電量はわずかですが徐々に少なくなっていきます。経年劣化を考慮しないシミュレーションの場合、長期的にはシミュレーションとの差が大きくなることがあります。

また、経年劣化を考慮する場合も、メンテナンス不足等で劣化が進むとシミュレーションとのズレが大きくなる可能性があります。

故障による修理費用が発生する可能性がある

太陽光発電の運用中に突発的な故障・不具合が発生することは珍しくありません。機器が故障すると、修理・交換のために予期せぬ修理費用が発生する可能性があります

なお、故障・不具合のリスクがあるのは太陽光パネルだけでなく、パワーコンディショナーや接続機器も故障・不具合で修理が必要になることがあります。

長期的な収支計画では、修理費用や部品交換の費用を織り込んでおき、リスクに備えた見通しをしておくのも方法のひとつです。また、定期的なメンテナンス等、事前に費用が発生することが分かっているものは、必要な出費として見積もっておきましょう。

太陽光発電の費用についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

初期費用ゼロで導入するなら関西電力の 「 太陽光発電オンサイトサービス 」

太陽光発電では、自社で設備を保有する方法のほかに、エネルギーサービス事業者と契約して設備を設置する 「 PPAモデル 」 と呼ばれる導入方法があります。

PPAモデルでは、事業者が設備を設置して管理やメンテナンスを行うため、需要家は初期費用ゼロで設備の導入が可能です。

例えば、関西電力の提供する 「 太陽光発電オンサイトサービス 」 は、需要家であるお客さまの敷地内に設備を設置するタイプのPPAです。導入からメンテナンスまで関西電力がワンストップで実施するため、手間なく太陽光発電の導入が可能です※1

なお、導入の際には、全国で補助金の採択実績が豊富な関西電力が、補助金申請をサポートします。補助金をサービス料金に反映して、月々の料金負担を抑えることが可能です。

補助金を利用しない場合も、工事時期お任せでサービス料金が安くなる 「 まとめて工事プラン 」 「 工期フリープラン 」 があり、これらの割引プラン※2で料金を抑えることもできます。

太陽光発電の設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡程度の折板屋根、カーポート、遊休地等、広い敷地がなくてもさまざまな場所に設置が可能です。

太陽光発電の導入を迷っているお客さまは、まずはWebページ等からお気軽にお問い合わせください。

  • 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
  • 割引プランは、補助金との併用はできません。

太陽光発電の収支シミュレーションをして計画的に導入・運用しよう

太陽光発電の発電量や収支は、手計算、シミュレーションツール、設置業者への依頼等でシミュレーションが可能です。

手計算をする場合は、出力や日射量をもとに発電量を計算し、発電量をもとに電気料金の削減効果や売電収入を計算して収支を見積ります。

なお、実際には日射量、経年劣化、故障等でシミュレーションとの差が生じる可能性があります。シミュレーションの段階で考慮できる部分は織り込んでおくと精度は高まります。

ぜひ太陽光発電の収支シミュレーションをして計画的に太陽光発電の導入・運用を進めていきましょう。

関西電力ではPPAモデルの 「 太陽光発電オンサイトサービス 」 を提供しています。初期費用ゼロで太陽光発電が導入でき、メンテナンスまで関西電力がワンストップで実施します。導入を迷っているお客さまは、まずはWebページ等からお気軽にお問い合わせください。

近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステムならびに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。あわせて生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクルなど幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入を推進。
「 リサイクル技術開発本多賞 」 「 化学工学会技術賞 」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

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