太陽光発電の普及率は?日本と世界の導入状況や普及しないと言われる理由を紹介

2025.1.23

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太陽光発電の普及率は?日本と世界の導入状況や普及しないと言われる理由を紹介

太陽光発電の導入を検討するにあたって、普及はどれくらい進んでいるのか気になっている方もいるかもしれません。

国内での太陽光発電は、住宅用・産業用ともに着実に普及が進んでいて、他国と比較しても、国土面積あたりでの導入状況は高水準にあります。

この記事では、太陽光発電の普及率、産業用の太陽光発電の導入状況等を紹介します。記事の後半では、普及しないと言われる理由についても解説します。

太陽光発電の普及率はどれくらい?

太陽光発電の普及はどれくらい進んでいるのか、環境省、資源エネルギー庁、一般社団法人太陽光発電協会等の調査・報告をもとに詳しく見ていきましょう。

太陽光発電を使用している世帯の割合|全国で6.3%

環境省「令和3年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」によると、太陽光発電を使用している世帯の割合は全国で6.3%です。地域別の数値は次のとおりで、東海、四国、九州等で10%を超える高い割合となっています。

地方 太陽光発電の使用率
北海道 1.1%
東北 7.3%
関東甲信 4.4%
北陸 3.1%
東海 11.2%
近畿 5.4%
中国 8.3%
四国 10.7%
九州 10.4%
沖縄 4.6%
全国 6.3%

戸建/集合住宅での使用率の違い|戸建住宅では11.6%

環境省「令和3年度家庭部門のCO₂排出実態統計調査」によると、戸建/集合住宅での太陽光発電の使用率は、戸建住宅で 11.6%、集合住宅で0.2%、全体では6.3%となっています。住宅向けの太陽光発電は、戸建住宅を中心に普及が進んでいる状況です。

建て方 太陽光発電の使用率
戸建住宅 11.6%
集合住宅 0.2%
全国 6.3%

住宅用太陽光普及の推移|2022年時点で300万件超の導入件数

一般社団法人 太陽光発電協会 「太陽光発電の導入拡大に向けた課題と規制・制度の改革要望」によると、住宅用(10kW未満)の太陽光発電の導入件数の推移は次のとおりです。

住宅用太陽光普及の推移|2022年時点で300万件超の導入件数

累計の導入件数は、2022年時点で300万件を超えています。また、単年での導入件数を見ると2020年以降は増加傾向で、2022年には18万件を超える導入件数があります。

産業用の太陽光発電の認定量・導入量

資源エネルギー庁「太陽光発電について(2023年12月)」によると、産業(事業)用の太陽光発電の導入量・認定量の推移は、次のとおりです。2022年度では2,194 MWの導入量があり、産業用においても年々着実に太陽光発電の導入が進んでいます。

事業用太陽光発電の認定量

  2020年度 2021年度 2022年度 2012年度以降の累計
10-50kW 218 MW 205 MW 82 MW 19,836 MW
50-100kW 5 MW 3 MW 3 MW 113 MW
100-250kW 252 MW 270 MW 187 MW 2,148 MW
250-500kW 50 MW 64 MW 10 MW 4,038 MW
500-750kW 18 MW 59 MW 10 MW 2,422 MW
750-1,000kW 48 MW 74 MW 28 MW 2,955 MW
1,000-2,000kW 122 MW 258 MW 101 MW 12,698 MW
2,000kW- 145 MW 121 MW 10 MW 19,980 MW
10kW-全体合計 857 MW 1,054 MW 431 MW 64,190 MW

事業用太陽光発電の導入量

  2020年度 2021年度 2022年度 2012年度以降の累計
10-50kW 1,273 MW 838 MW 527 MW 18,034 MW
50-100kW 2 MW 4 MW 3 MW 108 MW
100-250kW 71 MW 84 MW 116 MW 1,546 MW
250-500kW 317 MW 219 MW 186 MW 3,613 MW
500-750kW 120 MW 80 MW 49 MW 2,274 MW
750-1,000kW 156 MW 100 MW 95 MW 2,738 MW
1,000-2,000kW 787 MW 445 MW 372 MW 11,631 MW
2,000kW- 2,271 MW 1,965 MW 2,194 MW 15,592 MW
10kW-全体合計 4,997 MW 3,734 MW 3,544 MW 55,537 MW

太陽電池の国内市場の推移

富士経済が2024年9月に発表した「2024年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」のなかでの分析によると、太陽電池の国内市場全体の金額等は次の予測となっています。

項目 2024年度見込 2040年度予測
全体(金額) 2,430億円
(2023年度比86.5%)
2,124億円
(2023年度比75.6%)
全体(出力) 6,860MW
(2023年度比88.4%)
8,660MW
(2023年度比111.6%)
  • ※新型・次世代太陽電池は、全体(金額)の内数です。

2024年度は2,430億円の市場規模が見込まれています。また、2040年度には2,124億円の市場規模となり、全体の出力は2023年度比111.6%の8,660MWとなる予測です。

世界での太陽光の導入状況の比較|日本での比率は8.3%

世界での太陽光の導入状況の比較|日本での比率は8.3%

国別での太陽光発電の普及状況がわかる数値についても見ていきましょう。

経済産業省 資源エネルギー庁 「今後の再生可能エネルギー政策について」 によると、国土面積・平地面積当たりの太陽光設備容量や発電量の各国比較は次のとおりです。

  国土面積 平地面積(国土面積に占める割合) 太陽光の設備容量(GW) 太陽光の発電量(億kWh) 太陽光の総発電量に占める比率
日本 38万km2 13万km2(34%) 66 861 8.3%
ドイツ 36万km2 24万km2(68%) 59 500 8.5%
イギリス 24万km2 21万km2(87%) 14 124 4.0%
中国 960万km2 740万km2(77%) 308 3392 4.0%
フランス 54万km2 37万km2(68%) 15 151 2.7%
スペイン 51万km2 32万km2(63%) 15 216 8.0%
インド 329万km2 257万km2(78%) 52 719 4.4%
アメリカ 983万km2 674万km2(68%) 118 1462 3.4%

日本の太陽光導入容量は、平地国土面積当たりでみると5.08GW/万km2であり、主要国のなかで最大級となっています。総発電量に占める太陽光発電の比率も8.3%と高水準にあります。

日本の太陽光発電が普及しないと言われる理由は?

日本の太陽光発電は着実に普及が進み、平地国土面積当たりの導入容量等で世界でも高水準にありますが、さらなる普及に向けた課題も抱えています。

日本の太陽光発電が普及しないと言われている理由は、例えば以下が挙げられます。

  • ●初期費用が高い
  • ●導入後もメンテナンスが必要になる
  • ●設置できる場所が限られている
  • ●発電量が天候に左右される
  • ●補助金の仕組みが難しい

初期費用は太陽光発電を導入する際のハードルのひとつとなっています。

太陽光発電の初期費用(システム費用)は、2023年に設置された10kW以上の平均値(単純平均)で23.9万円/kW※1であり、例えば50kW以上を導入すると1,000万円以上の初期投資費用が見込まれます。

初期費用の他、メンテナンスにも費用が必要です。戸建住宅等の低圧連系のものでは4年ごと、学校、工場等の高圧連系のものでは受変電設備で2~6ヶ月、パネルおよびパワーコンディショナでは半年ごとの点検が必要※2となります。

また、設置できる土地や屋根を確保するのが難しい場合があること、発電量が天候に左右されて安定供給が難しいこと等も、普及に向けた課題として挙げられます。

その他、補助金を利用した導入を考えつつも、その仕組みが難しいと感じることがハードルとなっているケースもあります。

初期費用や管理の手間を削減するならPPAモデルの太陽光発電も検討

太陽光発電設備の導入を検討しているものの、初期費用やメンテナンスの面で迷っている場合には、PPAモデルによる導入も選択肢のひとつです。

PPAは、エネルギーサービス事業者と契約して太陽光発電設備を設置してもらう導入方法です。自社での設備の保有とは異なり、需要家が設備を購入・所有・管理する必要がなく、メンテナンスも事業者が実施するため、追加費用・手間がかかりません

「導入後の手間・費用を減らしたい」「初期費用を抑えたい」 と考えている企業の方は、PPAモデルでの太陽光発電も検討してみるのがおすすめです。

PPAについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

  • ※故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。

太陽光発電を導入するなら関西電力 「太陽光発電オンサイトサービス」 がおすすめ

関西電力では、PPAモデルでの太陽光発電として「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。需要家であるお客さまの敷地内に設備を設置するタイプのPPAです。

「太陽光発電オンサイトサービス」では、導入からメンテナンスまで関西電力がワンストップで実施するため、手間なく太陽光発電の導入が可能です。初期費用ゼロで利用を開始でき、電気料金を削減できます。契約期間は20年ほどです※1

なお、導入の際には、補助金申請のサポートもしています。補助金を受けることで、月々の料金負担をさらに抑えることが可能です。

補助金を利用しない場合も、工事時期お任せでサービス料金が安くなる「まとめて工事プラン」「工期フリープラン」があり、これらの割引プラン※2で料金を抑えることもできます。

太陽光発電の設備は、工場・倉庫・大規模店舗等の広い屋根だけでなく、中規模店舗等の900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置が可能です。

関西電力では、設置場所提供不要のオフサイトPPA 「コーポレートPPA」もあるので、自社の状況にあわせて利用を検討いただけます。太陽光発電の導入を迷っているお客さまは、まずはWebページ等からお気軽にお問い合わせください。

  • 途中解約には違約金が発生します。
  • 割引プランは、補助金との併用はできません。

太陽光発電の普及率を知って現状を把握しよう

太陽光発電は、家庭用・産業用(事業用)ともに着実に普及が進んでいる状況です。

環境省 「令和3年度家庭部門のCO₂排出実態統計調査」によると、太陽光発電を使用している世帯の割合は全国で6.3%です。産業用太陽光発電設備は、経済産業省 資源エネルギー庁 「太陽光発電について(2023年12月)」によると、2022年度で2,194 MWの導入量があります。

ぜひ太陽光発電の普及の状況を知って、導入の検討に役立てていきましょう。

なお、初期費用やメンテナンスの面で太陽光発電の導入を迷っているなら、関西電力「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめです。導入から運用まで関西電力グループが一貫してサポートします。まずはWebページ等からお気軽にお問い合わせください。

近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授

1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステムならびに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。あわせて生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクル等幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入を推進。
「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取り組み中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

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