太陽光発電設備の盗難の実態は?ケーブルが狙われる理由や対策方法を紹介

2025.5.19

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太陽光発電設備の盗難の実態は?ケーブルが狙われる理由や対策方法を紹介

近年、銅価格の高騰を背景に太陽光発電設備を狙った盗難被害が急増しており、なかでも銅線ケーブルを狙った被害が深刻化しています。

この記事では、太陽光発電設備の盗難が増えている理由や、所有する設備が狙われる原因、盗難被害を未然に防ぐための対策方法を紹介します。トラブルなく設備を運用するために、適切な防犯対策を行いましょう。

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太陽光発電設備の盗難被害は増加している(~2022年)

一般社団法人日本損害保険協会の調査結果によると、盗難により支払われた保険金の推移(2017年度を1.0とした場合の比率値)は次のとおりです。

太陽光発電設備の盗難被害は増加している(~2022年)

太陽光発電設備の盗難被害は2021年度から2022年度にかけて大きく増加しています。

2022年度は、銅線価格の高騰を背景に前年度に比べて被害が大きく増加し、2017年度比で約20倍の保険金が支払われています。

関東地方北東部を中心とした地域で被害が多い

一般社団法人日本損害保険協会の調査結果によると、盗難による保険金の支払い額の都道府県別内訳は次のとおりです。関東地方北東部を中心とした地域で特に被害が多く、茨城県、栃木県、千葉県、福島県、群馬県の5県の被害額が調査対象全体の74%を占めています。

地域 割合
茨城県 21%
栃木県 19%
千葉県 16%
福島県 9%
群馬県 9%
その他 26%

太陽光発電設備の盗難が増えている理由は?

太陽光発電設備の盗難被害では、主に銅線ケーブルがターゲットとなっています。銅線ケーブルの盗難が急増している背景には銅価格の高騰があり、銅線を転売して利益を得ることを目的に犯行が行われています。

2018年度以降の銅価格の推移は次のとおりです。

年度 銅建値(千円/トン)
2018 746.6
2019 681.6
2020 769.5
2021 1,136.2
2022 1,209.2
2023 1,261.7

2023年度の価格は、5年前と比べると69%増加しています。太陽光発電や風力発電等の設備、半導体での需要が拡大していることもあり、今後も銅価格の上昇が見込まれています。

太陽光発電所が狙われる原因

自社の太陽光発電所が狙われる主な原因として以下が挙げられます。

  • ●立地場所が人目につきにくい
  • ●逃走ルートが確保しやすい
  • ●地上配管で銅線ケーブルが盗みやすい(地下埋設配管ではない)
  • ●防犯・警備が不十分
  • ● メンテナンスが行き届いていない

人目につきにくい、逃げやすい、地上配管である等、盗みやすい条件が整った太陽光発電所はターゲットになりやすいと考えられます。また、防犯・警備やメンテナンスが不十分な印象を与えてしまうと、狙われやすくなります。

狙われやすい太陽光発電所の特徴をふまえて対策を実施していきましょう。

高圧の設備が特に狙われやすい

JPEA(一般社団法人太陽光発電協会)/REASP(一般社団法人再生可能エネルギー長期安定電源推進協会)の被害状況アンケートによると、2団体(JPEA/REASP)の設備被害の発生割合は、高圧が約5割、特別高圧が約3割弱を占めています。

高圧の設備が特に狙われやすい

太陽光発電所は、10kW以上50kW未満の低圧、50kW以上2000kW未満の高圧、2000kW以上の特別高圧に分類されます。上記の結果から、設備の分類で高圧設備は被害件数が特に多いことが分かります。

なかでも、高圧設備の集電箱とパワーコンディショナーの間の銅線ケーブルが狙われやすく、盗難を防ぐための対策が重要です。

太陽光発電所がケーブル盗難に遭うとどうなるのか?

太陽光発電所がケーブル盗難に遭った時の具体的な被害やリスクは以下のとおりです。

  • ●設備を修復するために大きな費用負担が発生する
  • ●修復までの期間は発電が停止され、経済的損失が生じる
  • ●保険の適用範囲が見直され、保険料が値上げされる

盗難の被害に遭うと、機器やケーブルの交換、回復工事等のために費用を負担しなければなりません。また、修復までの期間はその期間で得られたはずの売電収入がなくなり、発電でまかなっていた分の電気料金の負担が増える等、経済的損失も発生します。

その他、太陽光発電設備で加入している保険の適用範囲や保険料が見直される可能性があり、リスクを抱え込むことになるケースが想定されるでしょう。

太陽光発電所のケーブル盗難対策

太陽光発電所のケーブル盗難対策

太陽光発電所のケーブル盗難を防ぐためには、複数の対策を組み合わせて防犯効果を高めることが大切です。以下の対策について詳しく紹介します。

  • ●アルミケーブルに変更する
  • ●地下埋設配管にする
  • ●柵やフェンスを設置する
  • ●防犯カメラを設置する
  • ●センサーライトや警報器を設置する

アルミケーブルに変更する

アルミは銅に比べて安価で市場価値が低く、転売による利益を得にくいため、盗難のターゲットになるリスクを抑えられます。アルミケーブル供給量は安定しているため、調達期間も短い傾向です。

なお、アルミは銅より電気抵抗が高く、導電率は約60%ですが、ケーブルを太くすることで実用が可能です。また、アルミケーブルは軽量で施工しやすいメリットもあります。

地下埋設配管にする

ケーブルを地上に露出させるのではなく、地下埋設配管にすると盗難リスクを低減できます。また、配線を抜き出されないよう、ハンドホール(地中箱)のロックを強化する、コンクリートで覆う等の対策も検討したいところです。

地下埋設配管は施工コストがかかりますが、一度埋設すれば長期間にわたり防犯効果が期待できます。

柵やフェンスを設置する

太陽光発電所の周囲に柵やフェンスを設置するのも有効な対策です。高さのあるフェンスや有刺鉄線のあるフェンスを設置すると、不審者の侵入を防ぐことができます。

改正FIT法ではフェンスの設置が義務付けられており、その点でも設置が必要です。

また、柵やフェンスの設置とあわせて、「防犯カメラ作動中」「立入禁止」 等の看板を設置する、出入口の施錠を徹底する等の対策も実施すれば、さらに防犯効果は高まります。

防犯カメラを設置する

防犯カメラを設置することで犯行の記録が取れる他、侵入を牽制する効果も期待できます。人目につきにくく侵入されやすい出入口や、死角となる位置が見える場所に防犯カメラの設置を検討しましょう。

クラウド型の監視システムを導入すれば、遠隔地からリアルタイムで状況を確認することも可能です。

センサーライトや警報器を設置する

センサーライトや警報器を設置して音や光による警報を出すことも、侵入を牽制する効果が期待できます。

センサーライトは不意に光で侵入者を照らすことで、侵入者に心理的なプレッシャーを与えることができます。

また、警報器は侵入者を検知した際、音や光で警報するとともに管理者への通知ができるものもあり、被害に遭った際の早急な対応に役立ちます。

定期的に見回りをする

ケーブルの盗みを企てている人は、下見を行うことが多いです。狙う施設の警備体制が整っていると認識すれば、発覚のリスクをおそれ、盗みを諦める可能性があります。定期的に見回りを実施し、不審者が近づきにくい環境をつくりましょう。

太陽光発電の維持管理をお任せするなら 「太陽光発電オンサイトサービス」 がおすすめ

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太陽光発電の運用にあたって防犯対策まで含めた維持管理を実施していくためには、それなりの時間と手間が必要です。

メンテナンスや管理の手間、コストを抑えて運用していきたいと考えているなら、PPAモデルの導入をおすすめします。PPA(Power Purchase Agreement)は、エネルギーサービス事業者と契約して太陽光発電設備を設置してもらう導入方法です。

関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電設備を導入可能なオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。

関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスまでをワンストップで行い、発電した電気をお客さまが利用するサービスで、契約期間は20年ほどです※1

太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※2。月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、割引プランの適用で節約も可能です。

また、オプションで余剰電力の売電が選べます。休日や就業時間後の電力使用量が少なくなるタイミングで余った余剰電力を売電すると、電気料金のさらなる削減効果を得ることが可能です

関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。

「割引プラン」 や、補助金の申請をサポートする 「補助金サポート」 等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3

ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」をご検討ください。

  • ※1 途中解約には違約金が発生します。
  • ※2 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
  • ※3 割引プランは、補助金との併用はできません。

太陽光発電設備の盗難被害を理解してトラブルなく運用しよう

太陽光発電設備の盗難被害は2022年にかけて増加しており、銅価格の高騰は今後も増加する見通しがあることから、被害はさらに増えていく可能性があります。

狙われる理由として、人目につきにくい、逃走ルートが確保しやすいといった立地条件の問題や、露出配管や防犯・警備が不十分といった設備状況の問題等が挙げられます。

防犯対策としては、アルミケーブルや地下埋設配管への変更、柵やフェンスの設置、防犯カメラや警報の設置、定期的な見回り等が有効です。具体的な盗難被害の対策方法を理解して、トラブルなく太陽光発電設備を運用していきましょう。

関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電を導入できる「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。導入から運用まで関西電力グループが一貫してサポートするため、メンテナンスや管理の手間、コストを抑えて運用していきたいと考えるお客さまにおすすめです。まずはWebページ等からお気軽にお問い合わせください。

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近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授

1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

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