屋上にソーラーパネルを設置するメリット・デメリットは？導入コストを抑える方法、導入事例など徹底解説

2025.12.12

屋上にソーラーパネルを設置するメリット

企業や工場の、使われていなかった屋上スペースを有効活用してソーラーパネルを設置する動きが広がっています。

ここでは、ソーラーパネルを屋上に設置する主なメリットを具体的に紹介します。

屋上の有効活用ができる

多くの企業では、屋上は日常的に使用されることが少なく、デッドスペースとなっているケースが少なくありません。

ソーラーパネルを設置することで、この未活用のスペースが収益を生むエネルギー生産の場へと変わります。

既存の土地を追加購入する必要もなく、森林伐採や自然破壊も伴いません。

また、初期投資のコストパフォーマンスも高いのが特徴です。

日射量が多いため効率的に電気を発電できる

屋上は周囲に障害物が少なく、太陽光を遮るものがほとんどないため、日射量を最大限に活かせる環境です。

特に南向きやフラットな陸屋根の場合は、日照効率が非常に良く、発電効率も高水準で安定しやすい傾向にあります。

遮熱・断熱効果により屋内の温度環境を改善できる

ソーラーパネルが屋上を覆うことで、直射日光が建物に当たるのを防ぐため、屋内の温度上昇を抑える効果があります。

夏場の室温上昇を軽減でき、空調の負荷も下がるため、空調コストの削減や従業員の作業環境改善にもつながります。

工場立地法における環境施設の割合を増やせる

工場や倉庫を新設・増設する際には、工場立地法により「緑地や環境施設」の一定割合が義務付けられています。

太陽光パネルは環境施設としてカウントできるケースがあり、その分、緑地面積の確保を抑えたり設計の柔軟性を持たせたりすることが可能になります。

建築計画との相性も良く、行政対応面でもメリットがあります。

停電時に非常用電源として活用できる

ソーラーパネルと蓄電池を組み合わせることで、災害時や停電時の非常用電源としても活用できます。

地震や台風、大雨等による災害で停電が発生した場合にも、電力供給の確保が可能です。

製造業、データセンター、病院等、電力供給が途絶えると深刻な影響が出る施設においては、蓄電池と組み合わせた一定の規模の太陽光発電設備の導入ができていれば、停電時の電力供給の確保で、被害を少なく抑えることもできます。

BCP（事業継続計画）の観点からも重要で、事業の中断リスクを低減する手段として、多くの企業が注目しています。

屋上にソーラーパネルを設置するデメリット

ソーラーパネルの屋上設置には多くのメリットがある一方で、事前に把握しておきたいデメリットや注意点も存在します。

ここでは、主に企業が気をつけるべきリスクを紹介します。

屋根への負荷と雨漏りのリスク

一般的な太陽光パネルは20kg前後の重量があります。

屋上にソーラーパネルを設置する場合、架台やパネルの重量が建物に加わりますし、屋根全体に設置しない場合には重さに偏りができてしまいます。

そのため、構造的な耐荷重を確認する必要があります。

特に築年数が経過している建物では、補強工事が必要になるケースもあります。

また、パネル設置の際に屋根に穴を開ける施工を行う場合は、施工不良や経年劣化によって雨漏りのリスクが発生する可能性もゼロではありません。

とはいえ、現在では非貫通型の架台や防水処理技術の向上により、リスクは大きく軽減されています。

高温により発電効率が低下する場合がある

太陽光発電は日射量が多いほど発電量が増えるイメージがありますが、実際にはパネル表面が高温になると発電効率が低下する傾向があります。

特に真夏の屋上では、気温以上に表面温度が上昇し、最大で70〜80度まで上昇します。

ソーラーパネルの発電効率は25度で最大となり、それより1度上昇するごとに0.5%発電量は低下すると言われています。

この対策としては、通気性を確保した設置方法や、HIT（高効率＆高温耐性）やCIS（シリコン不使用で熱に強い）など高温に強いパネルの選定、あるいは断熱材や遮熱シートの併用などが効果的です。

屋上にソーラーパネルを設置する際の注意点

屋上にソーラーパネルを導入する際には、構造的な制約や気候条件、設備面など、事前に確認すべきポイントが複数存在します。

以下の注意点を踏まえて計画を立てることで、導入後のトラブルを未然に防ぐことができます。

屋上に一定の面積が必要

太陽光発電を事業として導入するには、ある程度の発電容量を確保するための面積が必要です。

例えば、10kWの設備を設置する場合には約100〜150㎡のスペースが目安になります。

空調設備や避難経路、煙突などの障害物を考慮すると、実際に使える面積はさらに制限されることもあります。

設置前にはレイアウトシミュレーションを行い、発電効率が高く、安全面も確保できる配置を検討しましょう。

発電量は設置場所や天気に左右される

太陽光発電は天候や地域の日射条件に大きく影響を受けるため、年間を通じた発電量には変動があります。

また、ビルの陰や隣接建物の影が一部でもかかると、想定より大幅に発電量が落ちる可能性もあるため、事前の調査が重要です。

架台の購入が必要な場合がある

屋上にソーラーパネルを設置するには、パネルを支えるための専用架台が必要です。

陸屋根・折板屋根など、屋根の形状によって架台の種類や工法が異なります。

特に角度調整可能な架台を選ぶ場合、追加の費用や設計の手間がかかることがあります。

また、地域の風速条件や積雪量に応じた耐風・耐雪設計の確認も不可欠です。

設計段階で建物構造や環境に応じた架台選定を行うことが、安全性と長期耐久性の確保につながります。

ソーラーパネルの導入コストを抑える方法

ソーラーパネルの屋上設置には一定の初期費用がかかるため、コスト面で導入を躊躇する企業も少なくありません。

しかし、近年では補助制度や新たなビジネスモデルにより、導入コストを抑えながら導入する方法が増えてきています。

ここでは、特に企業にとって現実的かつ効果的なコスト削減手段を紹介します。

補助金・税制優遇を活用する

国や自治体では、再生可能エネルギーの普及促進を目的とした補助金制度や税制優遇措置を数多く提供しています。

以下は代表的な支援策です。

●再エネ設備導入補助金（国・自治体）
●中小企業等経営強化税制（即時償却・税額控除）
●ZEB関連補助金（建物の省エネ改修と組み合わせ）

これらを活用することで、設備費用の30～50％を実質的に削減できるケースもあります。

特に工場や商業施設を持つ企業にとっては、大きなコストダウン効果が期待できます。

また、申請には事前の計画提出や仕様要件の確認が必要な場合があるため、導入を検討する早い段階で補助金情報を収集し、専門業者に相談するのが得策です。

初期費用ゼロで導入できるPPAモデルにする

近年注目されているのが、PPA（Power Purchase Agreement）モデルです。

PPAでは、第三者事業者（PPA事業者）が企業の屋上にソーラーパネルを設置し、その発電電力を企業が購入する形をとります。

主なメリットは以下の通りです。

●初期費用ゼロで導入可能（設置費用は事業者負担）
●メンテナンス・管理不要
●自家消費により電気料金を削減
●契約終了後、設備を無償譲渡されるケースもあり

特に、オンサイトPPA（自社敷地内設置型）では、送電ロスが少なく、小売電気料金に含まれる託送料や小売マージンも削減できるため、大幅な電気料金節約効果が期待できます。

以下、関西電力が提供しているオンサイトPPAについて詳しく解説いたします。

関西電力の太陽光発電オンサイトサービス

関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」は、オンサイトPPAをワンストップで提供するサービスです。設備の初期費用はゼロで、太陽光発電の設置から運用・メンテナンスまで関西電力グループが対応します。^※1

また、オプションで余剰電力の売電が選べます。休日や就業時間後の電力使用量が少なくなるタイミングで余った余剰電力を売電すると、電気料金のさらなる削減効果を得ることが可能です。

関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。

「割引プラン」や、補助金の申請をサポートする「補助金サポート」等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します^※2。補助金サポートでは、全国で補助金の採択実績が豊富な関西電力が申請をサポートします。

ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」をご検討ください。

＜関西電力の強み＞