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産業用太陽光発電は何年で元が取れる?シミュレーションやおすすめの導入方法を紹介

2025.1.23

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産業用太陽光発電は何年で元が取れる?シミュレーションやおすすめの導入方法を紹介

太陽光発電設備の導入は企業の財務に大きな影響を与えるので、何年で投資が回収できるかをシミュレーションすることが重要です。

シミュレーションの結果によっては、初期費用を抑えて導入できる方法を検討しましょう

この記事では、「産業用太陽光発電は何年で投資が回収できるか」 のシミュレーションや、初期費用を抑えて太陽光発電設備を導入できる方法等を解説します。

太陽光発電は何年で元が取れる?

太陽光発電は何年で元が取れる?

太陽光発電の設置方法には、「自己設置」と「PPA」の2種類があります。まずは、自己設置の場合のシミュレーションについて、解説します。

住宅用であれば、太陽光発電設備を設置してから8~10年で投資が回収されるといわれています。一方で、産業用太陽光発電設備を設置して投資を回収するには、10年以上かかる可能性が高いです。

このような数字の根拠となっているのは、FIT制度の存在と太陽光発電設備導入の初期費用が低下しつつあることです。

FIT制度は、再生可能エネルギーで発電した電力を、一定期間、国が定めた固定価格で電力会社が買い取ることを義務付けた制度です。

次の表は、2024年度に設置した場合の1kWhあたりの買取価格をまとめたものです。

区分 発電容量 買取価格(1kWhあたり)
住宅用太陽光発電設備 10kW未満 16円
産業用太陽光発電設備 10kW以上50kW未満(屋根設置) 12円
50kW以上(屋根設置) 12円
10kW以上50kW未満 10円
50kW以上(地上設置)(入札制度対象外) 9.2円

FIT制度では、発電容量が10kW未満を住宅用太陽光発電設備、10kW以上を産業用太陽光発電設備と区分しています。

発電容量が多くなるほど買取価格は下がる傾向があるため、産業用太陽光発電設備を設置して投資を回収するには、10年以上かかる可能性が高いです。

太陽光発電設備の導入にかかる価格

次の表は、産業用太陽光発電設備を設置するのに必要な費用をまとめたものです。

初期費用項目 2013年度の費用の目安 2023年度の費用の目安
太陽光パネル 21.1万円/kW9.5万円/kW
パワーコンディショナー 4.7万円/kW 3.0万円/kW
架台 3.8万円/kW 3.5万円/kW
その他の機器 3.7万円/kW 1.6万円/kW
工事費 7.3万円/kW 7.5万円/kW
設計費 0.2万円/kW 0.2万円/kW
土地造成費 0.3万円/kW 1.1万円/kW
接続費 0.8万円/kW 1.5万円/kW
値引き ▲3.6万円/kW ▲1.4万円/kW
合計 38.3万円/kW 26.5万円/kW

2013年度に比べると、太陽光パネルの費用は大幅に下がっています。

費用が大幅に下がった要因としては、太陽光発電設備の世界的な普及による大量生産の実現や、技術革新による発電効率の向上等が挙げられます。

太陽光発電設備の初期費用はまだ高額ですが、以前に比べれば下がっており、発電した電力はFIT制度により固定価格で買い取ってもらえるため、運用を続けていれば初期費用を回収できる可能性は高いです。

ただし、太陽光発電設備を自己所有した場合、初期費用とは別に維持するためのコストが発生する点に注意しましょう。

太陽光発電設備を維持するためのコスト

次の表は、産業用太陽光発電設備を維持するためのコストをまとめたものです。

出力 全体の平均 地上設置の平均 屋根設置の平均
10~50kW 0.51万円/kW/年0.50万円/kW/年0.54万円/kW/年
50~250kW 0.49万円/kW/年 0.56万円/kW/年0.42万円/kW/年
250~500kW 0.48万円/kW/年 0.52万円/kW/年0.37万円/kW/年
500~2,000kW 0.58万円/kW/年 0.61万円/kW/年0.42万円/kW/年
1,000~2,000kW 0.62万円/kW/年 0.64万円/kW/年0.43万円/kW/年
2,000kW以上 0.74万円/kW/年 0.75万円/kW/年0.24万円/kW/年

あくまでも平均ですが、発電容量50kWの産業用太陽光発電を地上に設置すると、年間約25万円のコストが20~30年ほど続きます。

シミュレーションでは省略しましたが、自己所有の場合は、上記を維持するためのコストを負担する必要があるため、投資回収年数が延びるおそれがあると覚えておきましょう。

シミュレーション通りにならないリスク

産業用太陽光発電を設置した場合、シミュレーション上では約20年以上で初期費用を回収できます。

ただし、前述したとおり、太陽光発電を自己所有した場合は維持するためのコストが余分に発生するため、シミュレーショ通りにはなりません。

また、次のリスクによってシミュレーション通りにならないおそれもあります。

  • ●天候変動
  • ●経年劣化による発電量の低下
  • ●太陽光発電に不向きな設置場所

天候変動

太陽光発電設備を設置したのにシミュレーション通りにならないのは、天候の影響が大きいです。

太陽光発電は太陽の光エネルギーを電気へと変換する発電方法のため、曇りや雨の日では発電量が大幅に下がります

また、日本は梅雨や台風の時期があるため、期待したほどの発電量が見込めないおそれもあるので、注意しましょう。

経年劣化による発電量の低下

太陽光発電設備は設置してから一定期間使用していると、経年劣化が進み発電効率が低下します。

例えば、太陽光パネルは1年間に0.5~1%の劣化が見込まれており、10年で5~10%、20年で10~20%まで低下する可能性が高いです

また、長期間使用すると汚れやホコリが付着して、さらに発電量が低下するおそれがあります。

そのため、太陽光発電設備を設置したら、発電効率を維持するために定期的なメンテナンスや管理が必要です。

太陽光発電に不向きな設置場所

太陽光パネルは、設置する角度や方位、周囲の環境によって発電量が大きく変わるため、最適な場所に設置する必要があります。

しかし、所有している土地や建物の形状等によってはベストな配置ができない場合があります。

シミュレーションは最適な場所に設置した場合と仮定しているため、設置した場所や機器によっては期待した発電量を見込めません

太陽光発電設備を設置する場合は、ある程度の知識が必要になるため、専門家に相談しましょう。

安定してコストメリットを出すにはPPAがおすすめ

産業用太陽光発電設備を設置した場合、シミュレーション上では初期費用を回収するために約20年以上かかります。

また、自己所有した場合は維持コストが発生し、さらに時間がかかる可能性が高いです。

そのため、安定してコストメリットを出すには、PPAでの導入を検討してはいかがでしょうか。

PPA(Power Purchase Agreement)とは、電気を必要とする需要家の企業がエネルギーサービス事業者と契約を結び、太陽光発電設備を設置してもらう導入方法です。

PPAで産業用太陽光発電設備を導入した場合、次のようなメリットを得られます。

  • ●初期費用がかからない
  • ●割安な料金で電力が使える
  • ●メンテナンス・維持管理を行わずに済む

初期費用がかからない

PPAは需要家と契約を結んだ事業者が太陽光発電設備を設置する仕組みです。

太陽光発電設備の所有権は事業者にあるため、電気を必要とする需要家は設備導入にかかる初期費用を支払わずに済みます

その代わり、数年~20年ほどの長期契約であることや、中途解約する際の違約金等が発生する場合があることは覚えておきましょう。

割安な料金で電力が使える

需要家は、事業者が設置した太陽光発電設備で発電した電力を割安な価格で利用できます。

次の表は、PPAで太陽光発電設備を設置した場合の1kWhあたりの料金と、通常の電気料金の目安を比較したものです。

コストの種類 PPAの電気料金 通常の電気料金(高圧)
発電コスト 15~18円 20.5円
(燃料費調整額を含む)
小売りコスト なし
託送料 なし 4円
合計 15~18円 24.5円+再エネ賦課金

通常の電気料金では、託送料金や再エネ賦課金等をあわせて請求されます。

一方、PPAでは敷地内に設置した太陽光発電の電力を直接購入するため、発電量に応じた料金を支払うだけで済みます。

通常の電気料金に比べて割安に電気が使えるため、オフィスや工場の電気料金を削減したい場合におすすめです

メンテナンス・維持管理を行わずに済む

太陽光発電を自己所有した場合、定期的な設備のメンテナンスやトラブルが発生した場合の対応等、多くの手間や費用が発生します。

PPAでは、太陽光発電設備の所有や管理を事業者が行うため、基本的には自社でのメンテナンスや維持管理の追加費用が発生せず、手間がかかりません

PPAのシミュレーション

関西電力では、PPAの導入効果を簡単に試算するための、シミュレーションツールをご用意しています。簡単な手順で概算が分かりますので、ぜひご確認ください。

  • ①都道府県を選択
  • ②太陽光パネルの設置面積を入力
  • ③建物の稼働頻度を選択
  • ④試算結果

①都道府県を選択

まずは、設置場所の都道府県を選択してください。日射量から、およその発電量を試算します。

①都道府県を選択

②太陽光パネルの設置面積を入力

次に、屋根や空き地等、太陽光パネルの設置予定場所の面積を入力してください。入力いただいた面積から、設置可能な太陽光パネルの容量(枚数)を想定し、導入費用や発電量を試算します。

②太陽光パネルの設置面積を入力

③建物の稼働頻度を選択

最後に、休業日があるかないか、建物の稼働頻度を選択してください。建物の稼働日から、発電した電気を毎日使用することができるか、土日は使用することができないのか、判断します。

発電した電気を毎日より多く使った方が、電気料金の削減効果が期待できます。

③建物の稼働頻度を選択

④試算結果

上記の3項目を入力するだけで、「CO₂削減量」と「コスト削減額の目安」が分かります。

④試算結果

より正確な試算が必要な場合は、無料の「詳細シミュレーション」をご活用ください。

太陽光発電の初期費用を抑えるなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

太陽光発電の初期費用を抑えるなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

PPAはお客さまの敷地内に太陽光発電設備を設置するオンサイトPPAと、敷地外に設置するオフサイトPPAがあり、サービスによって内容が異なります。

例えば、関西電力のオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」は、オプションで余剰電力の売電が選ぶことが可能です。電力使用量が少なくなるタイミングで余った余剰電力を売電すれば、電気料金のさらなる削減効果を得られます。

「太陽光発電オンサイトサービス」 は、初期費用が発生せず、関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスをワンストップで行うため、トラブルが起きた時でも安心です。

また、月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、契約期間は20年ほどで、太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※1※2

「割引プラン」 による節約 や、補助金の申請をサポートする「補助金サポート」等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3

そのため、太陽光発電設備を設置して何年で元が取れるかといったシミュレーションを行わずに設置可能です。

関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根等の広大な敷地を所有していなくても、900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なのでご相談ください

さらに、関西電力の太陽光発電に標準搭載されている機能「SenaSon」により、蓄電池やEV、生産設備等複数の設備をAIが自動で制御し、発電した電力を最適なバランスで運用可能です。

ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」をご検討ください。

  • 契約期間に解約される場合は中途解約金を申し受けます。
  • 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
  • 割引プランは、補助金との併用はできません。

何年で太陽光発電の元が取れるか、まずはシミュレーションを

シミュレーション上の結果ですが、50kWの産業用太陽光発電設備を地上設置した場合、投資回収年数は約20年以上です。太陽光発電設備を維持するためのコストを加えると、さらに時間がかかります。

太陽光発電設備は投資回収にある程度の時間がかかり、企業の財務に大きな影響を与えるため、設置する前にはシミュレーションが必要です。

ただし、実際の発電量や電気料金の削減効果等と異なる場合があるため、シミュレーション通りにならない点に注意しましょう。

関西電力のオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」は、導入から運用、メンテナンスまでを関西電力が一貫してフォローし、20年ほどの契約期間で太陽光発電設備設置にかかる初期費用やメンテナンスのコストがかかりません

設置場所や必要な設備をコンサルティングし、幅広いラインナップからお客さまに最適なご提案をするため、シミュレーションを実施しなくても設置可能となります。

自社の敷地内に太陽光発電設備を導入するなら「太陽光発電オンサイトサービス」 を、設置スペースを持たない場合は 「コーポレートPPA」 をご検討ください。

近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授

1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステムならびに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。あわせて生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクル等幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入を推進。
「リサイクル技術開発本多賞」 「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取り組み中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

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