太陽光発電の増設とは?メリットや注意点、増設場所、検討すべきタイミング、事例について解説
2025.10.28
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 目次
太陽光発電システムは、既存システムに新たに太陽光パネルを「増設」することで、発電量を底上げできます。
企業の場合、自社の電力使用状況やコスト構造に合わせて増設を行えば、太陽光発電から得られる利益をさらに高められる可能性があります。
この記事では、太陽光発電の増設の基本から、具体的なメリット、注意点と対策、さらに増設に適したタイミングや設置場所まで詳しく解説します。最後に実際の増設事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
近年、太陽光発電の増設において注目されているのが、設備を自社で保有しない「オンサイトPPA」です。
オンサイトPPAとは、PPA事業者が太陽光発電設備を購入し、需要家(電気を使用する企業)の敷地や施設に設置して、需要家がPPA事業者から発電した電気を購入するモデルです。
- ●初期費用ゼロで導入可能
- ●メンテナンスや点検を事業者に任せられる
- ●料金単価が固定であるため、電気料金の変動リスクを一定程度抑えられる
等のメリットがあり、「初期費用を抑えつつ電気料金を削減したい」「設備管理の手間を減らしたい」と考える企業を中心に導入が広がっています。
太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。
初期費用ゼロで、導入時の工事から導入後の運用・メンテナンスまで、ワンストップでおまかせいただけます。
 
      太陽光発電の増設とは太陽光パネルを追加すること
太陽光発電における「増設」とは、すでに設置・稼働しているシステムに対して、あとから太陽光パネルを追加で取り付けることを指します。
これにより、システムの総発電量が増加し、全体の発電量が向上します。
一方で、増設には新たな設備投資が必要となるため、実施のタイミングや制度上の注意点を十分に踏まえ、慎重に判断することが重要です。
注目される「オンサイトPPA」
増設を検討される際に近年注目されているのが、設備を自社で保有しない「オンサイトPPA」です。
オンサイトPPAでは、発電設備を第三者(事業者)が設置・保有し、企業は発電した電気を購入します。
結果として、企業は初期費用をかけずに電気料金削減を期待でき、さらに保守や点検も任せられるという大きな利点があります。
「初期費用ゼロで導入したい」「運用やメンテナンスに手間をかけたくない」と考える企業を中心に、導入が広がっています。
太陽光発電の増設によるメリット
太陽光発電の増設は、既存システムの価値をさらに引き出し、企業経営に直接プラスとなる可能性があります。
売電収入や電気料金削減など経済的メリットが高まる
既存の太陽光発電システムに太陽光パネルを追加すれば、比較的少ない追加コストで、システム全体の発電量を増やすことが可能です。
発電した電力は「売電による収益」や「自家消費による電気料金削減」として企業に還元されるため、増設によって発電量が増えるほど、経済的なメリットも拡大していく可能性があります。
ただし、固定価格買取制度(FIT)を利用している場合、増設の方法によっては売電単価が変更されるケースもあるため注意が必要です。
この点については、次章で詳しく解説します。
発電量を安定的に底上げできる
パネルを増設すると、合計出力がパワーコンディショナ(以下、パワコン)の容量を超えて「過積載」状態になることがあります。
この場合、ピーク時には一部の電力がカットされてしまいます。
一見すると損失に思えますが、実際の太陽光発電は一日中最大出力を出しているわけではありません。
早朝や夕方、曇りの日等、発電量が少ない時間帯もあります。
増設することでこうした時間帯の発電量を底上げでき、一日の合計発電量を増やせる効果が期待できます。
太陽光発電を増設する際の注意点と対策
太陽光発電の増設は大きなメリットをもたらしますが、その効果を最大化するには、制度上の制約や保証条件を正しく理解しておくことが重要です。
異なるメーカーや業者で増設すると保証が外れる可能性がある
既存の太陽光パネルと異なるメーカー製品を組み合わせると、メーカー保証が無効になる場合があります。
また、施工会社を変更した場合も、工事保証が継続されないケースがあります。
主な対策
| 対策方法 | 概要 | 
|---|---|
| 保証条件の確認 | 異なるメーカー製品の導入を検討する際は、必ずメーカーに保証継続の可否を確認する | 
| システムの互換性確認 | 新規パネルが既存のパワコンや系統と適合するか事前にチェックする | 
| 設置場所の工夫 | 敷地内の空き地や駐車場に独立して設置する、または別のキュービクルに接続することで、既存システムに影響を与えずに増設できる | 
売電価格が下がる可能性がある
2017年の固定価格買取制度(FIT)の改正により、売電を目的とした増設には新たに以下のような規制が導入されました。
単価変更の主なケース
- ●既存の出力が10kW未満で、増設により認定出力が10kW以上になる場合
- ●既存の出力が10kW以上で、3kW以上(太陽光パネルの合計出力100kW以上)または3%以上の出力増加(合計出力100kW以下)がある場合
当時はこれらのケースに該当すると、増設分だけでなく既存設備も含めて最新の買取価格が適用される仕組みとなっていました。そのため、発電量が増えても売電単価の引き下げによって、収入が増設前より減少するリスクがありました。
しかし、令和5年度の制度改正により、現在は「増設分のみ最新の買取価格を適用」するルールに変更されています。これにより、既存設備まで単価が引き下げられることはなくなり、2017年当時と比べて増設しやすい状況になっています。
一方で、自家消費を目的とした増設についてはこれらの規制の対象外です。そのため、電気料金の削減を目的とした増設は、売電収入に左右されず有効な選択肢といえます。
費用対効果が得られるか十分に検証が必要
太陽光発電の増設にはまとまった投資が必要となるため、費用に見合う効果を得られるかどうかを慎重に見極めることが重要です。
主な対策
| 対策方法 | 概要 | 
|---|---|
| 収益性の評価 | 想定発電量と導入・維持費を比較し、最も投資効率の高いシステム容量を決定する | 
| 専門家への相談 | 複数の業者からシミュレーションを取り寄せ、設計・規模・補助金条件を含めて比較検討する | 
導入費用が大きな課題となる場合には、初期費用ゼロで導入できるオンサイトPPAの活用も有効な選択肢です。
オンサイトPPAでは、発電設備を第三者(事業者)が設置・保有し、企業はその電力を契約単価で購入します。これにより、初期費用を抑えつつ電気料金の削減を実現でき、さらに保守や点検を任せられるという利点があります。
太陽光発電の増設を検討すべきタイミング
太陽光発電の増設で失敗しないためには、実施のタイミングを見極めることが重要です。
太陽光発電システムの費用が低下しているとき
太陽光発電を構成するソーラーパネルやパワコンといった設備費用は、年々下落傾向にあります。
 
 資源エネルギー庁によれば、設備容量10kW以上の太陽光パネル費用は、2013年から2024年にかけて1kWあたり約12.6万円低下しました。
これは投資効率の大幅な改善を意味します。例えば、10kWの発電容量なら、単純計算で126万円のコスト削減につながります。
少ない投資でより多くの発電量を確保できるため、システム費用が下がっている時期は、増設を検討する絶好の機会といえるでしょう。
売電に加えて電気料金削減も行いたい場合
FIT制度が始まった当初は「売電による収益」が主目的でしたが、電気料金の上昇を背景に「自家消費によるコスト削減」にシフトする企業が増えています。
敷地内にパネルを増設することで、売電と自家消費を組み合わせた運用が可能となり、収益の確保と電気料金削減を同時に実現できる可能性があります。
また、固定価格買取制度(FIT)の契約期間が終了したあとは、既存のパネルを自家消費に活用する動きが広がっています。
そこに新たに増設したパネルを組み合わせることで、電気料金削減の効果をさらに高められます。
加えて蓄電池を導入すれば、自家消費率の向上やピークカットが可能となり、電力コストをより安定的に抑えることにつながります。
太陽光発電の増設にかかる費用
太陽光発電を増設するには、新たな設備投資が必要となります。
検討を進める際には、まず費用の目安を把握しておくことが重要です。
経済産業省の試算によると、2025年度における出力10kW以上50kW未満の太陽光発電システム(地上設置)の平均設置費用は、1kWあたり約17.8万円とされています(出典:経済産業省 調達価格等算定委員会「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」)。
この数値をもとに単純計算すると、10kW以上50kW未満の太陽光発電システムを増設する場合、費用の目安は約890万円となります。
ただし、これはあくまで平均的な参考値です。実際の費用は、設置規模や立地条件、地盤・架台の仕様、電気工事の難易度等によって大きく変動します。
そのため、増設にかかる費用を正しく理解するには、投資額をどのくらいの期間で回収できるか、費用対効果の検証が必要です。効果が不明確な場合は、信頼できる専門業者に相談し、複数のシミュレーションを取り寄せて比較検討しましょう。
初期費用の負担を抑えたい場合は、オンサイトPPAの活用がおすすめです。
オンサイトPPAでは、発電設備を事業者が設置・保有し、企業は発電された電力を契約単価で購入する仕組みのため、導入コストを抑えながら電気料金削減や環境価値の向上を実現できます。
太陽光発電の増設場所
太陽光発電システムは、最初に設置した建物の屋根だけでなく、事業所内のさまざまな遊休スペースを活用して増設することができます。
屋根に太陽光発電を増設する
工場や倉庫、事務所等の建物の屋根は、最も一般的な増設場所です。
すでに太陽光パネルが設置されていても、活用していないスペースが残っていれば追加設置が可能です。
既存建物を有効活用できるため、追加の土地取得が不要でコストを抑えられるのが大きなメリットです。
ただし、屋根の耐荷重や劣化状況、防水性を事前に確認することが不可欠です。
建築基準法や消防法等の規制が適用される場合もあるため、設置前には専門業者による調査が必要です。
敷地内の空き地に太陽光発電を増設する
屋根に十分なスペースがない場合でも、工場や店舗等の敷地内に広い空き地があれば「野立て」として太陽光発電を設置できます。
大規模な増設に適しており、将来的な電力需要増加にも対応可能です。
一方で、地盤調査や造成工事が必要になることが多く、導入コストが膨らむ可能性があります。
また、農地を転用する場合は農地転用許可等法的手続きが必要になるため、事前に条件を確認しておくことが重要です。
駐車場に太陽光発電(ソーラーカーポート)を増設する
事業所の駐車場も、有力な設置候補地のひとつです。
駐車スペースの上部にソーラーパネルを設置する「ソーラーカーポート」を導入すれば、屋根や空き地に余裕がない場合でも発電システムを増設できます。
既存の発電システムとは離れた場所に設置できるため、システム同士が干渉せずスムーズに工事を進められる点もメリットです。
加えて、駐車場に日よけをつくることで従業員や来客の利便性を高められます。
ただし、カーポートとしての強度・耐震性・積雪対応が求められるほか、電気配線の引き込み距離によっては工事費が増える可能性があるため、事前のコスト試算が欠かせません。
太陽光発電の増設は関西電力にご相談を!
太陽光発電の増設は、メリットを最大化するために制度や保証の知識、費用対効果の検証等、専門的な判断が欠かせません。
関西電力では、企業ごとの電力使用状況や設置環境に合わせて最適なプランを提案しています。さらに、導入にあたり申請が複雑になりがちな各種補助金の活用についてもサポートしているため、安心して手続きを進めることができます。
また、初期費用を抑えて導入できる「オンサイトPPAサービス」にも対応しているため、コスト負担を軽減しながら電気料金削減や環境価値の向上を実現できる点も大きな魅力です。
「どこに増設するのが効果的か」「どのくらいの発電量が見込めるか」等、疑問や不安があれば、まずは関西電力へご相談ください。
太陽光発電の増設事例
株式会社ファンケル美健さま(滋賀工場)
 
 株式会社ファンケル美健さまは、全国6工場のうち5工場で使用電力の90%以上を再生可能エネルギーに切り替える等、CO2排出量削減に積極的に取り組んでいます。
さらなる削減をめざし、滋賀工場では駐車場を活用したソーラーカーポートによる増設を実施しました。
導入にあたり採用したのは、関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」です。
導入の決め手
- ●初期費用ゼロ・メンテナンスフリーで導入可能
- ●ソーラーカーポートの設置や余剰電力の買取に対応
- ●きめ細やかで手厚いサポートによる信頼感
導入後は、滋賀工場の年間発電量が約150万kWhに達し、従来の4倍へ拡大。電力自給率は約50%に向上する見込みです。
また、駐車場にソーラーカーポートを設置したことで、従業員が天候に左右されず快適に利用できる効果もありました。
さらに、来訪者にも見えやすい場所での取り組みとなり、環境対応企業としての姿勢を社外に示す効果も期待されています。
初期費用ゼロ! 導入から運用までお任せできる関西電力「太陽光発電オンサイトサービス」
関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」は、オンサイトPPAをワンストップで提供するサービスです。設備の初期費用は不要で、太陽光発電の設置から運用・メンテナンスまでを関西電力グループが一括して対応します。
 
 また、導入に向けた補助金申請サポートや各種割引プランも充実しており、これまで関西のみならず、全国で600地点※以上の採用実績があります。
※2025年3月時点
<関西電力の強み>
- ●補助金や割引プランでサービス料金を低減
- ●狭い屋根・カーポート・野立てなどさまざまな場所に設置可能
- ●幅広いサービスで脱炭素・コスト削減・BCPをトータルサポート
<導入効果例>
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  工場導入前 年間電気料金 5,200万円 年間電気使用量 3,335MWh 導入後 年間約 - 121万円 削減
- 291t-CO₂削減
 
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  店舗・商業施設導入前 年間電気料金 2,043万円 年間電気使用量 1,309MWh 導入後 年間約 - 59万円 削減
- 119t-CO₂削減
 
- 
物流倉庫導入前 年間電気料金 3,378万円 年間電気使用量 2,165MWh 導入後 年間約 - 112万円 削減
- 238t-CO₂削減
 
<ご採用事例>
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        株式会社かわでん 九州工場さま - エリア
- 九州・沖縄
- 業種
- 製造業
- サービス
- 太陽光発電オンサイトサービス
 「太陽光発電オンサイトサービス」と「蓄電池」で、環境負荷低減とBCP対策の両方を実現。 詳細インタビューを見る 
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        キユーピー株式会社さま - エリア
- 近畿
- 業種
- 製造業
- サービス
- 太陽光発電オンサイトサービス
 「太陽光発電オンサイトサービス」と「蓄電池」をあわせて導入することでCO₂と電気料金の削減、BCPを同時に実現しました。 詳細インタビューを見る 
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        トッパン・フォームズ関西株式会社さま - エリア
- 近畿
- 業種
- 製造業
- サービス
- 太陽光発電オンサイトサービス
 「太陽光発電オンサイトサービス」で工場のさらなる省エネ・脱炭素を推進。 詳細インタビューを見る 
まずはCO₂・電気料金の削減量・額がわかるシミュレーションを実施してみませんか?
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サービス概要資料
太陽光発電オンサイトサービス
 
 自家消費型太陽光発電で電気料金とCO₂を削減。「太陽光発電オンサイトサービス」 の概要をご紹介します。
資料の一部をご紹介
- 太陽光発電オンサイトサービスとは
- サービスの特徴
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