太陽光発電と蓄電池の価格相場は?セットで導入する理由や費用を抑えるコツも解説

2025.1.23

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太陽光発電と蓄電池の価格相場は?セットで導入する理由や費用を抑えるコツも解説

産業用太陽光発電と産業用蓄電池をセットで導入したい企業は、それぞれの相場を知っておくべきです。

また、セットで導入すると得られるメリットと相場を比較して、導入するかどうかを決めると良いでしょう。

この記事では、産業用蓄電池と産業用太陽光発電の相場とセットで導入するべき理由、おすすめの導入方法を解説します。

産業用太陽光発電の相場

産業用太陽光発電の相場

次の表は、産業用太陽光発電設備を設置するのに必要な費用をまとめたものです。

初期費用項目 2013年度の費用の目安 2023年度の費用の目安
太陽光パネル 21.1万円/kW9.5万円/kW
パワーコンディショナー 4.7万円/kW 3.0万円/kW
架台 3.8万円/kW 3.5万円/kW
その他の機器 3.7万円/kW 1.6万円/kW
工事費 7.3万円/kW 7.5万円/kW
設計費 0.2万円/kW 0.2万円/kW
土地造成費 0.3万円/kW 1.1万円/kW
接続費 0.8万円/kW 1.5万円/kW
値引き ▲3.6万円/kW ▲1.4万円/kW
合計 38.3万円/kW 26.5万円/kW

実際の費用は選ぶ機器や発電容量等によって異なりますが、2023年時点での産業用太陽光発電設備の相場は1kWあたり26.5万円です。

なお、2013年度の相場に比べると、太陽光発電設備の世界的な普及による大量生産の実現や、技術革新による発電効率の向上等により、太陽光パネルの価格は大幅に下がっています。

しかし、相場が下がっているとはいえ、現時点でも十分高額です。大規模な太陽光発電設備を設置する際は、初期費用が高額になる可能性があると覚えておきましょう。

産業用蓄電池の相場

次の表は、系統用蓄電システムを設置するのに必要な費用をまとめたものです。

初期費用項目 2022年度の費用の目安 2023年度の費用の目安
電池部分 3.6万円/kWh4.8万円/kWh
パワーコンディショナー 0.5万円/kWh 0.6万円/kWh
その他 0.7万円/kWh 0.8万円/kWh
工事費 1.2万円/kWh 1.4万円/kWh
合計 6.1万円/kWh 7.6万円/kWh

実際の費用は選ぶ機器や蓄電容量等によって異なりますが、2023年時点での相場は1kWあたり7.6万円です。

2022年度と比べて相場が上昇している主な要因は、資源価格の高騰や為替変動等による電池部分のコスト上昇と考えられています。また、2024年度以降も、さらに相場が上昇する可能性があるとされています。

太陽光発電と蓄電池をセットで導入する場合の相場

産業用太陽光発電設備と産業用蓄電池をセットで導入する場合の相場は、以下のとおりです。

  • ●産業用太陽光発電設備 : 26.5万円/kW
  • ●産業用蓄電池 : 7.6万円/kWh

セットで導入する場合は、両方の相場を単純に合計することはできません。

産業用太陽光発電設備の 「kW(キロワット)」 は電力の単位で、産業用蓄電池の 「kWh(キロワットアワー)」 は電力量の単位です。

単位が異なるため、セットで導入する場合のシミュレーションでは、必ず別々に計算しましょう

例えば、発電容量240kWの産業用太陽光発電設備と、蓄電容量15kWhの産業用蓄電池を設置する場合のシミュレーションの結果は以下のとおりです。

  • ●産業用太陽光発電設備 : 26.5万円×240(kW)=6,360万円
  • ●産業用蓄電池 : 7.6万円×15(kWh)=114万円

シミュレーション上の結果ですが、大規模な産業用太陽光発電設備や産業用蓄電池を導入する場合、初期費用が高額になりやすいと覚えておきましょう。

太陽光発電と蓄電池はセットで導入するべき?

結論から申し上げますと、産業用太陽光発電設備と産業用蓄電池はセットで導入するべきです。

太陽光発電設備に加えて蓄電池があると、次のようなメリットを得られます。

  • ●電気料金が安くなる可能性がある
  • ●災害時の備えになる

なお、太陽光発電設備と蓄電池の併用についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

電気料金が安くなる可能性がある

太陽光発電は日中にしか発電できないため、単体で使用する場合は、夜間や曇天時等に電力会社から電気を購入する必要があります。

しかし、蓄電池を導入して日中に発電した電気を夜間にも使用できる仕組みを取り入れることで、自家消費できる電気が多くなり、電気料金が安くなる可能性があります。電力会社への依存度が下がれば、電気料金が高騰した際も影響を少なく抑えることができるでしょう。

また、蓄電池へ蓄えた電力をピーク時に放電することで、負荷が平準化されて電気基本料金の削減(ピークカット)も期待できます。

蓄電池の導入には初期費用がかかりますが、一定の電気料金の削減効果があれば、長期的には初期費用を回収して全体コストを落とすことが可能です。

  • ※蓄電池の導入による効果は、建物の電力負荷や設置した太陽光パネルの容量によって異なります。発電量を負荷が上回る場合は電気料金の削減につながらない場合もあるため注意しましょう。

災害時の備えになる

地震や台風、大雨等による災害で停電が発生した際も、太陽光発電と蓄電池で電力供給の確保に繋がります。

製造業、データセンター、病院等、電力供給が途絶えると深刻な影響が出る施設においては、蓄電池と組み合わせた一定の規模の太陽光発電設備の導入ができていれば、停電時の電力供給の確保で、被害を少なく抑えることもできます。

太陽光発電と蓄電池をセットで導入するおすすめの方法

前述したとおり、産業用太陽光発電設備の相場は26.5万円/kWで、産業用蓄電池の相場は7.6万円/kWhです。太陽光発電設備の発電容量にもよりますが、セットで導入する場合、初期費用が高額になる可能性があります。

太陽光発電設備と蓄電池をセットで導入し、なおかつ初期費用を抑えたい場合は、PPAを検討しましょう。

次の表は、太陽光発電設備の導入方法を比べたものです。

導入の種類 概要 初期費用 管理・維持
自己所有型 太陽光発電設備を自社で設置して電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 必要 自社で行う
PPAモデル エネルギーサービス事業者と契約を結んで太陽光発電設備を設置してもらい、割安で電気を購入する方法 不要 事業者が行う
リース型 太陽光発電設備をリースで導入し、電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 不要 事業者が行う
(事業者・契約によります)

PPA(Power Purchase Agreement)とは、電気を必要とする需要家の企業が事業者と契約を結び、太陽光発電設備を設置してもらう導入方法です。

太陽光発電設備の所有権は事業者にあるので、長期固定契約等を結ぶことにはなるものの、需要家は初期費用を支払わずに太陽光発電設備を設置し、メンテナンスや維持管理を行わなくても発電した電力を利用できます。

産業用太陽光発電設備と産業用蓄電池をセットで導入したいと考えている方は、PPAでの導入がおすすめです。

太陽光発電設備を導入するなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

太陽光発電設備を導入するなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

PPAは、お客さまの敷地内に太陽光発電設備を設置するオンサイトPPAと、敷地外に設置するオフサイトPPAがあり、サービスによって内容が異なります。

例えば、関西電力のオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」は、初期費用が発生せず、関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスまでをワンストップで行うため、トラブルが起きた時でも安心です。

また、月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、20年ほどの契約期間で、太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※1※2

「割引プラン」による節約 や、補助金の申請をサポートする「補助金サポート」等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3

関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根等の広大な敷地を所有していなくても、900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。

他にも、関西電力では、お客さまの敷地に関西電力が蓄電池設備を設置して運用を行う「蓄電池オンサイトサービス」を提供しています。

オンサイトPPAと同様に初期費用が発生せず、設置後の運用やメンテナンスは関西電力が責任を持って行うので、産業用太陽光発電設備と産業用蓄電池をセットで導入したいお客さまにおすすめです。

ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電 「コーポレートPPA」をご検討ください。

  • 途中解約には違約金が発生します。
  • 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
  • 割引プランは、補助金との併用はできません。

太陽光発電と蓄電池をセットで導入して有効活用しよう

産業用太陽光発電設備の相場は26.5万円/kWで、産業用蓄電池の相場は7.6万円/kWhです。

ただし、実際の価格は選ぶ機器や発電容量によって変動し、セットで導入する場合は、初期費用が高額になる傾向があります。

さらに、自己所有する場合は、初期費用に加えて維持費用も発生するため、企業の財務に影響を与える可能性がある点に注意が必要です。

それでも、太陽光発電と蓄電池をセットで導入すれば、非常用電源を確保でき、電気料金の節約につながる等、多くのメリットを得られます。そのため、これらのメリットを享受しつつ初期費用や維持費用を抑えたい場合は、PPAも選択肢のひとつです

関西電力では初期投資や維持費が抑えられるオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」「蓄電池オンサイトサービス」を提供しています。

関西電力が設置するので初期費用が発生せず、設置後の運用・メンテナンスも関西電力が責任をもって実施するサービスです。セットでの導入を迷っているお客さまは、まずはお気軽にお問い合わせください。

また、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」も、あわせてご検討ください。

近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授

1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステムならびに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。あわせて生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクル等幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入を推進。
「リサイクル技術開発本多賞」 「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取り組み中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

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