太陽光発電におけるブレーカーの役割とは?落ちる時の原因や対処法も紹介
2025.5.19
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目次
太陽光発電のブレーカーには、過電流や漏電の際に電気を遮断し、システム全体の安全を確保する役割があります。太陽光発電をトラブルなく稼働させるためには、ブレーカーの基本的な役割を理解することが重要です。
この記事では、太陽光発電におけるブレーカーの役割や落ちる時の原因・対処法を解説します。ブレーカーの基本を知って、安全に設備を稼働させましょう。
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太陽光発電のブレーカーとは
家庭や施設に設置される一般的なブレーカーには、「アンペアブレーカー」「漏電ブレーカー」「安全ブレーカー」 の3種類がありますが、太陽光発電システムには追加で専用のブレーカーが必要です。
一般的なブレーカーの特徴は以下のとおりです。
ブレーカーの種類 | 役割 |
---|---|
アンペアブレーカー | 契約アンペアを超える電流が流れた時に遮断する |
漏電ブレーカー | 漏電が発生した時に電流を遮断する |
安全ブレーカー | 各回路に一定以上の過剰な電流が流れると遮断する |
上記に対し、太陽光発電システムの専用ブレーカーは、過電流や漏電の際に電流を遮断し、システム全体の安全を確保します。
太陽光発電のブレーカーが落ちる原因

太陽光発電のブレーカーが落ちる場合、主に以下の原因が考えられます。ブレーカーが頻繁に落ちる時は、疑われる原因がないか確認してみましょう。
- ●容量が合っていない
- ●高温や多湿の環境にある
- ●漏電している
- ●落雷の影響を受けている
- ●施工不良がある
容量が合っていない
ブレーカーの容量が実際の消費電力や発電規模に合っていないと、電力使用量が上限を超えるたびにブレーカーが落ちてしまいます。例えば、パワーコンディショナーからの電流に対してブレーカーの容量が不足していると、ブレーカーが落ちることがあります。
こうした事態を防ぐためには、設備設計の段階で適切なブレーカーを選び、容量不足を防ぐことが必要です。
高温や多湿の環境にある
高温・多湿の環境では、誤作動でブレーカーが落ちることがあります。
特に屋外に設置されている分電盤は直射日光を浴びやすく、夏場はブレーカーの内部温度が上昇しやすいです。湿度が高い環境も漏電リスクを高めるため、通気性が良い設置場所の選定が重要です。
漏電している
太陽光発電システムの配線や接続部分等で電流が漏れていると、ブレーカーが落ちる場合があります。漏電は感電事故や火災等の原因にもなり得るため、ブレーカーが頻繁に落ちる場合は業者に点検を依頼し、問題箇所の特定・修理を行いましょう。
落雷の影響を受けている
太陽光発電所の雷による被害は、設備近くに落雷した際に発生する雷サージ(瞬間的な過電流・過電圧)が原因となる例が多く、ブレーカーが落ちる原因となる場合があります。
雷サージが発生すると、太陽光パネル、パワーコンディショナー、集電箱等が被害を受ける可能性があり、対策には適切なサージ保護デバイス(SPD)の設置が必要です。
施工不良がある
稀なケースですが、設置工事の配線ミスや施工不良が原因でブレーカーが落ちることもあります。配線が適切ではない状態で稼働を続けると、重大事故につながる可能性があるため、早急に対策が必要です。
施工不良が疑われる場合は、施工実績が豊富な業者に点検を依頼し、正しく配線が行われているか確認してもらいましょう。
太陽光発電のブレーカーが落ちた時の対処法
太陽光発電のブレーカーが落ちた場合は、まず原因を特定しましょう。
ブレーカーが落ちた原因が明らかな場合、まずすべてのブレーカーのスイッチを切ります。次に、アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカーの順番でブレーカーを復旧させます。
ただし、ご自身でブレーカーを復旧できた場合でも再発するおそれがあります。太陽光発電を安全に稼働させるためにも、業者に点検を依頼しましょう。
太陽光発電のブレーカーが落ちるのを防ぐためのポイント
太陽光発電のブレーカーが落ちると、稼働を再開するまで発電できず、経済的な損失が生じます。安定した発電を維持するためには、ブレーカーが落ちないよう、管理体制や環境を整えることが重要です。
太陽光発電のブレーカーが落ちるのを防ぐためのポイントを以下で見ていきましょう。
- ●ブレーカーが落ちやすい時間帯を把握する
- ●直射日光を避けて風通しの良い状態をつくる
- ●定期的な点検を実施する
ブレーカーが落ちやすい時間帯を把握する
設備の使用が多い時間帯にブレーカーが落ちやすい場合は、電力使用量が容量を超えている可能性があります。また、太陽光発電は天候や時間帯によって一日のなかで発電量が変化するため、発電量と電力使用量のバランスが原因となっていることも考えられます。
ブレーカーがよく落ちやすい時間帯を把握しておくと、一部設備の電力を使用する時間帯をずらす等、消費量低減の対策が可能です。
直射日光を避けて風通しの良い状態をつくる
直射日光を避けて風通しの良い状態をつくると、高温・多湿な環境になることを避けられます。導入の段階からブレーカーの設置場所を意識しておきましょう。
また、日陰になるように屋根を設置する、冷却ファンを取り付ける等、後付けで対策する方法もあります。
定期的な点検を実施する
定期的な点検を実施することで、太陽光システムの異常を早期に発見でき、ブレーカーが落ちるのを防ぐことにもつながります。
定期点検は、以下の頻度での実施が推奨されています。設備管理のスケジュールに組み込み、忘れずに実施しましょう。
設備 | 定期点検の頻度 |
---|---|
低圧の太陽光発電(50kW未満) | 4年に1回 |
高圧の太陽光発電(50kW以上) | 受変電設備 : 2~6ヶ月に1回 パネル・パワーコンディショナー : 6ヶ月に1回 |
太陽光発電設備のメンテナンスについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:太陽光発電設備のメンテナンスは必要?定期・日常点検内容や費用相場を解説
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太陽光発電のブレーカーを理解して導入の検討に役立てよう
太陽光発電のブレーカーには、過電流の際に回路を遮断し、システム全体の安全を確保する役割があります。ブレーカーが頻繁に落ちる場合は、容量の不足、高温・多湿の環境、漏電、落雷の影響、施工不良等が原因として考えられます。
ブレーカーが落ちるのを防ぐためには、落ちやすい時間を把握し、適切な場所に設置して定期的な点検を行うことが大切です。ぜひ太陽光発電のブレーカーの役割や落ちる原因、対策を理解して、導入の検討や運用に役立てていきましょう。
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監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)
愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他
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