新築建物への太陽光発電設置義務化はいつから?自治体の導入事例やメリットも紹介
2025.5.19
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目次
自治体によっては新築建物に対して太陽光発電設備の設置が義務化されています。
ただし、義務化の条件は自治体ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
この記事では、新築建物への太陽光発電設置義務化の背景や義務化している自治体の概要等を解説します。工場や施設を建設する予定がある事業者はぜひ参考にしてください。
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新築建物への太陽光発電設置義務化はいつから?

2025年4月時点で、新築建物への太陽光発電の設置義務化は自治体ごとに進められており、全国一律の規制ではありません。
すでに京都府や群馬県では義務化が始まっており、東京都と神奈川県川崎市でも2025年4月から施行されています。
ただし、すべての新築建物に無条件で義務付けられるわけではなく、建物の形状や日照を含めた立地条件等を考慮したうえで適用が決定されます。
自治体によって基準や対象が異なるため、企業は建設予定地の自治体の最新情報を確認しましょう。
義務化の対象となる建物は?
新築建物への太陽光発電設備の設置義務化は、自治体ごとに異なる基準で進められますが、一般的に住宅と一定規模以上の商業施設やオフィスビル、工場等の非住宅建築物が対象となるでしょう。
例えば、東京都で2025年4月から開始された新築建物への太陽光発電設備の設置義務化では、建築物環境計画書制度が強化されました。延べ床面積2,000㎡以上の建物の再エネ導入や利用検討の義務から、太陽光発電をはじめとした再エネ設備の設置義務に変更されています。
また、今回の設置義務化では建築物環境報告書制度が新設され、延べ床面積2,000㎡未満の新築建物も対象です。新築建物には戸建住宅や小規模なビル、工場等が幅広く含められています。
つまり企業においては、2025年4月以降、東京都で条件を満たす商業施設やオフィスビル、工場を新築する場合は太陽光発電設備の設置が必要です。
なお、敷地内で設置が困難な場合は、敷地外に設置するオフサイトPPAや再エネ電気、再エネ証書の調達で認められる場合もあります。
自治体によって太陽光発電設備の設置義務化の対象建物が異なるため、企業は事前に内容を確認し、必要に応じた対策を講じましょう。
オフサイトPPAについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:オフサイトPPAとは?自己託送・オンサイトPPAとの違いやメリット・デメリットを解説
新築建物の太陽光発電設置が義務化された背景
新築建物への太陽光発電設置義務化は、脱炭素社会の実現と再生可能エネルギーの普及を加速させるために導入されました。
例えば京都府では、建物から排出される温室効果ガスの削減を目的に、2022年から特定建物への太陽光発電設備の設置が義務付けられました。特に、建築物が環境に与える影響を考慮し、規制を厳格化しています。
また、前述したとおり、東京都は2025年4月から太陽光発電設備の設置義務化を開始しました。都内の約7割のCO₂排出量が建物のエネルギー使用に起因しており、エネルギー大量消費地としての責任を果たすため制度の強化や新設等を決めています。
自治体ごとに義務化するタイミングや背景は異なりますが、長期間にわたり使用される建物の特性を活かし、持続的に脱炭素に貢献する再生可能エネルギー利用を促進する狙いがあります。
設置義務を定めた自治体で商業施設や工場の建設予定がある企業は、新たな環境規制に適応するための対応が求められており、今後の事業戦略で重要な要素となるでしょう。
2025年4月時点で新築建物への太陽光発電設置義務化を導入している自治体
2025年4月時点で新築建物への太陽光発電設置義務化を導入している自治体は以下です。
- ●京都府
- ●群馬県
- ●東京都
- ●神奈川県川崎市
- ●神奈川県横浜市
自治体ごとに義務化の条件や内容は異なるため最新の情報を確認しましょう。
京都府
京都府では、2022年4月1日より延べ床面積300㎡以上の新築や増築建築物に対し、再生可能エネルギー利用設備の導入が義務化されています※。
脱炭素社会の実現を目指し、建物を通じたエネルギー利用の最適化を図るための施策で、主に企業の商業施設や工場が対象になる可能性があります。
なお、京都府の制度では、同一敷地内の駐車場や既存建物への設備設置も認められており、柔軟な対応が可能です。
また、建物の面積によっては導入計画書の提出や変更届の義務が発生するため、新築や増築を計画する際には、制度の詳細を把握し適切な対応を行いましょう。
群馬県
群馬県では、2023年4月1日より延べ床面積2,000㎡以上の建築物を新築や増築、改築する場合に、再生可能エネルギー利用設備の導入が義務化されています※。
大規模な建物を対象に環境負荷の低減を図ることを目的としており、企業の工場や商業施設等の法人向け建物が主な対象です。
ただし、建物の特性上、再生可能エネルギー利用設備の導入が難しい場合や知事が導入困難と認めたケースでは例外措置が適用されます。
企業が工場や商業施設の新築・増築・改築を計画する際には、事前に要件を確認し適用の可否を判断しましょう。
東京都
東京都では2025年4月から、新築建物への太陽光発電設備の設置が義務化されています※1。
本制度の特徴は、設置義務を負うのは建物の所有者ではなく、年間の都内供給延べ床面積が合計20,000㎡以上のハウスメーカー等の事業者である点です※2。
つまり、大手住宅メーカーが供給する新築住宅等が義務対象となり、一定の基準に基づいて太陽光発電設備の導入が求められます。
ただし、建築面積の制約や北向きの屋根等、太陽光発電設備の設置が難しいケースでは、オフサイトPPAや、再生可能エネルギー比率の高い電気の購入、再エネ証書の取得等の代替手段が認められ、すべての新築建物で一律に義務化されるわけではありません。
東京都では太陽光発電設備の設置を支援するため、設置事業者に対して補助金を提供しており、太陽光パネルの導入コストを軽減する仕組みを整えています。
なお、従来は一定規模以上の商業施設や工場に対して太陽光発電設備の設置の検討が求められていましたが、依頼するハウスメーカー等の事業者によっては規模にかかわらず設置を求められる可能性があるため、事前に確認しましょう。
神奈川県川崎市
神奈川県川崎市では、2000㎡未満の新築建築物を年間に一定以上建築・供給する建築事業者や、2000㎡以上の建築物を新築・増築する建築主に対し、太陽光発電設備の設置を義務化しています※。
再生可能エネルギーの普及を促進し、温室効果ガス排出の削減を目的とした施策です。
ただし、日照条件や立地条件により太陽光発電の設置が適さない建物は設置義務の対象外とされます。
また、新築建物のみ設置義務の対象であり、既存建物の改修や増築は対象外となる点も特徴です。
川崎市内で事業を行う企業は、事前に建築計画を精査し、設置義務の適用条件を確認しましょう。
神奈川県横浜市
神奈川県横浜市では、2010年4月より、延べ床面積2,000㎡以上の建築物を建築する際に、再生可能エネルギーの導入を検討し、横浜市に検討結果の報告が義務付けられています※。
横浜市のケースでは、設置の義務ではなく、導入可否を検討し結果を報告することが義務化されています。
報告の対象となるのは企業の大規模な商業施設や工場等の建築物で、太陽光発電設備や太陽熱利用の導入、その他の再生可能エネルギー設備の導入を検討し、建築計画の段階から環境配慮の観点を取り入れることが狙いとされています。
また、報告書は建築確認申請予定日の21日前までに横浜市へ提出する必要があります。
設置義務ではありませんが、横浜市の環境施策に適合するためには、早めの対応が求められると覚えておきましょう。
企業が太陽光発電設備を導入する3つの方法

実際に企業が太陽光発電設備を導入する場合、導入方法は以下の3つです。
導入の種類 | 概要 | 初期費用 | 管理・維持 |
---|---|---|---|
自己所有型 | 太陽光発電設備を自社で設置して電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 | 必要 | 自社で行う |
PPA型 | 事業者と契約を結んで太陽光発電設備を設置してもらい、割安で電気を購入する方法 | 不要 | 事業者が行う |
リース型 | 太陽光発電設備をリースで導入し、電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 | 不要 | 事業者が行う |
さらにPPA型には、太陽光発電設備を企業の敷地内に設置するオンサイトPPAと、企業の敷地外に設置するオフサイトPPAがあります。
企業ごとに状況や環境は異なるため、自社に合った方法で太陽光発電設備を導入しましょう。
太陽光発電設備の導入方法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:自家消費型太陽光発電とは?メリット・デメリットや設備の導入方法も紹介
関連記事:オンサイトPPAとは?仕組みとオフサイトPPAとの違いやメリット・デメリットを解説
関連記事:オフサイトPPAとは?自己託送・オンサイトPPAとの違いやメリット・デメリットを解説
新築建物への太陽光発電導入を考えるなら関西電力の 「太陽光発電オンサイトサービス」
再生可能エネルギーの普及を促進し、温室効果ガスやCO₂排出の削減を目的とした新築建物への太陽光発電設備の設置を義務化する自治体が増えています。
延べ床面積や環境によっては設置義務が免除されますが、企業は自治体の最新情報を確認し、太陽光発電設備の設置を検討しましょう。
また、太陽光発電設備の設置方法によっては初期費用を減らすことが可能です。
例えば、関西電力では初期費用ゼロで太陽光発電設備を導入可能なオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。
関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスまでをワンストップで行い、発電した電気をお客さまが利用するサービスで、契約期間は20年ほどです※1。
太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※2。月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、割引プランの適用で節約も可能です。
また、オプションで余剰電力の売電が選べます。休日や就業時間後の電力使用量が少なくなるタイミングで余った余剰電力を売電すると、電気料金のさらなる削減効果を得ることが可能です。
関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。
「割引プラン」 や、補助金の申請をサポートする 「補助金サポート」 等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3。
ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」をご検討ください。
さらに、関西電力では、お客さまの敷地に関西電力が蓄電池設備を設置して運用を行う「蓄電池オンサイトサービス」を提供しています。オンサイトPPAと同様に初期費用が発生せず※4、設置後の運用やメンテナンスは関西電力が責任を持って行うので、オフグリッドを導入したいお客さまにおすすめです。
太陽光発電設備の設置が義務化された地域で商業施設や工場を新築したい場合は、関西電力に相談してみてはいかがでしょうか。
- ※1 途中解約には違約金が発生します。
- ※2 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
- ※3 割引プランは、補助金との併用はできません。
- ※4 一部、電気工事等の費用が必要な場合があります。
太陽光発電設置義務化の対象地域は今後も拡大する可能性がある
工場や商業施設等のエネルギー消費に伴う温室効果ガスの排出は、環境に大きな影響を与えます。
そのため、脱炭素社会の実現を目指し、新築建物や増築建物への太陽光発電の設置義務化を進める自治体が増えています。
2025年4月時点では京都府・群馬県は設置義務化、神奈川県横浜市では導入検討の報告義務化が施行済みです。また、東京都と神奈川県川崎市でも新築建物への太陽光発電設置が義務化され、今後も全国へと広がる可能性があります。
自治体によって内容は異なりますが、大規模な商業施設や工場で設置が義務化される傾向が見られるため、企業は最新の情報を確認しましょう。
大規模な太陽光発電設備を設置する場合は、初期費用ゼロで設置が可能なPPAモデルの活用がおすすめです。
関西電力では、オンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」や「蓄電池オンサイトサービス」等のサービスを提供しています。
また、設置場所不要の太陽光発電「コーポレートPPA」もあるので、太陽光発電設備を設置したい企業はご検討ください。
太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。
初期費用ゼロで、導入時の工事から導入後の運用・メンテナンスまで、ワンストップでおまかせいただけます。


監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)
愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他
サービス概要資料
太陽光発電オンサイトサービス

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資料の一部をご紹介
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