Scope1とは?2・3との違い、算定方法や削減事例を紹介

2026.6.26

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Scope1とは?2・3との違い、算定方法や削減事例を紹介

近年、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量を削減する「脱炭素経営」が急務となり「Scope1・2・3」の算定と対策はあらゆる企業にとって不可欠な条件となっています。

しかし「各Scopeの違いや、具体的な算定・削減方法が分からない」と悩むご担当者さまも多いのではないでしょうか。

この記事では、Scope1・2・3の基礎知識から算定ステップまでを分かりやすく解説し、コスト削減と脱炭素化を両立した企業の成功事例をご紹介します。
脱炭素経営の第一歩として、ぜひお役立てください。

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Scope1とその対象範囲について

Scope1とその対象範囲について

Scope1とは温室効果ガス(GHG)の排出源によって分類される3つの区分のうち「事業者自らによるGHGの直接排出」を示します。

自社が有する発電機の稼働や事業所にある社用車での燃料の使用や、工業プロセスにおける排出等、自社の管理下で発生するGHG排出が対象です。

Scope1に属するものは企業が直接的にコントロールできる排出源であるため、設備更新や燃料転換等、GHG削減の施策を打ち出しやすく、また効果を比較的把握しやすい特徴があります。

Scope1含む3つの分類はGHGプロトコル(※)に基づくものであり、自社の直接排出に加え、上流・下流を含むサプライチェーン全体の間接排出まで整理し、自社に関係する排出量を網羅的に把握するための分類です。

該当する企業活動 具体例
燃料の燃焼 ● ボイラー
● 炉
● 発電機
車両の運行 ● 配送トラック
● 社用車
製造プロセス セメント製造における石灰石の分解
設備からの漏れ 冷蔵設備からのフロンガス漏れ
  • ※GHGプロトコルとは、企業が温室効果ガス(GHG)の排出量を算定、報告するための国際標準。

Scope2とその対象範囲について

Scope2とは温室効果ガス(GHG)の排出源によって分類される3つの区分のうち「他社から供給されたエネルギーの使用に伴う間接排出」を示します。

電力会社や熱供給会社から調達する電気や熱、蒸気等が主にあてはまります。

供給元がエネルギーを生成する際に排出したGHGも、国際的な基準で言えば自社の責任となるのです。
これは「自社が電力を使用しなければその分のGHGは発生することがなかった」、つまりGHGの排出元は自社外となるものの、その発生の原因には自社が寄与しているとみなされるためです。

Scope3とその対象範囲について

Scope3とは温室効果ガス(GHG)の排出源によって分類される3つの区分のうち「Scope2以外の間接排出」を示します。

具体的には原材料の調達や物流、製品使用、廃棄段階等がこれに該当します。
Scope3に該当するものは多く、「Scope3」という大きな枠組みだけでは細かく把握することが困難です。
そのためScope3は15のカテゴリに分類されており、サプライチェーンにおける排出源を体系的に整理し、把握しやすくする仕組みとなっています。

カテゴリ Scope3カテゴリ 該当する活動例
1 購入した製品・サービス
  • ●原材料の調達
  • ●パッケージングの外部委託
  • ●消耗品の調達
2 資本財 生産設備の増設(複数年にわたり建設・製造されている場合には、建設・製造が終了した最終年に計上)
3 Scope1、2に含まれない
燃料およびエネルギー活動
  • ●調達している燃料の上流工程(採掘、精製等)
  • ●調達している電力の上流工程(発電に使用する燃料の採掘、精製等)
4 輸送、配送(上流)
  • ●調達物流
  • ●横持物流
  • ●出荷物流(自社が荷主)
5 事業から出る廃棄物 廃棄物(有価のものは除く)の自社以外での輸送、処理
6 出張 従業員の出張
7 雇用者の通勤 従業員の通勤
8 リース資産(上流) 自社が賃借しているリース資産の稼働
(算定・報告・公表制度では、Scope1、2 に計上するため、該当なしのケースが大半)
9 輸送、配送(下流)
  • ●出荷輸送(自社が荷主の輸送以降)
  • ●倉庫での保管
  • ●小売店での販売
10 販売した製品の加工 事業者による中間製品の加工
11 販売した製品の使用 使用者による製品の使用
12 販売した製品の廃棄 使用者による製品の廃棄時の輸送、処理
13 リース資産(下流) 自社が賃貸事業者として所有し、他者に賃貸しているリース資産の稼働
14 フランチャイズ 自社が主宰するフランチャイズの加盟者のScope1、2 に該当する活動
15 投資 株式投資、債券投資、プロジェクトファイナンス等の運用
  その他(任意) 従業員や消費者の日常生活

Scope1の算定方法

Scope1の算定方法

Scope1における排出量は、主に燃料の燃焼による排出が大半を占めることから、以下では燃料由来の排出を中心に説明します。
Scope1における排出量は「燃料ごとの温室効果ガス排出量の合算」によって算定されます。
そのためには燃料ごとの排出量を算定する必要がありますが、その際に用いられる計算式が下記となります。

排出量 = 活動量 × 排出原単位

活動量とはボイラーで使用した燃料の量等、自社の活動規模を表すデータを示します。
排出原単位とは、活動量あたりの温室効果ガス排出量を示す係数です。
ガソリンや都市ガス等の燃料の種類別や工業プロセスの種別に異なりますので、具体的な数値は、環境省や各団体が定めたデータベースを利用しましょう。

(排出原単位データベースの整備方針、使い方等をScope1、Scope2およびScope3のカテゴリごとに整理した資料)

燃料使用による排出量の計算を具体的にみていきましょう。
今回はガソリンの使用量に基づいて、温室効果ガスの排出量を計算する例を取り上げます。

STEP①:燃料使用量の特定

まずは実際に使用した燃料量を確認しましょう。
今回は社用車でガソリンを300L使用したと仮定します。

STEP②:排出原単位の確認

次に、ガソリンの排出原単位を確認します。
この数値は環境省等によって整備されたデータベースを参照するのが一般的です。

今回例として設定したガソリンの場合、上記データベースを参照すると排出原単位は「2.290t-CO2/kL」となります。

STEP③:排出量の計算

排出量 = 活動量 × 排出原単位
の計算式にあてはめ、実際の排出量を算定します。
0.3kL × 2.290t-CO2/kL = 0.687t-CO2
つまり、今回の例として設定した社用車の場合、300L分の運転でおよそ0.687t-CO2もの温室効果ガスを排出することが分かります。

企業のScope1削減事例

企業のScope1削減事例

実際にScope1の削減に向けてさまざまな施策を講じている企業をご紹介します。

株式会社北條製餡所

事業内容 業務用あんの製造・販売
設立 1950年 資本金 5,500万円 従業員 110名

株式会社北條製餡所ではあんの製造に欠かせないボイラー設備を刷新し、徹底した熱回収とシステム制御を行うことでScope1を大幅に削減しています。
これに大きく貢献しているの は、老朽化していた旧式のボイラー2台を最新式の「高効率貫流ボイラ」への更新です。
ボイラーの交換により、ガス燃料の消費効率を向上させることに成功しました。
さらに、これまで廃棄していた不規則に排出される工場の温水をバッファタンクに貯水し、エネルギーマネジメントシステム(EMS)で自動的にボイラーへ給水する仕組みを構築し、排熱を有効利用しています。
このEMSを活用して「4台あるボイラーの稼働台数や運転開始時刻を最適化する」ことで、自社設備での無駄な燃料消費(Scope1)を極限まで削ることに成功しています。

UCC上島珈琲株式会社

事業内容 コーヒー関連事業(栽培から製造・販売まで)
設立 1933年 資本金 1,293億円 従業員 736名

UCC上島珈琲株式会社では、2030年までに自社ブランドにおけるコーヒー調達を「100%サステナブル」にすることを目標に掲げ、製造工程の脱炭素化を進めています。
コーヒー製造において大きな温室効果ガス排出源(Scope1)となるのが「焙煎工程」です。
従来は熱源として化石燃料を燃焼させていましたが、同社は燃焼してもCO2を排出しない「水素」を熱源とする「水素焙煎技術」を開発・導入しました

さらに、他の製造工程でも化石燃料を使用するボイラーの代わりにバイオマスボイラーを導入しており、自社工場における直接排出ゼロの実現に向けた技術開発と燃料転換を両立させています。

ウルトラファブリック・ホールディングス株式会社

事業内容 合成皮革の製造、販売を営むグループの持株会社
設立 1966年 資本金 23億6,000万円 従業員 328名

ウルトラファブリック・ホールディングス株式会社では、サプライチェーン全体(Scope1〜3)の排出量算定による「見える化」を起点に、さまざまな脱炭素施策にアプローチしています。
例えば、自社の工場からの直接排出(Scope1)を削減する具体的な施策として、新工場の一部ボイラーにおける「水素エネルギー」の導入があげられます。
工場に欠かせないボイラー(熱源)の燃料を、重油やガス等の化石燃料から、燃焼させてもCO2を発生させないエネルギーに転換することで、自社設備からの温室効果ガス排出を根本からなくすことで、scope1の削減を見込んでいます。

脱炭素を目指すなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

ここまでScope1について解説しましたが、一部事例からも分かる通り、脱炭素経営を大きく前進させるためには、太陽光発電設備の導入によるScope2(他社から供給された電気の使用に伴う排出)の削減が非常に重要な鍵となります。

しかし、太陽光発電設備を自社で全額負担して導入するには「多額の初期費用が発生する」「設置後のメンテナンスや管理の手間が増える」等のハードルがあり、導入を足踏みしてしまう企業も少なくありません。

そこで近年、多くの企業で採用されているのが「PPA(電力購入契約)モデル」です。
関西電力でも自家消費型太陽光発電を導入するサービスとして、オンサイトPPA 「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。

関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスをワンストップで行うサービスです。
発電した電気をお客さまが利用し、契約期間は20年ほどです※1

太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※2
月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、割引プランの適用で節約も可能です。

関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。
「割引プラン」 や、補助金の申請をサポートする 「補助金サポート」 等、お客さまにあわせて適したプランをご提案します※3

なお、オンサイトPPAのご提供には設置場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電 「オフサイトPPA(フィジカルPPA)」をご検討ください。

※1 途中解約には違約金が発生します。
※2 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
※3 割引プランは、補助金との併用はできません。

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関西エリア以外で関西電力が選ばれる理由

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  • ※本画像はAIで生成したイメージです

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まとめ|Scope1・2の削減から始める脱炭素経営とPPAの活用

まとめ|Scope1・2の削減から始める脱炭素経営とPPAの活用

今回は温室効果ガス(GHG)排出量におけるScope1〜3の分類や、Scope1の具体的な算定方法、そして企業の取り組み事例について解説しました。
ご紹介した事例からも分かる通り、多くの企業が設備の更新や太陽光発電の導入を通じて、GHG排出量の削減だけでなく、ランニングコストの削減や企業価値の向上といったメリットを獲得しています。
脱炭素経営を大きく前進させるためには、自社による直接排出(Scope1)の見直しに加え、電力の使用に伴う間接排出(Scope2)の削減が非常に重要な鍵となります。
しかし、Scope2削減のために太陽光発電設備を自社所有で導入するには初期費用や設置後の運用メンテナンス対応などの不安があると思います。そこでおすすめなのが、関西電力がご提案する「オンサイトPPAサービス」です。
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監修者
関西電力株式会社 法人向けソリューションサイト 編集チーム
法人向けソリューション紹介サイトの企画・編集を担当。脱炭素やエネルギー分野をはじめ、企業の課題解決に資する情報を分かりやすく発信している。

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