再エネ賦課金とは?仕組み・計算方法や単価の推移をわかりやすく紹介

2024.10.1

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再エネ賦課金とは?仕組み・計算方法や単価の推移をわかりやすく紹介

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取るときの費用を、利用者が一部負担するものです。

固定価格買取制度により、再生可能エネルギーで発電した電気は、電力会社が固定価格で買い取りますが、その費用の一部は電力の利用者が負担することになっています。電気料金の内訳を確認して、再エネ賦課金とは何か気になっている方もいるかもしれません。

この記事では、再エネ賦課金の仕組みや計算方法、近年の単価の推移等を解説します。

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは?

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、再生可能エネルギーを電力会社が決まった金額で買い取るための費用を、利用者が一部負担するものです。

電気料金は以下の式で計算されます。

  • ●電気料金=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金±燃料調整費等

電力の需要家は、基本料金や電力量料金等とあわせて、毎月の電気料金の一部として再エネ賦課金を支払っています。

固定価格買取制度(FIT制度)と再エネ賦課金の仕組み

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)に基づき設定されています。

固定価格買取制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定期間一定価格で買い取ることを国が約束する制度です。この制度は2012年から制度が開始されました。

固定価格買取制度では、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る費用の一部を電力の利用者から賦課金という形で集めることで、買い取りのコストを支える仕組みとなっています。

現状日本のエネルギーは、石油、石炭、天然ガス等の化石燃料が中心で、その大半を海外からの輸入に頼っています。固定価格買取制度は、国内の再生可能エネルギーによる電力を増やすことで、エネルギー自給率を向上させ、エネルギーの課題を解決することが目的のひとつです。

再エネ賦課金の計算方法

再エネ賦課金の金額は、以下の式で計算されます。

  • ●再エネ賦課金(円)=電気使用量(kWh)×再エネ賦課金単価(円/kWh)

2024年度の賦課金単価は3.49円/kWhです。賦課金単価は、毎年度の開始前に、再エネ特措法で定められた算定方法に則って経済産業大臣が設定します。

再エネ賦課金の単価の推移

過去8年間の賦課金単価の推移は、次のとおりです。賦課金単価は、電気の市場価格や再エネ導入状況等を反映して、設定される金額は毎年見直されます。

年度 再エネ賦課金の単価
2017年度 2.64円/kWh
2018年度 2.90円/kWh
2019年度 2.95円/kWh
2020年度 2.98円/kWh
2021年度 3.36円/kWh
2022年度 3.45円/kWh
2023年度 1.40円/kWh
2024年度 3.49円/kWh

2023年度には、燃料価格の高騰で電気の市場価格が上がったこと等が原因で、再エネ賦課金が値下がりしています。2024年度には、燃料価格の下落に伴って再エネ賦課金は値上がりし、2022年度以前に近い金額にまで戻っています。

市場価格が上がると、固定買取価格のコストが市場でより多く賄われます。市場価格が下がると、固定価格のコストはより賦課金に頼ることになるため、このように一見“逆転”したような結果となります。

再エネ賦課金の対象となる再生可能エネルギーの種類

再エネ賦課金の対象となる再生可能エネルギーの種類

再生可能エネルギーは、太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱等の自然の力を利用して作り出すエネルギーです。化石燃料によるエネルギーとは異なり、エネルギー源として繰り返し利用できる特徴があります。

再生可能エネルギーの種類は以下のとおりで、原則として、いずれも再エネ賦課金の対象 です。

  • ●太陽光発電
  • ●風力発電
  • ●バイオマス
  • ●水力発電
  • ●地熱発電

日本の再エネ電力比率は、2022年度の速報値で21.7%、特に太陽光発電は世界第4位の導入量(2023年時点)です。日本では固定価格買取制度(FIT制度)のもとで、太陽光発電等再生可能エネルギーの導入が進められています。

5つの再生可能エネルギーについて、以下で特徴を見ていきましょう。

太陽光発電

太陽光が持つエネルギーから直接電気をつくる、太陽電池を利用した発電方法です。

太陽光発電設備は、オープンな土地以外に、屋根や壁等に設置することもできます。また、太陽光発電と蓄電池を併用すれば、災害時には非常用電源として活用が可能です。ただし、夜発電しないことや天候に発電量が左右されること、一定の導入コストがかかることは課題となっています。

太陽光発電について詳しくは、以下の記事で解説しています。

風力発電

風のエネルギーにより風車を回し、その回転運動を発電機に伝えて発電する方法です。

大規模な発電では、火力発電並みのコストで運用できます。また、太陽光発電とは異なり夜間でも発電が続けられます。風力発電は導入できる場所(風況がよい条件)が限られていますが、海の上に設置する洋上風力発電も進められていて、利用の拡大が期待されています。

日本においては、発電コストが高止まりしていることや、導入されているエリアが北海道や東北に集中していること等が課題となっています。

バイオマス

林地残材や製材廃材等の生物資源(バイオマス)を直接燃焼したり、ガス化したりして発電する方法です。また、家畜廃棄物等からガスを製造し燃やして発電する方法もあります。未活用の廃棄物等を燃料としても利用でき、発電だけでなく熱を利用することもできます(コージェネレーション、熱電併給)。

発電のための資源が分散して存在するため、小規模分散型になりやすいことがひとつの課題です。

水力発電

高い所から低い所に落ちる水の力で水車を回して発電する方法です。長期で安定的に稼働でき、信頼性の高い発電方法とされています。

これまでの水力発電は、大きなダムを利用した大規模なものが主流でしたが、近年は中小規模の設備の建設も盛んに進められています。

課題としては、水利権等の調整が必要になるケースがあることや、中小規模の開発では相対的に特に初期コストが高いこと等が挙げられます。

地熱発電

大型の地熱発電では、地中から取り出した蒸気でタービンを回して発電します。発電に使用した蒸気・熱水は再び地中深くに戻されます。

出力が安定していて、24時間稼働できることがメリットです。ただし、一般的に長期の開発期間がかかり、開発費用も非常に高額になることが課題のひとつです。

再エネ賦課金を免除する方法とは

電力使用量の極めて多い事業所では、国の認可で再エネ賦課金の減免措置が受けられます。減免措置の認定基準としては、主に以下が挙げられます。

  • ●電力使用量が基準値を超えていること
    (製造業は製造業平均値の8倍、非製造業は非製造業平均値の14倍)
  • ●年間の電気使用量が100万kWh以上であること

一定の優良基準を満たす事業所は、製造業等で8割、非製造業で4割の減免率が適用されます。基準を満たさない場合は、製造業等で4割、非製造業で2割の減免率の適用が可能です。

自家消費の太陽光発電なら再エネ賦課金は課されない

減免制度が利用できない事業所については、太陽光発電を利用して自社の敷地で発電をして、その電気を使用する方法があります

原則として、太陽光発電の電力を自家消費する場合、再エネ賦課金はかかりません。太陽光発電を自家消費で導入すれば、電気料金の削減がさらに大きくなります。

太陽光発電を導入するなら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

太陽光発電の導入は、自社で設備を保有する方法のほかに、エネルギーサービス事業者と契約して、太陽光発電設備を設置してもらう「PPAモデル」と呼ばれる導入方法もあります。

PPAモデルでは、設備を購入・管理する必要がなく、メンテナンスは事業者が実施します。初期費用やメンテナンスがネックで太陽光発電の導入を迷っている場合に、おすすめの導入方法です。

関西電力では、PPAモデルの太陽光発電として、需要家であるお客さまの敷地内に設備を設置する 「太陽光発電オンサイトサービス」 を提供しています。導入からメンテナンスまで関西電力がワンストップで実施するため、手間なく太陽光発電の導入が可能です。

電気料金が抑えられ、サービス料金を加味してもコスト削減に繋がりますが、基本的に20年程度の長期契約であり、途中解約には違約金が発生する点は知っておきましょう。

なお、関西電力は、導入時には補助金申請のサポートもしています。補助金を使って、月々の料金負担を抑えることが可能です。補助金を利用しない場合は、工事時期お任せでサービス料金が安くなる「まとめて工事プラン」、「工期フリープラン」といった割引プランで料金を抑えることもできます。

太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の屋根や900㎡程度の折板屋根、カーポート等、さまざまな場所に設置が可能です。 関西電力では、設置場所の提供不要のオフサイトPPA「コーポレートPPA」もあるので、自社の状況にあわせて利用を検討いただけます。太陽光発電の導入を考えているお客さまは、Webページ等からぜひお気軽にご相談ください。

※割引プランは、補助金との併用はできません。

再エネ賦課金は電気料金の構成要素

再生可能エネルギーで発電した電気は、電力会社が一定期間一定価格で買い取る固定価格買取制度があり、買い取り費用の一部は再エネ賦課金として利用者が負担することになっています。

太陽光発電で作った電気を自家消費する場合は、再エネ賦課金は課されません。電気料金をより安く抑えたい場合には、自家消費の太陽光発電の導入がおすすめです。

太陽光発電を初期費用なしで導入するなら、関西電力「太陽光発電オンサイトサービス」をご検討ください。導入からメンテナンスまで関西電力にお任せで、太陽光発電を導入できます。

初期費用やメンテナンスの面で太陽光発電の導入を迷っている工場やオフィスの方は、「太陽光発電オンサイトサービス」をご検討ください。

北村 和也(きたむら かずや)

監修者 北村 和也(きたむら かずや)

日本再生可能エネルギー総合研究所 代表/株式会社日本再生エネリンク 代表取締役/地域活性エネルギーリンク協議会 代表理事/埼玉大学社会変革研究センター・脱炭素推進部門 客員教授

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。民放テレビ局にて、報道取材、環境関連番組等制作し、1998年よりドイツ留学。その後、研究所等を設立。

◎主たる活動:

  • ・再生エネ普及のための情報収集と発信
  • ・再生エネ、脱炭素化等の民間企業へのコンサルティング、自治体のアドバイザー
  • ・地域での経済循環、活性化のサポート
  • ・エネルギージャーナリストとして、講演、セミナー、各種の執筆

サービス概要資料

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