オフグリッドとは?メリット・デメリットや導入におすすめの設備を解説
2025.3.21
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目次
ヨーロッパでは、電力会社の系統に頼らず電気の自給自足を目指す「オフグリッド」が一般的なエネルギーシステムになりつつあります。
オフグリッドを活用すれば、個人の生活だけでなく企業の活動でも多くのメリットが得られるため、特徴をふまえて導入を検討しましょう。
この記事ではオフグリッドとは何か、基礎知識やメリット・デメリット等を解説します。
太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。
初期費用ゼロで、導入時の工事から導入後の運用・メンテナンスまで、ワンストップでおまかせいただけます。

オフグリッドとは

オフグリッド(off-grid)とは、送電網(系統)とつながらず、電力会社に依存しないで電気を自給自足する仕組みや状態を指します。
電力の送配電網は英語で「power grid」や「electrical grid」と表されますが、略して「grid」と呼ぶ場合があります。「off-grid」とは、「grid」がつながっていない「off」の状態を意味する言葉です。
オフグリッドシステムは、主に太陽光や風力等の再生可能エネルギーを利用して電気を自給自足します。環境への負荷を軽減し、災害時の電力確保にも役立つ仕組みで、特に電力インフラが整備されていない地域では持続可能なエネルギー供給手段として注目されています。
オフグリッドを目指すなら太陽光発電設備の導入を
オフグリッドを実現するためには、再生可能エネルギーを発電できる設備と蓄電池を組み合わせます。再生可能エネルギーの主な種類は以下のとおりです。
- ●太陽光
- ●風力
- ●水力
- ●バイオマス
- ●地熱
現時点で実用化され、導入しやすい再生可能エネルギーで発電できる設備は太陽光発電設備です。太陽光発電は日射量を確保すれば発電できるため、設置場所を選びやすく、導入方法によってはコストを抑えることができます。
太陽光発電のメリットについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。
関連記事:太陽光発電のメリット・デメリットは?特徴や導入方法をわかりやすく解説
オフグリッドのメリット
企業がオフグリッドを目指すメリットは以下のとおりです。
- ●電気料金を削減してゼロを目指せる
- ●環境負荷を抑えられる
- ●停電等の緊急時に対応できる
オフグリッドは電気を自給自足できる状態のため、企業がオフグリッドを目指すと複数のメリットが得られると覚えておきましょう。
電気料金を削減してゼロを目指せる
オフグリッドを導入すれば、企業は電力会社からの電力供給に依存せず、自家発電によって必要な電気を賄えます。
電力会社から電気を購入せずに済むため、毎月の電気料金を大幅に削減でき、発電量によっては電気料金をゼロに近づけることが可能です。
企業の支出を減らしたい場合は、オフグリッドの導入を検討しましょう。
環境負荷を抑えられる
電力会社が供給する電力の多くは、天然ガスや石炭等の化石燃料を用います。化石燃料は発電時に多量の二酸化炭素を排出するため、地球温暖化の原因になっています。
一方、オフグリッドは太陽光や風力等の再生可能エネルギーによる発電のため、二酸化炭素を排出せず、環境への影響を抑えることが可能です。
つまり、オフグリッドは企業の活動による環境負荷を大幅に軽減します。また、この取り組みが成功すれば、環境への配慮を重視する投資家や取引先からの信頼性向上にも役立つでしょう。
停電等の緊急時に対応できる
大規模な地震や台風等の自然災害が発生すると、地域一帯が停電するおそれがあります。
復旧にかかる時間は災害の規模や状況によって異なりますが、電気が使えないと事業に影響を及ぼします。
オフグリッドは電気を自給自足できる環境を目指すため、災害による突然の停電でも電力の確保が可能です。停電による生産ラインの停止や重要データへのアクセス不能等を避ける場合に、オフグリッドは役立ちます。
オフグリッドのデメリット
企業がオフグリッドを導入すると、電気料金の削減や緊急時の対応等が可能です。
一方で、オフグリッドには以下のデメリットがあるので注意しましょう。
- ●天候の影響を受けやすい
- ●初期費用がかかる
- ●設備のメンテナンスが必要
天候の影響を受けやすい
オフグリッドは再生可能エネルギーを利用するため、天候の影響を受けやすいです。
例えば、太陽光発電の場合、曇りや雨の日が続くと発電量が大幅に低下し、必要な電力量を賄えないおそれがあります。
また、風力発電では、風が弱い日や不規則な風の状況では発電量が安定しません。
天候に依存するリスクがあるので、発電量が多い晴天時や風の強い日に電力を蓄え、不足時に備えられる蓄電池を併用しましょう。
初期費用がかかる
オフグリッドの導入には、再生可能エネルギーを利用する発電設備の設置が必要で、初期費用が高額になります。
次の表は、産業用太陽光発電設備を設置するのに必要な費用をまとめたものです。
初期費用項目 | 2013年度の費用の目安 | 2024年度の費用の目安 |
---|---|---|
太陽光パネル | 24.3万円/kW | 9.0万円/kW |
パワーコンディショナー | 5.1万円/kW | 3.6万円/kW |
架台 | 3.8万円/kW | 2.2万円/kW |
その他の機器 | 1.6万円/kW | 2.2万円/kW |
工事費 | 7.0万円/kW | 8.0万円/kW |
設計費 | 0.1万円/kW | 0.2万円/kW |
土地造成費 | 0.0万円/kW | 0.0万円/kW |
接続費 | 0.7万円/kW | 0.7万円/kW |
値引き | ▲4.6万円/kW | ▲2.2万円/kW |
合計 | 38.0万円/kW | 23.7万円/kW |
- ※出典:資源エネルギー庁 「太陽光発電について 2024年12月」
- ※2025年1月時点の情報です。
また、オフグリッドは電力会社とつながらないで電気の自給自足状態を目指すため、発電量が不足した場合に備えて蓄電池が必要です。
2013年度と比べて初期費用は下がっていますが、太陽光発電設備や蓄電池の規模によっては初期費用が高額になります。導入方法によっては企業の負担が大きいと覚えておきましょう。
設備のメンテナンスが必要
太陽光発電設備や蓄電池は定期的に点検等の維持管理やメンテナンスを行わないと、発電効率が低下し、想定通りの電力供給が行えません。
次の表は、産業用太陽光発電設備を維持するためのコストをまとめたものです。
出力 | 全体の平均 | 地上設置の平均 | 屋根設置の平均 |
---|---|---|---|
10~50kW | 0.53万円/kW/年 | 0.51万円/kW/年 | 0.56万円/kW/年 |
50~250kW | 0.48万円/kW/年 | 0.57万円/kW/年 | 0.39万円/kW/年 |
250~500kW | 0.47万円/kW/年 | 0.51万円/kW/年 | 0.35万円/kW/年 |
500~2,000kW | 0.58万円/kW/年 | 0.61万円/kW/年 | 0.42万円/kW/年 |
1,000~2,000kW | 0.64万円/kW/年 | 0.66万円/kW/年 | 0.40万円/kW/年 |
2,000kW以上 | 0.79万円/kW/年 | 0.79万円/kW/年 | 0.29万円/kW/年 |
- ※出典:資源エネルギー庁 「太陽光発電について 2024年12月」
- ※2025年1月時点の情報です。
オフグリッドを導入する場合は、設備の長期的な運用を見据え、定期的なメンテナンス計画を立てる必要があります。
太陽光発電PPAは初期費用ゼロでオフグリッドを目指せる
太陽光発電でオフグリッドを目指すためには太陽光発電設備と蓄電池が必要ですが、高額な初期費用や維持管理、メンテナンスの手間がかかります。
ただし、導入方法によってはこれらの高額な費用やメンテナンスの手間がかかりません。
導入の種類 | 概要 | 初期費用 | 維持・管理 |
---|---|---|---|
自己所有型 | 太陽光発電設備を自社で設置して電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 | 必要 | 自社で行う |
PPAモデル | エネルギーサービス事業者と契約を結んで太陽光発電設備を設置してもらい、割安で電気を購入する方法 | 不要 | 事業者が行う |
リース型 | 太陽光発電設備をリースで導入し、電気料金を削減したり、売電収入を得たりする方法 | 不要 | 事業者が行う (事業者・契約によります) |
おすすめの導入方法はPPA(Power Purchase Agreement)モデルです。PPAモデルでは、事業者が電気を必要とする需要家の敷地に太陽光発電設備や蓄電池を設置し、需要家は発電された電気を購入します。
需要家である企業は初期費用を支払う必要がなく、メンテナンスも事業者に任せられるので、オフグリッドを導入する際のデメリットを抑えることが可能です。
PPAモデルについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。
関連記事:太陽光発電のPPAモデルとは?種類や導入メリット・デメリットを解説
太陽光発電設備の導入なら関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」がおすすめ

PPAモデルなら初期費用ゼロで太陽光発電設備や蓄電池を設置可能です。
例えば、関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電設備を導入可能なオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。
関西電力グループが太陽光発電設備の設置から運用、メンテナンスまでをワンストップで行い、発電した電気をお客さまが利用するサービスで、契約期間は20年ほどです※1。太陽光発電設備の設置費用等の初期費用や追加の維持コストはかかりません※2。月々の発電量に応じたサービス利用料は発生しますが、割引プランの適用で節約も可能です。
また、オプションで余剰電力の売電が選べます。休日や就業時間後の電力使用量が少なくなるタイミングで余った余剰電力を売電すると、電気料金のさらなる削減効果を得ることが可能です。
関西電力の太陽光発電設備は、工場や倉庫、大規模店舗の広い屋根や900㎡以上の折板屋根、カーポート、遊休地等、さまざまな場所に設置可能なので、ぜひご相談ください。「割引プラン」や、補助金の申請をサポートする「補助金サポート」等、お客さまにあわせて最適なプランをご提案します※3。
ただし、オンサイトPPAのご提供には、設置目的場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電 「コーポレートPPA」をご検討ください。
さらに、関西電力では、お客さまの敷地に関西電力が蓄電池設備を設置して運用を行う「蓄電池オンサイトサービス」を提供しています。オンサイトPPAと同様に初期費用が発生せず、設置後の運用やメンテナンスは関西電力が責任を持って行うので、オフグリッドを導入したいお客さまにおすすめです。
- 20年程度の長期契約となります。途中解約には違約金が発生します。
- 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
- 割引プランは、補助金との併用はできません。
オフグリッドは電気を自給自足している状態
オフグリッドは電力会社の送電網につながっていない状態、あるいは電力会社に頼らずとも電気を自給自足している状態を指します。
電力会社から電気を購入しないため、毎月の電気料金を削減でき、停電が長引いても事業の遅れを最小限に抑えることが可能です。
しかし、太陽光発電でオフグリッドを実現するためには太陽光発電設備と蓄電池が必要で、自己所有する場合は高額な初期費用やメンテナンス等が課題となります。そのため、太陽光発電設備の導入にはPPAモデルを活用しましょう。
関西電力が提供するオンサイトPPA「太陽光発電オンサイトサービス」や「蓄電池オンサイトサービス」なら、初期費用を抑えてオフグリッドを実現でき、設置後の運用・メンテナンスも関西電力が責任をもって実施します。
太陽光発電で発電した電気をご使用いただくことで、脱炭素・コスト削減につながるサービスです。
初期費用ゼロで、導入時の工事から導入後の運用・メンテナンスまで、ワンストップでおまかせいただけます。


監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)
愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他
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