BCP訓練とは?種類や事例をもとに現場で機能する進め方を解説

2026.4.6

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BCP訓練とは?種類や事例をもとに現場で機能する進め方を解説

BCPを策定していても、多くの企業が「本当に非常時に動けるのか」という不安を抱えています。この不安の正体は、計画と実務の間にあるギャップです。

そのギャップを埋め、BCPを「机上の計画」から「実際に機能するもの」に変えるために欠かせないのがBCP訓練です。訓練を通じて人の動きや情報の流れを事前に確認することで、計画の実効性は大きく高まります。

特に重要なのが、初動対応の成否を左右する安否確認と連絡体制の検証です。近年では、安否確認システム等の専用ツールを導入し、訓練を通じて運用の精度を高める企業が増えています。

この記事では、BCP訓練の基本から業種別の事例まで、現場で実際に機能させるための具体的な進め方を解説します。

なお、BCP訓練は法律上すべての企業に義務付けられているわけではありません。しかし、公的ガイドラインでは定期的な実施が推奨されています。

「最低限どこから始めるべきか」も含めて、順に整理していきます。

従業員の安否確認から
集計までを自動化
災害時の迅速な初動対応が可能に

安否確認システム 「ANPiS」 は気象庁と連携し、 災害が発生するとメール等が自動で配信され、
従業員の安否や出社可否の確認結果を自動集計します。

  • ※1 2019年8月(サービス開始)~2024年9月現在の実績です。受信側の要因を除きます。
  • ※2 オプションでLINEの一斉配信も可能です。

BCP訓練とは何か

BCP訓練とは何か

BCP訓練とは、災害や事故等の緊急事態を想定し、事業継続計画(BCP)が現場で実行できるかを確認するための訓練です。
計画書に書かれた内容を、実際の行動や判断に落とし込めるかを確かめることが目的となります。

BCPは、文書として整備しただけでは十分とは言えません。
非常時には、限られた情報の中で判断し、関係者と連携しながら行動する必要があります。
BCP訓練は、そうした状況を想定し、「計画どおりに動けるか」「動けない部分はどこか」を事前に明らかにするために行われます。

BCP訓練では、主に次のような点を確認します。

  • ●緊急時の初動対応や判断が整理されているか
  • ●社内外への連絡・情報共有が滞りなく行えるか
  • ●重要業務を継続・代替する体制が現実的か
  • ●BCPの内容と現場の実態にズレがないか

BCP訓練の考え方は、公的なガイドラインでも示されています。
内閣府が公表している「事業継続ガイドライン」では、BCPの運用段階における取り組みとして、教育・訓練の実施や計画の点検・改善がプロセスの一部として整理されています

このように、BCP訓練は、策定したBCPを机上の計画で終わらせず、現場で使える形にしていくための重要な取り組みです。
非常時に備えるための形式的な作業ではなく、事業を守るための実践的な準備と言えます。

BCP訓練を実施する3つの目的

BCP訓練を実施する3つの目的

BCP訓練を実施する目的は、大きく次の3点に整理できます。

  • ●緊急時に必要な知識や行動を身につけるため
  • ●災害時の防災意識を高めるため
  • ●BCPの内容を検証し、改善につなげるため

どれも、非常時に「組織としてどう動けるか」を左右する重要なポイントです。
以下では、それぞれの目的について順に解説します。

目的① 緊急時に必要な知識や行動を身につけるため

BCP訓練の目的の一つは、緊急時に必要な知識や行動を、迷わず実行できる状態にすることです。
計画書を読んで理解していても、非常時には想定外の出来事が起こり、判断に迷う場面が出てきます。

訓練を通じて、自分の役割や行動の流れを実際に体験しておくことで、「次に何をすべきか」が自然と頭に浮かぶようになります。
その積み重ねが、初動の遅れや現場の混乱を防ぐことにつながります。

目的② 災害時の防災意識を高めるため

BCP訓練には、従業員一人ひとりの防災意識を高めるという目的があります。
日常業務の中で、災害や事故を常に意識し続けることは簡単ではありません。

訓練によって非常時の状況を疑似体験することで、災害対応が「どこかの出来事」ではなく、「自分が向き合う現実」として捉えやすくなります。
こうした意識の変化は、いざという時の行動の速さや、周囲との連携に表れます。

目的③ BCPの内容を検証し、改善につなげるため

BCP訓練は、策定したBCPが現場で本当に使えるかを検証し、改善につなげるための機会となります。
実際に訓練を行ってみると、計画どおりに進まない場面や、現場では使いにくい手順が見つかることがあります。

そうした気づきをそのままにせず、計画に反映させていくことが重要です。
訓練と見直しを繰り返すことで、BCPは少しずつ「机上の計画」から「現場で使える計画」へと近づいていきます。

BCP訓練の種類

BCP訓練の種類

BCP訓練には、目的や確認したい内容に応じて、いくつかの種類があります。
代表的な訓練は、次のとおりです。

  • ●机上訓練
  • ●安全確保訓練
  • ●安否確認訓練
  • ●代替施設への移転訓練
  • ●バックアップデータ復旧訓練
  • ●総合訓練

BCP訓練には複数の種類があり、それぞれ確認できる内容が異なります。
実務の現場では、すべての訓練を一度に実施するのが難しい場合も少なくありません。

そこで、以下では各訓練の特徴を整理し、使い分け方を紹介します。

机上訓練

机上訓練は、災害やトラブルを想定し、机の上でBCPの対応や判断の流れを確認する訓練です。
実際の緊急時を想定しながら、誰が・どのタイミングで・どのように判断するのかを整理します。

BCPを文書として整備していても、判断の基準や行動の切り替えが曖昧なままになっているケースは少なくありません。
机上訓練は、こうした判断や対応の抜け・想定不足に気づくことを目的とした訓練です。

机上訓練には、進め方の違いによって、主に次の2つの形式があります。
確認したい内容や参加者の習熟度に応じて、適した形式を選ぶことがポイントです。

ワークショップ訓練
グループに分かれて想定について議論し、BCPの課題や想定不足を洗い出す形式です。
比較的取り組みやすく、BCPへの理解を深めることを目的とします。

ロールプレイング訓練
役割分担を行い、設定されたシナリオに沿って判断や対応を考える形式です。
より実践的な想定のもとで、緊急時に近い判断を確認します。

安全確保訓練

安全確保訓練は、災害発生時に従業員の身の安全を確保するための行動を確認する訓練です。
地震や火災等を想定し、まず取るべき行動や避難の判断を整理します。

災害が発生した直後は、状況を正確に把握することが難しく、その場での判断や行動が遅れることで、対応に混乱が生じるおそれもあります。
安全確保訓練では、こうした初動の場面を想定し、適切な行動を取るための確認を行います。

具体的には、次のような点を中心に確認します。

  • ●避難誘導や応急処置等、周囲の安全を確保しながら行う初動対応
  • ●落下物や倒壊の危険がある場所等、危険箇所の把握と注意点

安全確保訓練は、安否確認訓練や業務継続に関する訓練に進む前提となる、初期対応を整理するための基本的な訓練の一つです。

安否確認訓練

安否確認訓練は、災害発生時に従業員の安全状況を迅速かつ正確に把握するための訓練です。
専用の安否確認システムや電話連絡網等を用いて実際に連絡を取り合い、連絡体制が有効に機能するかを確認します。

災害や緊急事態が発生した直後は、従業員の状況を十分に把握できないまま、判断を迫られる場面も少なくありません。連絡が取れない、情報が集まらないといった事態は、その後の対応に影響を及ぼします。

安否確認訓練は、こうした状況を想定し、緊急時に必要な情報を確実に集めることを目的とした訓練です。

具体的には、次のような点を確認します。

  • ●電話連絡網や緊急時通報手段が、実際に機能するかどうか
  • ●登録されている連絡先情報に誤りや更新漏れがないか
  • ●安否確認システムを用いた場合、連絡や回答が円滑に行えるか

訓練では、「本当に連絡が届くか」「回答率はどうか」といった実務上の課題を検証できることが重要です。

訓練の実効性を高める安否確認システム「ANPiS(アンピス)」

こうした訓練を効果的に実施するには、平時も有事も使いやすいツールが不可欠です。

関西電力の安否確認システム「ANPiS(アンピス)」は、災害時・緊急時に必要な機能を備えながら、シンプルで使いやすい操作設計を実現。訓練時の検証から本番の初動対応まで、スムーズに運用できるツールとなっています。

従業員の安否確認から
集計までを自動化
災害時の迅速な初動対応が可能に

安否確認システム 「ANPiS」 は気象庁と連携し、 災害が発生するとメール等が自動で配信され、
従業員の安否や出社可否の確認結果を自動集計します。

  • ※1 2019年8月(サービス開始)~2024年9月現在の実績です。受信側の要因を除きます。
  • ※2 オプションでLINEの一斉配信も可能です。

初期費用は無料、月額6,600円(税込)からと比較的低コストで導入でき、従業員への安否確認メールの自動配信や、回答結果の自動集計が可能です。
手動でメール配信をすることもでき、部署やグループを絞った連絡にも活用できます。

災害時においても安否確認をはじめとする業務負担を軽減し、スムーズにシステムの復旧等の重要業務に人的リソースを集中できます

災害時の緊急連絡網を効率的なシステムで管理したい企業や、災害対策に多額のコストを割けない企業におすすめです。

ANPiSでは以下の機能がご利用いただけます。

【利用できる機能】

  • ●気象庁情報と自動連携(地震、特別警報等)
  • ●従業員の回答結果自動集計
  • ●未回答者への自動再配信
  • ●手動配信によるパンデミック対応
  • ●アンケートや会議の出欠確認等平常業務への応用
  • ●安否登録の際のID・パスワードスキップ
  • ●部門横断グループ設定
  • ●個人情報の秘匿性確保
  • ●家族の安否登録機能
  • ●LINE配信(有償オプション)

初期費用は無料、月額6,600円(税込)から利用可能で、企業の規模やニーズにあわせて2つのプランが用意されています。

ご利用人数スタンダードプラン※1(税込)ファミリープラン※2(税込)
~50名6,600円6,985円
~100名9,900円10,670円
~150名13,200円14,355円
~200名15,400円16,940円
~300名17,600円19,910円
~400名19,800円22,880円
~500名22,000円25,850円
501名~100名ごとに+2,200円100名ごとに+2,970円

ANPiSはWebからお申込み可能です。お申込みから利用開始までは最短1ヶ月と、スピーディーに導入できます。

また、事前に2週間の無料トライアルが利用でき、実際の使用感を試すこともできます。安否確認システムの導入を検討しているなら、関西電力にご相談してみてはいかがでしょうか。

  • スタンダードプランは、従業員とその家族へメール配信するプランです。
  • ファミリープランは、スタンダードプランに加えて、家族の応答内容を家族内で共有することができます。
    なお、家族への安否確認メールは管理者による手動配信となります。

代替施設への移転訓練

代替施設への移転訓練は、通常の事業所が使用できなくなった場合に備え、代替施設で事業を継続できるかを確認する訓練です。
災害等により拠点が使えなくなった状況を想定し、代替施設へ移転してBCPに基づいた対応が可能かを検証します。

災害時には、事業所や倉庫が使用できず、材料や商品を保管できない、通常の業務対応が行えないといった事態が想定されます。計画上は代替施設を定めていても、実際に移転が円滑に行えるとは限りません。

代替施設への移転訓練は、こうした状況を想定し、移転後も事業を継続できるかを確認することを目的とした訓練です。

具体的には、次のような点を確認します。

  • ●代替施設への移転手順や移動にかかる時間
  • ●必要な設備や資材が確保できているか
  • ●移転後に業務をどのように切り替えるか

訓練を通じて課題を洗い出すことで、緊急時の混乱を抑え、早期の事業再開につなげることができます。

バックアップデータ復旧訓練

バックアップデータ復旧訓練は、災害やシステム障害が発生した際に、業務に必要なデータを引き出し、実際に活用できるかを確認する訓練です。
平常時に稼働しているシステムが使えない状況を想定し、バックアップデータの取り出しや復旧対応が可能かを検証します。

災害発生時には、電気やインターネット等のインフラが停止し、通常の業務システムが利用できなくなるおそれがあります。
いくらデータをバックアップしていても、緊急時に取り出せなければ事業継続にはつながりません。

バックアップデータ復旧訓練は、こうした状況を想定し、非常時でも業務データを確実に復旧し、事業を継続できるかを確認することを目的とした訓練です。

具体的には、次のような点を確認します。

  • ●バックアップデータの保存場所や管理方法が把握できているか
  • ●インフラ障害時に、代替手段を用いてデータを引き出せるか
  • ●復旧したデータを使って、業務を継続できる状態かどうか

場合によっては、電子データが利用できない事態を想定し、紙ベースでの業務対応が可能かを確認する訓練を行うこともあります。
あわせて、バックアップの頻度や保存先、管理体制を見直すきっかけにもなります。

総合訓練

総合訓練は、緊急事態の発生から対応の収束まで、BCPに基づく一連の対応を通して実施する訓練です。
机上訓練や安全確保訓練、安否確認訓練等複数の訓練を組み合わせ、実際の災害発生を想定して行います。

緊急事態への対応は、発生直後の初動だけで完結するものではありません。時間の経過とともに、必要な判断や対応内容は変化していきます。
総合訓練では、こうした時系列で移り変わる対応の流れを実践的に確認できます。

総合訓練の目的は、個別の訓練で確認してきた内容が、実際の災害対応の中で機能するかを検証することです。
現場での避難行動や情報共有、代替施設への移転等を通して、BCP全体の実効性を確かめます。

具体的には、次のような点を確認します。

  • ●緊急事態発生から収束までの対応の流れが整理されているか
  • ●部署間・関係者間で情報共有が円滑に行えるか
  • ●各訓練で想定した対応が、実際の流れの中で機能するか

場合によっては、自治体や消防等と合同で訓練を実施することもあります。
地域の関係機関との連携を確認できる点も、総合訓練の特徴と言えるでしょう。

BCP訓練を現場で機能させるための実施手順

BCP訓練を現場で機能させるための実施手順

BCP訓練は、準備から振り返りまでを一連の流れとして実施することが重要です。
一般的には、次の3つの手順で進めます。

  • ●訓練シナリオを作成する
  • ●BCP訓練を実施する
  • ●振り返りと改善を行う

以下では、それぞれの手順について順に解説します。

訓練シナリオを作成する

BCP訓練の第一歩は、訓練の目的や想定条件を明確にしたシナリオを作成することです。
災害の種類や規模、被害状況、訓練の対象者等を具体的に設定することで、参加者が現実的な状況をイメージしやすくなります

シナリオが曖昧なままでは、訓練が形式的になりやすく、実践的な気づきを得ることができません。
そのため、関係部署や必要に応じて専門家とも連携しながら、訓練の目的に合ったシナリオを設計することが重要です。

BCP訓練を実施する

作成したシナリオに基づき、計画的にBCP訓練を実施します。
参加者は役割分担に従い、想定された災害発生時の対応を実際の行動を通じて確認します。

訓練では、情報の流れや部署間の連携が適切に機能するかを重点的に検証します。
実際に体を動かし、判断を行うことで、BCPが机上の計画にとどまらず、現場で機能するかを確かめることができます。

振り返りと改善を行う

BCP訓練の終了後には、振り返りを行い、見えてきた課題を今後の改善につなげます。
訓練中に発生した対応の遅れや連携の不備等を整理し、関係者で共有します。

あわせて、参加者の意見や感想を収集することで、計画段階では想定しきれなかった課題にも気づきやすくなります。
こうした振り返りをもとに、対応手順や役割分担を見直すことで、BCPの実効性を高めていくことができます。

BCP訓練を実際の緊急時に役立てるためのポイント

BCP訓練を実際の緊急時に役立てるためのポイント

BCP訓練を形だけで終わらせず、実際の緊急時に役立つものにするには、いくつかおさえておきたいポイントがあります。

特に重要なのは、次の4点です。

  • ●BCP訓練の目的や意味を共有する
  • ●現実に即したシナリオを用意する
  • ●訓練後の評価と振り返りを行う
  • ●定期的にBCP訓練を実施する

以下では、それぞれのポイントについて解説します。

BCP訓練の目的や意味を共有する

BCP訓練を効果的に進めるためには、訓練の目的や意味を従業員に理解してもらうことが欠かせません。
訓練を単なる形式的な作業として捉えてしまうと、主体的な行動や判断が生まれにくくなります。

災害発生時には、一人ひとりの行動が事業継続に直結します。
そのため、訓練の背景や意義、期待される役割を事前に共有し、「なぜこの訓練を行うのか」を明確に伝えることが重要です。

現実に即したシナリオを用意する

BCP訓練の実効性は、シナリオの具体性によって大きく左右されます。
「地震が発生した」「火災が起きた」といった抽象的な想定だけでは、対応の流れや課題が見えにくくなります。

自社の立地や業務内容を踏まえ、災害の種類や発生時間、被害状況等を具体的に設定します。影響を受ける業務まで想定することで、参加者の当事者意識が高まり、より実践的な訓練につながります。

訓練後の評価と振り返りを行う

BCP訓練は、実施して終わりではなく、振り返りを行うことで効果が高まります。
訓練中に対応が遅れた場面や、連携がうまくいかなかった点を整理し、関係者で共有します。

あわせて、参加者の意見や気づきを収集することで、計画段階では想定できなかった課題が見えてくることもあります。
こうした評価をもとに、BCPや対応手順を見直すことが重要です。

定期的にBCP訓練を実施する

BCP訓練は、一度実施しただけでは十分とは言えません。
組織体制や業務内容、従業員の構成は時間とともに変化するため、定期的に訓練を行い、最新の状況に合わせて対応力を維持していくことが求められます。

繰り返し訓練を実施することで、従業員の防災意識が定着し、緊急時にも落ち着いて行動しやすくなります。

BCP訓練の企業事例

BCP訓練の企業事例

BCP訓練は、業種や事業形態によって内容や工夫のポイントが大きく異なります。
ここでは、実際にBCP訓練に取り組んでいる企業・団体の事例を業種別に紹介します。
自社の訓練を検討する際のヒントとして活用してください。

建設業の事例|多拠点・多関係者を前提にした実動型BCP訓練

建設業では、拠点が分散し、協力会社や地域との連携も欠かせないため、机上だけでなく実際の動きを確認する「実動型のBCP訓練」が重要になります。

愛知県の加藤建設では、南海トラフ巨大地震や大規模水害を想定し、本社社屋・各支社・社員寮(緊急避難所)といった複数拠点を前提にした総合実動訓練を、毎年2回実施しています。

訓練では、安否確認システムや衛星電話を用いた情報伝達の確認に加え、非常用電源の運転、災害対策本部要員の参集、協力会社への応援要請、被災調査報告といった一連の初動対応を、BCPに沿って実際に動かしながら検証します。
「誰が・どの手段で・どのタイミングに動くのか」を実動で確認する点が特徴です。

さらに、地元自治体や地域住民も参加する避難訓練を実施し、多関係者が同時に関わる状況での連携や情報伝達が、現実的に機能するかどうかも確認しています。
建設業が地域インフラを支える立場にあることを踏まえた訓練設計と言えるでしょう。

訓練のマンネリ化を防ぐため、実施時間帯の変更や担当者の入れ替え、抜き打ち形式の訓練を取り入れる等の工夫も行われています。

訓練後は課題を整理し、BCPや次回訓練計画に反映することで、実効性の高い事業継続体制の強化につなげています。

介護施設の事例|支援が必要な人を想定した合同BCP訓練

介護施設では、要介護者や支援が必要な人の存在を前提にしたBCP訓練が不可欠です。一般的な避難行動をそのまま当てはめることが難しく、平時から具体的な対応を確認しておく必要があります。

静岡県の伊豆の国市社会福祉協議会では、市内の特別養護老人ホームを有する3つの社会福祉法人と合同で、要介護高齢者の受け入れを想定した「福祉避難所BCP対応訓練」を実施しました。

訓練には、行政・警察・消防・学校・福祉施設の関係者も参加し、役割分担に基づいて、要介護者や被災住民の誘導・搬送、避難所での受け入れ対応、災害ボランティアの受け入れ体制等を実践的に確認しています。

介護が必要な人を安全に避難させるまでの流れを、複数の組織が連携して検証している点が特徴です。

この合同訓練は初めての取り組みでしたが、各施設が自らの防災体制やBCP上の課題に気づくきっかけとなっただけでなく、BCP策定や運用に関する情報共有の促進、地域内の連携強化にもつながったと報告されています。

介護施設単体ではなく、地域全体で支援体制を構築する重要性を確認する訓練事例と言えるでしょう。

卸売・小売業の事例|企業単独に頼らない地域連携型のBCP訓練

卸売・小売業では、災害時に自社だけで事業を維持するのが難しいケースも多く、企業単独ではなく「地域や他社と連携する前提」でBCP訓練を行うことが有効です。物流の停滞や人員不足が同時に発生する状況を想定すると、平時からの連携確認が欠かせません。

島根県の協同組合松江流通センターでは、流通団地に立地する企業のうち14社が中心となり、組合としてBCPを共同で策定し、その内容をもとに教育訓練や演習を継続的に実施しています。

訓練や研修では、有識者による講義や演習、被災地視察等を通じて知見を共有し、災害時には各社が保有する食料・資機材・燃料等を「持ち寄る」ことを前提とした支援体制が実際に機能するかを確認しています。

単独企業では対応しきれない課題を、組織全体で補完する仕組みづくりが特徴です。

また、策定後も炊き出し訓練や防災セミナーを実施し、BCPを一過性の取り組みで終わらせず、継続的な訓練として定着させています。

卸売・小売業が地域の物流や生活インフラを支える存在であることを踏まえた、地域連携型BCP訓練の好例と言えるでしょう。

BCP訓練は自社の課題に合わせた設計が重要

BCP訓練や安否確認の重要性は理解していても、「どこから手をつければいいのか分からない」と後回しになるケースは少なくありません。特に専任担当がいない企業では、ノウハウ不足から画一的な訓練で済ませてしまいがちです。

しかし、災害は準備が整うのを待ってはくれません。 自社の規模や拠点数、業務特性に合わせて「人の動き」と「情報の流れ」を設計し、平時に検証しておくことが重要です。

あらゆる業種で共通の土台となるのが安否確認です。
関西電力の安否確認システム「ANPiS(アンピス)」は、有事の際も訓練時も直感的に操作でき、「自社の体制で本当に状況を把握できるか」をスムーズに検証できます。

最初から大規模な総合訓練を目指す必要はありません。自社の実情に合わせた備えを一つずつ確認していくことが、現場で機能するBCPへの確実な第一歩となります。

従業員の安否確認から
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災害時の迅速な初動対応が可能に

安否確認システム 「ANPiS」 は気象庁と連携し、 災害が発生するとメール等が自動で配信され、
従業員の安否や出社可否の確認結果を自動集計します。

  • ※1 2019年8月(サービス開始)~2024年9月現在の実績です。受信側の要因を除きます。
  • ※2 オプションでLINEの一斉配信も可能です。

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安否確認システム
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