業務用エアコンの耐用年数は?減価償却費の計算方法や寿命との違いを解説

2025.1.9

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業務用エアコンの耐用年数は?減価償却費の計算方法や寿命との違いを解説

エアコンは耐用年数が決まっているため、減価償却の際は決められた耐用年数で計算します。しかし、耐用年数とは何か、また寿命と何が違うのか、よくわからない方もいるでしょう。

この記事では、エアコンの耐用年数や寿命との違いを解説します。耐用年数の考え方や減価償却の方法だけでなく、エアコンの寿命を短くする原因や対処法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

エアコンの耐用年数の基礎知識

エアコンを導入するなら、エアコンの耐用年数について知っておかなければなりません。まずは、エアコンの耐用年数に関する基礎知識を確認しましょう。

耐用年数は減価償却の計算に必要な期間

耐用年数とは、固定資産を使用した時に、本来期待されている役割を果たすと考えられる期間です。

エアコンのような固定資産の価値は、時の経過とともに減少します。時の経過により価値が減少する固定資産は 「減価償却資産」 と呼ばれ、減価償却資産の取得に要した支出を耐用年数にわたり費用として配分していくと、適正な期間損益計算を行えるようになります。つまり、耐用年数は減価償却費を計算する際に使われる期間です。

資産ごとの耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」によって定められています。減価償却資産の種類と耐用年数を一覧にした表は、国税庁のWebサイトで確認可能です。

「耐用年数=寿命」ではない

耐用年数は耐久年数(寿命)と混同される場合もありますが、両者は全く異なるものです。

耐用年数は、寿命ではありません。そのため、固定資産は耐用年数より前に壊れるケースも、耐用年数を超えて使い続けられるケースもあります。

一般的にいわれているエアコンの寿命は、10〜15年ほどです。あくまで一般論であり、使い方によって寿命は大きく変わります。

エアコンの耐用年数の目安

エアコンの耐用年数は、ダクトの有無によって異なります。

家庭用エアコンのようにダクトがない場合は 「器具・備品」 に該当するため、耐用年数は6年です。事務所で使っているエアコンでも、ダクトにより建物と一体化しているわけではなく、賃貸オフィスに後から取り付けたような場合は耐用年数6年となるため覚えておきましょう。

一方、ダクトを通じて広範囲を涼しくできる業務用エアコンの場合は 「建物附属設備」 に該当するので、耐用年数は13年または15年です。冷凍機の出力が22kW以下の業務用エアコンは耐用年数が13年、その他は15年と定められています。

エアコンを減価償却するメリット

エアコンを購入した場合、減価償却することで耐用年数を上限として購入費用を複数年にわたり償却することができます。また購入以降の利益額が少なくなり、節税につなげることができます

また、資産ごとに耐用年数に基づく減価償却により、適切に実質的な損益を把握することにも活かせるのがメリットです。

エアコンを減価償却する方法

エアコンを減価償却する方法

減価償却の方法には、定額法と定率法があります。

法人が減価償却方法を届け出ていない場合、「建物附属設備」の償却方法は定額法となるため、ダクトを活用する業務用エアコンは定額法で償却します。ただし、法人は定率法が原則なので、「器具・備品」に該当するダクトのないエアコンは定率法で償却してください。

それぞれの減価償却方法について、具体的に解説します。

定額法で減価償却する方法

定額法は、償却費の金額が原則毎年同じになる方法です。

定額法による減価償却費は、「取得価額×定額法の償却率」の計算式で求められます。償却率は国税庁のWebサイトで公表されているので、計算時に参照してください。

例えば、取得価額100万円、耐用年数13年の業務用エアコンの減価償却費は、定額法で計算すると「100万円×0.077=77,000円」です。1年目から12年目は77,000円で償却し、最終年度の13年目は76,000円で経費計上します。

定率法で減価償却する方法

定率法は、償却費の金額が減価償却を始める年に最も多くなり、その後減少していく方法です。定率法の償却率によって計算した償却額が、「償却保証額」 に満たなくなった年以降は、毎年同額で計上します。

計算方法は「未償却残高×定率法の償却率(調整前償却額)」です。この計算式で算出した金額が償却保証額(取得価額×保証率)に満たなくなった年以降は、「改定取得価額×改定償却率」 で計算します。

例えば、取得価額100万円、耐用年数6年のエアコンの場合、国税庁のWebサイトに掲載されている表から償却率は0.333、改定償却率0.334、保証率は0.09911です。償却保証額は、「100万円×0.09911」で9万9,110円とわかります。

  • 1年目は 「100万円×0.333」 で33万3,000円
  • 2年目は 「(100万円-33万3,000円)×0.333」 で22万2,111円
  • 3年目は 「(100万円-55万5,111円)×0.333」 で14万8148円
  • 4年目は 「(100万円-70万3,259円)×0.333」 で9万8,814円

4年目で償却保証額を下回るため、「改定取得価額×改定償却率」 で計算します。改定取得価額は 「取得価額―前年までの償却費の合計額」 なので、「100万円-70万3,259円」 で29万6,741円です。

4年目と5年目の減価償却費は 「29万6,741円×0.334」 で、9万9,111円となります。最終年である6年目は、取得価額100万円からこれまでの償却費合計額90万1,481円を引いて、9万8,519円です。

耐用年数よりエアコンの寿命が短くなる原因と長く使うコツ

耐用年数よりエアコンの寿命が短くなる原因と長く使うコツ

エアコンの耐用年数は寿命ではないので、使い方によっては耐用年数より前に故障してしまうこともあります。エアコンの寿命が耐用年数よりも短くなってしまう原因と、長く使い続けるためのコツを紹介します。

定期点検やメンテナンスをしていない

業務用エアコンは、定期点検やメンテナンスを怠ると寿命が短くなりやすいです

定期的な点検やメンテナンスにより、故障の有無を確認可能です。また、消費電力を抑える、快適性を維持する、安全性を確保する等の効果も期待できます。

室内機や室外機の目視できる部品に汚れや傷がないか、フィルターが汚れていないか等、定期的に確認するのが大切です。業務用エアコンは構造が複雑なので、細かい点検や清掃は業者に依頼しましょう

使用環境によって劣化が進んでいる

使用環境は業務用エアコンの寿命を大きく左右します。

例えば、油や煙で内部が汚れやすい飲食店や、油や粉塵が侵入してしまう工場等では、特にエアコンの劣化が早い傾向にあります。

オフィスでも、ホコリやカビ等の汚れがたまるとエアコンが故障するおそれがあります。エアコン内部の劣化が進まないよう、メンテナンスや清掃の頻度を上げるのがおすすめです。

室外機の周辺に物を置いている

エアコンの室外機周辺に物を置いていると、寿命が短くなるおそれがあります。

室外機の周辺に物を置くと、外気の吸い込みや吹き出しがうまくできなくなります。室外機は熱交換の役割を果たしているため、通気性が悪くなると余計な負荷がかかってしまい、熱交換の効率が悪くなって故障につながりやすくなります

室外機の周囲に物が置かれている場合は移動させて、通気性を高めるのがエアコンの寿命を伸ばすコツです。

エアコンの寿命を判断する基準

冷暖房能力が落ちている状態のままエアコンを使っていると、電力を余計に消費します。結果的に室温の調整がうまくいかないだけでなく、電気料金が高くなる場合があるので、エアコンが寿命を迎えているかどうかを確認するのは大切です。

現在使用しているエアコンの寿命を判断したい時は、以下の基準をチェックしてみてください。

効きの悪さや異音・異臭等の症状の発生

これまでエアコンを使用しても見られなかった症状が出てきた場合、寿命を迎えている可能性があります。

例えば、冷房や暖房の効きが悪い、異音や異臭が発生している、水漏れしている等の場合は、エアコンの寿命が近づいているといえるでしょう。

エアコンを使うなかで不具合が増えていると感じたら、無理やり使い続けず修理や買い替えを検討しなければなりません。

購入からの経過年数

業務用エアコンの寿命は一般的に10〜15年といわれています。そのため、業務用エアコンを購入してから10年以上年数が経過している場合は、寿命が近いおそれがあります。

エアコンの調子が悪くなってきたと感じたら、まずエアコンの買い替え費用と修理費用を検討してみるのがおすすめです。耐用年数を超えて使い続けている場合、修理より買い替えのほうが安く済むこともあります

また購入から長い年数が経過しているエアコンは、部品の保有期間が過ぎている可能性があります。一般的にエアコンの部品の保有期間は生産終了から10年程度のため、生産終了から長期間経過している場合は修理に必要な部品がなく、修理できないことも少なくありません。

修理を希望する場合はメーカーに問い合わせて、必要な部品があるかどうかを確認しましょう。

エアコンの省エネを目指すなら関西電力の「おまかSave-Air®」がおすすめ

エアコンが寿命を迎え、完全に故障してしまってから買い替えや修理を検討すると、不便な日が続いてしまい仕事に支障が出るおそれがあります。

また、耐用年数を超えてエアコンを使っている場合、性能が最新モデルより劣っているため省エネ効果が期待できないケースも考えられます。

空調設備のエネルギー消費割合は40〜50%※1と高いので、省エネを目指したいならエアコンの性能や使い方を見直さなければなりません。いま使っているエアコンのまま省エネを進めたいなら、関西電力の「おまかSave-Air®」がおすすめです。

関西電力の「おまかSave-Air®」の特徴

  • ●初期費用ゼロ・安価な月額料金でサービスの導入が可能
  • ●関西電力グループオリジナルの制御ロジック(特許取得)により、できるだけ効率の良い範囲で空調を運転
  • ●電力使用量と最大電力を抑制することで電気料金10〜20%削減※2
  • ●工事にかかる期間は2〜3日程度、既存の室外機に後付けするのみで改修工事も不要※3
  • ●ダイキン工業・日立・三菱電機等の国内主要空調メーカーに対応しており※4、メーカー保証も継続
  • ●最短数ヶ月〜半年前後で調査・提案・導入とスピーディな対応が可能※5

「おまかSave-Air®」は、現在使っているエアコンの室外機に制御用コンピューターを取り付けるだけで省エネを実現できるシステムです。制御システムにより、快適性が損なわれると判断した場合は運転の制限を緩和するため、省エネと快適性の両方の実現が可能です。関西電力のサービスですが、全国※6で利用できます。

実際にどのくらいの省エネ効果が得られるのか確認したい場合は、10秒シミュレーションの利用がおすすめです。

  • 出典:経済産業省 資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)」
  • 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
  • 設置状況等により一部室内工事が発生する可能性があります。
  • 一部対象外の機器があります。
  • 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年毎の自動更新となります。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。
  • 沖縄・離島等一部地域を除きます。

エアコンの耐用年数を知って寿命を縮めない使い方をしよう

業務用エアコンの耐用年数は、ダクトがあり広範囲の冷暖房が可能な業務用が13年または15年です。適正な期間損益計算は節税などの効果があるため、適切に算出しましょう。

耐用年数は13年や15年と決まっていても、その前にエアコンが寿命を迎えてしまうケースはあります。長く使い続けるための工夫は必要ですが、エアコンを長く使いすぎると省エネ性能が落ち、電気料金が高くなってしまうため注意しなければなりません。

エアコンの省エネを重視したい場合は、できるだけ効率の良い範囲で空調設備を運転することで快適性を損なわずに自動制御する「おまかSave-Air®」の導入を検討してみてください。

大岩 俊之(おおいわ としゆき)

監修者 大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。

サービス概要資料

おまかSave-Air®

エネルギーコスト削減、脱炭素に向けた取り組みのために、まず始めるべきは 「空調の省エネ」 です。現在お使いの空調機に制御用コンピューターを取り付けるだけで、省エネと快適性の両立ができる全く新しいサービスです。

資料の一部をご紹介

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  • おまかSave-Air®の概要
  • 導入効果
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