企業が省エネに取り組むメリットは? 具体的な方法や事例を紹介

2025.1.9

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企業が省エネに取り組むメリットは? 具体的な方法や事例を紹介

近年、エネルギーの安定供給や脱炭素の観点から、企業に省エネ対策が求められています。コスト削減というメリットも享受できるため、積極的に取り組みましょう。

この記事では、企業に省エネが求められる理由・背景や具体的な取り組み事例を紹介します。省エネに取り組むメリットや注意点も紹介するため、オフィス・工場等の省エネに取り組んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

企業に省エネの取り組みが求められる理由・背景

近年、以下に示す理由・背景から、企業に対して省エネが求められています。

企業に省エネの取り組みが求められる理由・背景

  • ●エネルギーの安定供給
  • ●脱炭素化

石油等のエネルギー資源は有限です。多くを輸入に頼っている日本では、安定供給という観点から、企業に省エネが求められています。また、省エネにより二酸化炭素排出量が減少し、地球温暖化対策につながることも、企業に省エネが求められる理由です。

これらは国全体・地球全体にとってのメリットですが、個々の企業にとってもメリットがあります。コストが抑制されて経営基盤を強化できたり、イメージ向上につながったりするため、積極的に省エネに取り組みましょう。詳細は後述します。

エネルギー資源を巡る現状

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、世界的にエネルギー資源の価格が高騰しました。電気料金や燃料価格等の高騰で、経営が苦しい状況に置かれている企業も多いでしょう。エネルギー価格高騰を克服するためには、省エネへの取り組みが重要です。

なお、一次エネルギー(自然から直接採取できるエネルギー)を基準とした場合、日本は8割を化石エネルギーに依存しています。日本は2050年までのカーボンニュートラル実現を宣言しているため、社会全体で省エネに取り組み、化石エネルギーの使用量を削減しなければいけません。

省エネに関する法令

原油換算で年1,500kl以上のエネルギーを使用する事業者には、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)によって、省エネへの取り組みが法律で義務付けられています。具体的には、使用状況の定期報告や、省エネに対する取り組みの見直し、計画策定等を実施しなければいけません。

また、事業者クラス分け評価制度により、以下に示すように事業者が分類され、Sクラスの事業者は優良事業者として経済産業省公式サイトで公表されます。省エネに取り組めば、企業のイメージ向上につながるでしょう。

事業者クラス分け評価制度におけるクラスの種類

  • ●Sクラス : 省エネが優良な事業者(経済産業省公式サイトで公表)
  • ●Aクラス : 省エネの更なる努力が期待される事業者
  • ●Bクラス : 省エネが停滞している事業者
  • ●Cクラス : 注意を要する事業者

従来の省エネ法では、「化石エネルギー」 の使用を合理化することが求められていました。しかし、2023年4月に施行された 「改正省エネ法」 では、非化石エネルギーも含めた全エネルギーの使用を合理化することが求められます。また、非化石エネルギーへの転換や、電気需要の最適化も実施しなければいけません※2。より詳しい内容を知りたい場合は、資源エネルギー庁公式サイトでご確認ください。

省エネのために企業ができる取り組みは?

以下に示すように、省エネのために企業ができる取り組みには、さまざまな種類があります。

省エネのために企業ができる主な取り組み

  • ●オフィス・店舗・工場・倉庫等で使用する機器・設備の使用ルールを見直す( 「こまめに照明をOFFにする」 「エアコンの設定温度を上げる」 等)
  • ●省エネ機器(LED照明等)や、空調設備の稼働を最適化できる制御システムを導入する
  • ●再生可能エネルギー(太陽光発電設備等)を導入し、自家発電を行う

コストがかからない方法もあれば、設備投資が必要な方法もあるため、予算等を踏まえて自社に適した省エネ対策を選択しましょう。

企業ができる省エネ対策の事例

上述したように多種多様な方法で省エネ対策を実施できますが、以下の4領域に関する省エネ対策をピックアップして、具体的な取り組み内容を紹介します。

省エネ対策の代表的なターゲット

  • 1.照明
  • 2.空調
  • 3.日射負荷
  • 4.生産設備

企業で省エネ対策に携わっている方は、ぜひ参考にしてください。

企業の省エネ対策①照明

点灯・消灯に関するルールを定め、無駄な点灯を減らしてください。照明の間引き、外光の取り入れも実施しましょう。蛍光灯等を使用している場合は、消費電力が少ないLEDへの交換も省エネ対策として有効です。

例えば、音響機器を開発・生産している株式会社 オーディオテクニカフクイでは、2017年から2023年までの5年間でLED照明への交換を完了し、省エネを実現しました。

また、人感センサー等を導入し、不在時に自動消灯する仕組みの構築もご検討ください。

企業の省エネ対策②空調

ON・OFFに関するルールを定め、無駄な使用を減らしてください。具体的には、こまめに温度計で室温をチェックし、適切な温度に設定しましょう。また、換気扇を常時回すのではなく、不要な場合は停止し、省エネを実現しましょう。

フィルターや室外機を定期的に清掃し、室外機周辺に充分なスペースを確保する(直射日光が当たらない場所に置く)ことも、省エネを実現するうえで重要です。設備が老朽化している場合は、更新してください。

また、すべて人力で行うには手間と労力がかかるため、空調設備の稼働を最適化できる制御システム(デマンドコントロールシステム)の導入も検討しましょう。

企業の省エネ対策③日射負荷

直射日光が当たる部屋に関しては、「窓に遮光フィルムを貼る」「遮光カーテンやブラインドを設置する」といった対策を講じて、室温の上昇を抑制しましょう。

窓の周辺からすきま風が入る場合は、窓の枠を交換してください。また、断熱性が高い真空ガラスや複層ガラスへの交換も、冬季の省エネ対策として有効です。

企業の省エネ対策④生産設備

工場の生産設備は、同時に全機器を起動するのではなく、順次起動で電力需要を平準化しましょう。モーターを使用する機器は、起動時に大量の電力を消費するため、ご注意ください。また、「ジャケットを装着して放熱損失を抑制する」 等、機器の放熱対策も実施しましょう。

工作機械やプレス機械等は、油圧駆動型から電気駆動型に更新してください。省エネ効果があり、二酸化炭素排出量も削減できます。その他、コンプレッサーを点検してエア漏れがある場合は修理し、ボイラーを使用している場合は配管の断熱を強化することが大切です。

事例として、中越パルプ工業株式会社では、送液量をコントロールするバルブ制御をポンプの回転数制御に変更した結果、バルブの圧力損失でロスしていた電力が削減され、省エネを実現しました。

企業が省エネに取り組むメリット

企業が省エネに取り組むメリット

省エネに取り組めば、企業は以下に示すメリットを享受できます。

企業が省エネに取り組むメリット

  • ●環境負荷の低減につながる
  • ●ランニングコストを低減できる
  • ●企業のイメージ向上につながる

地球全体にとってのメリットだけではなく、個々の企業も恩恵を受けられるため、積極的・能動的に取り組みましょう。

環境負荷の低減につながる

近年、地球温暖化が進行しており、社会全体で温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出量を抑制することが求められています。企業が省エネに取り組めば、結果的に二酸化炭素の排出量が抑制され、環境負荷が低減するでしょう。

なお、一般家庭よりも、企業(オフィス・工場等)のほうが照明・空調といった機器・設備で多くのエネルギーを消費します。そのため、地球温暖化対策には、企業が省エネに取り組むことが欠かせません。

ランニングコストを低減できる

省エネ対策を実施すれば、ランニングコストの低減につながります。コストを抑制できれば、その分利益が増えて経営基盤が強化されるため、「国全体・地球全体の利益」 という観点だけではなく、「自社の利益」 という観点からも積極的に取り組みましょう

ただし、省エネ設備を導入する際には、ある程度の初期費用がかかります。初期費用の負担を軽減するために、補助金等の支援制度を活用することもご検討ください。

企業のイメージ向上につながる

前述したように、事業者クラス分け評価制度により、省エネへの取り組みが優良な事業者は経済産業省公式サイトで公表されるため、企業イメージの向上を期待できます

また、グリーンコンシューマー(環境志向の消費者)が一定数存在するため、省エネに取り組んだうえで、そのことを公式サイト等でアピールすれば、売上増につながるでしょう。

企業が省エネに取り組む際の注意点

企業が省エネに取り組む場合は、以下の点に注意しましょう。

企業が省エネに取り組む際の注意点

  • ●ある程度の初期コストがかかる場合がある
  • ●省エネの方法によってはノウハウを有する人材確保の必要がある

ある程度の初期コストがかかる場合がある

「不在の場合は消灯する」 「エアコンの温度設定を変える」 といった省エネ対策であれば、コストがかかりません。

しかし、省エネの方法として 「設備の導入・更新」 を選択する場合は、導入コストがかかります。予算に余裕がない場合は、補助金等の支援制度を積極的に活用して負担を軽減しましょう。

また、複数の設備を比較検討することや、設備を導入した場合にどのくらいの費用が削減できるか事前にチェックすることも重要です。

省エネの方法によってはノウハウを有する人材の確保が必要

省エネの方法によっては、専門知識・ノウハウを有する人材を確保しなければいけない場合があります。例えば、生産設備に関する省エネ対策は、誰でも実行できるわけではありません。

少子高齢化により、マンパワー不足が深刻化する昨今、内部の人材を省エネに関する業務に配置転換させられない企業も多いでしょう。専門知識・ノウハウが必要な方法ではなく、「設置するだけで自動的に省エネが実現される機器」 を導入して、労力をかけずに省エネを実現することもご検討ください。

企業が省エネに取り組むなら関西電力の「おまかSave-Air®」がおすすめ

省エネに取り組むのであれば、エネルギー使用量が多い空調から開始しましょう。電力の使用用途によって違いはありますが、オフィスや店舗の電力使用量の40~50%※1は空調設備が占めています。

関西電力の「おまかSave-Air®」を活用すれば、制御用コンピューターで空調の室外機を自動制御し、快適性を維持しながら省エネを実現(電気料金を削減)できます。以下に、「おまかSave-Air®」の主な特徴をまとめました。

関西電力の「おまかSave-Air®」の特徴

  • ●初期費用ゼロ・安価な月額料金でサービスの導入が可能
  • ●電力使用量と最大電力を抑えることで電気料金を10〜20%削減※2
  • ●工事にかかる期間は2〜3日程度、既存の室外機に後付けするのみで改修工事も不要※3
  • ●ダイキン工業・日立・三菱電機等の国内主要空調メーカーに対応しており※4、メーカー保証も継続
  • ●最短数ヶ月〜半年前後で調査・提案・導入とスピーディな対応が可能※5

サービス料金の安さや工事の手軽さ、電気料金の削減効果等、空調の省エネを検討中の企業にとって大きなメリットがあるサービスです。10秒シミュレーションで概算の電気料金削減額をご確認のうえ、ぜひお申込みをご検討ください。

具体的な方法を参考に企業でも省エネに取り組もう

近年、エネルギーの安定供給や地球温暖化対策の観点から、社会全体で省エネに取り組むことが求められています。

一般家庭だけではなく、企業も、さまざまな方法で省エネに取り組まなければいけません。国全体・地球全体のメリットだけではなく、個々の企業にとってもメリットがあるので積極的に取り組むべきです。

省エネに取り組むのであれば、エネルギー使用量が多い空調から始めることをおすすめします。関西電力の「おまかSave-Air®」を活用すれば、快適性を維持しながら省エネの実現を目指せます。

大岩 俊之(おおいわ としゆき)

監修者 大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。

サービス概要資料

おまかSave-Air®

エネルギーコスト削減、脱炭素に向けた取り組みのために、まず始めるべきは 「空調の省エネ」 です。現在お使いの空調機に制御用コンピューターを取り付けるだけで、省エネと快適性の両立ができる全く新しいサービスです。

資料の一部をご紹介

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