電力のピークカットとは?ピークシフトとの違いや導入メリットも紹介

2024.10.1

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電力のピークカットとは?ピークシフトとの違いや導入メリットも紹介

電力のピークカットとは、電気料金を効果的に削減する方法のひとつです。しかし、「電力使用量をピークカットで抑える」 という言葉を聞いたことがあっても、詳しく理解している方は少ないかもしれません。

この記事では、ピークカットの基礎知識やメリットを詳しく解説します。セットで出てくることの多い 「ピークシフト」 との違いや事例も紹介するので、電気料金の削減を目指したい場合はぜひ参考にしてください。

ピークカットとは

ピークカットには、「電力のピークカット」と「太陽光発電のピークカット」の2つの意味があります。

「電力のピークカット」 とは、1日の中で最も電力使用量が多い時間帯に、その使用量を抑えることです。

これにより、電力会社は電力供給の安定化を図り、利用者は料金の高い時間帯の電力使用量を減らしてコストを削減できます。さらに、最大需要電力を抑えることで電気の基本料金も抑制できます。

一方、「太陽光発電のピークカット」 は、最も太陽光発電の発電量が多い時間帯に、パワーコンディショナー(直流を交流に変換する装置)の出力にあわせて発電量を抑えることをさします。

電力使用量を抑える「電力のピークカット」 と、発電量を抑える「太陽光発電のピークカット」 は異なる概念であることを理解しておきましょう。

以降では、電力のピークカットについて説明します。

ピークカットとピークシフトの違いは?

ピークカットとピークシフトはどちらも電力需要の多い時間帯の電力使用量を削減することをさしますが、その内容は異なります。

「ピークカット」 は蓄電池等を利用して電力使用量が多い時間帯の使用量自体を減らすことをさします。一方、「ピークシフト」 は、一般的に電力使用量が多い時間帯の電力使用を極力避け、別の時間帯に移す手法です。

つまり、ピークシフトが電力使用時間の調整に焦点を当てるのに対し、ピークカットは電力使用量そのものを削減するアプローチです。

電気料金の仕組み

電気料金の内訳は、「基本料金+電力量料金±燃料費調整額±市場価格調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。

料金の種類 用語説明
基本料金
  • ●過去1年間の最大需要電力をもとに決まる
  • ●電力会社によって単価が異なる
電力量料金
  • ●1kWhあたりの料金
  • ●電力会社によって単価が異なる
燃料費調整額
  • ●原油やLNG(液化天然ガス)、石炭の価格変動により単価を算出
  • ●電力会社によって単価が異なっており、毎月変動する
市場価格調整額
  • ●卸電力取引市場(スポット市場)からの調達価格により単価を算出
  • ●毎月変動する
再生可能エネルギー発電促進賦課金
  • ●「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」によって電力会社等が買取りに要した費用を、電気の使用量に応じて負担するもの
  • ●電力使用量に応じて金額が異なる

以下では、電気料金が決まる仕組みを、「基本料金」 と 「電力量料金」 に分けて解説します。

電気料金が決まる仕組みを知れば、基本料金にかかわる 「最大需要電力」 を抑えることや、ピークカット・ピークシフトの重要性がわかるでしょう。

基本料金

基本料金は、電力会社が設定する契約電力に応じて変動し、契約電力は月ごとの最大需要電力(最大デマンド値)を用いて計算されます

「デマンド値」とは、刻々と変化する需要電力を計量器で測定し、30分間※の平均使用電力(稼働負荷の平均容量)を算出したものです。過去1年間(測定した月と前の11ヶ月)のデマンド値のうち、最も大きい値が 「最大需要電力(最大デマンド値)」 となります。

例えば、同月内でデマンド値が150kWの時間帯と300kWの時間帯あった場合、電気料金の計算には最大需要電力(最大デマンド値)である300kWが用いられます。

デマンド管理や最大デマンドについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

  • ※30分間とは、毎時ごとの0分~30分、30分~60分の30分間です

電力量料金

電力量料金は、契約プランや時間帯、季節によって異なります。昼間は電力需要が高い時間帯なので、それだけ電気料金も上がります。反対に、電力需要の低い夜間は、電気料金が安くなるプランが設定されていることがあります。

そのため、電力消費を昼間から夜間にシフトすると、電気料金のコスト削減につながる場合があります。

ピークカットをするメリットとは?

ピークカットには以下2つのメリットがあります。

  • ●電気料金の削減
  • ●CO₂排出量の削減

それぞれ、詳しく解説します。

電気料金の削減につながる

ピークカットを実施すれば、電力使用量を低減でき、電気料金の削減が見込めます。

また、ピークカット以外にも電力会社の料金プランを確認し、高い時間帯の電力消費を抑えれば、電気料金も削減できる場合があります。加えて、契約電力を超える電気使用を防げるため、基本料金の高騰防止も可能です。

CO₂排出量の削減につながる

ピークカットをすれば電力使用量を減らすことでCO₂排出量を削減できるため、カーボンニュートラルの取り組みとして、環境意識の高さを社外にアピールできます。

カーボンニュートラルは地球環境を守るために政府が推進する取り組みであり、社会全体に浸透しつつある考え方です。

ピークカットでCO₂排出量を削減すれば、環境に配慮した企業として顧客からの信頼や好感度の向上につながるでしょう。

ピークカットの導入方法

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ピークカットの導入方法を2つ紹介します。

  • ●太陽光発電
  • ●エネルギーマネジメントシステム

それぞれ、詳しく解説します。

ピークカットの導入方法①太陽光発電

太陽光発電は、敷地や屋根に太陽光パネルを設置し、太陽の光エネルギーを太陽電池によって直接電気に変換する発電方法です。電力需要が多くなる時間帯に、太陽光発電で作った電気を活用すれば、ピークカットに大きく貢献できます。

また、電力会社からの電力供給に頼らずに済むため、電力消費を抑えられます。

ピークカットの導入方法②エネルギーマネジメントシステム

エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは、ビルや工場等のエネルギー使用状況を「見える化」し、照明や空調等の電子機器の稼働を制御・最適化するシステムのことです。

電力使用量を見える化できるため、調整すべきピークの時間帯や使用状況を把握することができます。データをもとに稼働調整を行えば、省エネや節電を目指せます。

例えば、空調設備に特化した関西電力の 「おまかSave-Air®」 では、電力需要が高まる時間帯に自動的に空調の稼働を調整し、電力使用量を最適化できます。

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建物のエネルギー消費割合のうち、40〜50%は 「空調設備」 にかかる電力との調査結果もあるため、空調設備の稼働を最適化できれば、省エネ・節電効果が期待できるでしょう。

ピークカット設備の導入例

以下では、関西電力のホームページに掲載している事例集より、ピークカット設備の導入例を紹介します。

  • ●太陽光発電の導入例
  • ●空調制御サービスの導入例

省エネや経費削減への効果も紹介するので、ピークカット設備の導入を検討中の方はぜひ参考にしてください。

太陽光発電の導入例:トッパン・フォームズ関西株式会社さま

トッパン・フォームズ関西株式会社さまは、関西電力の 「太陽光発電オンサイトサービス」を導入いただきました。「太陽光発電オンサイトサービス」 とは、関西電力が太陽光発電設備を所有し、需要家であるお客さまの敷地内に設置するPPAモデルの導入方法です。

生産ラインの省エネ対策に頭を悩ませている状況でしたが、「太陽光発電オンサイトサービス」 を導入して生産ラインのエネルギー消費を効率化しています。

結果として、想定以上のコスト削減効果を実感できたとのお声もいただきました。

空調制御サービスの導入例:医療法人 博仁会 志村大宮病院さま

医療法人博仁会志村大宮病院さまでは、関西電力の空調制御サービス「おまかSave-Air®」 を導入いただきました。

経費削減および脱炭素社会を目指すためにも電力使用量の削減を重要課題としており、「おまかSave-Air®」 で電力使用量の約19%削減を達成しています。

入院患者さまや職員の皆さまからも空調温度の不満はなく、快適さを維持しながら電力使用量を削減できた、という事例です。

空調設備のピークカットなら関西電力 「おまかSave-Air®」がおすすめ

空調設備のピークカットを検討中の方には、関西電力の 「おまかSave-Air®」 がおすすめです。関西電力の 「おまかSave-Air®」 はAI自動チューニング機能を搭載した新たな空調制御サービスで、以下の特徴とメリットがあります。

関西電力の 「おまかSave-Air®」 のメリット

  • ●初期費用ゼロ・安価な月額料金でサービスの導入が可能
  • ●電力使用量と最大電力を抑制することで電気料金10〜20%削減※1
  • ●工事にかかる期間は2〜3日程度、既存の室外機に後付けするのみで改修工事も不要※2
  • ●ダイキン工業・日立・三菱等の国内主要空調メーカーに対応しており※3、メーカー保証も継続
  • ●最短数ヶ月〜半年前後で調査・提案・導入とスピーディな対応が可能※4

サービス料金の安さや工事の手軽さ、電気料金の削減効果等、空調の省エネを検討中の企業にとって大きなメリットがあるサービスです。

関西電力公式サイトでは、「おまかSave-Air®」 の導入による概算の電気料金削減額がわかる10秒シミュレーションが用意されているので、ぜひご検討ください。

  • 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
  • 設置状況等により一部室内工事が発生する可能性があります。
  • 一部対象外の機器があります。
  • 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年毎の自動更新となります。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。

ピークカットの導入で電気料金を削減しよう

ピークカットとは、1日の中で最も電力使用量が多い時間帯に、その使用量を抑えることで、電気料金の削減を目指せる方法です。

ピークカットは太陽光発電や空調制御サービスで導入できますが、建物のエネルギー消費割合のうち、40〜50%は 「空調設備」 にかかる電力とされるため、まずは空調制御サービスの導入を検討してみてください。

関西電力 「おまかSave-Air®」 は、大掛かりな工事も不要で、室内の快適さを維持しながら電力使用量を削減できる空調制御サービスです。

ピークカットを行えば、電気料金の削減ができるだけでなく、社会課題でもある地球環境の保全にも企業として貢献できます。ピークカット導入を考えている場合は、ぜひ関西電力 「おまかSave-Air®」をご検討ください。

近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

サービス概要資料

おまかSave-Air®

エネルギーコスト削減、脱炭素に向けた取り組みのために、まず始めるべきは 「空調の省エネ」 です。現在お使いの空調機に制御用コンピューターを取り付けるだけで、省エネと快適性の両立ができる全く新しいサービスです。

資料の一部をご紹介

  • これまでの空調省エネの課題
  • おまかSave-Air®の概要
  • 導入効果
  • サービス料金

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