オフィスビルの空調の仕組みは?費用の削減方法や快適性と省エネの両立方法を解説

2025.1.23

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オフィスビルの空調の仕組みは?費用の削減方法や快適性と省エネの両立方法を解説

オフィスの空調管理は企業にとって重要な課題です。適切な温度管理は従業員の快適性を確保するだけでなく、作業効率や生産性にも大きく影響します。

一方で、空調設備は電力使用量の約半分を占めることもあり、コスト面での影響も無視できません。そのため、快適性とコスト削減の両立が求められています。

この記事では、オフィス空調の種類や温度ムラの解消方法、効果的な節電対策まで、実践的な空調管理の方法をご紹介します。自社に最適な空調管理の方法を見つけるヒントとしてご活用ください。

オフィスビルの空調の重要性とは?

オフィスビルの空調の重要性とは?

オフィス空調は、単なる快適性だけでなく、業務効率と直結する重要な設備です。厚生労働省が定める事務所の適正温度は、18℃以上28℃以下とされており、この範囲を外れると従業員の作業効率に影響が出る可能性があるとされています※1

寒さは生産性を下げるため、室温を20℃から25℃に上げたところタイピングミスが4割以上減少したという研究結果もあります※2

また、空調は室内の空気質も管理するため、適切な換気により従業員の健康維持や集中力の向上にも貢献します。つまり、空調設備は企業の生産性を左右する重要な設備投資といえるでしょう。

オフィスビルの空調設備の種類

オフィスビルの空調設備の種類

オフィスの快適な環境づくりに欠かせない空調設備は、選び方で業務効率や運営コストが大きく変わります。

「セントラル空調方式」 と 「個別空調方式」 の2種類があり、ビルの規模や業務形態によって最適な方式は異なるため、導入や物件選びの際は、自社に合った方式を選ぶことが重要です。ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

セントラル空調方式|メリットとデメリット

セントラル空調は、ビル全体の空調をひとつの管理室で集中制御するシステムです。主に大規模オフィスビルで採用されている方式で、建物全体の温度管理を効率的に行えます。

最大の特徴は、一元管理により建物全体の温度を一定に保つことが可能であり、温度の偏りを避けられ、快適な環境を維持できます。

また、共益費に空調費用が含まれることが多く、通常の利用時間内であれば追加料金が発生せず、コスト管理がしやすくなります。

ただし、各フロアや部屋の細かな温度調整が難しく、特に季節の変わり目には快適性を保ちにくいことがあります。

個別空調方式|メリットとデメリット

個別空調は、フロアや部屋ごとに独立した空調機器を設置する方式です。各エリアで温度や運転時間を自由に設定できるため、きめ細かな温度管理が可能とされています。

最大の利点は、必要な場所だけを必要な時に稼働できることです。使用していない場所の空調を止められるため、効率的なエネルギー利用が可能で、部署ごとの温度ニーズにも柔軟に対応できます。

一方で、電力使用量に応じて電気料金が発生することにより、使用頻度が高いとコストが膨らむ可能性があります。また、各機器のメンテナンス費用も必要となるため、総合的なコスト管理が重要です。

オフィスビルの空調で温度ムラが起きる原因とは

オフィス環境の快適性を損なう大きな要因のひとつが、空調の温度ムラです。適切な空調管理は従業員の作業効率に直結するため、温度ムラの原因を理解し、対策を講じることが重要です。

温度ムラはさまざまな要因が絡み合って発生しますが、主な原因を把握することで、効果的な対策が可能になります。以下で、代表的な原因とその影響について詳しく見ていきましょう。

オフィスの温度ムラが発生する主な原因と具体的な問題

原因 具体的な問題
空調設備の配置と設計 ●オフィスの広さに対して不適切な設備配置
●特に古いビルでは均一な空調効果が得にくい
●「効く場所」と「効きにくい場所」の発生
OA機器による熱源の影響 ●パソコンやプリンターからの発熱
●特にプリンター周辺での温度上昇
●機器配置による温度分布の偏り
人員密度の影響 (推奨面積:1人あたり約3坪)
●密集による体温や湿気の増加
●エリアごとの温度差
日射の影響 ●窓際とそれ以外での温度差
●特にガラス張りオフィスでの顕著な差
●時間帯による温度変化
湿度管理の課題 ( 推奨湿度:40%~70%)
●湿度による体感温度への影響
●快適性への影響

上記のように整理することで、温度ムラの原因と具体的な問題点が一目で把握しやすくなります。

オフィスビルの空調の温度ムラを解消する効果的な対策

オフィスの温度ムラは、従業員の快適性や生産性に大きく影響します。

ここでは、コストを抑えながら実施できる実践的な対策と、その効果について解説します。特に重要なのは、空気の循環を促進し、温度を均一に保つための工夫です。以下で、具体的な対策方法をご紹介します。

対策 実施方法 期待される効果
空気循環の促進 ●サーキュレーターの設置
●扇風機の適切な配置
●風向きの調整
●冷暖房効率の向上
●温度差の軽減
●空調コストの削減
温度設定の工夫 ●時間帯による温度調整
●朝夕は高め、昼は低めに設定
●こまめな温度確認
●快適性の向上
●寒暖差の緩和
●電力使用の最適化
換気の管理 ●定期的な窓開け
●換気扇の活用
●空気の流れの確保
●空気質の改善
●むれの防止
●温度の均一化
エアコン設定の最適化 ●風向きの定期的な調整
●吹き出し角度の確認
●障害物の配置確認
●空調効率の向上
●ムラの解消
●快適性の確保

上記の対策を、一度にすべてを実施する必要はありません。まずは実施しやすいものから始めて、効果を確認しながら徐々に対策を増やしていくことをおすすめします

オフィスビルの空調費用を削減する方法

オフィスの電力使用量のなかで、空調設備が占める割合は大きく、全体の約半分に達することもあります。つまり、空調の運用方法を見直すことで、大幅なコスト削減が期待できるということです。

ここでは、すぐに実践できる効果的な節約方法と、その具体的な効果について解説します。適切な対策を組み合わせることで、快適性を損なうことなく、空調費用の削減が可能です。

エアコンの設定温度を見直す

エアコンの設定温度を適切に管理することは、最も基本的かつ効果的な節電方法です。環境省が推奨する室温は、夏季28℃、冬季20℃です。この基準を意識した温度設定により、大きな省エネ効果が期待できます。

フィルターを定期的に清掃する

エアコンのフィルター清掃は、空調効率と電力消費に大きく影響する重要なメンテナンス作業です。フィルターに付着したホコリは空気の流れを妨げ、エアコンの性能を低下させる原因となります。

フィルター清掃の効果

メリット 期待される効果
性能向上 ●空気循環の改善
●風量の回復
●冷暖房効率の向上
節電効果 ●余分な電力消費を抑制
●設定温度の安定化
●運転効率の向上

推奨される清掃頻度

  • ●通常使用時:2週間に1回
  • ●季節的な使用時:1ヶ月に1回

定期的な清掃により、快適な室内環境を維持しながら、効率的な空調運転が可能になります。

自動運転モードを活用する

自動運転モードは、室温や外気温に応じて最適な運転を行い、効率的な空調管理を実現します。

  • ●温度変化に応じた自動調整
  • ●電力消費の最適化
  • ●快適性の維持
  • ●外気導入量の適正化

自動運転モードにより上記の効果が期待でき、手動での細かな調整が不要になります。

快適性と省エネの両立を目指すなら関西電力の「おまかSave-Air®

空調費用の削減は重要ですが、快適性が損なわれては本末転倒です。ここでは、経費削減と快適な職場環境の両立を実現する手段として、関西電力の「おまかSave-Air®」をご紹介します。

「おまかSave-Air®」は、関西電力グループオリジナルの制御ロジック(特許取得)により、空調を自動制御し、オフィスの快適性を維持しながら電気料金の削減を実現します。

関西電力の「おまかSave-Air®」の特徴

  • ●初期費用ゼロ・安価な月額料金でサービスの導入が可能
  • ●電力使用量と最大電力を抑制することで電気料金を10〜20%削減※1
  • ●工事にかかる期間は2〜3日程度、既存の室外機に後付けするのみで改修工事も不要※2
  • ●ダイキン工業・日立・三菱電機等の国内主要空調メーカーに対応しており※3、メーカー保証も継続
  • ●最短数ヶ月〜半年前後で調査・提案・導入とスピーディな対応が可能※4

また、誰でも・どこからでも使いやすい設定画面も「おまかSave-Air®」の魅力です。「10秒シミュレーション」で概算の電気料金削減額をご確認のうえ、ぜひお申込みをご検討ください。もちろん全国(沖縄・離島を除く)で利用可能です。

  • 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
  • 設置状況等により一部室内工事が発生する場合があります。
  • 一部対象外の機器があります。
  • 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年ごとの自動更新です。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。

オフィスビルの空調管理を徹底して快適な環境をつくろう

オフィスの空調管理は、企業の生産性を大きく左右する重要な要素です。適切な室温管理により、タイピングミスが4割以上減少する等、作業効率への影響を示す研究結果もあります。

空調方式には、セントラル方式と個別方式があり、ビルの規模や業務形態に応じて選択することが重要です。セントラル方式は大規模ビルに適しており、コスト管理がしやすい一方、個別方式は柔軟な温度管理が可能です。

温度ムラの解消には、サーキュレーターの活用や定期的なフィルター清掃等、具体的な対策を実施することで、快適性を保ちながらコスト削減も実現できます。

さらに、関西電力の「おまかSave-Air®」等の空調制御システムを導入することで、AIによる自動制御や効果の可視化が可能になり、より効率的な空調管理を実現できます。

快適な職場環境づくりに向けて、まずは自社に合った対策から始めてみましょう。

大岩 俊之(おおいわ としゆき)

監修者 大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。

サービス概要資料

おまかSave-Air®

エネルギーコスト削減、脱炭素に向けた取り組みのために、まず始めるべきは 「空調の省エネ」 です。現在お使いの空調機に制御用コンピューターを取り付けるだけで、省エネと快適性の両立ができる全く新しいサービスです。

資料の一部をご紹介

  • これまでの空調省エネの課題
  • おまかSave-Air®の概要
  • 導入効果
  • サービス料金

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