空調設備とは?種類と仕組みや選び方について詳しく解説!
2024.10.1
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目次
空調設備をオフィスや店舗、工場等に導入する際、どのようなものがあっているかわからず迷う場合もあるでしょう。空調設備にはさまざまな種類があるため、事前に把握したうえで適切な設備を導入する必要があります。
この記事では、空調設備の導入を検討している方向けに、空調設備の概要や種類を詳しく解説します。導入後に経費削減を目指す方法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
空調設備とはどんな機器?
空調設備は、空気調和設備の略称です。具体的には、換気や浄化等を行うことで室内の温度や湿度、空気清浄度等を調整する設備のことを指します。
「建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)」 では、「エア・フィルター、電気集じん機等を用いて外から取り入れた空気等を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給(排出を含む。)することができる機器及び附属設備の総体」 と定義されています。
空調設備の種類について、詳しくは後述します。
空調設備とエアコンの違いは?
ピ空調設備は、目的や空調方式によってさまざまな種類に分けられます。エアコンは空調設備の一種であり、全く同じものではありません。
エアコンの正式名称は、「エアーコンディショナー(air conditioner)」 です。エアコンは、空気の温度調節をするものの、基本的な機能に浄化や換気は含まれていないため、法的には単体では空調設備とはいえません。
エアコンについては以下の記事で紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
関連記事:エアコンの正式名称とは?室内を快適に保つ仕組みと選び方を解説
【目的別】空調設備の種類
空調設備は、導入する目的によって 「保健用空調(対人空調)」 と 「産業用空調(プロセス空調)」 の2種類に分けることができます。
- ●保健空調(対人空調):労働環境の維持や居住空間の快適性維持が目的
- ●産業空調:物品の品質管理・保持や動植物の生育環境の維持が目的
目的別の空調設備の種類について、詳しい内容を解説します。
保健空調(対人空調)
「保健空調(対人空調)」は、人の健康や快適性の維持を目的とし、オフィスビルやホテル、学校等の人が生活する一般的な建物に利用されます。
特定建築物の場合は、空気基準を満たす必要があるため、設備を置く位置や機能性が重要です。
特定建築物の定義は以下のとおりです。
- (1)建築基準法に定義された建築物であること
- (2)1つの建築物において、次に掲げる特定用途の1又は2以上に使用される建築物であること。特定用途:興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校(研修所を含む。)、旅館
- (3)1つの建築物において、特定用途に使用される延べ面積が、3,000平方メートル以上であること。(ただし、専ら学校教育法第1条に定められている学校(小学校、中学校等)については、8,000平方メートル以上であること。)
- ※出典:厚生労働省「建築物衛生のページ」
産業空調
「産業空調」は、工場や貯蔵庫等で、機械の機能維持や保管物の品質管理を目的に使われる空調設備です。
物品の製造や加工、検査を行ううえで大切な役割を担っているので、適切な労働環境を作り上げるためにも必要不可欠の設備です。
【流体別】空調設備の種類
空気の過熱や冷却には、水や空気等の形を変える物質、いわゆる「流体」が使われています。空調設備は、どの流体を使うかで 「全空気方式」・「冷媒方式」・「全水方式」・「水併用方式」 の4種類に分けられます。
- ●全空気方式|空気を使って熱を移動させる
- ●冷媒方式|冷媒を使って空気の加熱や冷却を行う
- ●全水方式|冷水や温水を使って熱を移動させる
- ●空気・水併用方式|空気と水を利用して熱を移動させる
流体別に分類される、空調設備の種類について具体的に紹介していきます。
全空気方式|空気を使って熱を移動させる
「全空気方式」 は、空気を使って熱交換器により熱を移動させる空調設備の方式です。ダクトを通して外部から取り入れた空気を、冷やしたり暖めたりして室内に供給します。
部屋ごとの室温の微調整には不向きですが、温度調節と換気を同時に行える点はメリットです。ダクトスペースが必要なので、デパートや体育館、ホール等の大型の建築物で利用されることが多いです。
冷媒方式|冷媒を使って空気の加熱や冷却を行う
「冷媒方式」 は、冷媒を使って熱を移動させ、空気の過熱や冷却を行う空調設備の方式です。ルームエアコンや業務用エアコン、冷蔵庫にも使用されるケースが多く、一般的に活用されている世帯も多いでしょう。
室内の空気を浄化するためには、換気設備を別に用意する必要があります。
全水方式|冷水や温水を使って熱を移動させる
「全水方式」 は、冷水や温水等の水を使って熱を移動させる空調設備の方式です。空気を使わずに稼働させるので、ダクトスペースを設ける必要がありません。
室内の空気を浄化するためには、冷媒方式同様、換気設備を別に用意しなければなりません。また、全水方式では水の通った管を設置するため、水損事故の原因となる可能性もあります。
空気・水併用方式|空気と水を利用して熱を移動させる
「空気・水併用方式」 は、空気と水を使って熱を移動させる空調設備の方式です。外気を取り入れるためにダクトが必要ですが、全空気方式よりは省スペース化が可能です。
空気と水を自動で切り替えて温度調節を行うのが特徴です。全水方式同様、水損事故のおそれがあるため、リスクについて把握しておく必要があります。
【空調方式別】空調設備の種類
空調設備は、設置方法や室内への送風方法でも種類が変わります。
- ●中央熱源方式|冷暖房と換気を同時に行う
- ●個別分散方式|中央熱源を持たない
空調方式の違いによる空調設備の種類について詳しく解説します。
中央熱源方式|冷暖房と換気を同時に行う
「中央熱源方式(中央空調方式)」は、中央機械室や管理室等、1ヶ所に熱源機器を集中設置する方式です。空調機や冷凍機、冷却塔、ボイラー等で構成されています。
中央熱源方式は、送風方式によってさらに2種類に分けられます。
- ●単一ダクト方式(定風量方式)
- ●単一ダクト方式(変風量方式)
2種類とも1本のダクトを使って空気を調整する点は同じです。
「定風量方式」 は、すべての部屋を一定風量や一定温湿度の空気で同じように調整します。部屋ごとに微調整できないのが難点で、環境によっては温度にムラが生じてしまうことがあります。
一方、「変風量方式」 は部屋ごとに送風量を変えられます。部屋ごとに温度を調整できるので、利用頻度が低い部屋の温度を変更する等すれば、省エネ効果が期待できます。
ただし、風量を減らすと換気不足になる可能性があるため、調整には注意が必要です。
個別分散方式|中央熱源を持たない
「個別分散方式」 は、各部屋に小型の空調設備を設置して、それぞれの部屋で電源のオンオフや温度調節を行う方式です。室内機と室外機を設置する、エアコンと同じタイプです。
熱源装置と空調設備が一本化されているのが特徴で、部屋やゾーンごとに熱源が設置されているので、中小規模の建物におすすめの方式です。
空調設備の選び方
空調設備を選ぶ際は以下の点に留意し、使用場所の発熱量や環境等により負荷が異なり、かつ内部発熱量等業種により熱負荷は異なるため、使用環境に合ったものを選択しましょう。
業種別に熱負荷は異なるため、事前に耐えられる空調設備を選ぶ必要があります。具体的に、どのような熱負荷に注意すべきなのかを業種別にまとめました。
一般事務所 |
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理美容院 |
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一般店舗 |
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飲食店 |
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このように、業種によって内部発熱等の熱負荷を考慮する内容が異なります。使用場所の発熱量や環境等により負荷が異なるため、実際に機種を選定する場合は販売店や専門業者へご相談ください。
適切な空調設備ではないと、電力等の消費が激しく、日頃のエネルギー料金が高くなる等のリスクが生じます。
空調設備を導入するメリット
空調設備を導入する主なメリットは、以下のとおりです。
- ●快適な室内環境に整えられる
- ●働く人の健康を維持できる
- ●コスト削減が期待できる
空調設備の導入メリットについて詳しく解説します。
快適な室内環境に整えられる
空調設備を導入すれば、室内の温度や湿度を快適な状態に保つことができます。暑い夏や寒い冬を乗り切るためにも、オフィスで働く従業員や店舗を訪れる顧客の快適性を維持することは重要です。
また、高品質な製品や商品を生み出すためには、適切な空調設備を導入し、品質を維持する必要があります。業種によって適切な空調設備は異なるため、事前に性能を確認して導入しましょう。
働く人の健康を維持できる
空気清浄機能がある空調設備であれば、空気清浄機能によってオフィスや工場の中にある有害物質を取り除くことができます。
花粉やハウスダストといったアレルゲン等、健康を害する危険性のある有害物質を空調設備で除去できれば、その環境で長時間業務を行う従業員の安全も守れるでしょう。
コスト削減が期待できる
温度や湿度の自動調整機能が付いた空調設備を導入すれば、快適性や安全性の維持だけでなく、電気料金の削減にもつながります。使用する部屋にいる人の数や発熱源の設置場所・数に合わせて制御できれば、無駄なコストの発生を抑えてくれるでしょう。
工場や店舗等、使用場所の面積が広いほど、温度・湿度の自動調整機能でより大きな節電効果が期待でき、コスト削減を目指せます。
なお、自動調整機能のない空調設備を使っている場合は、省エネツールを導入してコスト削減を目指す方法もあります。例えば、関西電力の 「おまかSave-Air®」 は、制御用コンピューターを取り付けることで、自動制御で快適性を維持しつつ省エネ運転を叶えます。
建物のエネルギー消費割合のうち、40〜50%は 「空調設備」 にかかる電力との調査結果もあるため、空調設備の稼働を最適化できれば、省エネ・節電効果が期待できるでしょう。
関連記事:エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?基礎知識やメリット・課題を解説
空調設備の省エネを目指したいなら関西電力の「おまかせSaveーAir®」がおすすめ
空調設備を導入するメリットはさまざまですが、メンテナンスの手間やコストが発生するため、導入するなら適切な対策を講じる必要があります。導入する空調設備によっては、コスト削減や省エネに繋がらないおそれがあるので気を付けましょう。
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- ●電力使用量と最大電力を抑えることで電気料金10〜20%削減※1
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- ●ダイキン工業・日立・三菱等の国内主要空調メーカーに対応しており※3、メーカー保証も継続
- ●最短数ヶ月〜半年前後で調査・提案・導入とスピーディな対応が可能※4
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- 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
- 設置状況等により一部室内工事が発生する可能性があります。
- 一部対象外の機器があります。
- 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年毎の自動更新となります。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。
空調設備を導入して快適な環境に整えよう
空調設備は空気調和設備の略称で、使用目的や空調方式等によっていくつかの種類に分けられます。オフィスや工場、施設の空調設備を整えれば、労働環境の快適性や製品の品質維持により、事業運営を快適に進められます。
ただし、空調設備を整える場合は、使用環境に合った種類を選ぶことが大切です。環境に合わないものを使用すると、快適性が損なわれて労働環境が悪化したり、余分な電気料金がかかってしまったりする可能性があります。
快適性を維持しつつ、空調設備の節電・省エネを目指したい場合は、ぜひ関西電力の 「おまかSave-Air®」 の導入をご検討ください。
監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)
愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他
サービス概要資料
おまかSave-Air®
エネルギーコスト削減、脱炭素に向けた取り組みのために、まず始めるべきは 「空調の省エネ」 です。現在お使いの空調機に制御用コンピューターを取り付けるだけで、省エネと快適性の両立ができる全く新しいサービスです。
資料の一部をご紹介
- これまでの空調省エネの課題
- おまかSave-Air®の概要
- 導入効果
- サービス料金
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