インバーターとは?仕組みや使用例、メリット・デメリットを解説
2025.1.9
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目次
インバーターは、建築・土木機械や搬送機械等の産業用モーターをはじめ、さまざまな場面で需要が拡大しています。エアコンや冷蔵庫、蛍光灯等にも内蔵されており、ビジネスや生活に欠かせない装置です。
この記事では、インバーターの基本的な仕組みや使用例を解説します。メリットやデメリット、注意点も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
インバーターとは
インバーターとは、一定の電圧や周波数で供給される電力を、任意の電圧や周波数へと変換する、半導体を使った電力変換装置のひとつです。
通常、電力は交流で供給され、電圧は100Vまたは200V、周波数は50Hzまたは60Hzに固定されています。この固定された電力をインバーターで変換し、電圧や周波数を自由に変化させます。
一般的に、インバーターと呼ばれる装置には、直流を交流に変換するDC-ACインバーターと、交流を直流に変換するAC-DCコンバーターの2つの回路が含まれており、この2つの回路を組み合わせて、任意の周波数と電圧に変換します。
インバーターの種類・使用例
インバーターは、産業用の駆動モーターをはじめ、幅広い用途で使用されており、現代の生活や産業に欠かせない装置です。以下では、主な種類と代表的な使用例を紹介します。
種類 | 役割 | 主な使用例 |
---|---|---|
VVVF | 電圧と周波数を変換 | 産業用モーター、エアコン、冷蔵庫、ポンプ 等 |
CVVF | 電圧は一定で周波数のみを変換 | IH調理器、炊飯器、蛍光灯 等 |
CVCF | 電圧と周波数を一定に維持 | コンピューター機器の電源装置、無停電電源装置(UPS) 等 |
VVVFインバーター
産業機械や電気自動車、電車、エアコン等に採用されるインバーターは、モーターの回転数を調整するために電圧と周波数を制御します。このため、VVVF(Variable Voltage Variable Frequency、可変電圧可変周波数)と呼ばれます。
VVVFインバーターは、供給される電源の電圧と周波数を自由に調整できるため、モーターに組み込むことで低速から高速まで滑らかな回転制御やトルク制御が可能になります。これにより低消費電力と高効率を実現します。
CVVFインバーター
モーターが搭載されていないIH調理器や炊飯器、蛍光灯等に採用されるインバーターは、一定の電圧で周波数のみを変換し、CVVF(Constant Voltage Variable Frequency、一定電圧可変周波数)と呼ばれます。
インバーター式の蛍光灯では、インバーターがグロー球の代わりにスターター機能を果たし、点灯や明るさの調節を行います。スイッチを入れると即時に点灯し、従来の照明器具に比べて同じ明るさで約20%の省エネ効果があり、グロー球がない分スリム化も実現できます。
CVCFインバーター
コンピューター機器の電源装置や無停電電源装置(UPS)等に採用されるインバーターは、電圧と周波数を安定させるため、CVCF(Constant Voltage Constant Frequency、一定電圧一定周波数)と呼ばれます。
CVCFインバーターは、商用電源の電圧や周波数を安定させるため、電源異常や停電時もバッテリーと組み合わせることで、安定した電力供給が可能です。
インバーターのメリット
インバーターをモーターや機器に搭載すると、使用用途により、いくつかのメリットをもたらします。主なメリットは以下のとおりです。
インバーターのメリット
- ●省エネ効果が見込める
- ●速度や動作を細かく調整できる
- ●小型化と軽量化に役立つ
省エネ効果が見込める
インバーターは周波数の変化でモーターの回転数を制御することで 消費電力を抑え、モーター自体のエネルギーの効率化を促進できるため、従来の制御方法と比較すると省エネ効果が見込めます。
例えば、ポンプの流量制御では、従来、モーターの回転数はそのままに、ポンプの出口側に弁やバルブを設置して制御する方法が一般的でした。弁やバルブの制御ではモーターの回転数は変わらないため、エネルギーのロスが生じます。
インバーターを活用すると、モーターの回転数の変化で流量を制御可能です。弁やバルブで制御する方法と比較してモーターのエネルギー消費量を低減でき、省エネにつながります。
速度や動作を細かく調整できる
インバーターは、交流電源の電圧や周波数を自由に変更可能です。インバーターの特徴を活用すると、任意にモーターの回転数やトルクを変えられ、速度や動作の細かな調整の実現につながります。
例えば、インバーターが搭載されていないエアコンは、運転の開始と停止しか原則行えません。室温が低下しすぎた時に冷房運転を休止し、室温が上昇した時に冷房運転を再開して温度調節するため、無駄な電力を消費します。
一方、インバーターが搭載されたエアコンは、室温に応じて的確な温度調節が可能です。冷房運転開始時はモーターを高速回転させて快適な温度に素早く調節し、適切な温度帯まで室温が下がった後は、モーターを低速回転させて室温をキープします。
小型化と軽量化に役立つ
インバーターを搭載すると、周辺回路のスリム化により、機器の小型化や軽量化が可能です。近年は、スイッチング技術やSiC(シリコンカーバイド)を材料とした半導体の導入により、さらなる小型化や軽量化が進められています。
インバーターのデメリット・注意点
インバーターは、スイッチング素子のオン・オフで生じるノイズが課題です。一般の家電製品で問題となるケースは少ないですが、インバーターが搭載された産業用モーターの設置台数が多くなった場合は、周辺の電子機器に与える影響に注意が必要です。
ノイズの影響が想定される機器には、AMラジオや電話、圧力センサや位置検出器(パルスエンコーダー)が挙げられます。インバーターを金属ケースで覆う、主回路と制御回路の配線を分離する等の対策を行いましょう。
さらなる電気料金削減に「おまかSave-Air®」の検討を
インバーターを利用して電圧や周波数を制御することで、省エネ効果が得られ、電気料金の削減にもつながります。しかし、削減効果には限界があり、機器の特性や使用条件によっては、期待通りの結果が得られない場合もあるでしょう。そこで、さらなる電気料金削減を目指す際におすすめしたいのが、関西電力の「おまかSave-Air®」です。
特に、空調設備は施設全体の電力使用量に占める割合が大きく、建物や店舗のエネルギー使用量の約40〜50%を占めているため※1、空調の節電や省エネは電気料金削減の重要なポイントです。「おまかSave-Air®」の特徴は以下のとおりです。
関西電力の「おまかSave-Air®」の特徴
- ●初期費用ゼロ・安価な月額料金でサービスの導入が可能
- ●電力使用量と最大電力を抑制することで電気料金を10〜20%削減※2
- ●工事にかかる期間は2〜3日程度、既存の室外機に後付けするのみで改修工事も不要※3
- ●ダイキン工業・日立・三菱電機等の国内主要空調メーカーに対応しており※4、メーカー保証も継続
- ●最短数ヶ月〜半年前後で調査・提案・導入とスピーディな対応が可能※5
関西電力の「おまかSave-Air®」は、空調室外機に制御用コンピューターを取り付けて自動制御することで、快適性を維持しつつ空調設備の省エネを実現します。初期費用がかからず、大幅な改修工事が必要ありません。
電気料金削減額の試算を知りたい時は、関西電力公式サイトの10秒シミュレーションをご活用ください。
- 出典:経済産業省 資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)」
- 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
- 設置状況等により一部室内工事が発生する可能性があります。
- 一部対象外の機器があります。
- 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年毎の自動更新となります。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。
インバーターを活用して省エネを目指そう
インバーターは、家電製品から産業用モーターまで、多くの機器で用いられている電力変換装置です。安定した電力供給が求められるコンピューターの電源装置でも使用されています。
インバーターは、電圧や周波数の変更でモーターの回転数を調節できることから、従来の制御方法と比較して、省エネ効果が期待されています。業種・業態にあわせた活用が大切です。
なお、事業におけるさらなる省エネを実現したい場合は、関西電力の「おまかSave-Air®」をご検討ください。関西電力の「おまかSave-Air®」は空調に特化したサービスで、快適性と両立した省エネを実現します。
監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)
愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステムならびに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。あわせて生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクル等幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入を推進。
「リサイクル技術開発本多賞」 「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取り組み中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他
サービス概要資料
おまかSave-Air®
エネルギーコスト削減、脱炭素に向けた取り組みのために、まず始めるべきは 「空調の省エネ」 です。現在お使いの空調機に制御用コンピューターを取り付けるだけで、省エネと快適性の両立ができる全く新しいサービスです。
資料の一部をご紹介
- これまでの空調省エネの課題
- おまかSave-Air®の概要
- 導入効果
- サービス料金
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