業務用エアコンの効きが悪い原因と対処法は?定期メンテナンスの重要性を解説

2024.10.1

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業務用エアコンの効きが悪い原因と対処法は?定期メンテナンスの重要性を解説

会社や工場のエアコンの効きが悪く困っている人も多いのではないでしょうか。

室内温度が暑いままや寒いままの状態は、業務効率を下げるだけでなく、放置したまま使い続けると電力も無駄になってしまうため改善する必要があります。

この記事では業務用エアコンの効きが悪い原因と対処法、メンテナンスの重要性について紹介するので、ぜひ参考にしてください。

業務用エアコンの効きが悪い原因

業務用エアコンの効きが悪いと感じる場合、主に考えられる原因は次のとおりです。

業務用エアコンの効きが悪い原因

  • ●温度設定や風量設定が適切ではない
  • ●室内機本体やフィルターが汚れている
  • ●室外機の不具合
  • ●冷媒(フロンガス)が不足している
  • ●業務用エアコン本体の故障・寿命

各項目で確認すべきポイントを解説します。

温度設定や風量設定が適切ではない

最初に考えられる原因は、エアコンの設定自体が適切ではないことです。

暖房や冷房、除湿等の運転モードを確認する際は、風量設定や風向き、設定温度もあわせて確認してください。

なお、環境省が推奨する室内温度は、夏季28度、冬季20度です。設定温度ではなく室内温度である点に注意しながら、職場の環境にあわせて適切な設定かどうかを確認する必要があります。

室内機本体やフィルターが汚れている

室内機本体やフィルターが汚れていると、エアコンの効きが悪くなるうえ、運転効率が下がり余計な電力を使うことになってしまいます。

エアコン内部はカビやホコリ、タバコのヤニ、雑菌の温床となりやすく、エアコンの風に乗ってオフィス中にカビを撒き散らすことにもなりかねません。

室内機の汚れを確認して清掃を行い、使用頻度によりますが、2週間に1回の頻度で定期的なメンテナンスを行うことが大切です。

室外機の不具合

室外機の吹出口にホコリやゴミが溜まっていると、室内からの熱気を上手く排出できず、エアコンの効きが悪くなる原因となります。

また、室外機が直射日光に当たりっぱなしの状態だと、室外機自体が高温になり熱を上手く排出できない可能性もあります。

冷媒(フロンガス)が不足している

エアコンは、室内機と室外機間を 「冷媒(フロンガス)」 が循環し、冷風や暖風を出す仕組みです。

充填されている冷媒ガス不足や漏出で、エアコンの運転効率が悪くなり、電力使用量の増加や補充のためのコスト増加につながる可能性もあります。

業務用エアコン本体の故障・寿命

業務用エアコンの寿命・耐用年数は、メンテナンスの状況や使用環境によって異なりますが、一般的には10~15年ほどとされています。

エアコンメーカーの補修用性能部品の保有期間は製造打ち切り後9〜10年とされ、期間を過ぎると有料であっても修理が行えません。定期メンテナンスを怠ったり長期間使用しなかったりすると寿命が縮まることもあります。

フィルター等の掃除をしても、業務用エアコン本体から異音や異臭がした場合は、故障の可能性が高いと考えられます。

業務用エアコンの効きが悪い時の対処法

業務用エアコンの効きが悪い時の対処法は以下のとおりです。

業務用エアコンの効きが悪い時の対処法

  • ●室内温度を確認し設定を見直す
  • ●フィルターを清掃・交換する
  • ●障害物を確認し室外機周辺を清掃・整備する
  • ●冷媒(フロンガス)の点検をする
  • ●業務用エアコン本体の修理・買い替えを検討する

設定温度の見直しやフィルターの清掃、障害物を排除しても業務用エアコンの効きが悪いままの場合は、故障の可能性があるため業者に修理を依頼する必要があります。

オフィスビルや商業施設に設置されている業務用エアコンの場合は、ご自身で対応せずにビルの管理窓口に問い合わせてください。

室内温度を確認し設定を見直す

業務用エアコンの効きが悪いと感じたら、まずは温湿度計を設置して室内温度を確認し、運転モードや設定温度を見直しましょう。

環境省が推奨する室内温度は、夏季28度、冬季20度です。推奨される室温を保つためには、夏は冷房や除湿で26〜28度、冬は暖房で20〜22度を設定温度の目安にするといいでしょう。

ただし、これあくまで目安の数値で、体感温度は個人差があります。暑さや寒さを感じる場合は、快適に過ごせる温度に変更する柔軟さが大切です。

オフィスビルや商業施設等、ご自身での設定変更が難しい場合は、場所にあわせてサーキュレーターやヒーター等の導入も検討しましょう。

フィルターを清掃・交換する

室内機のフィルターを確認し、ホコリや汚れが溜まっている場合は清掃や交換を行ってください

清掃の際は掃除機等でホコリを落とし、中性洗剤を溶かしたぬるま湯でフィルターを洗い、日陰でしっかりと乾かしましょう。乾燥が不十分の状態では雑菌が繁殖し、カビの発生や嫌な臭いの原因となってしまいます。

業務用エアコンは稼働時間が長くなりやすく、フィルターにホコリや汚れが溜まりやすいため、定期的なメンテナンスを行うことが大切です。

フィルター清掃を行うと省エネ効果もあるため、2週間に1回を目安に清掃を行うことを心がけましょう。業務用エアコンの掃除については、以下の記事で詳しく紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

障害物を確認し室外機周辺を清掃・整備する

室外機の排気口周辺にゴミやホコリが溜まっている場合は清掃を行い、障害物がある場合は片付けを行ってください。

また、室外機が直射日光に当たりっぱなしの場合は熱の排出効率が下がってしまいます。

室外機の設置場所を移動するか、天板タイプや箱タイプの日よけ、すだれ等で日光を遮る工夫をしましょう。

冷媒(フロンガス)の点検をする

業務用エアコンを冷房に設定しているにもかかわらず風がぬるい場合や、暖房なのに冷風が出る場合は、冷媒ガスが不足している可能性が考えられます。

特に、業務用エアコンは改正フロン法によって、四半期に1回以上の簡易点検、一定規模(7.5kW)以上の機器については専門業者等による定期点検の実施が定められています

簡易点検や定期点検の詳細は後述するので、参考にしながら確認を行い、何らかの異常が発見された場合は、専門業者に冷媒の補充や修理を依頼しましょう。

業務用エアコン本体の修理・買い替えを検討する

フィルター清掃や室外機周辺の清掃等、前述の対処法を試してもエアコンの効きが悪いままなら、修理や買い替えを検討する必要があります。

シーズン前に試運転でエアコンの状態を確認しておき、エアコンの点検や修理、取付工事が集中しやすい時期を避けることが大切です。

特に7月前後はエアコンメーカーや修理業者の繁忙期です。場合によっては修理依頼や購入から数週間ほど待たされてしまう場合もあります。近年は40度近い猛暑日が続くこともあり、エアコンが使えない期間が長くなると熱中症の危険性も高まるので注意が必要です。

省エネ性能の高い商品にすれば、室内環境の改善だけでなく経費削減の効果も期待できます。

ただし、業務用エアコンの買い替えには多額の費用がかかります。余計な費用を発生させないためにも、修理後や買い替え後は定期的なメンテナンスを怠らないように気をつけましょう。

業務用エアコンの法令点検と定期メンテナンスの重要性

業務用エアコンには法令点検を行う義務があります。2020年に施行された「改正フロン排出抑制法」では、点検業務を怠った場合の罰則強化が盛り込まれました。

業務用エアコンの法令点検には、大きく「簡易点検」と「定期点検」の2種類があります。

簡易点検はすべての機器ユーザーに対して日常的に行うことが求められており、定期点検は十分な知見を有する専門業者等が行うように定められています。

業務用エアコンの簡易点検と定期点検の対象

点検種別 機種 圧縮機電動機定格出力 点検頻度
簡易点検 すべての業務用冷凍空調機器 四半期に1回以上
定期点検 エアコン 7.5kW以上50kW未満 3年に1回以上
50kW以上 1年に1回以上
冷凍・冷蔵機器 7.5kW以上 1年に1回以上

※その他、エンジンを用いて圧縮機を作動させるガスヒートポンプ等の製品も対象に含まれます。

※簡易点検は安全で容易に点検可能な場合に限られます。

※定期点検は簡易点検の上乗せとして実施され、すべての業務用冷凍空調機器のうち、圧縮機に用いられる電動機の定格出力が7.5kW以上の機器が対象です。

簡易点検を行う際の点検項目は以下のとおりです。

ビル用マルチエアコンの簡易点検項目

点検項目 推奨点検頻度
室外機 機器の異常振動、異常運転音 1回/日以上
機器および機器周辺の油のにじみ
機器の傷の有無、熱交換器の腐食、錆び等
室内機 熱交換器の霜の有無 1回/日以上

※安全で容易に点検可能な場合に限られます

簡易点検を行った際は必ず記録を取り、機器を設置して廃棄した場合も3年間の保存が求められています。フロン排出抑制法に違反した場合、内容によっては1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。

検挙に伴う企業のイメージダウンや罰則を回避するためにも、定期メンテナンスや法令点検の遵守は徹底しましょう。法令点検については以下の記事でも詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

業務用エアコンのメンテナンスは省エネ・電気料金削減にもつながる

業務用エアコンは適切にメンテナンスを行っていれば、快適な環境維持だけでなく省エネや電気料金の削減にもつながります

定期メンテナンスを行わないと電力使用量が増加し、電気料金のコストもかさんでしまいます。前述の簡易点検とあわせて、毎月1回程度はエアコンの清掃を行うことを心がけましょう。

業務用エアコンの省エネなら「おまかSave-Air®

業務用エアコンの省エネなら「おまかSave-Air®」

業務用エアコンの管理には人的コストや業者に支払う費用、エアコンの使用時に発生する電気料金等、様々なコストがかかります。

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  • 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
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  • 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年毎の自動更新となります。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。

業務用エアコンの効きが悪い時は設定の見直しや清掃を

業務用エアコンの効きが悪い場合の対処法としては、設定温度の見直しとフィルター周りの清掃が効果的です。エアコンの効きが改善されない場合は、冷媒不足や故障・寿命の可能性も考えられるため、メーカーや修理業者に依頼する必要があります。

また、近年は原油価格の高騰で電気料金も値上がりしており、業務用エアコンの保守や点検、運用には様々なコストが発生します。

業務用エアコンの省エネを叶えたい方は、関西電力の「おまかSave-Air®」をご検討されてみてはいかがでしょうか。

大岩 俊之(おおいわ としゆき)

監修者 大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。

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