エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?基礎知識やメリット・課題を解説

2024.10.1

関連キーワード:

  • エネルギーマネジメントシステム
エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?基礎知識やメリット・課題を解説

節電や省エネによるコスト削減、環境問題への対応のため、企業でのエネルギーマネジメントシステム(EMS)のニーズが高まっています。

この記事ではエネルギーマネジメントシステムの概要や種類、メリット・デメリットを解説します。

エネルギーマネジメントシステムの導入を検討中の企業に向けて、コストパフォーマンスに優れたサービスも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?

エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは、ビルや工場等のエネルギー使用状況をモニタリングして「見える化」することで、照明や空調設備等の運用効率を最適化するためのシステムのことです。

エネルギーマネジメント(エネマネ)は、「エネルギーを使用状況に応じて管理する」意味で用いられ、一般的には、オフィスやビル、商業施設等のエネルギーを効率的に最適化することをさします。

一方、エネルギーマネジメントシステムについて、EnMS(Energy Management System)と称される言葉もあります。

これは、国際規格ISO50001で規定されている、エネルギーの効率、使用及び使用量を含むエネルギーパフォーマンスの継続的改善を達成するために必要なプロセスを規定したものです。会社全体で組織や仕組みを整備し活動を進めるもので、環境マネジメントシステムISO14001や品質マネジメントシステムISO9001等と同様に認証を取得する仕組みです。

エネルギーマネジメントシステムが注目を集める背景には、世界的なエネルギー価格の上昇や資源の枯渇、企業としてSDGs等の環境問題への取り組みが求められていることがあります。

企業がエネルギーマネジメントシステムを導入すると、人の手では取得が困難なデータの収集や分析、省エネ対策が容易に行えます。

エネルギー効率の目標設定や省エネ対策を設定し、計測・診断による運用でエネルギー使用量の見える化を図り、収集したデータの分析と改善策の立案・実行等のPDCAサイクルを回すことで、継続的に省エネへの取り組みを実現できます。

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の種類

エネルギーマネジメントシステムには、EMSの対象とする施設によって大きく5種類に分けられます。

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の種類

種類 対象
BEMS オフィス・ビル・商業施設
HEMS 一般家庭
FEMS 工場
MEMS マンション
CEMS 地域全体

それぞれのエネルギーマネジメントシステムの特徴を解説します。

BEMS

BEMS(Building and Energy Management System)は、主にオフィスやビル、商業施設を対象としたエネルギーマネジメントシステムです。

センサーを取り付けて空調や照明等の電力使用量の「見える化」が可能で、システムによっては電力使用量の自動制御も可能です。

HEMS

HEMS(Home Energy Management System)は、一般家庭向けのエネルギーマネジメントシステムです。

家電製品や冷暖房機器等に接続し、電気やガスの使用量を見える化し、自動制御を行うことが可能です。

FEMS

FEMS(Factory Energy Management System)は、工場を主としたエネルギーマネジメントシステムです。

空調や照明、製造ライン設備等、工場のエネルギー使用量を見える化し、自動制御を行います。

MEMS

MEMS(Mansion Energy Management System)は、マンションの電力使用量を管理することを目的としたエネルギーマネジメントシステムです。

マンション内の全入居者が電力会社と契約する必要がありますが、マンション内のエネルギー消費量を把握・管理し、適切な運用を行うことができます。

CEMS

CEMS(Community Energy Management System)は、地域単位での電力使用量を管理・把握することを目的としたエネルギーマネジメントシステムです。

風力発電や太陽光発電システム等の電力供給量の管理にも役立ちます。

エネルギーマネジメントシステム(EMS)のメリット

エネルギーマネジメントシステム(EMS)のメリット

企業がエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入するメリットは、主に次の3つが挙げられます。

企業がエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入するメリット

  • ●消費エネルギー量を見える化できる
  • ●非効率な機器の特定や運用方法の見直しができる
  • ●非効率な機器の特定や運用方法の見直しができる

消費エネルギー量を「見える化」できる

エネルギーマネジメントシステムを導入すれば、建物や施設の消費エネルギーを把握しやすくなります

具体的には、電気メーターや各電気機器に後付けしたセンサーが電力使用量を自動収集し、クラウド経由でパソコンやスマホ、タブレットでリアルタイムな電力使用量の見える化が可能です。

人の手では困難なデータの収集が容易となり、企業としての環境問題への取り組みや成果の報告に活用しやすい点も特徴です。

非効率な機器の特定や運用方法の見直しができる

エネルギーマネジメントシステムの導入で電力の使用状況を可視化することで、建物や施設の消費エネルギーの把握や分析が可能です。

機器の稼働効率を確認できるため、稼働率が低下した機器の特定や運用方法の見直しにも役立ちます。

エネルギー消費の最適化で省エネや経費削減を目指せる

見える化したデータを基に適切なデータ解析や機器の稼働調整を行えば、電力使用量の削減や省エネの実現が可能です。

具体的には、非効率な機器を発見した際はより省エネ性能に優れた最新機器への切り替え、制御技術の導入を検討できます。

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の課題

企業がエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入する際には、以下の課題があることを理解しておきましょう。

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の課題

  • ●導入コストの負担が大きくなるおそれがある
  • ●機器の仕様で導入が難しい場合がある
  • ●継続的な運用には専門知識が必要となる

エネルギーマネジメントシステムの導入には多大な費用が発生するおそれがあります。

電力使用量の把握や管理を行うシステムのため、データを収集するには一定の時間が必要で、かつ継続してモニタリング運用を行うための費用や専門知識も必要です。

機器の仕様で導入が難しいケースもあるため、エネルギーマネジメントシステムを提供する事業者との綿密な打ち合わせも大切です。

導入コストに関しては国や地方自治体の補助金制度を利用できる可能性があるため、企業の本店所在地や工場がある地域を管轄する自治体の公式ホームページを確認しましょう。

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入事例

本項目では、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入事例をいくつか紹介します。

公的総合文化施設

公的総合文化施設の運営を担う企業では、長年にわたって省エネに取り組んできましたが、既存のシステムではエネルギー消費量や問題点の把握が難しいため、新たなEMSの導入に踏み切りました。

EMSの導入によりエネルギー需給の見える化を実現し、これまで把握が難しかった異常値の確認により、より一層の省エネへの取り組みが可能となりました。

また、施設利用者から求められるエネルギー消費量に関するレポート提出についても、EMSで取得したデータの利用により迅速な対応が可能となりました。

食品加工工場

食品加工を事業内容とする食品製造販売会社では、年間を通して製造機器や冷凍・冷蔵庫の稼働による電力使用量が大半を占めており、省エネへの取り組みのためにEMSを導入しました。

夏場の電力使用量や最大デマンドを削減するためのデマンドコントローラーを設置し、空調設備にかかる電力使用量の監視及び空調制御の実施から取り組みました。

工場の快適性を第一に考え、従業員とEMS事業者とで綿密な協議を行って目標デマンド値を設定、結果的に夏場における最大デマンドの抑制を達成しました。

医療法人

あらゆる世代の健康を支える医療法人では、院内の快適性を維持しながらの光熱費削減が重要な課題となっていました。

院内照明のLED化や空調設備の手作業での管理等、地道な取り組みを続けて省エネに努めてきましたが、人的な省エネ対策には限界を感じていたため、新たにEMSの導入に踏み切りました。

室外機に後付で制御機器を取り付けるのみの簡単な工事で導入でき、人的な管理が不要で自動的に空調にかかる電力使用量を大幅に削減することに成功しました。

導入して1年ほどで省エネ効果を実感できたことで、グループ内の他の施設への導入についても検討されています。

空調設備の省エネを目指すなら関西電力の「おまかSave-Air®」がおすすめ

空調設備に特化したエネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入を検討中なら、関西電力の「おまかSave-Air®」がおすすめです。

関西電力の「おまかSave-Air®」は空調設備にかかる電力使用状況を可視化し、事前の設定値を大幅に超えないように電力使用量の自動制御を行います。

関西電力の 「おまかSave-Air®」 のメリット

  • ●初期費用ゼロ・安価な月額料金でサービスの導入が可能
  • ●電力使用量と最大電力を抑えることで電気料金10〜20%削減※1
  • ●工事にかかる期間は2〜3日程度、既存の室外機に後付けするのみで改修工事も不要※2
  • ●ダイキン工業・日立・三菱等の国内主要空調メーカーに対応しており※3、メーカー保証も継続
  • ●最短数ヶ月〜半年前後で調査・提案・導入とスピーディな対応が可能※4

サービス料金の安さや工事の手軽さ、電気料金の削減効果等、空調の省エネを検討中の企業にとって大きなメリットがあるサービスです。

関西電力の公式ホームページから2STEPで10秒シミュレーションが可能なので、気になる方はぜひ以下より詳細をご確認ください。

  • 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
  • 設置状況等により一部室内工事が発生する可能性があります。
  • 一部対象外の機器があります。
  • 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年毎の自動更新となります。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。

空調設備に特化したエネルギーマネジメントシステム(EMS)を活用して省エネを目指そう

エネルギーマネジメントシステムは、一般的な意味ではオフィスやビル、商業施設等の電力需給バランスを最適化するための管理を行うシステムのことです。電力使用状況を見える化して運用効率を高めるための施策を講じられる点がメリットです。

一方、エネルギーマネジメントシステムの導入コストが膨大で、継続的な運用には専門知識が必要となる点がデメリットです。

関西電力の 「おまかSave-Air®」 なら初期費用ゼロ、簡単な工事で手軽に空調設備の電力使用状況を見える化できます。また、各室外機の制御レベルの変更が可能です。

空調に特化したエネルギーマネジメントシステムの導入により、空調設備の省エネを目指したい方は、関西電力の公式ホームページで10秒シミュレーションをお試しください。

近藤 元博(こんどう もとひろ)

監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)

愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他

サービス概要資料

おまかSave-Air®

自家消費型太陽光発電で電気料金とCO₂を削減。「太陽光発電オンサイトサービス」 の概要をご紹介します。

資料の一部をご紹介

  • 太陽光発電オンサイトサービスとは
  • サービスの特徴
  • ご提案事例

資料ダウンロードフォーム

■個人情報の取扱いについて

◇個人情報の利用目的

弊社では、「個人情報保護方針」内の 「個人情報の利用目的」 および 「弊社が開催するセミナーの案内、弊社と提携する他社のセミナーの案内を行うために必要な範囲内で個人情報を利用いたします。

◇広告・宣伝メールの送信

弊社は、お申込フォームで入力いただいたメールアドレスあてに、広告・宣伝メール(「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」 に定める 「特定電子メール」 を指します。)を送信することがあります。また、お客さまから申し出により、速やかに配信を停止します。