デマンド監視装置とは?主な機能や導入メリット・選ぶ際の注意点を解説
2025.1.9
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目次
デマンド監視装置は、電力使用の無駄を発見し、効率的な節電を可能にする強力なツールです。企業の電気料金を抑える対策のひとつとして、デマンド監視装置の導入が考えられます。
この記事では、デマンド監視装置の基本的な機能や仕組み、導入メリットについて詳しく解説します。装置選びのポイントも紹介するので、自社に最適なシステムを見つけるために参考にしてください。
デマンド監視装置とは
デマンド監視装置は、24時間体制で電力の使用状況を監視し、デマンド値を管理するシステムです。あらかじめ設定した電力使用量を超えそうになった場合に素早く警報を出し、無駄な電力消費を防ぎます。
グラフやデータで使用状況を分かりやすく表示するため、電力使用量の「見える化」を実現します。これにより、効率的な電力利用が可能になり、結果として省エネルギーを実現し、電気料金の削減につながります。
電力の無駄遣いを減らしたい、しかし具体的な方法が分からない、そのような悩みを持つ企業にとって、デマンド監視装置は強力な味方となるでしょう。
デマンド値とは
デマンド値は、30分ごとの平均電力使用量のことを指します。
電気メーターが刻々と変化する電力使用量を測り、30分間の平均値を出したものが 「デマンド値」 と呼ばれるものです。1ヶ月の中で最も高かったデマンド値が、その月の 「最大需要電力」 となります。
各月の契約電力は、過去1年間(その月と前11ヶ月)のデマンド値の中で最も高い値をもとに決まります。
デマンド値を監視するシステムのことを、デマンド監視装置と呼びます。
デマンド監視の目的と仕組み
デマンド監視の主な目的は、電力使用状況をリアルタイムで把握し、デマンド値を管理することにあります。デマンド監視システムは、24時間体制の監視が基本です。
30分ごとの平均使用電力を予測し、設定した目標値と比較します。目標値を超えそうになると警報を発信するため、施設管理者は不要な照明を消したり、エアコンの設定温度を変えたりして対策を講じられます。
これにより、以下の効果が期待されます。
- ●契約電力を最適化
- ●電気料金の削減
- ●ピーク時の電力使用抑制
- ●社員の省エネ意識向上
デマンド監視装置の機能
デマンド監視装置の主な機能は以下のとおりです。
機能 | 概要 |
---|---|
デマンド監視 | 24時間体制で最大需要電力を予測し、目標値超過の危険を察知 |
警報 | ブザーやメールで目標値超過の可能性を通知 |
データの見える化 | パソコンで使用電力を管理し、ピークの時間帯を把握 |
負荷制御 | 一部の装置では、設定機器を自動停止 |
コスト削減 | デマンド値抑制により契約電力を低減し、電気料金を削減 |
上記の機能を活用することで電力の無駄遣いを減らし、コスト削減と省エネ意識の向上を図ります。
デマンド監視装置とデマンドコントローラーの違い
電力管理には、デマンド監視装置とデマンドコントローラーの2つの選択肢があります。
デマンド監視装置は、電力使用状況を24時間監視するシステムです。目標値を超過すると警報を鳴らし、管理者に通知します。電力使用の 「見える化」 が主な役割で、実際の制御は人間が行います。
一方、デマンドコントローラーは監視装置の機能に加え、自動制御機能を備えています。目標値を超過すると、自ら判断して設定済みの機器を制御。人の手を借りずに電力使用を抑えられます。
主な違いは以下の4点です。
項目 | デマンド監視装置 | デマンドコントローラー |
---|---|---|
制御方法 | 手動 | 自動 |
人的リソース | 管理者の対応が必要 | 管理者の対応は最小限 |
適用規模 | 小規模向け | 大規模向け |
導入コスト | 比較的安価 | 比較的高価 |
デマンド監視装置は電力使用状況の把握と警告に特化し、デマンドコントローラーはそれに加えて自動制御機能を持つ、より高度なシステムといえます。
関連記事:デマコンとは?種類と仕組みや省エネ・経費削減のメリット・デメリットを解説
関連記事:デマンドコントロールシステムの役割とは?導入メリット・デメリットを解説
デマンド監視装置の導入メリット
デマンド監視装置の導入メリットは、以下の4つです。
デマンド監視装置の導入メリット
- ●電気料金の削減につながる
- ●電力使用状況を 「見える化」 できる
- ●省エネ意識向上につながる
- ●遠隔監視と操作が可能
それぞれ詳しくみていきましょう。
電気料金の削減につながる
デマンド監視装置の導入は、電気料金の削減につながります。デマンド値をリアルタイムで監視し、あらかじめ設定した目標値を超えそうになると素早く警報を発するため、警報を受けて不要な機器の電源を切る等の対策をとることで、次のような効果が期待できます。
- ●ピーク時の電力使用を抑える
- ●契約電力を適正な水準に調整
- ●結果として、省エネにつながり、電気料金が下がる
ただし、デマンド監視装置には自動制御機能がないため、警報に基づいて手動で調整する必要があります。社員全員で協力し、警報が鳴ったらすぐに対応する体制づくりが大切です。
電力使用状況を「見える化」できる
デマンド監視装置の特徴は、電力使用の 「見える化」 です。24時間体制で電力使用状況を記録し、データを分析するため、電気の使い方が一目瞭然になります。
「見える化」 で得られる主なメリットは以下のとおりです。
- ●時間帯ごとの電力使用量が明確になる
- ●エネルギー使用のパターンがつかめる
- ●具体的な省エネ対策が立てやすくなる
データをグラフ化すれば、電力使用の傾向がわかります。「午後2時頃に使用量が急増する」等、電力使用を調整すべき時間帯や無駄のポイントが明確になります。
省エネ意識向上につながる
デマンド監視装置は、電気料金を減らすだけでなく、従業員の省エネ意識を高める効果もあります。
主な効果は以下の3つです。
- ●リアルタイム表示による日常的な意識向上
- ●警報システムによる全社的な省エネ文化の形成
- ●データ分析を通じた効果的な対策立案
例えば、データ分析により 「昼休みの電力使用が多い」 ことが判明すれば、休憩時の一斉消灯を実施する等具体的な対策を立てることができます。
このように、デマンド監視装置は 「見える化」 を通じて、全社的な省エネ意識向上と具体的な行動変容を促します。
遠隔監視と操作が可能
デマンド監視装置は遠隔監視と操作が可能なため、効率的にエネルギー管理ができます。主な利点は以下の3つです。
- ●リアルタイム監視:現地に行かずに設備の状況を把握
- ●遠隔操作:離れた場所からの設備調整が可能
- ●効率的管理:複数拠点を一元管理
特に複数拠点を持つ企業では、一元管理により管理コスト削減も期待できます。
デマンド監視装置を選ぶ際のポイント
デマンド監視装置は、選び方次第で効果が大きく変わります。選ぶ際のポイントは、以下の3つです。
デマンド監視装置を選ぶ際のポイント
- ●機能の充実度
- ●導入コストと運用コスト
- ●サポート体制
それぞれ詳しく解説します。
機能の充実度
デマンド監視装置を選ぶ際は、基本機能だけでなく、自社のニーズに合った付加機能があるかどうかも確認しましょう。
デマンド監視装置の主な機能は以下のとおりです。
- ●基本機能:リアルタイム監視、警報通知
- ●データ管理・分析:使用量データの管理、レポート作成
- ●制御機能:自動負荷制御、手動制御のための設定
- ●通信・遠隔機能:無線対応、遠隔操作
- ●拡張性:個別系統の計測、データの一元管理
- ●使いやすさ:操作画面の質、グラフ表示
- ●警報設定:複数段階の設定
- ●データ保存:長期保存、バックアップ機能
例えば、複数拠点を持つ企業なら遠隔監視機能が重要です。製造業なら、生産設備ごとの電力計測機能が役立つでしょう。
自社の規模や業種、電力使用パターンを考慮し、必要な機能を見極めることが大切です。
導入コストと運用コスト
デマンド監視装置は、初期費用と長期的な運用コストの両面から検討しましょう。
導入コストは、システムの種類や規模によって大きく異なります。多くのサービスでは初期費用が無料ですが、設置工事費等が必要な場合もあります。
一方、運用コストは月々のサービス料が中心で、メンテナンス費用が含まれる場合もあります。
コスト比較のポイントは以下のとおりです。
- ●複数の業者から見積もりを取る
- ●初期費用と長期運用コストを総合的に評価
- ●自社の規模と必要機能に見合ったプランを選ぶ
賢い選択で、効果的な電力管理とコスト削減の両立を目指しましょう。
サポート体制
デマンド監視装置の導入を検討する際、充実したサポート体制も重要なポイントです。多くのサービスでは、初期費用無料の特典に加え、継続的なサポートを提供しています。
主なサポート内容は以下のとおりです。
- ●初期費用無料の設置工事
- ●定期的なデータ分析と省エネ提案
- ●インターネットでのリアルタイムデータ閲覧
- ●デマンド超過時の警報システム
- ●省エネ法対応等のコンサルティング
導入を検討する際は、単なる機器の性能だけでなく、サポートの質も重視しましょう。
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- 出典:経済産業省 資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)」
- 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
- 設置状況等により一部室内工事が発生する場合があります。
- 一部対象外の機器があります。
- 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年ごとの自動更新です。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。
デマンド監視で省エネ・電気料金の削減に取り組もう
デマンド監視装置の導入は、企業の省エネと電気料金削減に大きな効果をもたらします。主なメリットは、電気料金の削減や使用状況の見える化、省エネ意識の向上、そして遠隔監視・操作が可能になることです。
システムを選ぶ際は、機能の充実度や導入・運用コスト、サポート体制を重視しましょう。自社のニーズに合った機能を持ち、コストパフォーマンスの高い装置を選ぶことが大切です。
導入後も継続的な電力管理と省エネ活動を行い、データ分析にもとづいた対策立案と実行を繰り返すことで、さらなる効果が期待できます。
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環境配慮とコスト削減の両立を目指す企業は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)
愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステムならびに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。あわせて生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクル等幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入を推進。
「リサイクル技術開発本多賞」 「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取り組み中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他
サービス概要資料
おまかSave-Air®
エネルギーコスト削減、脱炭素に向けた取り組みのために、まず始めるべきは 「空調の省エネ」 です。現在お使いの空調機に制御用コンピューターを取り付けるだけで、省エネと快適性の両立ができる全く新しいサービスです。
資料の一部をご紹介
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- おまかSave-Air®の概要
- 導入効果
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