デマンドコントロールシステムの役割とは?導入メリット・デメリットを解説
2024.10.1
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目次
企業の節電効果や省エネ効率を上げる手段として 「デマンドコントロールシステム」 が挙げられます。
デマンドコントロールシステムを導入して電気機器のデマンドを抑制すれば、最終的には電気料金の節約につながります。
この記事では、デマンドコントロールシステムの概要や省エネ効率を高められる仕組み、導入時のメリット・デメリットを解説します。
デマンドコントロールシステムとは
デマンドコントロールシステムとは、デマンドの目標値を設定して電気機器を管理することで、最大デマンドの上昇を抑制し、契約電力の低減を図るシステムです。
具体的には、受電設備のデマンド(最大需要電力=消費電力)の発生を監視、制御します。事前に設定したデマンド値を元に、需要デマンドが目標値を超えると予測される際、アラームや警報等で通知して電気機器の制御を行います。
制御方法は大きく分けると 「自動制御」 と 「手動制御」 の2パターンがあり、電気機器の制御を行うことで最大デマンドの抑制を図り、契約電力を抑えることで電力コスト削減を目指します。
デマンドとは
そもそも 「デマンド」 とは、電気機器の使用により、刻々と変化する需要電力を計量器が計量し、30分単位※で平均値(平均電力)を算出したものです。そのうち月間で最も大きい値がその月の最大需要電力となります。各月の契約電力は、過去1年間(その月と前11ヶ月)の 「デマンド値」 のうち、最も大きい値を用いて計算されます。
例えば、同月内で150kWの時間帯と300kWの時間帯が別々に存在する場合、電気料金を計算する際に用いられるデマンド値は300kWです。
デマンドの予測にはその基となる計量信号(パルス)が必要で、デマンド監視装置を設置して計量信号の監視を行う必要があります。
※30分間とは、毎時ごとの0分~30分、30分~60分の30分間です。
デマンド監視装置とデマンドコントロールシステムの違い
デマンド監視装置とデマンドコントロールシステムの名称は似ていますが、仕組みは全く異なるシステムです。
デマンド監視装置は、使用電力を監視して管理者に通知を行う警報システムのイメージです。デマンド監視装置はあくまで管理者へ通知を行う機能のみで、デマンド値を自動的に制御する機能は持ち合わせていません。
一方、デマンドコントロールシステムは、使用電力の監視に加え、あらかじめ設定した目標値に対して電気機器の制御を自動的に行うシステムです。
デマンドコントロールシステムを導入すれば、自動制御によるデマンド値の抑制が可能で、一部ではクラウド上で電気料金の削減効果を確認できるサービスも登場しています。
デマンドコントロールシステムの種類
デマンドコントロールシステムは、大きく2種類に分けられます。
デマンドコントロールシステムの種類
- ●手動制御タイプ(警報タイプ)
- ●自動制御タイプ
手動制御タイプ(警報タイプ)
手動制御タイプ(警報タイプ)は、一般的には 「デマンド監視装置」 と呼ばれるタイプです。あらかじめ設定した目標値を超えそうな場合、警報で管理者へ通知を行います。
あくまで通知を行うのみで、電気機器の制御は管理者自らが手動で行う必要があります。
自動制御タイプ
自動制御タイプは、一般的に 「デマンドコントロールシステム」 と呼ばれるタイプです。自動的に電気機器を制御するシステムで、事前に制御する電気機器の優先順位を設け、あらかじめ設定した目標値を超えないように監視と制御を自動で行います。
優先順位に従って制御を行い、目標値を超えそうな場合には警報等で管理者へ通知したうえで、自動的に電気機器が制御される仕組みです。
デマンドコントロールシステムのメリット
電気機器の監視と自動制御を行うデマンドコントロールシステムを導入すると、以下のようなメリットがあります。
デマンドコントロールシステムのメリット
- ●電気料金の削減効果が期待できる
- ●自動制御タイプは手間がかからず人的コストの削減につながる
- ●人為的なミスが発生しにくい
電気料金の削減効果が期待できる
電気料金の内訳は、「基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金±燃料調整費等」 の4つの構成要素で成り立っており、電力会社は最大デマンド値を用いて電気料金を計算しています。
デマンドコントロールシステムを導入すると、電気機器の自動制御で最大デマンド値を抑制できるようになり、結果として電気料金の削減効果が期待できます。
自動制御タイプは手間がかからず人的コストの削減につながる
手動制御タイプ(デマンド監視装置)は、あくまで管理者へ通知を行うシステム のため、人的コストが発生します。通知に気付かず対応が遅れると、デマンド値を超えてしまうこともあるため、電気料金の低減に貢献しない場合もあります。
一方、デマンドコントロールシステム(自動制御タイプ)は、電気機器に後付けしたシステムが平均電力使用量を監視し、自動的に制御を行ってくれます。
手間がかからず、安定的に電力料金と人的コストの削減につながる点がデマンドコントロールシステムの大きなメリットです。
人為的なミスが発生しにくい
デマンドコントロールシステムは、事前の設定デマンド値を超えそうな場合、電気機器の自動制御で平均電力使用量の抑制を行います。
手動で調整を行う必要がないため、前述したような人為的なミスが発生しにくいことも大きな特徴です。
デマンドコントロールシステムの課題
デマンドコントロールシステムには、導入することで電気料金の削減効果が見込める一方で、以下の課題もあります。
デマンドコントロールシステムの課題
- ●システム導入にかかるコストが大きい
- ●自動制御で室内の快適性が損なわれるおそれがある
- ●操作性や専門性等の面で継続的な運用が難しい
デマンドコントロールシステムを導入する際には初期コストが発生するため、想定より費用対効果が悪い結果となるケースがあります。
また、自動制御で電気料金の節約は期待できますが、利用するシステムによっては、工場内の空調を切ってしまうことで労働環境の悪化につながる等、室内の快適性が損なわれる懸念もあります。
デマンドコントロールシステムの導入後は、継続的な運用が大切です。部署異動等で担当者が代わった場合でも、操作性や専門性等の面で継続的な運用が可能かどうか確認しておくことも大切です。
関西電力の 「おまかSave-Air®」 ならデマンドコントロールシステムの課題を解決できる
業種・業態によって異なりますが、建物や店舗のエネルギー消費割合は 「空調」 が40〜50%と大半を占めています※1。
そのため、空調の節電や省エネは経費削減を目指すうえでも重要です。方法のひとつとしてデマンドコントロールシステムの導入が挙げられますが、システム導入時のコストや継続的な運用の難しさ等、いくつかの懸念点も存在します。
そこでおすすめのサービスが、関西電力の 「おまかSave-Air®」 です。
関西電力の 「おまかSave-Air®」 には以下の特徴があり、室内の快適性を維持しながら室外機の自動制御による省エネを実現できます。
おまかSave-Air®の特徴
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- ●電力使用量と最大電力を抑制することで光熱費10〜20%削減※2
- ●工事にかかる期間は2〜3日程度、既存の室外機に後付けするのみで改修工事も不要※3
- ●ダイキン工業・日立・三菱等の国内主要空調メーカーに対応しており※4、メーカー保証も継続
- ●最短数ヶ月〜半年前後で調査・提案・導入とスピーディな対応が可能※5
関西電力の 「おまかSave-Air®」 は、省エネと快適性を両立する 「省エネ制御モード」 、デマンド抑制で省エネ効率を高める 「デマンド制御モード」 の2種類が自動で切り替わり、快適性と省エネの両立を実現します。
パソコン画面で一括管理できることから操作性にも優れており、クラウド上で管理されるデータによって省エネ効果の可視化も簡単です。
「おまかSave-Air®」 の導入による概算の電気料金削減額は、関西電力公式サイトの10秒シミュレーションから手軽に試算いただけます。
初期費用の安さや工事の簡単さ、電気料金の削減効果等、大きなメリットがあるサービスなので、空調の節電や省エネに取り組みたい企業の方は、ぜひご検討ください。
- 経済産業省 資源エネルギー庁 「夏季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)」
- 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
- 設置状況等により一部室内工事が発生する可能性があります。
- 一部対象外の機器があります。
- 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年毎の自動更新となります。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。
デマンドコントロールシステムは自動制御で契約電力を減少させるシステム
デマンドコントロールシステムとは、受電設備に電気機器を後付けし、電力使用量の監視と制御を行うことでデマンド値を抑制するためのシステムです。
電力会社が電気料金を計算する際は 「デマンド値」 が用いられ、デマンドコントロールシステムを導入するとデマンド値を抑制することで、電気料金の節約につながります。
一方、デマンドコントロールシステムには導入時の費用や継続的な運用の難しさ、自動制御で室温の快適性が損なわれる可能性がある等の懸念点もあります。
関西電力の 「おまかSave-Air®」 では、初期費用ゼロ、安価な月額料金でこうした懸念点が解消できます。
パソコンはもちろん、スマートフォンからも運用状況の確認が可能で、省エネ効果がひと目でわかることから操作性にも優れています。
空調の節電や省エネの実現に取り組みたい企業の方は、この機会に関西電力の 「おまかSave-Air®」 をぜひご検討ください。
監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)
愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。 「リサイクル技術開発本多賞」 「化学工学会技術賞」 他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他
サービス概要資料
おまかSave-Air®
自家消費型太陽光発電で電気料金とCO₂を削減。「太陽光発電オンサイトサービス」 の概要をご紹介します。
資料の一部をご紹介
- 太陽光発電オンサイトサービスとは
- サービスの特徴
- ご提案事例
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