エアコンの正式名称とは?室内を快適に保つ仕組みと選び方を解説

2024.10.1

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エアコンの正式名称とは?室内を快適に保つ仕組みと選び方を解説

エアコンは日々の暮らしを快適に過ごすために欠かせない大事な存在です。特に夏場や冬場は大活躍する家電製品のひとつですが、意外とエアコンの正式名称を知っている方は少ないのではないでしょうか。

この記事ではエアコンの正式名称や歴史、エアコンの種類や仕組み、選び方等、エアコンの豆知識を解説します。

エアコンとは?

エアコンの正式名称は「エアコンディショナー(Air Conditioner)」です。

エアコンディショナーの頭文字を取って作られた和製英語で、空気の温度や湿度を調整する装置をさします。

ただし、経済産業省資源エネルギー庁では、エアコンの対象範囲で以下を除くとしています。

エアコンの対象範囲外に該当するもの

  • 1.冷房能力が50.4kWを超えるもの
  • 2.水冷式のもの
  • 3.圧縮用電動機を有しない構造のもの
  • 4.電気以外のエネルギーを暖房の熱源とする構造のもの
  • 5.機械器具の性能維持若しくは飲食物の衛生管理のための空気調和を目的とする温度制御機能または除じん性能を有する構造のもの
  • 6.専ら室外の空気を冷却して室内に送風する構造のもの
  • 7.スポットエアコンディショナー
  • 8.車両その他輸送機関用に設計されたもの
  • 9.室内側熱交換器の給排気口にダクトを有する構造のもの
  • 10.冷房のための熱を蓄える専用の蓄熱槽(暖房用を兼ねるものを含む)を有する構造のもの
  • 11.高気密・高断熱住宅用に設計されたもので、複数の居室に分岐ダクトで送風し、かつ、換気装置と連動した制御を行う構造のもの
  • 12.専用の太陽電池モジュールで発生した電力によって圧縮機、送風機その他主要構成機器を駆動する構造のもの
  • 13.床暖房または給湯の機能を有するもの
  • 14.分離熱源型であって1の室外機に2以上の室内機を接続して用いる構造のもののうち冷房によって吸収された熱を暖房の熱源として用いるもの
  • 15.冷房の用のみに供するもの
  • 16.窓に設置される構造のもの
  • 17.壁を貫通して設置される構造のもの
  • 18.冷房能力が28kWを超えるもののうち、分離型であって1の室外機に2以上の室内機を接続して用いる構造のもの(各室内機を個別に制御するものに限る)以外のもの

エアコンと似た言葉に「クーラー」がありますが、クーラーは冷やすことを目的とした装置で、暖房機能が付いていない点がエアコンとの違いです。

エアコンと空調設備・換気設備の違い

建築物衛生法によると、空気を浄化し、温度や湿度、流量を調整する機能を「空調設備(空気調和設備)」と定義しています。

一方、建築物衛生法によれば、窓等の換気に有効な開口部、自然換気設備、機械換気設備、中央管理方式の空気調和設備の4種類は「換気設備」と定義され、空調設備とは別物と扱われています。

厳密に言えば、エアコンには建築物衛生法の空調設備に定義される「浄化(換気に該当する機能)」が含まれていないため、エアコン単体では法的には空調設備とは言えません。

換気設備との併用により、空調設備の定義に含まれる「浄化・温度・湿度・流量」の調整が可能です。空調設備については以下の記事で詳しく紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

エアコンの空調方式と種類

エアコンの空調方式と種類

一言で「エアコン」といっても、実は空調方式の種類や機器によって細かな分類があります。

エアコンの空調方式と種類

項目 種類 特徴
空調方式 中央空調方式
(中央管理方式、中央熱源方式)
  • ●中央管理室の空調機に取り込んだ外気を各室に送風する方式
  • ●冷暖房と換気が同時稼働可能
  • ●代表例は「単一ダクト方式」
個別空調方式
(個別管理方式、個別熱源方式)
  • ●中央熱源を持たず熱源と空調機が一体化、または室内機と室外機を冷媒配管で接続し、それぞれで温度管理や換気を行う方式
熱交換器 全空気方式
  • ●主な媒体は毒性や可燃性のない空気
  • ●環境調和の観点から理想的なシステム
全水方式
  • ●主な媒体は水
  • ●吸収型ヒートポンプ
空気・水併用方式
  • ●主な媒体は空気と水の併用
  • ●媒体を自動で切り替え
冷媒方式
  • ●主な媒体はフロンガス
  • ●圧縮型ヒートポンプ
  • ●一般的なエアコンに採用される方式

一般的なエアコンには冷媒方式が採用されており、冷媒にフロンガスを用いたヒートポンプ技術で空気の冷却や加熱が行われています。

家庭用エアコンの種類

家庭用エアコンには、一般的な壁掛けタイプの他、窓用タイプや床置きタイプ、天井埋め込みタイプ等、様々な種類が登場しています。以下の一覧表にそれぞれの特徴をまとめました。

家庭用エアコンの種類と特徴

種類 特徴
壁掛けタイプ
  • ●壁にかけて使用する一般的なエアコン
  • ●室外機がセットで、壁の配管穴を通じてそれぞれを接続する
窓用タイプ
  • ●窓に設置する低価格帯のエアコン
  • ●室外機が不要で、自分で設置することも可能
床置きタイプ
  • ●室内機を床に設置するタイプで比較的コンパクト
  • ●人がいる場所に効率良く空気を送ることが可能
天井埋め込みタイプ
  • ●オフィスや商業ビルに設置されるケースが多いタイプ
  • ●見た目がスッキリする点がメリット

近年では持ち運びが可能なキャスターや取っ手付きのポータブルクーラータイプも登場しています。

業務用エアコンの種類

業務用エアコンは、大きく「天井埋め込み型」と「露出型」の2種類に分けられます。以下の一覧表に業務用エアコンの種類と特徴をまとめました。

業務用エアコンの種類と特徴

種類 タイプ 特徴
天井埋め込み型 カセット形
  • ●床や壁面に埋め込むタイプの業務用エアコン
  • ●外観を損なわずインテリアとの調和が可能
ダクト形
  • ●ダクトを設置するタイプの業務用エアコン
  • ●可能な限りエアコン本体を隠したい場合や空間の形状にあわせて設置したい場合に採用される
露出型 天井吊形
  • ●天井や壁面に穴を開けられない場合に採用される
  • ●部屋の隅から空間全体の空気調整が可能
床置き形
  • ●床置き形で設置が手軽なことが特徴
  • ●空間の構造的に空調が難しい場所でもピンポイントに空調調整を行う
壁掛け形
  • ●家庭用エアコンと同様の壁掛け形
  • ●天井や壁面のスペースが限られている場合に有効

エアコンの仕組み

エアコンによる空気の冷却や加熱には、冷媒(家庭用エアコンではフロン)と呼ばれる「空気内の熱を運ぶ働きがある物質」が活用されています。具体的には、室内機と室外機を2本の配管で接続し、配管内をガス状の冷媒が循環する形でエアコンが稼働します。

冷房を効かせる場合は、室内機の熱交換器で部屋内の熱を集めて冷媒に乗せ、室外機で加圧して冷媒の温度を上昇、ファンで熱を放出します。放出後、減圧されて温度が低下した冷媒を再び室内機に送り、熱交換器を通して冷たい風を吹き出す仕組みです。

暖房の場合は上記と真逆で、室外機からの熱交換器で外の空気の熱を集め、冷媒に乗せて圧力をかけ、その際に発生するエネルギーの変換により温度が上昇した冷媒を室内機に送り、熱交換器を通して暖かい風を吹き出します。

エアコンを稼働して空調を行うには「冷媒」の存在が必要不可欠です。

業務用エアコンを選ぶ時のポイント

エアコンを選ぶ際は「使用場所の広さと馬力」「省エネ性能・付加機能」等の確認が大切です。

また、エアコンの購入前は設置場所を確保したうえで、室内機と室外機の寸法も確認しておきましょう。

前述のとおり、業務用エアコンには「天井埋め込み型(カセット形・ダクト形)」と「露出型(天井吊形・床置き形・壁掛け形)」等の種類があります。

店舗の場合は外観を損なわないために天井埋め込み型を導入する、設置期間を重視して取り付けが簡単な壁掛け形を選ぶ等、設置場所の用途にあわせてエアコンを選ぶのがおすすめです。

エアコンの購入後は、効率性や省エネ性能に大きくかかわるため、定期的なメンテナンスの実施も心がけましょう。

使用場所の広さと馬力を確認する

エアコンを選ぶ際は、エアコンの使用環境を踏まえて適した馬力の商品を選んでください。家庭用エアコンは当然ながら、業務用エアコンはオフィスや店舗の広さによって馬力が何より重要です。業務用エアコンの馬力は空調能力の強さを示す単位であり、1馬力は2.8kW換算です。

日当たりが強い部屋やガラス窓が大きい場所、天井が高い場所等に設置する際は、より冷暖房能力の強いエアコンを設置する必要があります。

適切な冷暖房能力を持ったエアコンを選ぶことが大切で、畳数表記や建物の建造方式(木造、鉄筋等)を事前に確認しましょう。

エアコンの省エネ性能や付加機能を確認する

エアコンの購入時は、省エネ性能が高く消費電力量の少ないエアコンを選ぶのがおすすめです。

通年エネルギー消費効率(APF)は高いほうが省エネ性能に優れているので、エアコンを選ぶ際のひとつの指標としましょう。APFとは、エアコンを1年間にわたり一定の条件下で使用した際、必要な冷暖房能力を1年間の消費電力量割った数値のことです。

また、自動清掃機能や空気清浄機能の有無、換気機能や加湿・除湿機能の有無等もあわせてご確認ください。

業務用エアコンの導入前・導入後の注意点

エアコンの導入前後には、設置場所やメンテナンス等、いくつかの注意点があります。業務用エアコン導入を検討中の方はぜひ参考にしてください。

  • ●購入前に設置場所を確保し室内機と室外機の寸法を確認する
  • ●定期的にメンテナンスを行う

購入前に設置場所を確保し室内機と室外機の寸法を確認する

一般的に、エアコンの導入には室内機と室外機の設置が必要です。

室内機は壁から20〜30mmのスペースが必要で、室外機はベランダ等の平らな場所で、室外機側面は壁から10cm程度、背面は5cm以上のスペースが必要となります。

また、エアコンを設置する際は配管穴やコンセントの位置もあわせて確認しておきましょう。

定期的にメンテナンスを行う

エアコンの導入後は適切なメンテナンスを行わないと、居室内の空気が汚染されたままとなり、健康に害を与える危険性があります。

省エネ性能の低下やエアコンの故障による修理費等、余計なコストが発生してしまうため、定期的なメンテナンスを行うことを心がけましょう

業務用エアコンには、「代替フロン」 を大気に放出しないために、法令点検の義務があります。自分で掃除することもできますが、解体等を伴う場合はメーカーや業者へ依頼しましょう。

業務用エアコンを自分で掃除する方法や点検の必要性は、以下の記事で詳しく紹介しています。

業務用エアコンの省エネ対策を実施するなら関西電力の「おまかSave-Air®」がおすすめ

業務用エアコンの省エネ対策を実施するなら関西電力の「おまかSave-Air®」がおすすめ

業務用エアコンを使ううえで気になるのが「電気料金」です。業種や業態によって異なりますが、建物の電力使用量の割合は「空調設備」が約48%と大半を占めています※1

空調設備を使用すると電気料金がかさんでしまいますが、必要な時間帯に適切な設定で使用すれば電気料金を抑えながら快適な室内環境の実現が可能です。

通常は人の手で空調温度の設定変更などを行う必要がありますが、手間がかかるうえ、ヒューマンエラーの発生等の課題もあります。そこでおすすめなのが、空調設備の自動制御により室内環境の快適性と省エネの両方を実現できる関西電力の「おまかSave-Air®」です。

関西電力の 「おまかSave-Air®」 の特徴

  • ●初期費用ゼロ・安価な月額料金でサービスの導入が可能
  • ●電力使用量と最大電力を抑えることで電気料金10〜20%削減※2
  • ●工事にかかる期間は2〜3日程度、既存の室外機に後付けするのみで改修工事も不要※3
  • ●ダイキン工業・日立・三菱等の国内主要空調メーカーに対応しており※4、メーカー保証も継続
  • ●最短数ヶ月〜半年前後で調査・提案・導入とスピーディな対応が可能※5

関西電力の「おまかSave-Air®」の導入による概算の電気料金削減額が気になる方は、関西電力公式サイトにて10秒シミュレーションが可能です。気になる方はぜひ以下より詳細をご確認ください。

  • 出典:経済産業省資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー」
  • 一定条件に基づく効果であり、削減を保証するものではありません。
  • 設置状況等により一部室内工事が発生する可能性があります。
  • 一部対象外の機器があります。
  • 初回契約は原則6年、初回契約終了後は1年毎の自動更新となります。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。

エアコンは「エアコンディショナー」の頭文字を取った和製英語

エアコンは「エアコンディショナー(Air Conditioner)」の頭文字を取った和製英語です。建築物衛生法の定義によれば、空気の調整を目的とした「空調設備」に分類される装置で、冷房や暖房、除湿機能が付いています。

夏場や冬場に活躍する製品ですが、エアコンのメンテナンスを怠ると、快適性が損なわれるだけでなく電気料金が高くなってしまうため、適切なメンテナンスを心がけましょう。

なお、業務用エアコンを導入する際は、部屋の広さや設置場所、省エネ性能や付加機能等を確認したうえで、種類を比較検討することが大切です。あわせて空調整備システムを導入すれば、さらなる省エネや節電効果が期待できます。

大岩 俊之(おおいわ としゆき)

監修者 大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。

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