業務用エアコンで換気はできる?|効率的な換気方法と仕組みを解説

2026.9.4

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開業や移転のタイミングでは、業務用エアコンの導入とあわせて、室内の「換気」をどう行うかも大切なポイントになります。衛生面への配慮から換気への関心が高まる今だからこそ、エアコンと換気の仕組みの違いを正しく理解しておきましょう。

この記事では、適切な空気環境を維持するために知っておきたい換気の法的基準や業務用エアコンの仕組み、窓開け換気が抱える課題について分かりやすく解説します。

さらに、空調効率の低下を抑えながら換気できる「全熱交換器」の活用方法や、 既存の業務用エアコンを自動制御することで電気料金を約10〜20%削減できる関西電力の「おまかSave-Air®」 についても紹介します。

※ 一定条件に基づく効果であり、削減割合を保証するものではありません。

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そもそも換気とは?基本知識を解説

適切な空気環境を維持するために、換気は欠かせない要素です。ここでは、換気を行う目的と、法律で定められている具体的な基準について解説します。

換気の目的

室内の快適な空気環境を保つために、換気は欠かせません。二酸化炭素やホルムアルデヒド、ハウスダストといった汚染物質を屋外へ排出し、室内の空気濃度を適切に薄める(希釈する)役割を持っています。

特にオフィスや店舗等の人が集まる空間では、CO₂濃度が上昇しやすく、集中力の低下や不快感、体調不良を引き起こす原因にもなります。また、感染症対策の観点からも換気は極めて重要です。空気中に漂う飛沫やエアロゾルの滞留を防ぐことで、利用者やスタッフが安心して過ごせる環境づくりへとつながります。

換気の法的基準

建築基準法では、居室や火気使用室等について、換気に関する基準が定められています。機械換気設備を設ける場合は、 1人あたり20㎥/h ※1を目安に必要換気量を算出する考え方が用いられます。

一方、感染症対策や室内空気質の向上を重視する場合は、厚生労働省等の資料で示される、 1人あたり30㎥/hの換気量を確保し、CO₂濃度を1,000ppm以下 に維持する考え方※2も参考になります。
実際の換気計画では、この基準値をベースに、空間の広さや用途に合わせて必要な換気量を算出します。代表的な計算式は以下のとおりです。

【計算式】
必要換気量(㎥/h)=20(㎥/h・人)×部屋の床面積(㎡)÷1人あたりの占有面積(㎡)

この計算に用いる「1人あたりの占有面積」は、以下のように建物の用途に応じた代表的な値を参考にします。

■業務用施設における1人あたりの占有面積の例

建物区分 1人あたり占有面積 備考
事務所 5㎡ 事務室の床面積
レストラン・飲食店・喫茶店 3㎡ 営業の用途に供する部分の床面積
店舗・マーケット 3㎡ 営業の用途に供する部分の床面積

例えば、床面積が100㎡の事務所の場合、
20(㎥/h・人)×100(㎡)÷5(㎡)=400(㎥/h)の換気が必要という計算になります。

換気が不十分な状態では、CO₂濃度の上昇や汚染物質の滞留により、室内環境が悪化するおそれがあります。また、対象となる建築物や室内において、 法令上求められる換気設備の基準を満たしていない場合、是正指導や罰則の対象 となる場合もあります。
換気設備の導入・更新を行う際は、建物の用途や規模に応じて、専門業者に確認しながら進めることが重要です。

※1  参照:e-Gov法令検索「建築基準法」
※2  参照:厚生労働省「感染拡大防止のための効果的な換気について」

業務用エアコンで室内の換気はできる?

業務用エアコンが稼働していると、室内の空気も入れ替わっているように感じるかもしれません。しかし、一部の換気機能付き機種等を除き、 一般的な業務用エアコンの多くは、単体で外気を取り入れたり、室内の空気を排出したりする仕組みを備えていません

そのため、室内の空気を入れ替えるには、 窓を開ける「自然換気」や、エアコンとは別の「機械換気設備」が必要 です。なぜエアコンだけでは換気できないのか、空調と換気の役割の違いについて解説します。

空調と換気の役割の違い

空調と換気は混同されやすいものですが、それぞれ役割が異なります。
空調は、室内の温度や湿度、気流を調整し、快適な空間をつくるための設備です。一方、換気は、二酸化炭素等を含む室内の空気を屋外へ排出し、外気を取り入れて空気を入れ替えることを目的としています。

一般的な業務用エアコンは、室内の空気を吸い込み、熱交換器で冷やしたり温めたりしたあと、再び室内へ戻す仕組みです。この仕組みでは、 室内の空気は循環しますが、外気の取り入れや室内空気の排出は行われません
そのため、業務用エアコンを運転しているだけでは、十分な換気にはつながりません。室内の空気環境を保つには、空調とは別に、自然換気や機械換気によって空気を入れ替える必要があります。

自然換気とは?

自然換気とは、 機械設備に頼らず、自然の力を利用して室内の換気を行う方法 です。具体的には、外の風圧を利用して空気の流れを生み出す「風力換気」や、室内外の温度差によって温かい空気が上昇する性質を活かした「重力換気」等があります。
特別な機械を設置する必要がないため、 比較的手軽に実施できる点や、電気料金がかからない点がメリット です。

自然換気の課題

窓を開けて行う自然換気は、コストがかからず手軽な一方で、いくつかの課題もあります。

まず、換気量がその時の風の強さや室内外の温度差に左右されるため、 天候によっては十分な換気が行われない 場合があります。また、窓を開放することで外気が直接室内に流れ込むため、冷暖房の効率が大きく低下し、空調への負荷が増してしまう点も無視できません。さらに、窓を開けることで虫や花粉、騒音等が入り込みやすくなり、衛生面や快適性を保ちにくい点も課題です。

こうした自然換気の弱点を補い、天候に左右されにくい換気と省エネを両立しやすい手段として、「全熱交換器」が活用されています。

全熱交換器とは?

全熱交換器は、ファン等の機械を用いて計画的に換気を行うシステムの一種です。 自然換気とは異なり、季節や天候の影響を受けにくく、一年を通して安定した換気を行いやすい のが特徴です。
さらに、単に空気を入れ替えるだけでなく、排出する室内空気の熱や湿度を回収し、新しく取り込む外気に移す仕組みを持っています。これにより、 外気を室内の温度・湿度に近づけてから供給できるため、換気による空調負荷を抑えやすくなります

ここからは、全熱交換器を導入することで得られる具体的なメリットについて詳しくみていきましょう。

空調効率を維持できる

全熱交換器は、外気を取り入れる際に排気との間で熱や湿度を交換することで、換気による空調効率の低下を抑えやすい点がメリットです。

※出典:環境省 ZEB PORTAL[ゼブ・ポータル]「ZEBを実現するための技術」

例えば、冷暖房が効いた部屋で窓を開けて換気を行うと、外気が直接入り込むため室温が大きく変化し、空調設備は室温を元に戻すために余分なエネルギーを消費します。

しかし、全熱交換器を使用すれば、上図のように取り入れる外気の温度や湿度を室内の空気に近づけてから供給できるため、室温の変化を抑えながら換気が可能です。
この仕組みによって、 空調設備が室温を戻すための負荷が軽減され、快適な室内環境を維持しやすくなります

省エネ効果が得られる

全熱交換器を導入することで、空調負荷が低減され、省エネ効果が得られます。通常の換気では、適温に調整された室内の空気がそのまま屋外へ逃げてしまうため、設定温度を維持するためにエアコンは多くの電力を消費します。

一方、全熱交換器は給気と排気の過程で熱を再利用する仕組みです。環境省の資料では、全熱交換器の使用により、 夏季で最大20%、冬季で最大30%の空調消費電力を削減 できたとの報告が紹介されています。

また、全熱交換器を空調設備と適切に組み合わせることで、換気による空調負荷の低減につながります。ただし、実際の削減効果は、機器構成や建物条件、運用方法によって変わるため、導入前には、建物の利用状況に応じた個別の試算を行うことが重要です。

※参照:環境省「全熱交換器の導入」

室内環境の向上につながる

全熱交換器は、単に空気を入れ替えるだけでなく、室内の空気環境を保ちやすくする役割もあります。

例えば、人が多く集まる会議室等はCO₂濃度が上昇して空気が滞留しやすくなりますが、センサーと連動して換気量を自動で調整する機能を活用すれば、室内の空気を適切な状態に維持しやすくなります。

また、屋外からの汚染物質の侵入を抑える対策としても役立ちます。製品によっては、花粉や微小粒子の侵入を抑える高性能フィルターや、抗菌・除菌機能を備えたユニットと組み合わせることができる場合もあります。ただし、対応できる物質や効果の範囲は製品によって異なるため、導入時には仕様や試験条件を確認することが大切です。
このように、安定した換気と空気清浄機能を組み合わせることで、オフィスや店舗の快適な空間づくりにつながります。

全熱交換器のおすすめの設置場所

※本画像はAIで生成したイメージです

全熱交換器は、オフィスや店舗、医療施設等、安定した換気と快適性の両立が求められる場所で活用されています。ここでは、全熱交換器の設置に適した場所を具体的に紹介します。

オフィス

オフィスでは、執務スペースや会議室等に人が集まるため、安定した換気が求められます。一方で、窓開け換気では、室外の騒音や花粉、暑さ・寒さの影響を受けやすく、快適な作業環境を保ちにくい場合があります。

全熱交換器を用いた機械換気であれば、窓を開けずに空気を入れ替えられるため、外部環境の影響を抑えながら換気しやすくなります。また、給気と排気を機械でコントロールできるため、天候に左右されにくく、安定した風量で換気を行いやすい点もメリットです。

快適性を保ちながら計画的に換気できる環境は、働く人が日々の業務に集中しやすい空間づくりにつながります。

飲食店・店舗

不特定多数の人が出入りする飲食店や店舗では、室内の温度を一定に保つことが利用者の居心地の良さにつながります。全熱交換器を取り入れると、エアコンで調整された室温を大きく変動させることなく空気を入れ替えられるため、お客さまが心地よく過ごせる空間を維持しやすくなります。

さらに、計画的に換気を行うことで、空気中の飛沫やエアロゾルが室内に滞留しにくい環境づくりにも役立ちます。全熱交換器を活用した換気対策を店内で分かりやすく伝えることで、衛生面に配慮している店舗として、お客さまに安心感を持ってもらいやすくなるでしょう。

医療施設

病院やクリニック等の医療施設では、患者やスタッフが安心して過ごせるよう、衛生的で快適な空気環境を保つことが重要です。感染症対策や医療機器の管理といった観点からも、適切な換気と空調管理が求められます。

一方で、医療施設では診療時間外も含めて空調や換気を継続的に運用するケースが多く、設備にかかるエネルギー負荷が大きくなりやすい点も課題です。

全熱交換器を活用すれば、排出する空気から熱を回収しながら換気できるため、衛生的な空気環境を保ちつつ、空調負荷の低減にもつながります。継続的な稼働が求められる医療施設において、省エネと快適性の両立を目指しやすい設備といえるでしょう。

室内環境の快適性・省エネ・利便性を両立するなら関西電力の「おまかSave-Air®」がおすすめ

全熱交換器は、換気による空調負荷を抑え、省エネと快適性の両立を目指すことができる設備として注目されています。

ただし、 換気設備を見直すだけでは、空調設備全体としての電力使用量削減につながらない場合がある 点にも注意が必要です。空調の運転方法や制御の状況によっては、期待した省エネ効果を十分に得られないケースもあります。

全熱交換器による換気負荷の低減に加えて、空調設備側の省エネにも取り組みたい場合には、 既存の業務用エアコンの運転を自動制御する関西電力の「おまかSave-Air®」 がおすすめです。

一般財団法人省エネルギーセンター主催の「2025年度省エネ大賞」の製品・ビジネスモデル部門において、「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しています。

「おまかSave-Air®」は、現在お使いの空調室外機に制御用コンピューターを取り付け、利用状況等に応じて室外機を自動制御することで、 室内の快適性を維持しながら空調エネルギーの削減を図るサービス です。主なメリットは以下のとおりです。

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  • 初回契約は原則6年、契約終了後は1年毎の自動更新となります。また、お客さまのご都合で解約いただく場合には、解約金をいただきます。
  • 一定条件に基づく効果であり、削減割合を保証するものではありません。
  • 設置状況等により一部室内工事が発生する可能性があります。
  • メーカーや機種によっては一部対象外の機器があります。

業務用エアコンの換気対策と空調全体の省エネを見直そう

大半の業務用エアコンには単体で換気を行う機能が備わっていないため、オフィスや飲食店、医療施設等、十分な換気が求められる空間では、適切な換気設備を組み合わせる対策が不可欠です。なかでも全熱交換器は、換気による空調負荷を抑えながら快適な室内環境を維持できるため、こうした環境で効果を発揮します。

一方で、快適性を保ちながらコスト削減を目指すには、換気対策にとどまらず、空調全体の省エネを見直すことも大切です。全熱交換器の導入にあわせて、既存の業務用エアコンの運転を自動制御し、省エネをサポートするシステムを取り入れることで、より効率的な省エネ対策につながります。

空調にかかる電気料金をどの程度削減できるか、まずは以下よりシミュレーションで確認してみませんか?

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監修者
関西電力株式会社 法人向けソリューションサイト 編集チーム
法人向けソリューション紹介サイトの企画・編集を担当。脱炭素やエネルギー分野をはじめ、企業の課題解決に資する情報を分かりやすく発信している。

サービス概要資料

おまかSave-Air®

エネルギーコスト削減、脱炭素に向けた取り組みのために、まず始めるべきは「空調の省エネ」です。現在お使いの空調機に制御用コンピューターを取り付けるだけで、省エネと快適性の両立ができる全く新しいサービスです。

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