projectプロジェクト概要

件名福岡県 バイオマス発電所建設プロジェクト (N社)

提供業務フェーズ

  • 基本計画
  • 工事発注
  • 計画設計
  • 工事管理
  • 管理運営
サービス
(新築) コンストラクション・マネジメント サービス
工事発注段階
仕様書作成支援、見積内容精査、工事費査定・コスト削減支援 他
計画設計段階
請負者間調整、設計内容の仕様書適合確認および技術確認、許認可申請対応の支援・全体管理、コスト削減支援 他
工事管理段階
請負者間調整、工事工程・品質・コストの確認、工事監理状況の確認、定期的な現地確認 他

建物概要

発注者
日本海水TTS苅田パワー株式会社
所在地
福岡県苅田町
建物用途
タービン建屋、燃料倉庫、補機棟他
延床面積
約14,000㎡
構造
鉄骨造
階数
地上3階他
その他工事
機械設備基礎工事、付帯工事

業務概要

【見積書の詳細確認】  ゼネコン各社から出てくる見積り内容の詳細確認を実施

ゼネコン各社の見積りについて、要求事項に対しての抜け漏れ防止のために区分表を整備し、技術面を中心とした質疑のやり取りを各社と行うことで、見積り内容の精査を行いました。

【コスト削減提案】  過去の経験を踏まえた具体的なコスト低減策を提案

提案したコスト低減策をゼネコンの見積りに反映させました。その結果、当初の見積額より5% の工事金額低減を図ることができました。

【基本工程の作成】  最適と想定される全体工程を検討と基本工程の合意形成

工程についてご相談を受けましたので、現在の状況や運開時期を確認、また発電所建設という特性を踏まえつつ、先行案件や過去実績工程に基づき最適と想定される全体工程を検討しました。それを基に、ゼネコンからプラントメーカへの引渡し工程やプラント試運転を踏まえた対応など詳細をプラントメーカ、ゼネコンと協議し、運開期限内に収まる基本工程について合意をとりつけました。

お客さまの声

◆これまでの建設経験の苦労から、発電所建設のプロにお願いしたい!
 今回、建設するバイオマス発電所は、CO₂排出量削減による脱炭素社会の形成と 「地産地消型の電力事業」 として地域活性化に貢献していくための一大プロジェクトでした。
 これまでもバイオマス発電所は建設してきましたが、関係者が多数いるプロジェクトのために事業者間の設計・工事調整に苦労し、適切にプロジェクト全体のコスト管理をしながら我々の要望を実現させていくことに不安を感じていました。
 プロジェクトの進め方に悩んでいたところ、関西電力がコンストラクションマネジメント(CM)サービスを提供していることを知り、ご相談しました。
 関西電力は発電所建設の経験が豊富で、現在のプロジェクトの課題に対しても的確にアドバイスをしていただいたことから、発電所建設のプロにCM業務の発注を決めました。弊社としても初めての試みでした。 
◆CMが入ることで、安心して事業推進に注力できた!
 関西電力にCMのお願いをしたタイミングが、まさに設計・工事会社を選定するために、ゼネコン各社に見積りの依頼を行っていたところで、見積り内容のチェックから始めていただきました。“発電所建設のプロ”に見積りの妥当性を確認していただき、納得してゼネコンの選定が行えました。
 設計業務以降は、関電CMでプロジェクト全体のマネジメントをしていただきました。関電CMは、当社や、ゼネコン、プラント事業者など複数の事業者間で密にコミュニケーションを取って、風通しの良い“Oneチーム”の形成に尽力していただき、設計や工程の調整を進めてくれました。
 また、ゼネコンの工事計画や品質管理について、 厳しくチェックもしていただきました。関電CMからの的確なコメントは、とても頼もしく、安心して見ていられました。
 マネジメントだけではなく、関電CMからも多数の提案をしていただきました。特に、コスト管理においては、当社側の要望をくみ取っていただいたうえで、効果的なVE提案をしていただきました。その結果、当社からの追加の要望やプラント事業者の要因で設計変更があっても、その追加コストも最小限に抑えられ、当初の事業計画予算内で工事を完成させることができました。
※VE(Value Engineering)提案とは、建物の性能、機能を維持または向上させつつ、コストダウンを図る方法を提案することをいう。
CMによる品質確認 タービン棟内部
(CMからのVE提案)
機器発熱量の精査から、換気機器台数の削減を提案し、ご採用
◆CMに依頼してよかった!! 
 今回、はじめてCMを活用したわけですが、その結果に大変満足しております。関電CMの担当者はみなさん技術力が豊富で、設計・工程・施工管理のすべての部分で、細やかな点まで配慮してマネジメントをしていただけました。ゼネコンからも 「プロジェクト初期段階では関電CMからのコメントが厳しく、対応に苦労することもあった。一方で、発電所建設のノウハウが少ないため、継続的にサポートをしていただき、設計者・工事会社として大変助かった。」 との言葉をいただいています。それを聞いて、本当に依頼して良かったと思いました。
 これから脱炭素社会、地域社会への貢献のため、安定運転に努め、地域から愛される発電所に育てていきたいと思います。
 今後も機会があれば、関電CMの採用を検討したいと考えています。

工事会社さまの声

◆関電CMの経験と調整力のおかげで、設計業務を進捗できた!
 今回、バイオマス発電所の設計に携わるのは初めてでしたが、設計当初は、当社が今まで経験してきた工場設計とあまり変わりはないと考えておりました。しかし、実際に設計を進めていくなかで、発電用燃料である PKS(パームヤシの殻)の性質がいかに特殊なものかを知り、設計の難しさを痛感しました。
 PKSの発火の可能性や含油水の排出、植物油に起因する土間コンクリートの劣化や粉塵など、燃料用倉庫の仕様を検討していくうえでノウハウが無かったため、関電CMからバイオマス発電所他で対応してきた豊富な知見で、技術的なアドバイスをしていただいたおかげで、設計を進めていくことができました。
  また、設計条件や課題を整理して、一つ一つ問題を解決しながら確実に進めていけたことも関電CMあってこそと考えています。
PKS燃料と燃料倉庫
◆業務遂行のプロセスにおいて、CMの影響力は大きい!
 設計業務から工事竣工まで、プロジェクトをご一緒させていただき、関電CMからの的確な指導もあって、工事完成まで、発注者様、土建事業者、プラント事業者、そして関電CMと一丸となってプロジェクトを遂行出来たと実感しています。
 当社としても、本建設プロジェクトの経験を活かして、他案件のバイオマス発電所の設計・施工に取り組んでおりますが、スケジュール管理やコスト管理など業務遂行のプロセスにおいて、CMの影響力は大きく、CMの有無の違いを如実に感じています。関電CMからは、時には厳しい指摘もありましたが、中立の立場でありつつ、ゼネコン側にも寄り添ったアドバイスをいただき、業務遂行のうえで円滑な関係が築けていけたのではないかと考えます。
 機会があれば是非、同じ事業スキームでお仕事ができたらと思います。