人命にかかわる非常用発電機の動力を確保でき、停電時も安心です。

近畿大学病院さま

緊急時における配送の確実性と安定供給を最優先に考え、「緊急時燃料配送サービス」を導入。
災害拠点病院としての追加要件をクリアし、3日分の石油燃料の備蓄を実現した。

導入のきっかけと経緯

近畿大学 医学部・病院事務局 施設用度課
課長代理 中野 周一さま

大阪府南部エリアで唯⼀の大学病院であり、南河内医療圏における災害拠点病院でもある近畿大学病院さまは、2020年1月に「かんでん総合防災サービス」の「緊急時燃料配送サービス」を導入された。その背景について医学部・病院事務局 施設用度課 課長代理の中野周一さまは、次のように語る。「2018年9月に厚生労働省の医政局から通知があり、その中で災害拠点病院の指定要件として3日分の燃料備蓄が必要であることが明記されました。当院では、1996年に災害拠点病院の認可を受けて以来、災害や停電に備えて非常用発電機を導入し、2日分の燃料備蓄をしていたのですが、さらに1日分の燃料を追加するには、スペースの確保等の問題がありました。また、現在の大阪狭山市から堺市南区の泉ヶ丘へ新築移転する計画もあり現在地での燃料タンクのスペース追加拡充を検討する一方、タンク設置に係る大きな投資に代わる方策がないか考えていました。そこでエネルギーの専門家である関西電力さんにお声がけしたところ、「緊急時燃料配送サービス」をご紹介いただきました。」

近畿大学病院さま 燃料備蓄に対する取り組みのポイント

  1. 非常用発電機用の石油燃料2万リットル(2日分)を敷地内に備蓄
  2. 3日分の燃料備蓄のため、外部委託を検討
  3. 「緊急時燃料配送サービス」の導入により、1万1千リットルの専属燃料を確保
非常用発電機用石油燃料の
備蓄スペース(地下)と配管

導入までに中野さまは、インターネットで他社が提供する類似のサービスを調査し、ヒアリングを行うなどして比較検討を行っている。そのうえで、関西電力のサービスを導入することに決めた理由について「関西電力さんとはこれまでも折に触れ、電力供給やBCP(事業継続計画)について情報交換をさせていただいていたという経緯もあり、一番信頼できるパートナーだと思ったからです。さらに関西電力さんがこのサービスを提供するにあたって、提携されている日本BCP株式会社も創業以来、石油を販売する会社で信頼できると思いました。またサービス内容も他社より確実性が高いシステムになっていました。特に専属のタンクローリー車が確保され、石油燃料も専属保管がなされることは、関西電力さんのサービスの大きな特徴で、安心材料として高く評価できます。」と言う。そうして、病院の敷地内(地下)に備蓄されている2万リットルの石油燃料に加え、「緊急時燃料配送サービス」の1万1千リットルを確保し、3日分の燃料備蓄を実現させた。

「緊急時燃料配送サービス」の魅力

病院にとって、電力供給の有無は診療活動に多大な影響を及ぼし、人命を左右する。特に災害時の地域医療において重大な役割を担う災害拠点病院としては、万が一の停電に備え、平時から確実な燃料確保をしておくことが重要である。

「関西電力さんからは、導入までにシステムの特徴と当院に必要な燃料備蓄量や当院までの配送経路・時間のシミュレーション等の詳細な提案を受けました。その中で魅力に思った第一は、専属車両を確保し専属配送ができることです。災害時にはがれきの撤去などに必要な建設機材等への給油のため、多くのタンクローリー車が必要となり、燃料配送のための車両確保が難しくなるケースも少なくありませんので、専属車両を持っていることはとても重要です。第二は、専属保管している石油燃料は、貯蔵基地が決まっているものの燃料の貯蔵基地は全国に配備されており、もしも私共の貯蔵基地が被災しても各拠点のバックアップ体制が整っていることです。さらに備蓄燃料は常に循環するシステムが構築されており、経年劣化によっていざというときに使えなかったり、配管を傷めてしまうといったトラブルを回避できるところにも注目しました。一方で、専属車両、専属配送、専属保管の石油燃料が約束されていない他社のサービスと比べると、ランニングコストがかかります。しかし、病院としては確実に燃料を確保することが最優先ですので、このサービスを知り得ることができて本当に良かったと思っています。」と中野さま。「緊急時燃料配送サービス」では、希望すれば給油訓練が可能なので、今後、病院が実施する災害訓練時にあわせて行うことも検討している。

「新築移転時には、病院の敷地内で3日分の燃料を備蓄する予定です。しかし、3日分で足りるかどうかは定かではありません。最近では台風による被害が大きく、3日以上の停電を余儀なくされたケースも記憶に新しいので、「緊急時燃料配送サービス」の契約は継続したいと考えています。」と語る中野さまは、信頼できるパートナーとともに燃料確保の確固たる基盤を築き、災害時におけるより万全な診療体制の構築を目指している。

【緊急時燃料配送サービスの仕組み】
お客さまの非常用発電機用燃料を当社が専属貯蔵し、有事の際に専属配送することで、長期停電発生時の備蓄燃料の枯渇に備えます。

担当者のコメント

関西電力 営業本部 法人営業部門
(右)法人営業技術グループ 奥畑
(左)法人営業グループ 富田

病院さまの燃料備蓄をご提案する際に、私共ではそれぞれの状況をヒアリングさせていただいてから、緊急時に必要な燃料量をご提案させていただきます。近畿大学病院さまでは、日頃から緊急時のことをよく検討されており、2日分の燃料備蓄を備えておられました。また近畿大学病院さまの電力供給は常用線と予備線の2回線が用意されており、非常時の電源確保には従来から積極的に取り組まれていました。そのような中で今回、私共に信頼を寄せていただき、「緊急時燃料配送サービス」をご採用いただきましたことに深く感謝しております。今後とも地域医療の要となる病院の機能を支えるために、できる限りのサポートをさせていただきたいと思っております。

近畿大学病院さま
近畿大学病院さま
住所
大阪府大阪狭山市大野東377-2
病床数
929床
H P
https://www.med.kindai.ac.jp/

1975年の開院以来、大阪府南部エリア唯一の大学病院として「安全で質の高い先進医療」を提供するとともに、教育病院として「人に愛され、信頼され、尊敬される医療人」を育成している。1996年に災害拠点病院の指定を受け、2004年には公益財団法人日本病院評価機構の病院機能評価認定を取得。良質な医療の提供による地域医療への貢献に努めるとともに特定機能病院として、がんの診断・治療にも注力している。一方で1982年(昭和57年)に開設された救命救急センターでは、地域の3次救急を担うことに加えて、脳卒中、心筋梗塞等の2次救急告知も受け、幅広く地域の救急医療に尽力している。

掲載の情報は2020年10月現在のものです。