東大阪市と関西電力と三者協定を締結
電気バスで脱炭素やお客さまの快適性を図るだけでなく
災害時の電力供給で社会に貢献します

東大阪市に本社を置き、大阪府や京都府を営業地域としてバス事業を行っている近鉄バス株式会社さまは、貸切バスや高速バス等、395両(2022年2月1日現在)の車両を保有されています。同社は地域に貢献する公共交通事業者として東大阪市と関係が深く、バス電動化に向けて、近鉄バスさま、東大阪市、関西電力の三者で 「東大阪市域の環境対策等の強化に関する連携協定」 を締結し、電気バスの導入を推進されました。今回、営業部技術課課長の中村初雄さまに電気バス導入の経緯を伺いました。

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近鉄バス株式会社さま 「電気バスおよび充放電設備」 導入の決め手

  1. ニーズに合った電気バスの登場、脱炭素の市場背景を踏まえて電気バスを導入
  2. 関西電力が導入を全面的にサポート。地域との連携も考案
  3. 東大阪市との三者協定締結で、災害時の電力供給でも社会に貢献できる体制を構築

政府の方針や社会の流れなど、さまざまなタイミングが揃い電気バス導入を決断

営業部(安全管理・技術)
部長 安田 拓司さま

当社はこれまで環境対策の取り組みとして、停留所や信号待ちでのアイドリングストップの励行や、エコ運転の実践、車両については、吸気・排気関係の整備点検の強化やハイブリッドバスの導入といった対策を行ってきました。加えて、近鉄グループとして2015年4月に打ち出した 「環境方針」 の中で環境負荷軽減が宣言され、当社としてもより環境にやさしい車両を導入する必要があり、電気バスの検討を始めました。

営業部 技術課
課長 中村 初雄さま

近年まで、電気バスはディーゼルエンジン車を改造したものが多く価格も高いため、導入の意思決定まではなかなか至らない状況でした。
水素を燃料とする燃料電池バスも検討したことがありましたが、車体と一体化された水素タンクの耐久性に課題があると聞き、導入に踏みきれませんでした。
そんな中、政府が2050年の温室効果ガス排出ゼロの目標を掲げたことや、中国の電気バスメーカーBYD社が日本向けに小型の電気バスを発売することがきっかけで、本格的に電気バスの導入を進めることになりました。

関西電力グループのきめ細かいサポートのおかげで、
安心して電気バスを導入できました

当社が本格的に電気バスの導入を考え始めたタイミングで、関西電力さんからバスの電動化についてご提案がありました。
充電設備の構築、設計工事、導入後の運行に最適な充電の運用など、エネルギーマネジメントをパッケージで提供していただくだけでなく、政府に対する補助金申請等、煩雑な手続き関連までご支援いただき、社内検討段階から実際の導入まで、安心して進めることができました。
さらに、関電L&Aさまの協力によって、電気バスをリースで導入することで初期投資を抑えることが可能となり、新型コロナの影響で経営環境が厳しい中、導入決定に向けた社内コンセンサスの形成に役立ちました。

東大阪市との三者協定締結で、脱炭素だけでなく、
災害時の電力供給で社会に貢献できる体制を構築

電気バスの検討をさらに推進するために、東大阪市さまの参加を関西電力さんからご提案いただきました。当社は東大阪市に本社を置き、東大阪市さま、関西電力さんの三者で地域課題や環境対策などについて以前から協議を行っていたこともあり、すぐに東大阪市さまに電気バス導入を提案し、専門部署の方々と迅速な協議を行いました。
行政としても環境対策の強化やSDGsの推進を市民に大きくアピールできることから、東大阪市さまにも電気バス導入への取り組みに積極的に参加していただけました。また、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー由来の電気を公共施設へ供給するなど、電気バスにとどまらず、脱炭素化に向けた意見交換を重ねました。

さらに、関西電力さんから当社と東大阪市さまに対し、三者の連携をさらに深めることを目的とした 「東大阪市域の環境対策等の強化に関する連携協定」 の提案があり、2021年10月に協定を締結しました。
本協定の検討事項には電気バス等による脱炭素化にとどまらず、災害等の緊急時における電力供給についても明記されており、災害発生時には電気バスを活用して防災拠点に電力供給をすることで、大きく社会貢献できるものと考えています。

当社は、2022年2月17日より正式に電気バスの運行を開始しました。現在、東大阪市の近鉄八戸ノ里駅と市立東大阪医療センターを結ぶ路線、大阪市の近鉄上本町駅、JR桃谷駅と大阪警察病院を結ぶ路線の2系統で運行中です。電気バスがBYD社の小型タイプJ6(定員25名)で排気ガスやエンジンによる騒音が少なく、通院される方々にとって快適なサービスを提供できると考え、病院路線への導入を選択しました。今後は、病院関係の方々や通院で使われるお客さまの感想・ご意見を実際に聞きながら電気バスの快適性についても確認をしていきたいと考えています。

次は大型電気バスも視野に。導入拡大を目指して

当社は電気バスの運行を開始したばかりであり、これからさまざまなデータを収集し検討を重ねる必要があります。関西電力さんからはバスの運行スケジュールに合わせながら、契約電力量の大幅な増加につながらないように充電量をマネジメントしていただいたり、夜間電力を使用した充電スケジュールを提案・実行いただいており、運行コストの削減につながることを期待しています。

また、今後電気バスの導入拡大を進めるうえでの最大の課題は、営業所の限られたスペースに充電器を設置することです。当社の営業所の多くは市街地にあり、狭いところも少なくありません。限られたスペースで充電に必要な設備を構築する必要があると考えており、例えば外国で導入されている 「パンタグラフ式」 車両を使用したり、走行しながら給電するワイヤレス充電を活用したりするなど、関西電力さんと自由な発想で協議しながら諸問題の解決を目指します。

今後の具体的な計画として、まずは、敷地面積に余裕のある摂津市鳥飼営業所への導入を考えています。また、鳥飼営業所が担当する阪大病院へ向かう路線に、大型の電気バスの導入についても検討しており、運行した場合のコスト等を関西電力さんと協力しながら確認し、導入検討を進めていきます。 そして、2025年には 「大阪・関西万博」 が開催されます。開催までに大阪府は100両の脱炭素バス導入を目標としており、当社もそれに向けて電動化をより一層、促進していきます。

※:大阪府では万博開催までに約100両の脱炭素バス導入を目指し、万博への協力を条件に、バス購入費用の約3分の1を補助すると発表

担当者のコメント

関西電力株式会社 ソリューション本部
営業部門 法人営業第一部 法人営業グループ
課長 辻 利明

今回、近鉄バスさまの電気バス導入において、「車両」、「充電器」、「エネルギーマネジメント」、「工事」 をパッケージ化した 「電気バスパッケージサービス」 をリースにてご採用いただきました。
さらに電気バスを導入するのみに留まらず、自治体さまとの連携を実施することとしており、具体的には2021年10月5日に、近鉄バスさま、東大阪市さまとの三者で東大阪市域の環境対策等の強化に関する連携協定を締結しています。このように電気バスの導入により、自治体さまと連携しながら地域の脱炭素にもつなげることができる商材でもあり、今後もさまざまなお客さまや自治体さまに展開していきたいと考えています。

関西電力株式会社 ソリューション本部 
営業部門 法人営業第一部 法人営業グループ
佐藤 周一

今後、近鉄バスさまとは今回の東大阪市さまとの協定に基づき、電気バスを活用した具体的な環境強化およびBCP対応に向けた検討を進めていきたいと考えています。
また、今後の電気バス導入拡大に向けて、長期的な視点に立って運行と充電の最適化について検討していきたいと思います。

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株式会社 富士製作所さま
近鉄バス株式会社さま
住所
東大阪市長栄寺19番17号
H P
https://www.kintetsu-bus.co.jp/
事業内容
一般乗合旅客自動車運送事業、
一般貸切旅客自動車運送事業、
特定旅客自動車運送事業等

1999(平成11)年、近畿日本鉄道から乗合バス事業を継承し、設立。大阪府や京都府で9つの営業所を持つ。大阪府下の近鉄沿線の他、阪急京都線、JR学研都市線、JR大和路線、JR京都線沿線で路線バスを展開する。2階建てオープントップ型定期観光バス 「OSAKA SKY VISTA」 など、ユニークなバスも運行しており、高い人気を誇っている。