店舗毎における “省エネ格差” が課題に
当社は、2019年に、将来に向けた永続的な成長を展望する長期ビジョン 「New Stage 2025」 を公表しました。2025年度までに、売上高5,000億円の達成と、ありたい姿である 「誰からも愛される、日本を代表する住まいと暮らしの総合企業」 の実現を目指しています。このため、当社の強みである 「関西ドミナント」 の更なる強化に向けた新規出店や、既存店の改装を意欲的に行っています。
さらに、2020年9月には 「岡山流通センター」 を開設し、西日本における商品供給網の強化に加えて、首都圏でも 「ビーバートザン」 や 「建デポ」、「ドイト」 において、商品力の強化や店舗改装を進めてお客さまへのアピール力の更なる改善と強化を図り、新たなドミナントの構築に向けて戦略的に事業を展開しております。
また、業界内での差別化に向けて、新業態の出店も進めています。2020年9月にキャンプ専門店の第1号店 「CAMP DEPOT 鳳東町店」 をオープンしました。キャンプ初中級者をターゲットに、従来のホームセンターにはない品揃えを拡充しています。お客さまからも好評で、業績も順調に推移していることから、2号店となる 「CAMP DEPOT 橿原香久山店」 をオープンしました。キャンプ専門店の運営ノウハウを培い、当社の新たな強みとしていきたいと考えております。
このような取り組みのベースとなる、社内教育や働きやすい環境づくりに加えて、SDGs※や省エネ、省CO2にも力を注いでいます。
全社を挙げてこうした取り組みを推進したいのですが、一方で店舗毎には大きな省エネ格差も存在していました。9,000名を超えるパートさんからアルバイトさんまで、全従業員への浸透は本当に難しいものでした。店舗スタッフに最優先事項として取り組んでもらうにはどうすればよいか。本社で頭を悩ませていたときに、関西電力さんから 「エナッジ®」 を提案いただきました。
※ SDGs : 2015年に国連サミットで採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際指標
「エナッジ®」 なら従業員へ負担をかけずに省エネ意識を喚起
「エナッジ®」 の導入を決めた最大のポイントは、あらゆる情報が見える化されるという点です。タブレットで1日の電力使用量の推移やデマンド値を確認できる。加えて、AIがその日の電力のピーク時間などを予測し、省エネの方策までアドバイスしてくれるというのです。ひと昔前であれば、店舗側から 「使い方がわからない」 や 「業務負担が増える」 といった抵抗があったかもしれません。しかし、スマートフォンやタブレットがこれだけ普及した今なら、導入の心理的ハードルも低く従業員にかかる負担も少ないのではないかと考えたのです。
店舗では、毎朝の出勤時に、タブレットを見るだけでどんなアクションをすればよいのかが具体的にわかり、業務負担もかからない。本社も各店舗の取り組み状況をリアルタイムで把握でき、一元管理ができるので非常に効率がいい。更なる事業の発展につながると確信しましたね。近畿各府県、愛知県、岐阜県の247地点へ一斉導入することを決め、店舗スタッフに少しでも早く慣れ親しんでもらうために、関西電力さんに協力いただきながら導入前の説明会を開催しました。
関西電力さんを選んだ理由は、一言でいうと 「信頼」 ですね。当社のことを深く理解していただいており、営業・技術窓口も丁寧な対応でしたので、安心してお任せすることができました。もちろん、関西電力さんの電力供給エリア外の店舗でも信頼に応えていただきましたよ。遠方であるからといって対応が遅れたり、担当者が地域ごとに替わったりということもなくワンストップで対応してくれましたので、業務が煩雑になることもありませんでした。今回採用した中部エリアでも関西の店舗と同じように対応いただいているので、非常に助かっていますね。
省エネ行動の見える化により、3%の電力使用量削減と
全従業員の省エネ意識の定着を目指す
2020年8月に 「エナッジ®」 を導入し、3%の電力使用量削減を目標に、省エネ活動に取り組んでいます。コロナ禍と重なる時期でもあり、店舗では換気を優先しているという状況ですが、とても健闘しているのではないでしょうか。店舗単位で見ると高い省エネ効果が現れているところもあるので、情報を収集しながら店舗毎のバラツキをなくすための展開を行っていきます。
店舗では、従業員が出社する際にタイムカードを利用します。そのすぐ横にタブレットがあり、毎日異なる具体的でかつ簡単に取り組める省エネ行動が3つタイムリーに表示されるので、「その日に何をすれば良いのかがすぐにわかる」 という声をよく聞きます。月末の到達見込みまで一目でわかるので、店長からは 「節電に対して今まで以上に注意深くなった」 という話も聞いています。それらの情報が本部へ自動で集約連携されるわけですから、これをもとに対策を盛り込んでいくこともできるようになりました。電力使用量と省エネ方策を同時に見える化できるようになったことが非常に大きいと感じています。
当社の来期の経営方針として、「すべての経営活動をお客さま視点へ転換させる」 という項目があります。これからも 「エナッジ®」 を活用しながらグループ全体で省エネに取り組み、「誰からも愛される、日本を代表する住まいと暮らしの総合企業」 を目指して頑張っていきたいと考えています。