導入のきっかけ
京都府下に本社・工場の他に2つの工場と東京に営業所を構え、230名以上の社員を擁する須河車体株式会社さま。「これまで災害などの緊急時には、各部署の長から順番に緊急連絡網で電話する昔ながらのやり方で安否確認を行ってきました。しかし社員数が200名を超える企業に成長した現在、この方法では限界があると常々感じていました」と、総務部部長の吉岡祥司さまは明かす。社員の多くは京都府を中心に関西一円に住んでおり、災害が起きた際の被災状況は地域によって異なる。電話連絡では時間がかかる上に、場合によっては電話できない事態も考えられる。
「全社のBCP(事業継続計画)を考えていた矢先、提案されたのが「安否確認システム(ANPiS)」でした」と吉岡さま。「ANPiS」を評価したポイントは、まず災害発生時に登録されたメンバーの携帯電話に安否確認メールが自動で通知されること。加えて他社のシステムと比べて遜色ないサービスでありながら、想定よりコストが安かったことも「ANPiS」を選ぶ理由の一つになった。
同社の社員数の場合、スタンダードプランで1万6,000円/月(税抜)、ファミリープランで1万8,100円(税抜)と、一般的な他社のサービス料金と比較しても低価格に抑えられる。「何より信頼性の高さが「ANPiS」に決めた最大の理由です。当社では電気契約だけでなく、社内の無線LANシステムやクラウドサーバ、社用携帯電話などの情報通信の分野も関西電力グループに委託しています。その経験からも関西電力なら安心して任せられると考え、導入を決めました」と吉岡さまは語る。
導入のメリット
「新しいシステムを導入するにあたっては、ある程度困難を予想していましたが、煩雑な手続きはほとんどなく、想像以上にスムーズに導入できました」と吉岡さま。社員への説明会を実施した後、数度のテスト運用を実施。テスト配信にうまく返信できなかった社員に改めて説明と再配信を行い、使い方を徹底した。
「台風や地震などで災害が発生した際、気象庁が発表する情報と連動して安否確認メールが自動で配信されるのが「ANPiS」の一番の利点です。夜間などで各部署の長が被害に気づかなかったり、万が一被災しても登録された社員と家族の安否を確実に確認できるので安心です。また、いち早く社員の安否や災害の状況を確認して経営陣に報告できるので、会社や工場の操業についての迅速な経営判断にもつなげられます」と吉岡さまは「ANPiS」導入のメリットを語る。2019年10月、台風19号によって関東地方が記録的な大雨に見舞われた際、東京の東日本営業所に勤務する社員とその家族に安否確認メールが送信され、スムーズに安否を確認できたという。
加えて「ANPiS」導入の過程が防災教育としても有効だったと吉岡さまは話す。「災害時、迅速に安否を連絡できることが管理者や周囲を安心させ、結果的に災害対策の対応者の負担を減らし、減災や早期復旧につながります。社員一人ひとりにそうした安否確認の重要性を徹底できたことが、防災の強化につながると考えています。」
近年、企業の社会的責任としてBCP(事業継続計画)に取り組むことが求められるようになっている。「とりわけ当社のお取引さまは大企業が多く、当社の製品や部品の供給が止まれば、お取引さまはもちろん、業界全体に甚大な損害をもたらしかねないため、取引条件として高いレベルのBCPが求められます」と吉岡さま。同社は現在、本社・工場の移転を計画。「災害に強い工場」を目指し、目下新本社・工場を建設中だ。「それと並行して新たなBCPを策定しているところ。「ANPiS」はその要になると考えています」。吉岡さまはそう信頼を寄せた。