太陽光発電のメンテナンスは必要?費用相場や点検頻度も紹介
2025.9.16
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目次
太陽光発電設備の定期点検をはじめとするメンテナンスは、故障や事故を防止するために欠かせません。改正FIT法ではメンテナンスが法的に義務付けられているため、継続して点検等を実施していく必要があります。
メンテナンスには、自社でできるものと業者に依頼すべきものがあり、「PPAモデル」 の太陽光発電の場合、メンテナンスすべきタイミングの管理やメンテナンスの実施をすべて業者に任せられます。
この記事では、太陽光発電設備でメンテナンスが必要な理由や、メンテナンス(定期点検・日常点検)の内容、定期点検の頻度、各種のメンテナンスにかかる費用、メンテナンスの手間が省ける 「PPAモデル」 について解説します。
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太陽光発電設備のメンテナンスが必要な理由
太陽光発電設備のメンテナンスが必要な理由としては、大きく以下の4点が挙げられます。
- ●法律で義務付けられているため
- ●発電量の低下や故障を防ぐため
- ●事故を防ぐため
- ●寿命を延ばして長期間運用するため
法律で義務付けられているため
太陽光発電のメンテナンスは法律で義務付けられていて、多くの場合は実施が必須となっています。
以前は、50kW以上の産業用太陽光発電のみでメンテナンス(保守点検や維持管理)が義務付けられていましたが、2017年4月に施行された改正FIT法では、50kW未満の住宅用太陽光発電まで適用範囲が拡大されています。
2025年現在、50kW未満かつ固定価格買取制度(FIT制度)を利用しない場合を除いては、産業用・住宅用にかかわらず、太陽光発電設備のメンテナンスは法律上の義務とされています。
なお、保守点検や維持管理を行わなかった場合、指導・助言、改善命令、認定の取り消し等の処分が課される可能性があります。
太陽光発電の点検義務についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:太陽光発電に点検義務はある?改正FIT法による義務内容や点検の注意点を紹介
発電量の低下や故障を防ぐため
発電量の低下や故障を防いで適切に太陽光発電を運用するために、メンテナンスは欠かせません。
太陽光パネルの表面に鳥のフン、砂や埃、枯れ葉、花粉等が付着すると、発電効率が悪くなり、発電量が低下してしまうことがあります。定期的なメンテナンスで表面の汚れを取り除くことで、発電量の低下を防ぐことが可能です。
また、点検を通じて早期に故障や不具合を発見して修理や部品交換を実施すれば、故障等を抱えたまま非効率な発電を続ける事態を避けられます。早期に不具合・故障に対処することで、設備の寿命を延ばすことにもつながります。
太陽光発電の発電効率についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:太陽光発電の発電効率・変換効率とは?計算方法や効率低下の原因・上げる方法を紹介
事故を防ぐため
太陽光パネルのメンテナンス不足でパネルの固定が緩んだ場合、強風でパネルが飛ばされて事故を起こすことがあります。飛散したパネルが周囲の人や建物に当たると、けがや物的損害をもたらすおそれもあります。
事故を防ぐためには、パネルや架台の固定状況や各部の接続の緩み等を確認し、不具合があれば適切に対処することが必要です。
また、太陽光発電設備のメンテナンス不足から火災が発生するケースもあります。パネルの損傷部分やホットスポットでの発熱、パワーコンディショナーの故障、ケーブルの接続の問題等、火災の原因はさまざまです。火災リスクを低減するためにも定期的な点検が重要です。
寿命を延ばして長期間運用するため
太陽光パネルの寿命は20~30年、パワーコンディショナーの寿命は10~15年程度が目安です。しかし、実際にどれだけ長く使えるかは、不具合に対する早期対応の有無で大きく変わります。
パネル表面の汚れやクラック、配線や接続部の緩み、パワーコンディショナーの異音・発熱、フィルター詰まり等の不具合を放置すると、故障に至るリスクが高まります。メンテナンスや点検で不具合を早期に発見・対処できれば、故障や損傷を抑えることが可能です。
太陽光パネルの寿命についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:太陽光パネルの寿命はどれくらい?劣化要因と長持ちさせるポイントを紹介
太陽光発電設備のメンテナンス内容

太陽光発電設備のメンテナンスは、専門業者に依頼して実施する 「定期点検」 と、太陽光発電設備の所有者が実施する 「日常点検」 の大きく2つです。それぞれのメンテナンスの内容を、以下で見ていきます。
専門業者による 「定期点検」
定期点検は、販売店・工務店・太陽電池モジュールメーカー等の専門業者に依頼して実施します。点検項目は設置後の年数や使用状況によって異なり、以下のような点検が行われます。
- ●太陽光パネルの絶縁抵抗値・開放電圧の測定
- ●パワーコンディショナーの異音・発熱・通気孔の目詰まり等の確認
- ●ボルトの緩みの確認
- ●外観の目視点検(ケーブル・架台の損傷の確認、雑草の影になっていないか等)
自分で行う 「日常点検」
自分で行う日常点検では、太陽光発電設備が異常なく動作しているか、できる範囲で外観異常、異音・異臭等をチェックします。また、定期的に発電量をチェックすることは、異常の早期発見にもつながります。
一般社団法人日本電機工業会・一般社団法人太陽光発電協会 「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」 による日常点検要領は、次のとおりです※。参考にしながら、個別の設備にあわせた日常点検を実施しましょう。
▼太陽電池アレイ、架台
点検項目 | 点検要領 |
---|---|
太陽電池モジュール表面の汚れ及び破損 | 表面に著しい汚れ、きずおよび破損がない |
太陽電池モジュールのフレームの破損及び変形 | フレームに破損及び著しい変形がない |
架台の腐食及び破損 | 架台に著しいきず、汚れ、さび、腐食及び破損がない(さびの進行のない、めっき鋼板の端部に発生するさびは除く)。 |
ケーブルの破損 | ケーブルに著しいきず、破損がない |
屋根葺材の破損 | 屋根葺材が破損していない、すき間またはズレがなく収まっている |
電線管の破損 | 配線ケーブルを納める配管に著しいきず、腐食等がない |
周囲の状況 | 影の状態の確認、鳥の巣、雑草、樹木等の状態が安全、発電性能に著しい影響がない |
▼PCS(パワーコンディショナー)
点検項目 | 点検要領 |
---|---|
外箱の腐食及び破損 | 外観に著しい腐食、さび、きず、及び機能を損なう可能性のある破損がない (鍵付きの場合)扉の施錠がされている |
外部配線(接続ケーブル)の損傷 | PCSへ接続する配線に著しいきず、破損がない |
電線管の破損 | 配線ケーブルを納める配管に著しいきず、腐食等がない |
通気確認(通気孔、換気フィルタ等) | 通気孔をふさいでいない 換気フィルタ(ある場合)が目詰まりしていない |
異常音等 | 運転時の異常音、異常な振動、異臭および異常な過熱がない |
表示部の異常表示 | 表示部に異常コード、異常を示すランプの点灯、点滅等がない |
発電状況 | 表示部の発電状況に異常がない |
▼接続箱(PCS 内蔵型を含む)、集電箱、その他(開閉器、ELB(漏電ブレーカー)、WH(電力量計)等)
点検項目 | 点検要領 |
---|---|
外箱の腐食及び破損 | 外観に著しい腐食、さび、きず、及び機能を損なう可能性のある破損がない |
太陽光発電設備のメンテナンス費用
産業用太陽光発電設備のメンテナンス費用は、複数のサービス提供業者の料金をふまえると、高圧・特別高圧の設備で年平均100~200万円程度、低圧の設備で年平均10〜15万円程度が目安です。
また、設備に不具合が生じた際は、修理・交換のために費用が発生することがあります。例えば、太陽光パネルの交換であれば1枚あたり5~15万円程度、パワーコンディショナーの交換であれば10~30万円程度が目安です。
太陽光発電設備のメンテナンス(定期点検)頻度
太陽光発電協会では、太陽光発電設備を電気設備として位置付け、以下の頻度での点検を推奨しています。
電気工作物 | 一般用 | 自家用 | |
---|---|---|---|
一設置者あたりの電気容量 | 太陽光発電システムの出力容量 | 50kW未満 | 50kW以上 |
受電電力の容量(契約容量) | 50kW未満 | 2000kW未満 | |
系統連系区分 | 低圧連系 | 高圧連系 | |
主な施設 | 戸建住宅、小規模な工場、事務所等 | 学校、工場等 | |
点検頻度 | 定期点検 4年に1回以上 | 受変電設備 : 2~6ヶ月に1回 パネル及びパワーコンディショナー : 6ヶ月に1回 |
50kW以上の高圧太陽光発電は、受変電設備で2~6ヶ月に1回、パネル・パワーコンディショナーで6ヶ月に1回の定期点検が義務付けられています。
メンテナンスの手間を削減するなら関西電力 「太陽光発電オンサイトサービス」
メンテナンスの手間がネックで太陽光発電の導入を迷っているなら、PPAモデルを検討するのがおすすめです。
PPA(Power Purchase Agreement)は、エネルギーサービス事業者と契約して太陽光発電設備を設置してもらう導入方法です。自社での保有とは異なり、需要家が設備を購入・所有・管理する必要がなく、メンテナンスも事業者が実施するため、追加でメンテナンスの手間や費用がかかりません※1。
関西電力ではPPAモデルでの太陽光発電として 「太陽光発電オンサイトサービス」 を提供しています。初期費用ゼロでお客さまの敷地内に設備を設置するオンサイトPPAサービスです※2。
関西電力の 「太陽光発電オンサイトサービス」 では、点検、機器の交換、遠隔監視、トラブル対応等をトータルでサポートします。
関西電力 「太陽光発電オンサイトサービス」 のアフターサポート
連絡窓口 |
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遠隔監視 |
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異常時の対応 |
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導入からメンテナンスまで関西電力がワンストップで実施するため、複雑な手間なく導入が可能です。電気料金を抑えられ、サービス料金込みでコストを削減できます。契約期間は原則20年ほど※3です。
また、関西電力の太陽光発電設備に標準搭載されている機能 「SenaSon」 を使って、蓄電池やEV(電気自動車)、生産設備等複数の設備をAIが自動で制御し、発電した電力を最適なバランスで運用可能です。
なお、オンサイトPPAのご提供には設置場所の面積が900㎡以上必要なため、条件に合わないお客さまは、設置場所不要の太陽光発電 「コーポレートPPA」 をご検討ください。
- 故障時に保険金額を超える修理をお客さまが希望される場合等、追加料金が発生する場合もございます。
- 一部、電気工事等の費用が必要な場合があります。
- 途中解約には違約金が発生します。
太陽光発電のメンテナンスについてよくある質問
太陽光発電のメンテナンスについてよくある質問をまとめています。
太陽光発電のメンテナンスは自分でできる?
日常点検は自分でも可能ですが、定期点検は業者に別途依頼する必要があります。日常点検では、外観異常、異音・異臭等をチェックし、設備が異常なく動作しているかをできる範囲で確認します。
定期点検では、例えば太陽光パネルの絶縁抵抗値・開放電圧の測定、パワーコンディショナーの異音・発熱・通気孔の目詰まり等の確認、ボルトの緩みの確認、外観の目視点検等が行われます。
太陽光発電のメンテナンスは義務?
産業用・住宅用ともに太陽光発電を運用する際には、定期点検が義務付けられています。2017年施行の改正FIT法では、50kW未満の住宅用まで定期点検の義務の適用範囲が拡大されました。
メンテナンスを実施してトラブルなく太陽光発電を運用しよう
太陽光発電のメンテナンスは、不具合・事故の防止のために必要なもので、法律でも義務付けられています。定期的なメンテナンスを実施することで、設備の故障や発電量の低下を防止し、長く安全に運用することが可能です。
専門業者による定期点検と日々の日常点検を実施して、トラブルなく太陽光発電設備を運用していきましょう。
なお、メンテナンスの手間やコストがネックで太陽光発電の導入を迷っているなら、「太陽光発電オンサイトサービス」 が選択肢です。導入から運用まで関西電力グループが一貫してサポートします。
メンテナンスや初期費用の面で太陽光発電の導入を迷っている事業者の方は、関西電力「太陽光発電オンサイトサービス」 をご検討ください。
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監修者 北村 和也(きたむら かずや)
日本再生可能エネルギー総合研究所 代表/株式会社日本再生エネリンク 代表取締役/地域活性エネルギーリンク協議会 代表理事/埼玉大学社会変革研究センター・脱炭素推進部門 客員教授
早稲田大学政治経済学部政治学科卒。民放テレビ局にて、報道取材、環境関連番組等制作し、1998年よりドイツ留学。その後、研究所等を設立。
◎主たる活動:
- ・再生エネ普及のための情報収集と発信
- ・再生エネ、脱炭素化等の民間企業へのコンサルティング、自治体のアドバイザー
- ・地域での経済循環、活性化のサポート
- ・エネルギージャーナリストとして、講演、セミナー、各種の執筆
サービス概要資料
太陽光発電オンサイトサービス

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