逆潮流の仕組みとは?自家消費型太陽光発電での対策方法を解説
2025.4.23
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逆潮流は、建物や施設等の需要家側から送電線や配電線網に電力が流れることです。
太陽光発電で余剰電力を売電する際には、電力を系統側へ逆潮流させます。一方、自家消費型の太陽光発電は、電力の自家消費が前提のため逆潮流を防止する制御システムやRPR(逆電力継電器)等による対策が必要です。
この記事では、逆潮流の概要や系統連系の種類(逆潮流あり/なし等)、自家消費型太陽光発電で逆潮流の対策が必要な理由や具体的な対策方法を解説します。
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「逆潮流」 とは?
逆潮流とは、需要家側から系統側に電力が流れることです。電力の流れを表す用語として「順潮流」「逆潮流」 という言葉があります。
順潮流 | 系統側から需要家側に電力が流れる |
逆潮流 | 需要家側から系統側に電力が流れる |
電力会社の送電線や配電線網(系統側)から、電力を消費する建物や施設(需要家側)に電力が流れることを 「順潮流」 と呼びます。
一方で、電力を消費する建物や施設(需要家側)から、電力会社の送電線や配電線網(系統側)に電力が流れることを 「逆潮流」 と呼びます。
「逆潮流」 と 「余剰電力」 の違い
逆潮流と関連する用語として、「余剰電力」 があります。余剰電力は、太陽光発電で発電した電力のうち自家消費されなかった電力を指す言葉です。
余剰電力は、逆潮流で電力会社に売電し、売電収入を得ることが可能です。また、その場で使いきれなかった余剰電力は、蓄電池に貯めて夜間等に自家消費する方法もあります。
太陽光発電における系統連系の種類

太陽光発電の系統連系の種類は以下の3つです。
- ●逆潮流あり
- ●逆潮流なし
- ●自立切替型
逆潮流あり
発電した電力のすべて、あるいは自家消費しきれなかった余剰電力を電力会社へ逆潮流させて売電します。また、消費電力に対して発電量が足りない場合には、電力会社から電力の供給を受けます。
なお、逆潮流で売電するためには送電する電力系統に空き容量があり、工事費負担金を支払っていることが条件です。系統に空き容量がない場所では、系統能力増強工事が完了しない限り連系できません。
逆潮流なし
発電した電力を自家消費し、系統側に電力を送らない系統連系の種類です。発電する電力より自家消費の電力需要が多い場合等に利用されます。
余剰電力が発生する場合には、逆潮流を起こさないためにRPR(逆電力継電器)を設置する等の対策が求められます。
自立切替型
停電時に系統から切り離し、発電した電力を特定の設備等に供給できる自立運転機能を備えた太陽光発電システムです。
自立運転機能は主に防災対策として利用されます。例えば、災害によって需要家への電力供給が途絶えた際、自立運転機能があれば自家発電の範囲で最低限の稼働ができ、設備の維持が可能です。
自家消費型太陽光発電では逆潮流の対策が必要
自家消費型の太陽光発電は、敷地内の電力需要の一部を太陽光発電で賄うもので、発電した電力は自家消費することが前提です。
しかし、実際はお昼休みや休日等で電力需要が少ない時、余剰電力が発生し逆潮流が起こるリスクがあります。
各所から逆潮流が起こって送電網に電力が流れ込むと、変電所に受電能力を超える電力が流れ込む「バンク逆潮流」が発生する可能性が高まります。
バンク逆潮流が発生すると、配電系統の電圧を適切に制御できなくなったり、大規模な停電が発生したりすることがあるため、各自家発電設備で逆潮流の対策が必要となります。
逆潮流の対策方法
逆潮流の具体的な対策方法としては、以下の2つが挙げられます。
- ●制御システムを導入する
- ●RPR(逆電力継電器)を設置する
制御システムを導入する
一般的な逆潮流の対策としては、「制御システム」が導入されています。施設ごとの消費電力にあわせて発電量を調整する 「制御システム」 を導入することで、逆潮流の対策が可能です。
例えば、制御システムとして 「負荷追従制御機能」 があり、消費電力に追従するように発電量をコントロールすることが可能です。発電量を最大限に保ちながら逆潮流を防ぐことができます。
RPR(逆電力継電器)を設置する
RPR(Reverse Power Relay=逆電力継電器)は、逆方向の電力を検知して逆潮流が発生しそうな時に一時的に発電を停止させる装置です。自家消費型太陽光発電では、逆潮流を防止するためにRPRを設置します。
なお、自家消費量が発電量を上回る頻度が高く、RPRが繰り返し作動する状態だと発電のロスが大きくなります。
設備の劣化が進む原因にもなるため、RPRの作動頻度が多い場合は、蓄電池や制御システムの導入等の対策も検討しましょう。
加えて、建物の設備負荷に対して太陽光発電の発電量が上回る場合には、導入段階から、余剰電力買取の検討をおすすめします。
関連記事:太陽光発電の余剰電力買取とは?卒FIT後の売電価格やおすすめの事業者を紹介
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逆潮流を理解してトラブルなく太陽光発電を運用しよう
逆潮流は、電力を消費する建物や施設(需要家側)から、電力会社の送電線や配電線網(系統側)に電力が流れることを指す言葉です。
系統連系の種類としては、余剰電力やすべての電力を売電する 「逆潮流あり」、自家消費を前提とする 「逆潮流なし」、災害時等に系統連系から切り離して電力供給ができる「自立切替型」の3種類が挙げられます。
自家消費型の太陽光発電ではすべての電力を自家消費することが前提であり、制御システムやRPR(逆電力継電器)で逆潮流の対策をする必要があります。逆潮流を理解してトラブルなく太陽光発電を運用していきましょう。
なお、関西電力では、初期費用ゼロで太陽光発電を導入できる「太陽光発電オンサイトサービス」を提供しています。導入から運用まで関西電力グループが一貫してサポートします。まずはWebページ等からお気軽にお問い合わせください。
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監修者 近藤 元博(こんどう もとひろ)
愛知工業大学 総合技術研究所 教授
1987年トヨタ自動車に入社。分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステム並びに新エネルギーシステムの開発、導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他エネルギーシステム、資源循環に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他
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